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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.5
- 出版社: 日本放送出版協会
- レーベル: シリーズ・哲学のエッセンス
- サイズ:19cm/125p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-14-009314-6
読割 50
デイヴィドソン 「言語」なんて存在するのだろうか (シリーズ・哲学のエッセンス)
デイヴィドソン 「言語」なんて存在するのだろうか
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- 税込価格:26,400円(240pt)
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紙の本
このたった110頁の本文で、デイヴィドソンの哲学のエッセンスをまとめているところが素晴らしい!
2009/08/07 23:58
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:反形而上学者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
デイヴィドソンは英米系哲学者であり、分析哲学といわれる論理学の系譜の学者である。日本での一般的な知名度は低い存在であり、入門書というものも限られている。そんな中で、本書は群を抜いて全くの初心者であっても、安心して勧めることができる本だ。
本書は、NHK出版から「シリーズ・哲学のエッセンス」として、新書サイズよりやや大きい程度で、厚さは新書と変わらずに1cm程度なので、本当に気軽に手に取ることができる。そうした、シリーズの中でも、この『デイヴィドソン』は特によくまとめられている。本文は110頁ほどなのだが、デイヴィドソンの中心的な思想をしっかりと取り上げているのには感心させられる。
ところで、「デイヴィドソンってどういう思想を持っている人?」と問われれば、最終的には「言語」の範囲で考える「論理学」から一歩踏み出してしまい、「言語」そのものの存在にまで言及してしまった学者、ということになるであろう。
しかし、それは本来「分析哲学」の範疇における問題ではない。あえて言うならば、「言語学」の問題である。だから、本書を読んでいても、デイヴィドソンの考え方にまどろっこしさを感じるし、「そうではないだろう・・・」などという、「突っ込み」を入れたくなるなることが頻繁にある。
デイヴィドソンの有名な考え方に「T-文」というものがある。「T-文」とは、発話者が発した「言葉」を聴き手が「真理であると想定する文」のことと言ったら解りやすいであろうか。要するに、発話者は「~ということ」が言いたかったのだ、という「意味の想像」である。デイヴィドソンは「T―文」というものを想定して、そこに到達することがコミュニケーションの成立であるという。しかし、これはトートロジーに陥る危険性がある。「T-文のT-文の・・・」といういように、真面目に考えれば、これは永遠に特定できないからだ。こういう考え方を経て、デイヴィドソンの考え方はどんどん、幅が出てきて、より柔軟なものへと進化していく。
ここから先は、デイヴィドソンの著作に当たるか、より難度の高い『言語哲学大全4巻(飯田隆 著)』や、『デイヴィドソン(サイモン・エヴニン著)』などを読んでみるのもいいかもしれない。
デイヴィドソンの良いところは、完成度の低い、または、読んでいて疑わしいようなこともちゃんと頑張って書いていることであろう。彼は常に「正解者」でいようとはせず、〈チャレンジャー〉であったところに、大きな価値があったと、私には思えるのだ。
電子書籍
6点を上げたいレベル
2015/11/16 23:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は分析哲学については、フレーゲやラッセルやウィトゲンシュタインをなめた程度しか知らない。しかし、この本ではディヴィッドソンの主張をとても丁寧に、読みやすく、そして面白く書いている。
ディヴィッドソンの著作は手に入れようと思えば手に入るが、文庫本ではないため値段が高く、哲学を学んでいるわけではない私にとっては敷居が高いものだ。しかしこの本はとてもお手ごろ価格。
著者は荷が重かっただの専門ではないだのと言っているが、そんなことを微塵も感じさせない素晴らしい本だった。
紙の本
ちょっと難解ではありますが、面白い。
2016/09/23 01:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
言語学についての書籍を読んだとき、本書で解説される「真理条件的意味論」についての記述があったが、まったく意味がわからなかった。なので、個人的には、本書を読んで、ああ、あのときの、あれはこういうことだったのか、と腑に落ちたので非常に良書、ではあるのだけれど。
これは言語学、記号に関する書籍すべてにいえることだが、初心者には非常に理解が難しく、とっつきにくい印象を与える。本書も、言語学について、まったく興味のなかった読者に、その楽しさ、興味深さを教える、という内容ではなく、ある程度の基礎がある前提で書かれているように感じる。「ニーチェ」や「スピノザ」と比べると、なんとも、読みにくい。冒頭から、「碑銘をうまく乱すこと」という論文についてを、丁寧に説明してもらったほうが、良かったのではと思う。
しかし、デイヴィドソンの名前も、日本ではあまり聞かないので、こういうシリーズで扱ってもらえたこと、そのものがありがたい、とも思う。良書。