紙の本
遠い野ばらの村
2019/10/12 20:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔法をかけられた舌
空にうかんだエレベーター
ひぐれのお客
ふしぎな文房具屋
猫の結婚式
うさぎ屋のひみつ
青い花
遠い野ばらの村
秘密の発電所
オリオン写真館
海の館のひらめ
ふしぎなシャベル
海の口笛
南の島の魔法の話
だれにも見えないベランダ
「まほうをかけられた舌」のこと
「海の館のひらめ」のこと
一冊のノートのこと
素敵な本ですね。遠い野ばらの村 が一番好きです。
紙の本
心をふっと明るくしてくれる安房直子さんの話たち
2004/06/04 19:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
書評ポータルに毎週掲げられる【特設コーナー】、2004/05/27 「読みたい!幻想文学」で紹介されていた『安房直子コレクション5 恋人たちの冒険』の書評を見て、安房直子さんの作品を読んでみたい気持ちに誘われました。7巻出ている「安房直子コレクション」から、まずこの1冊を選び、初めてその作品に触れてみました。
最初の「魔法をかけられた舌」を読むともうひとつ読んでみたくなり、次の「空にうかんだエレベーター」を読むとまた次のを読んでみたくなり……という具合に読んでいって、気がついたら一日で読んでしまいました。ちょっともったいない読み方だったかな。でも、それぞれが短いお話ですし、途中で読みさしにできなくて、さあーっと一息に読んでしまっていたのでした。
話の中に、おいしそうな料理の匂いや、海の潮風の香りが封じ込められているみたいな気がしました。心をふっと明るくしてくれる灯りが、話の中に点っているみたいなそんな感じ。話がそっと着地する読後感もよくて、読んでいる間、そして読み終えてからもしばらくは、作品のどこかなつかしい魔法に包まれているようでした。
この巻には、不思議なお店やもの言う生き物たちが出てくる話が集められていたみたい。途方に暮れたり寂しい気持ちを抱えた主人公が、話をする生き物の助けを借りて、独り立ちしていく話もいくつかありました。
人間と、たぬきやうさぎ、魚やかえるなどの生き物が話の中では全く対等に扱われていて、おんなじ魔法の空気を呼吸している話の静かな佇まい、それがとても素敵でした。
この巻には、全部で15の話が収められています。順に、「魔法をかけられた舌」「空にうかんだエレベーター」「ひぐれのお客」「ふしぎな文房具屋」「猫の結婚式」「うさぎ屋のひみつ」「青い花」「遠い野ばらの村」「秘密の発電所」「オリオン写真館」「海の館のひらめ」「ふしぎなシャベル」「海の口笛」「南の島の魔法の話」「だれにも見えないベランダ」。
なかでも気に入った話を三つだけ選んでみると、うさぎが毎月の会費と引き替えにお料理を配達する「うさぎ屋のひみつ」、ひとりぐらしの雑貨屋のおばあさんの所に思い描いていたとおりの孫娘が訪れる「遠い野ばらの村」、峠の道をゆりの花がパッパッと蛍光灯のように照らす映像が印象的な「秘密の発電所」でしょうか。そのほかにも、「空にうかんだエレベーター」とか「海の館のひらめ」とか、挙げていったらそれこそ全部っていうくらい、きりがなくなってしまうんですけれど。
本の装幀は、吉田浩美・吉田篤弘さんのクラフト・エヴィング商會のおふたり。この本を読む前に、たまたまクラフト・エヴィング商會の『ないもの、あります』を読んだところだったので、「あやっ? こりゃ、いいタイミングでまあ…」と、目からうろこが落ちるようでした。「目から落ちたうろこ」の使い方が違っていますが(笑)
なにか心がほっと安らぐような、そんなお話を読みたいなと思っている方に、今年刊行された「安房直子コレクション」のまずはどれか一冊いかがですか? と、おすすめしたくなりました。
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「海の館のひらめ」が私は一番印象に残っています。ストーリーはハッピーエンドで普通かと思いますが、綴られている文章にとても惹き付けられます。
他にも「魔法をかけられた舌」、「ひぐれのお客」がすきです。
他にも様々な作品を収めた本がありますが私はこの「見知らぬ町ふしぎな村」が一番好きかもしれません
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童話が大好きなんですが、安房直子さんの話は特に大好きです。明らか小学生向けだとは思うんですが、中学校の頃に図書室にあったので全巻制覇しました。何回読んでも飽きずに物語りに引き込まれていく感じです。どれもすっごく優しくてほんわか温かい話。短編集のシリーズの中でも特にこの本が好きです。中でも『うさぎ屋のひみつ』『海の館のひらめ』が好きなんですが、共通しているのは食べ物関連の話だってこと。美味しそうです。笑
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「魔法をかけられた舌」「うさぎ屋のひみつ」「遠い野ばらの村」など、子どものための短編を中心に15編と、作品理解の助けになる単行本未収録のエッセイを巻末に収録。
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大好きな童話作家です。
この中では「ふしぎな文房具屋」「青い花」の2編が好き。
小学生のころはじめて読んで、いまだに忘れることができず何度も読んでます。
巻末に安房さんのエッセイが収録されているのも、ファンとしては非常にうれしい。
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[ 内容 ]
「魔法をかけられた舌」「うさぎ屋のひみつ」「遠い野ばらの村」ほか、子どものための短編を中心に15編。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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1巻目の感想を載せたのが、9月ですねぇ。
で、その直後から2巻目を読み始めたはずですが、今までかかったのは、途中で思いっきり修羅場をはさんでしまったせいですね。
1話ごとの感想も、読んだ直後には書けなくて、かなり後になってから、書いたものになってしまいました。
それでも、1話ごとに感想を書いていくのが楽しいのは、やっぱり安房直子さんの作品が好きだからなんでしょうね。
魔法をかけられた舌
こういう単純な不思議さが好きです。
こんな魔法なら、わたしたちの周りにけっこうあるのではないかと思えてきます。
空にうかんだエレベーター
ライナスの毛布のように、ギュッとウサギを抱きしめる女の子。
ウサギと女の子の間に、どんな物語があったかは、けっして誰にも気づかれない。
ひぐれのお客
すごいさり気ない話です。
ほとんど、ストーリーなんてない。
でも、
「色っていうのは、ふしぎなものだな。」
というのは、安房直子さんの色に対する感じ方の深さをきっと表していて、やっぱり、読んでいる方も、しあわせな気分になるのでした。
ふしぎな文房具屋
大好きなネコと別れなければならないのは、いつだって耐えられないぐらいにさみしいものです。
でも、人はネコと暮らすことをやめられない。
そして、想い出を蓄積させていく。
なんでも吸いとる吸いとり紙も、「想い出」までは吸いとらないのでした。
猫の結婚式
ますむら・ひろしさんの画集かなにかに、
「家出したネコは、時々、手紙を書いて欲しい…」
みたいな文章があったのを思い出しました。
突然、家からいなくなったネコが、こんな風にしあわせであってくれたら、わたしたちは、どんなに安心することだろう。
そういう優しいお話です。
うさぎ屋のひみつ
なんか、奥さんも、うさぎ屋も、ちょっとモラルが壊れていて、オイオイと笑ってしまいました。
そして、安房直子は、自分の物語のなかに、いろいろな願いは入れても、「教訓」みたいなものは入れたくなかったのだなぁという気が少ししました。
青い花
人は、忙しさ、そして、収入が入ってくることを「しあわせ」だと思いがちだけど…。
もちろん、それがしあわせの1つの形であることは、否定できないです。
でも、別の形もあるのかも。
わたしは、ホッとするような生き方ができるといいなぁ。
遠い野ばらの村
なんていう優しい話だろうと思います。
童話のなかの無垢な動物たちは、さびしい心に感応するのかなぁ。
そして、優しい嘘は、つき続けることが出来ればきっと、最後には本当になるのでしょう。
秘密の発電所
日本的な風景と、発電所という組み合わせ。
こういう組み合わせの不思議が、安房直子さんの作品にはありますね。
そして、最後に、お手玉でおわるという。
いい風景だ。
オリオン写真館
読んでる最中は、いいかげんなオリオンにすごく軽いものを感じていたのですが、読み終わって、実は、これって、すごくリアルな話なのではないかと思ったりもしました。
なんだか、こういう生き方をした写真家って、本当にいそうだと思いませんか?
そして、その写真家は、星のなかに人を、人のなかの星を見つけたんです。
そんな気がする。
海の館のひらめ
テーマが、前面に出ている安房直子さんにしてはめずらしい作品。
その分、実は、ちょっとドラえもんのような安易さがあると思ったりもします。
まあ、のび太くんは、努力しない人なので、この主人公とはちょっと違うか。
でも、エッセイを読むと、安房直子さんは、この作品をかかなければならなかったんだなぁということがよくわかる気がします。
ふしぎなシャベル
夢オチ?とも思えるような、不思議な感じの話なのですが、1つ1つのイメージに、意味をつけていくことも可能のような気がします。
たとえば、スコップでほっていくと、おもちゃがいっぱい出てくるシーン。実は、ほっているのは地面ではなくって、記憶ではなかいと思ってしまいます。
そして、1番すごいと思ったのは、シャベルをおいて帰っちゃうところですねぇ。
その欲のなさが、実は、安房直子作品の透明さにつながっています。
海の口笛
人さらいの話だ(笑)
いや、ちょっと違うか?
こういう、どこかアヤシイお話は、やっぱり好きです。
「そこ」にしか、本当に幸福はなかったのか?
それは本当に幸福なのか?
という疑問は、どうしても残ってしまうのですが。
それでも、わたし自身も、そんなふうに連れて行って欲しいと思う気持ちもあるのでしょう。
ただ、その時の現実の生きづらさというのは、心のトゲとして残しておかなければならないと思います。
南の島の魔法の話
「あんたの味方は、もう妖精だけだよ。」
そういう恋もあるのだなぁと。恋は、盲目といいますから。
でも、その時、不思議と孤独感はないんだろうなぁ。
「しかたないさ。結婚していっしょに暮らすとなったら、どっちかがどっちかの大きさになるしかないさ。」
わたしのピアリピアリは、見つかったかな。
だれにも見えないベランダ
行って帰ってこない話。
実は、こういうお話にも、すごく惹かれます。
帰ってこない限り、彼らの物語は終わってないのですから。
エッセイ
母親の思いの話は、すごく共感しました。
やっぱり、わたしに子どもがいても、同じように育てるのだと思います。
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面白かった!正直で真面目に生きていれば、幸せになれるんだという安房さんの思いが伝わってきた。レストランの話すごく良い。好きな女の子にもじもじして話せないくせに、自信のある料理ならと、パイを渡すところがカワイイ。しかも毎回パイ。かわいすぎる。焚き付ける魚もいい。
見えないベランダも大好きな話で、猫と網を編む話も可愛かった。少し仄暗い、何処と無くコワイ雰囲気が根底にあるんだけど、ふわふわした可愛らしいストーリー、というのが安房さんのお話のイメージ。そこがとても好きです。
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図書館で借りて一部読了。
子供の頃に読んだ「魔法にかけられた舌」という話がもう一度読んでみたくて借りてきました。
当然なのですが今読んでみるとあっさりとした感もありつつ、当時どんな部分にわくわくしたのかもはっきりと思い出しました。
急に亡くなった父のレストランを継ぐことになったものの、全く料理の素質が無い主人公。
途方に暮れていた彼の元に現れたのは長年このレストランの地下に住んでいた不思議な小人の様な存在。
父の料理を深く愛したこの小人は、主人公がその味を受け継ぐことを条件に、どんな料理も食べれば何で出来ているかをすべて見抜く魔法を彼の舌にかけてくれる。
そうして残っていた父が最後に作ったカレーを食べ、その味そのものにも、何で出来ているのかがすべて見抜けることにも感動した彼は、外へと飛び出してあらゆるレストランの味を次々盗み、料理を作ってお店を繁盛させていく。けれどその事に夢中になり過ぎて、地下に眠る父の味を覚えるという約束は忘れたままになってしまう。
そんなある日、ある客が「うちの料理はもっと美味い」と言い残して去っていき…
魔法をかけられた彼の舌が味わう、父の料理の描写が本当に美味しそうなのも素敵なのですが、謎の客を追って地下街の、これまで見たことも無い通路や店並みへと紛れ込む部分が子供の頃は本当にワクワクする部分でした。
子供の頃、地下街と言うのはすごく不思議な場所で、一本間違うとまるで違う部分に見えたり、本当に自分の知らない道が今だけ突然できてるんじゃないかと思ったり、いつか見た筈の場所が次に来た時には見当たらないことにソワソワしたり…そんな妄想にまさにフィットする冒険の部分が大好きでした。
そしてラスト、彼はギリギリで約束に間に合ったわけですが、こういう人ならざる者が人と交わした約束を延々待ち続ける…という設定にも凄く弱いです。
日本古来の妖怪や物の怪が、ほんのひと夏遊んだ子供のことを次の夏もその次の夏もずっと待つような幼気な切なさが大好きで…。そういう部分もほんのり含んでいて、本当にこの話は私の好みの数々がサンドイッチのようにとりどりに揃ったものだったんだなぁと再認識しました。
今回時間が無かったのですが、他の安房直子さんの作品もまた読んでみたいです。
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2作目。巻末に『まほうにかけられた舌』と『海の舘のひらめ』に関するエッセイ。
ひらめ、正直者が馬鹿を見る子どもの世界、人間関係へのメッセージ。
タイトル通り、ちょっと不思議な出来事の短編集。
こういう話に猫がよく登場するのは、犬より出歩ける自由さ故だろうか。。
結末がちょっと意外だったり、納得だったりほっこりしたり。
よく”子供”を“子ども”と表記したりするけれど、魔法も”まほう”と表現されるとおどろおどろしさが無くなる気がする。。
既読は15作品中3作品のみだったので、新鮮でした。
『ふしぎなシャベル』のおばあさんのラストの行動が素敵だなぁ、と。
そういう人だから分け前が貝殻でもほっこりして、他の人にも幸せのおすそ分けをできるのだなぁ、と。
食べ物が美味しそう。。。
別の作品で蟹が砂で作ったクッキーの話があったけれど、このセレクト集にいつか登場するだろうか。。
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人間の方がずるいかと思えば、ちゃっかりしたうさぎもいるし、可愛いこだぬきの兄弟もいるし。
死なないひらめに、こだわる猫に、動物の方も色んな性格いるな。でもやっぱり、親切だったり誠実だったりする生き物は、報われてほしいな( ´∀`)
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子どものために描いた短編を集める。お店屋さんが舞台の作品が中心。
安房直子さんは、料理やジャムづくりや編み物、刺繍、レース編み、機織りなどの手仕事に惹かれていることが伺える。
家事が生活の大部分を占めていた頃、生活そのものが作品の素材になっていたという。生活の中から生まれた魔法だからこそ、読み手が自分のことのように引き寄せられるのかもしれない。