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チルドレン
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 512件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2004/05/21
  • 出版社: 講談社
  • サイズ:20cm/289p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-212442-4

紙の本

チルドレン

著者 伊坂 幸太郎 (著)

まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き…。こういう奇跡もあるんじゃないか? ばかばかしくて恰好よい、ファ...

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チルドレン

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商品説明

まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き…。こういう奇跡もあるんじゃないか? ばかばかしくて恰好よい、ファニーな「5つの奇跡」の物語。【「TRC MARC」の商品解説】

こういう奇跡もあるんじゃないか?
まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き。ばかばかしくて恰好よい、ファニーな「五つの奇跡」の物語。

吉川英治文学新人賞作家、会心の受賞第1作!

短編集のふりをした長編小説です。帯のどこかに“短編集”とあっても信じないでください。
伊坂幸太郎

2005年本屋大賞 入賞作

【商品解説】

目次

  •  

著者紹介

伊坂 幸太郎

略歴
〈伊坂幸太郎〉1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。2000年「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。著書に「ラッシュライフ」ほか。

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みんなのレビュー512件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

すべての子供たちと、かつて子供だったすべての大人たちへ贈りたい

2005/07/25 01:13

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る

 伊坂幸太郎さんは私のお気に入りの作家さんで、『オーデュボンの祈り』(新潮文庫)、『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)の二作品は特に大好き。
 ただ、伊坂作品に登場する「悪役」の強烈さのために「誰にでも安心して薦める」ことが出来ずにいました。そのことはちょっとしたジレンマで「オススメしたい、でも、拒まれたくもない」と一人うじうじとしながら、新作が出るたびに伊坂作品を読んでいました。
 そして、ついに「誰にでも安心して薦める」ことの出来る本作『チルドレン』と出会うことに。伊坂先生、待ってましたよ!
 この作品に出てくる誰もが善人というわけではありません。悪人もいます。しかし、陣内という伊坂作品の中でも特に異彩を放つキャラクターのせいか、人間としての弱さゆえにちょっと悪人になってしまった「彼ら」を可愛らしいとすら思えるのです。
 探偵小説ばかり読んでいる私にとって、伊坂先生はどうしてもミステリ作家、しかも、ちょっと変なミステリを書く作家というイメージがありました。そのためにどうしても「ミステリ的にどうか」という部分で評価をしてしまいがちでした。
 この作品についていえば、ミステリどうこうなんて思いもせずに、ただただ楽しく読めました。ミステリ的な企みを巧みに持ち込んでいることに読後、しばらくして「うまいなぁ」と感じましたが、読んでいる最中は話に夢中。
 ミステリが好きだろうと嫌いだろうと楽しめる。伊坂先生は、ミステリを読まない人の世界とミステリしか読まない人の世界をつなぐ橋になりうる存在なのだな、と。
 この作品は素敵な物語です。子供の頃は大人になればよかったけれど、大人になっちゃったら次は何になればいいのかと考えていましたが、この作品を読んで「かっこいい大人になればいいんだ」と答が見つかった気がします。

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紙の本

伊坂ワールド満載の、心温まる小説

2008/05/25 20:57

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ココロの本棚 - この投稿者のレビュー一覧を見る

まず登場人物がすごくいい。全編とおして出てくる陣内のキャラクターが魅力的です。時に周りをうならせる名言を吐き、時にそれをあっさり覆す。
周囲の人のことなどおかまいなし!自分の思ったように即行動!
とてもいいキャラクターです。

個人的に好きな作品は「チルドレン2」
家裁で少年問題を扱う陣内と、離婚調停を扱う武藤。
それぞれの問題が絡み合い・・・・・・。
非行少年の更生はありえないとする意見に対し、「俺たちは奇跡を起こすんだ」という陣内。
ラスト垣間見える奇跡の輝き。素晴らしかった!

他、盲目の永瀬のキャラクターも素敵でした。
饒舌な陣内タイプと、達観した雰囲気を持つ永瀬タイプ。
この掛け合いが伊坂作品の魅力のひとつかなぁと思ったりもします。
どの話も非常におもしろい。そしてすべてにサプライズが仕掛けられ、ほんのりミステリーの香りも漂います。

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紙の本

ばかばかしくて格好よい物語

2005/11/29 20:50

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

帯に「ばかばかしくて格好よい物語」と書いて㌃んですが、まさにその通り!!短篇のお話が5つ収録されているんですが、すべて関連してるんです。登場人物は、目の見えない青年永瀬に盲導犬のベス、恋人の優子。主人公の友達の鴨居。そして主人公「陣内」。
この陣内が最高!ばかばかしいんだけど、凄く格好いいし、やる事なす事大胆で子供で夢が㌃!
こんな大人になりたぃなぁと思いました☆
この㊥でとても心を打たれたやりとりがあります。
それは、目の見えない永瀬が、街角でお婆さんに「若いのに大変ね。これ使ってちょうだい」とお金を渡されたシーン。
今までも同情でそういう事をされる事はよく㈲った。しかし優子はそういう事にどう反応してイイか分からなかった。怒るべきか困るべきか永瀬を慰めてあげるべきか…
ところがその様子を見た陣内はこう言ったのだ!
「何でおまえだけなんだょ!」
永瀬ははじめ、陣内は冗談を言っているのかと思った。
「何でって…」永瀬は口籠もる。
「何でおまえが貰えて、俺が貰えないんだょ」
「たぶん、僕が盲導犬を連れているから、じゃないかな。目も見えないし」
「は?」陣内は唖然とした顔になった。心底訝しそうだった。そして
「そんなの、関係ねえだろ」「関係ないっつーの。ずるいじゃねぇか」
陣内が発した「関係ない」の響きがとても心地いいでしょう?私も、障害者の人と接している時にこのような事が起こったら、どうしていいか分からずオロオロしてしまう気がします。
これほど「普通」に振る舞うなんて、普通は出来ないと思います。
ね、陣内ってばかばかしくて格好いいでしょ(^皿^)
ぜひ読んでみて㊦さぃ♪

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紙の本

奇跡を起こす男。

2004/07/18 10:27

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日和 - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前から表紙にひかれ読みたいと思っていた一冊。
どのような話なのかも全く知らずほとんど予備知識のない状態で学校の図書館から借りたました。
まさかこんなに爽快な話だとは思っていなかった。
主人公ではないのだが、どの話にも出てくる陣内という常に根拠のない自信にあふれた男。
かれのやることはいつだってめちゃくちゃだし、何を考えているかなんて分からない。
屁理屈ばっかりだけど、時々心にぐっとくる真面目な一言がある。
どんな状況にも動じずにやりたいようにやる。いつもそればっかりでは困ってしまうがたまには私も彼のような振舞いが出来たらなぁと思う。
この本に収められている短編はどれも読み終わった後なるほどな〜っと納得させられ妙に心の中がすっきりする。
一冊全部そういう話を書ける作家ってなかなかいないのでは??と思う。
伊坂さんの話をもっと読みたくさせる一冊だった。

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紙の本

HEYJINNNAI

2004/07/06 22:13

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

陣内という家裁調査官が、この連作集のキーパーソン。彼のキャラクターが、なんというか実にいい!騒々しくて、屁理屈では彼の右に出るものはなく、常に自信に満ち溢れている(というよりも彼は「自信でできあがっている」らしい)。
陣内が、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を、ポールさながらに歌う描写を読んだ瞬間に、「やられた」と思った。伊坂作品の魅力を、この曲がずばり表していると思ったからだ。仲間を懸命に励まし、鼓舞しようとする青年のやさしさ、さわやかさ、かっこよさ…それは、読んでいる者の胸を限りなくあたたかく、尚且つ、せつなくする。
本作の、一つ一つの短編は、大きな事件が起きるわけではないのだが、読後は異様なすがすがしさを感じる。そして、読者はこう思わせられる。自分の毎日も、何か特別なことが起きるわけではないけれど、これもすべて特別な一日なのだ、と。

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紙の本

真っ当なことはカッコイイのだ。

2004/06/09 13:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

心地良い。

「真っ当」なことを探すのに一苦労するこの世の中で、伊坂さんの描く登場人物たちは、「真っ当」であり続ける。
それが爽やかで心地よい。

作品の中の善悪の微妙さが良い。
俗に言う「悪いこと」のなかにも葛藤や迷いが見えたりするから。
いろんな人がいて、いろんなことが起きて、そうやって、生きていく。
失敗もするけど、やり直しもきくんだ、って。
だれにでも希望があるんだ。

世の中、善と悪だけでおしまいだったら、かなりひどい世の中のような気がするけど。
でも、最近、善悪をはっきりとつけてしまって、悪と判断された側を徹底的にバッシングするような風潮があるので、脅威を感じているんだけど。

世の中、善悪つけがたいことっていっぱいあるんだし、ね。

逆に、善に見せかけていてその奥に「悪」が潜むこともあって、そういうことには厳しいのも良い感じなのだ。
最近は、そういう表面ばかり取り繕っているようなことだらけだから、そういう種類の「悪」を見逃さない真っ当さが、尚更心地よく感じるのだろうな。

本当に大事なのは、ひとりひとりの心。
心の奥に潜む悲しみややさしさ。
そこに「真実」があるのではないかな。

真っ当に生きるってカッコイイ。

世の中、まだまだ捨てたもんじゃないって。
きっと「奇跡」は起こるんだ。
たぶん、ね。

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紙の本

おとなだもん、奇跡の一つも見せなくちゃ。

2004/05/24 20:44

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

もともと、好きになった作家って存在は、読者にとっては特別なんですけど、2004年を生きる僕らにとって、伊坂幸太郎さんが特別だって理由は、日々感じている釈然としない思いを言葉に変えてくるからなのかもしれません。

伊坂さんの出世作『重力ピエロ』は、世界で一番格好良いお父さんの物語でしたが、本書には身近で格好悪い父親と、煮詰まった少年が登場します。

全方位的にこんがらがって、もう子供じゃないし、大人にもなりたくないし、行き場もないし、イライラはつのるし、結局諸々の矛盾が向かう先は自分だし。そんな少年時代には、奇跡の一つくらい見せてくれるカッコイイ大人が側にいて欲しいものですが、フィクションの世界でさえ、誰かがヒーローになる瞬間はあっても、いつもヒーローでいられる人はなかなかいません。まして、フィクションの外ではなおのこと。

だから、カッコイイ大人なんていなかったし、今もなかなかいないけど、「いないなら書いちゃえ!」と、伊坂さんが書くと、こんな物語になるのです。たぶん。

そのヒーローは、すっごくはた迷惑で無責任で優しくないし、むしろ突飛で乱暴なんだけど、それが颯爽としていて心地いいんですね。無茶な言説をガンガン積み重ねて、ふと「本当のこと」を言わせてしまう伊坂マジックの象徴的キャラクターの一人です。これって、『陽気なギャングが地球を回す』をお好きな方には、一つ頷くだけで察していただける魅力なんです。(響野はお好きですか?)

また、前作からの流れで言えば、キャラクターの魅力だけでなく、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ラッシュライフ』で読者を幻惑した、構成の魅力ももちろん健在です。

【子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ(——P96から引用。)】

この短編集は、五つの物語を重ねることで、はた迷惑な若造がヒーローになるまでを描きます。もっとも、最初からヒーローだった傑物の、数々の伝説を4人の視点で目撃するので、成長物語の要素は控えめです。

具体的には——。

警察に囲まれた銀行から強盗たちが消えた。
縁日で見かけるようなアニメの登場人物のお面を被せられ、
縛られ床に転がされた少年たち。
陣内がしゃべくり倒し、鴨居が巻き込まれ、盲目の永瀬と出会う。
——『バンク』


拳銃を持った牧師こと、家裁調査官が登場。
語り部の武藤君はなんだか、近藤史恵さんの
整体師シリーズのお人好し編集者と通じる印象。
居合わせて巻き込まれる、武藤君てば不幸。
(不幸な彼らに幸あれ……。)
——『チルドレン』


【「失恋した俺のために、今、この場所は時間が止まっている」(——P140から引用。)】
時に神様は、本当に時間を止めてみたりする。その公園で時間が止まって
2時間が過ぎた。語り部は優子、恋人は永瀬。目が見えないからこそ
世界が見える永瀬の傍らに立つ優子は、盲導犬のベスに
後輩扱いされている。恋敵は盲導犬。
——『レトリーバー』


【俺たちは奇跡をやってみせるってわけだ。(——P194から引用。)】
家裁調査官の仕事は奇跡を起こすこと。身勝手な大人、格好悪いオヤヂ、
歩きあぐねる少年。彼らの上に、起きた奇跡。武藤君は再び、語り部として
目撃者として担ぎ出された。「カッコイイ」を紅の豚の専売特許から奪還?
——『チルドレンII』


不可解な彼の転機を目撃する特権は読者だけのもの。
ただ、それを伝える語り部は必要で、盲目の永瀬だからこそ
感じた奇跡を読者に手渡せる。その事件の本当の意味は?
——『イン』

こんな五つの短編が集まって、読者は傍若無人な彼の伝説を一望できるのです。「青春エンタ」の講談社から刊行されたこともあってか、少し切なくて元気で愉快な風合いに仕上がっています。旬の物語を瑞々しいまま頂くなら、時は今なのです。

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紙の本

温まる作品

2015/08/31 21:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FUMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

短編が集まった作品。
 しかし、それを集めると1つの物語になるような感じでもある。
 読後はどこか心温まる作品。

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紙の本

この方の作品が好きで、読みました。

2014/10/13 01:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

この方の作品が好きで、読みました。
個性的な友人を中心にした短編集。どの短編にも捻りがあり、テーマもあり、構成がうまいです。

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紙の本

こんな大人がそばにいたら絶対に嫌である。まして恋人なんかには絶対にしたくない。同じ稚気溢れる、でも奥田英朗の『空中ブランコ』の主人公・伊良部に軍配だね

2004/11/12 20:12

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ヘタウマなカバー・デザインで、これだけ見るといかにも子供が中心の、例えば宮部みゆき『我らが隣人の犯罪』みたいな話かと思ってしまうけれど、ところがギッチョ左利きである。小説だから、子供というか少年少女が出てくることは仕方がないとしても、話の中心に居座ることは殆どない。そこにいるのは、大人の姿をしたガキ、陣内ただ一人である。

いやいや、思わず話が先走った。まず、この爽やか系のカバー画だった。宗誠二郎、何だか時代小説でも書きそうな名前ではある。そして、手書きの字だろう、それを巧みに配したデザインは、御馴染み鈴木成一デザイン室。まず、カバーの紙質、ちょっと壁紙かなんぞのように布目をだしたようなそれの選択からして、やってるな、と言う感じである。

閉店間際というか、閉店と同時に銀行に飛びこんだ陣内と鴨居、彼らが巻き込まれた事件と盲目の青年永瀬との出会いを描く「バンク」。家裁の調査官で28歳の武藤が今日、面接するのは16歳の少年、そんな彼に先輩の陣内が新聞を開きながら「チルドレン」。

陣内が恋をした。告白を見守る鴨居と永瀬、恋人優子、そして彼女が嫉妬する盲導犬のベス。そんな二人と一匹の前に「レトリバー」。人事異動で少年事件の担当から家事事件担当に移った武藤、彼の前には娘の親権を争う離婚寸前の夫婦が「チルドレン2」。デパートの屋上で陣内がバイトをしている、ときいた永瀬と優子が犬のベスと一緒に様子をうかがいにやってきたが「イン」。

まさに連作である。でだ、冒頭にも書いたようにこの作品の評価を(ま、好き嫌いのレベルでだけれど)決めるのは、ガキ大人の陣内である。似たようなキャラがいたな、と思ったら、奥田英朗の直木賞受賞作『空中ブランコ』の主人公、伊良部である。ただし、どこか伊良部のほうがかわいい気がするのは何故だろう。

要するに、おおらかさのレベルが、天然ボケのスケールが違うのである。私には、陣内の神経症的な、糸が張り詰めたような挑戦的な言辞が、昔の左翼崩れの無鉄砲にしか思えず、殴ったろか、といいたくなるのである。もし、伊良部先生ならば、殴ったところで屁とも感じない、そういう真の人間の大きさを感じるのである。

ただし、逆にミステリとしての骨格は、五分。話のウエット感では、伊坂に軍配を上げたい。ともかく、陣内は伊良部ほどには人からは好かれないだろう。その点だけをマイナスにするけれど、それ以外はさすが伊坂である。でも、これでは直木賞には届かない。

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紙の本

伊坂さんの作品って発売されてすぐに読みたい衝動に駆られる。それって私たちが暑い時に自然に水分補給するみたいな感じである。

2004/06/07 00:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

“旬の作家”を3人挙げろと言われたらあなたなら誰を挙げるだろうか?
私ならまず伊坂幸太郎を挙げ、続いて石田衣良と垣根涼介を挙げる。
残りの2人に関しては異論があるかもしれないが、伊坂さんを挙げることに関しては作品の好き嫌いこそあれ異論はないはずである。

前作『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治新人文学賞を受賞、本作が受賞後の第一作となっている。
形式的には連作短編集となっているが、ほぼ長編に近いスタンスで楽しめる点が嬉しいかな。
本作を読んで強く感じた点は伊坂さんの作品って今に生きる私たちがつい忘れがちな“本音”の部分をさりげなく描写することによって読者に“一服の清涼剤”をもたらせてくれる点である。
作風的にはかなりの“技巧派”だといえる。

個性豊かなキャラ(本作では陣内)のとぼけた性格とハチャメチャな言動が世界を変えて行く。

奥田英朗さんの『イン・ザ・プール』の伊良部先生ほどではないけど本作の陣内もかなり変人です(苦笑)
俳優の陣内孝則さんの若いときの3枚目キャラを彷彿させてるのかもしれません。

冒頭の銀行強盗の人質シーンがとっても印象的だ。
そこでの永瀬との出会いがこの物語全体を支配する。
5話に散りばめられたファニーかつミラクルな世界。

さりげないという言葉がピッタシな形容であると思うが、まさにさりげなく親子愛の重要さを読者に訴えてる点は見逃せないかな。

伊坂さんの作品って発売されてすぐに読みたい衝動に駆られる。
それって私たちが暑い時に自然に水分補給するみたいな感じである。
必然的に伊坂作品を手にとられる方が多いのもうなずけるはずである。
私は伊坂ワールドって、他の世界では感じられない“穏やかな平和”を感じる。
その特異な才能がある故に、伊坂さんの活字離れ復興に担う責任の大きさは計り知れないような気がするのは私だけであろうか…

トラキチのブックレビュー

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紙の本

破天荒だけどまっすぐな男、陣内。またどこかで会いたい

2007/04/23 22:04

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る

「俺たちは奇跡を起こすんだ」家庭裁判所の陣内、同僚の武藤、友人の鴨居、そこで出会った盲目の青年永瀬。永瀬の側にいる盲導犬と優子。そして家裁で担当をする少年達。陣内をめぐる5つの物語。
この作品の感想は伊坂さんらしい作品だなーということ。とってもほんわかして、優しい気持ちになれる作品集です。殺人事件がおきるわけではなく、日常的、非日常的あわせた陣内を巡るエピソードが書かれています。
陣内を取り巻く友人から見た陣内という男の話といった方がいいかもしれません。陣内のキャラクターを浮かび上がらせています。この男、とっても破天荒だけども憎めない。人の迷惑は顧みない、唯我独尊的性格に周りは迷惑している。でもとってもまっすぐな性格です。
「俺たちは奇跡を起こすんだ」
「そもそも大人が恰好良ければ、子供はぐれねえんだよ」という陣内。そんな陣内の活躍を描く「チルドレンⅡ」がわたしのお気に入り。陣内たちがライブで奏でる「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に涙。
テーマは「父と子」でしょうか。それぞれの作品が父と息子、娘の関係を描いています。とってもいい作品集であることは間違いないのですが…、この作品は短編集なのだが長編であると伊坂さんが書いています。それがさっぱりわからない。どこがどう繋がっているのか。確かに繋がっているのはわかるのですが、一つの話にはなっていないような。これは読み手のわたしのせいかもしれません。
それからとっても伊坂さんらしい作品ではあるけれど、やはり物足りない。長編で感じる一つひとつにピタッとはまっていく、ジグソーパズルのような爽快感がなかったんですよ。
しかし、いい作品には間違いありません。きっといつか再読する作品でしょう。だって謎が解決していないんですよ、わたしの中で。それほど伏線があるんですよね、きっと。
また陣内に会いたいなー。いつかどこかで会いたいのです。

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紙の本

陣内とユカイな仲間たち

2004/06/09 13:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぼこにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ホームズとワトソンにより完成された(かどうかは知らないが)虚構世界の人間関係、すなわち独創的で天才肌、辛辣で鋭敏なAと、協調性に乏しい彼の傍に控えていて世間との折衝を買って出る温厚で朴訥なB、という基本構造は今なお愛され続け、ミステリではモースとルイス、ダルジールとパスコー、レナードとハップ、少女漫画ならシャールとジェル、黄子満と本郷さん、摩利と新吾(例が古くて恐縮だが)とか、あっちこっちで継承されているのだった。で、Bは『A以外の作中人物の心象を代弁しAの特殊性を際立たせる』と同時に『読者の共感(Aって一見付き合いにくそうだけどかっこいい!)を引き出すツール』としても機能するわけ。ヒーローというのは周囲でキャーキャー盛り上げてくれる大衆がいて初めてヒーローとして成立するのだから、「Aってなんでもできて頭が良くて他人の目なんか気にしなくって、僕ら小心な凡人とは違って本当に魅力的な人物なんだよねっ」とか無邪気に言ってくれるBの存在というのは創作上たいへん便利であり、定石としてももはや王道と言っていいくらいだと思う。
 この連作集におけるAは人騒がせで破天荒な『陣内』なる人物で、その彼に振り回されるおとなしい常識人(友人や同僚)が順次Bとして読者の水先案内をして行くというスタイル。人間関係の組み立て方が古い、とかいうのは別にいいんだけど(様式美である)、人物造形が単純で奥行きに欠けるのが目についた。なにやら既存のキャラクターカタログから選んで配置したように記号的で、しかもどこかで(他の人の小説とか漫画とかで)見たような人ばっかりなのだ。おかげで登場人物の心境はいとも分かり易く、それだから読んでいてちょっと気恥ずかしい。
 加えて、特に意識してやっているわけではないのだろうが、登場人物たちがくっきりと二分されているのも気になるところ。最近の日本の小説には割と多いように思うのだが、『味方対その他(別に『敵』というほどではない)』というか、『仲間対その他』というのがくっきり分かれている感じで、ことに『その他』に分類される人の描き方が、二時間ドラマのエキストラを思わせるステレオタイプぶり。描き割り並な生命反応の薄さ。仲間とその他を分ける境界のポイントは、価値観を共有できるか否か、という点に尽きるのであって(それもまたかなり古びた仕切り方だが)この、『自分たち以外には思考力も個性も感情もない』と断じて切り捨てるような、排他かつ閉塞的な精神性というのは、かつては思春期の子供に特有のものと見なされていたんだろうけれど、今じゃいい大人が悪びれもせずに開陳してしまっているのだった。
 いや私とて生々しく入り組んだシガラミの叙情など願い下げだし、本書にしても楽しく読めたので別段文句はないのだが、どうもこの人世間に買い被られているフシがあるもんだから、つい。

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2004/09/28 23:09

投稿元:ブクログ

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2004/09/27 09:06

投稿元:ブクログ

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