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紙の本
やっと手に入れた私だけの椅子。そこに座ることはかなわないけれど
2004/07/05 09:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江國さんの作品のタイトルは、いつも的確にその作品の持つ空気を
感じさせてくれる。「ウエハースの椅子」もそうだ。
美しいけれど脆い椅子。誰も座ることの出来ない椅子。
優しい恋人に包み込まれるように愛されて「私」は満ち足りている。
画家としての仕事は順調で、家には時折妹とその恋人が訪ねてくる。
一見何事もなく静かに過ぎる毎日。でも、ある日彼女はつぶやく。
「私は少しずつ壊れてゆく」と。
この本を読んでいる間中、ずっと心細さを感じていた。
まるで自分が寄る辺ない子供になったような。
自分の居場所はどこにもない。そんな心許なさを抱えながら
人は生きていけるのだろうか? 最後の一文が切なかった。