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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.5
- 出版社: 日本評論社
- サイズ:20cm/455p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-535-58381-1
- 国内送料無料
紙の本
天城一の密室犯罪学教程
【本格ミステリ大賞評論・研究部門(第5回)】理論と実践で提示する「本格推理の真髄」がここにある! デビューから57年目にして初めて刊行される「幻の探偵作家」天城一の短篇集...
天城一の密室犯罪学教程
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商品説明
【本格ミステリ大賞評論・研究部門(第5回)】理論と実践で提示する「本格推理の真髄」がここにある! デビューから57年目にして初めて刊行される「幻の探偵作家」天城一の短篇集。摩耶正シリーズ全短篇も収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
星の時間の殺人 | 3-11 | |
---|---|---|
村のUFO | 12-16 | |
夏炎 | 17-24 |
著者紹介
天城 一
- 略歴
- 〈天城一〉1919年東京生まれ。本名・中村正弘。東北帝国大学数学科卒業。大阪教育大学名誉教授。
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紙の本
江戸川乱歩氏が評した「普通の意味の小説道にははなはだ未熟」が当を得ている。
2005/09/15 19:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:書子司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世評ほど面白いとは思えなかった。各紙の書評などではそれなりに高い評価があり、幻の作家と呼ばれていたので期待して読んだのだが……。
それなりには面白いのだが……。
今新本格派と呼ばれている作家の作品を評してよく言われることに、人間・人物が描かれていないと言うことがある。その評価はそのまま本作に当てはまるのではないだろうか。巻末のコメントでいわく「密室の問題とかはいくらでも解決する方法を考え出せる」と豪語されている。確かに短編集を読めばその通りで、いくらでも密室を解決する手はあると思われる。でも、読んだかぎりはこれらはあくまでも梗概で密室を解くための1つのアイデアをメモしただけとしか思えなかった。これは密室ミステリー?と思ってしまうのも多かった。
今なら、もっとストーリーに肉付けして人物を描かないといけないと編集者から言われそうな作品が多い。
けだし、江戸川乱歩氏の評「普通の意味での小説道には未熟」がぴったりだと思えた。
でも、これからミステリーを書こうかという作家志望の人で、密室のアイデアに困ったらこの本を見るといいかもしれない。そういう意味では価値ある一冊なのかも……。
紙の本
待ちに待った一冊です。
2004/10/21 23:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の天城一については、いろいろと噂を聞いていました。「短いながらも切れのある短編を書く」だとか「時刻表をつかったトリックの佳品がある」だとか良い噂ばかりを。しかし、作品はあちこちのアンソロジーに収録されているものの、それ自体が手に入れにくくなっていて、読んでみたくともなかなか読めない作家の一人でした。
そんな、私にとって『幻の作家』だった天城一の短編をまとめて読めるなんて! こんなうれしいことはありません。デビューが1947年ながら、天城一の名前での本はなんとこれがはじめて(私家版などは何冊かでているようですが、まず手に入りません)というから、私が『幻の作家』と呼ぶのも、とてもよろこんでいるのもわかってもらえると思います。
内容は、噂に聞いていたとおり、ムダなものはいっさいはぶいたとても短いものでありながら、短いからサッと読めるかと思うとそうでもなく、熟読が必要です。まあ、ずっと待っていたものをサッと読んでしまったんではもったいないですから、じっくりじっくりと読みましょう。
本書に収録されなかった作品もまだあるようなので、それらもぜひぜひ出版してほしいものです。
紙の本
先生
2023/03/07 08:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どら - この投稿者のレビュー一覧を見る
第5回本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞作品
短編がいくつか収録されていますが、面白かったのは高天原ぐらいかなあ
推理小説を本格的に勉強、研究する人にしか向いていない本
逆に言えば研究者は必読、教科書として面白かったなあ
メインは彼の師匠だったけど後に決別してしまったらしい江戸川乱歩に捧ぐ手紙風の文(献辞だったかな)だと思います(笑) 複雑な情が込められています 重い
紙の本
編集者コメント
2004/05/15 03:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:編集者Q - この投稿者のレビュー一覧を見る
「天城一の短編集が読みたい」。そう願ったのは中学生のときでした。
出会いは「不思議の国の犯罪」です。この極めて短い作品は、探偵役とワトソン役が延々ディベートを繰り広げる、不思議な傑作でした。
続いて読んだのが評論「密室作法〔改訂版〕」です。一読、大興奮。後にも先にも、これほど完璧なミステリ評論に、僕は出会ったことがありません。そこで慌てて見つけだしたのが「明日のための犯罪」。仕掛けだけとりだせば馬鹿馬鹿しい話ですが、それを短編に仕立てるためのギミックが素晴らしい。
その後、長く待ち望んだのちに読んだのが、“世界第二位の密室犯罪”と作者が豪語する「高天原の犯罪」でした。
この4作で、天城一は僕にとって特別な作家となったのです。
「『匣の中の失楽』が読みたい」「『占星術のマジック』が読みたい」、僕はそのころ、友人とそんな身勝手な願いを話し合ったものでした。その願いはほどなく、文庫化、単行本化でかなえられていきました。逆に言えば、その程度の、他愛もない願いだったのかもしれません。ですが、冒頭の願いだけは、どういうわけかかなえられませんでした。
あれから20年以上が経ちました。中学生のとき渇望した本が、今ここにあります。20年前の自分に会いに行って、「天城一の短編集を読むことはできる。ただし20年後。でも自分で編集できるんだよ」と言ったら、いったいどんな顔をするでしょうか。