「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:38,060円(346pt)
- 発送可能日:購入できません
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
「椿姫」を生んだイタリアの大オペラ作曲家ヴェルディは自分の個人的生活をほとんど語らなかった。ワーグナーと同年に生まれ、厳しくて頑固一徹。その劇的生涯を次第に円熟していく作品群と共に追う。詳細年表・作品一覧つき。【「TRC MARC」の商品解説】
オペラの雄,ヴェルディの全貌を手軽に知る【商品解説】
著者紹介
小畑 恒夫
- 略歴
- 〈小畑恒夫〉1952年大阪府生まれ。東京芸術大学声楽科卒業。日本ロッシーニ協会運営委員。日本ヴェルディ協会等の会員。昭和音楽大学講師。若い声楽家の育成に尽力する傍ら、音楽評論活動を展開。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
神話化された作曲家像を打ち壊す良質の入門書
2004/06/28 22:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヴィア・ノヴァ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校の音楽室、とてつもなく厳しいベートーヴェンやバッハといったクラシック音楽のエライ!作曲家の肖像画が僕たちを睨み付けていました。学校の怪談のねたになるくらい怖い目つきで。
偉大で高尚な音楽を作ったクラシックの作曲家は、人間としても高潔で少しの間違いも無い、という考えの下、偉大な作曲家の生涯は、数限りない偉大な伝説で飾られてきました。その象徴が、あの怖い肖像画だと思います。
しかし、彼らも生の人間、人間的な弱さを持っているはずで、その弱さを理解してこそ、その作曲家の真価が解り、作品の解釈が深まると言う考えが、特に前世紀の中盤ごろから広まりはじめたと思います。ただ、当初そのような考え方は専門の学者たちの間で広まり、また日本ではクラシックの音楽家を生涯は子供向けの偉い人の伝記としての役割が大きいこともあって、現在まで一般の音楽ファンになかなか受け入れられず、知られていないのが現状です。
本書の主人公ヴェルディは、サッカーW杯の日本代表の音楽やミュージカルでも人気のアイーダをはじめとする名オペラを作曲、イタリアの統一にも功績がありますが、そのイタリア統一の高まりを利用するように成功する壮年期、父親との微妙な関係、純粋な愛の形を追及するオペラを作曲する傍ら、妻と愛人の二人の間を揺れ動く後半生など入門書の制約の中では最大限にリアルな伝記になっています。本書を読む読まないでは、作品の印象がかなり違ってくるでしょう(たとえば、アイーダの登場人物の愛の葛藤などは、作曲者の状況を考えると興味深いものがあります)。本書に登場するヴェルディの作品をもっと聞いてみたくなりました。
本書は「作曲家 人と作品」と言うシリーズの中のひとつです。既発のショパン、シューベルトは、本書ほどの充実は感じられなかったのですが、今後も続々と大作曲家の伝記が発売されるそうです。本シリーズを通して、音楽室の怖い顔が、普通の人間、普通の顔で描かれるように祈ります。