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紙の本
すべての雲は銀の… 下 (講談社文庫)
著者 村山 由佳 (著)
宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち……。人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一...
すべての雲は銀の… 下 (講談社文庫)
すべての雲は銀の…(下)
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商品説明
宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち……。人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度誰かを愛せる日は来るのだろうか――。壊れかけた心にやさしく降りつもる物語。(講談社文庫)
あなた、この世でいちばん重たい荷物って何だと思う?
傷ついたすべての心にやさしく降り積もる物語。
宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち……。人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度誰かを愛せる日は来るのだろうか――。壊れかけた心にやさしく降りつもる物語。
本書は失恋の痛手をかかえた大学三年生の祐介が、信州の宿にアルバイトでやってきて、そこで再生していく物語である。そう言ってしまうと、いや、それだけではこの小説の魅力のほとんどがこぼれ落ちる。(中略)村山由佳はのちに『星々の舟』で直木賞を受賞するが、それもこの作品のときから約束されていたといっていい。実に鮮やかな青春小説である。――<北上次郎解説より>【商品解説】
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紙の本
じわじわと溢れ出る、涙そして希望
2004/05/07 12:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KAZU - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、ボーっとしている。それは、昨日の上巻に引き続き本書を今朝の5時までベットの中で読んでいたためかもしれないし、小説の余韻に浸っている状態が継続しているためかもしれない。
上巻で助走をつけた物語は、下巻でいっきに、しかし静かに力強くクライマックスを迎える。主人公自身の問題にかかわるストーリー、特に(評判の?)「濡れ場」は凄い。恋愛小説にありがちなフワフワした描写は一切なく、もう精神の中核に深く刻み込まれるような交わり。やはり今の僕がボーっとしているのはこの部分のためかもしれない。
メインストーリに付随しているサイドストーリーも、完全に物語の幹に喰い込んでいる。どのサイドストーリーが欠けても本物語はここまで素晴らしくならなかったであろうと思う。登校拒否している小学生の女の子と母親のやり取りの場面では、涙がじわじわとあふれ出てくるし、花屋の女性たちの苦悩もひしひしと心にしみる。
ペンションのオーナーのパーマカルチャーな思考と行動は、実は僕の連れ合いの考えとほぼ同一であるし、長野弁は(僕の連れ合いも数年間長野で住み込みのアルバイトをしていたことで)ほほえましく、なんだか懐かしい。
装丁。上巻と下巻を見比べてみた。上巻では主人公が一人ぼっちで広っぱの端っこにぽつんと座っている。下巻は、子供を含めた数人と一緒。本書は、装丁・内容・解説、すべてにおいてほんとによくできている。じわじわと溢れ出る涙の後に、その涙の水分を吸収して希望の種が発芽する。そんな気持ちを僕に与えてくれる。
紙の本
完成度の高い作品!!
2004/07/20 16:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村山さんの本は感情移入しやすく、また抵抗なく読めて以前から好きでした。
そんな中でも私の一番好きな本です。
たくさんの登場人物が出てきて、それぞれ全く違う性格で全く違う悩みをかかえているのですが、どの人物も憎めなくて、時々ハッとするような台詞をいい考えさせられます。
人は全く違う境遇にいる。そんな中で私からすれば何が幸せなんだろうか。という人もいる。
しかし『幸せ』なんていうものは他人のものさしではかれるわけなんてなくて、
たとえどんなに不幸に見えても本人にとってみればそれはとても幸せな生活なのかもしれない。
私にとっての幸せが必ずしも他人にとっての幸せだとは限らない。
当たり前だと分かっているようで実は忘れやすい「幸せの基準がそれぞれ違うという事」を改めて感じさせられました。
どの人物もいきいきとしていて実在しているかのように感じてしまう。
素晴らしい物語でした。
電子書籍
うーん…
2018/06/16 01:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏川龍成 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村山由佳作品は好きだけど、この作品はちょっと合わなかったな。
上巻は良い感じかと思ったけど、下巻はダメ。
何が描きたかったのか分からない。
なんで終盤でいきなり唐突なラブシーンをいれた?
そのせいで、下巻の終盤まで彼女に裏切られフラレて傷ついて鬱々としていた男が、勢いと流れで他の女とスッキシして、フッ切れただけの話にしか見えなくなってしまった。
人には色々な悩みや幸せの形があるみたいなテーマがこの小説で語られてるように思っていたのだけど、ホントになんか唐突に勢いと流れで体を重ねるシーンが入ってしまったことで、小説全体のバランスが崩れたように感じた。