紙の本
大人のためのおとぎ話
2004/07/10 14:49
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投稿者:名乃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
STAYシリーズ第三弾。何だか第一弾の、それも第一話を彷彿とさせるなあ、と思ったのは果たして私だけかしら。アイデンティティーに問題を抱えた“少女”と、ごくごくフラットな、リベラルな視点で“彼女”達を見守る友人、刈川えりの物語。副題(?)の“STAYリバース”というのは、やはり“第一話アゲイン”の意味だろうか。双子達の魂の再生の物語、とした方が美しくはあるんだがなー…
友人はこれを“おとぎ話”と評していた。うん、私もそう思う。しかしこれは確信犯のおとぎ話だ。子供に夢を見せるための物語ではない。大人が現実を忘れるための、優しいおとぎ話。きっとうまくはいかないだろうけれど、彼らの行く末に光と、希望があるように、一緒に祈るための物語なのだ。
紙の本
女と女の友情モノである、とわたしはいいたい。
2005/01/19 21:18
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投稿者:伊佐治祝 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大手電器量販店の社長子息であり生徒会長でもある清雅(せいが)は、周囲からも信頼厚い優等生。だが、身体は男だが心は女である━━という秘密を、同級生の少女・エリに知られてしまう。女性用の服装に興味を持つ清雅は、エリから洋裁の手ほどきを受ける。エリの前では己をさらけ出すことが出来るようになっても、清雅の心はまだ満たされぬままだった。それは双子の弟・涼雅(りょうが)の存在が深く関わり…。
男の身体を持ちながら心は女であるということに、清雅は悩み続けている。そして、双子の弟・涼雅は兄に惹かれながらも最後の一歩が踏み出せず、周囲に当たることでやり過ごしていた。
エリは清雅の置かれている現状を把握し、いろいろアドバイスをしながらもその最終的判断は本人に任せている。他人にはどうしようもない領域、というのは実際にあり得るものだ。そこのところをちゃんとわきまえているエリという友人を得ることが出来たのは、清雅にとってとてもよいことではなかろうか?
例え相思相愛になったとしても、決して清雅や涼雅を取り巻く状況は優しいものではない。けれど、彼らは幾多の苦難を乗り越えていけるだろうと確信している。
シリーズ第3弾ではあるが、こちら1冊でも充分お読みいただけるだろう。
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隣に欲しいのは山王さんだけど自分がなるなら刈川のような女になりたい。
夜中読んでたら屋上でゴロリの辺りで滂沱の涙が。。。
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ゼミ室に放置していたら、卒論で詰めていた際
某U君が、仮眠とる前に読んでいるところを発見?( ̄□ ̄)
なんか、茶化して読まないで、熟読していたことに、ちょっと怖さが……
男の子の目にはどう写るんでしょうか。
こういうのって、女の子の方がリベラルだったりしますから……
そして、やっぱり刈川、素敵。
洋裁があれほど出来るのって凄すぎですよ…
清雅じゃなくても習いたくなる。
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とっても新しい漫画だと思った。刈川でなければ、本当の意味で彼の相談に乗ることは、彼を救うことは、出来なかったかもしれない。素晴らしい。西炯子にはまるきっかけになった作品。
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刈川エリの強さ、包容力なくしてこの話は進行しない。「わたしがここにいるのは偶然なのよ。あなたがそんな苦しみを背負ってわたしに出会ったのも偶然だわ。会えてよかったわね。」
…かっこいいよ、刈川さん。
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STAYシリーズのうちの一冊。
ある双子の「男の子」と、一人の女生徒と、洋裁をめぐる青春物語。
初めて西さんを知った作品です。
本誌連載中に(作者もタイトルも知らずに)一話だけぱらっと立ち読み。刈川えりが双子の「兄」・清雅の「秘密」に気づいてしまう回だったのですが、そのとき心に受けた衝撃は忘れられません。
こんな綺麗で詩的な絵を描ける人がいるのかと驚いたものです。
それから数ヵ月後、福岡のジュンク堂で、コミックスと巡り会いました。作者もタイトルも覚えてませんでしたが、すぐに分かりました。それくらい、当時の自分には衝撃的な絵だったのです。
棺桶まで持っていきたいマンガの一つ。
西さんの他の作品と同じく鹿児島県が舞台なので、九州人は楽しさ倍増かもしれません。
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西さんは好きな漫画家さんの一人。
これはねーものすごく素直にいいなーと思う。こんなん恋愛と友情どうですかって人に勧めたくなる。性別って何ですかって人に聞きたくなる。
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最終的な内容は性同一&双子の弟との近親相姦と結構ハード(性描写がという意味でなしに)ですが、女の子になりたい男の子が洋裁の得意な女の子と同性同士のノリで仲良くお裁縫してるのが可愛いのです。
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兄弟の特別な愛情と、刈川さんとお兄さんの交流が二本柱。お兄さんに対して付かず離れずな刈川さんの温かい接し方が心から嬉しくなる。
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自分のセクシュアリティに悩む男子高生と、秘密を共有する同級生の物語。
セクシュアリティに悩む当事者が理解者を簡単に得ることは難しい(特にこの年頃は)からこそ、希望が持てるハッピーエンドが嬉しい。
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刈川さんが主役の話。
彼女と仲良くなった生徒会長(清雅)は女性の心を持った少年。
そして双子の弟に恋心をいだいている。って書くと重いテーマだけど、重く感じさせないのがさすが。
刈川さんカッコいいなあー。
高校生(このお話の中ではまだ中学生?)とは思えない落ち着きと包容力。姐さん!って感じだわ。
最初清雅が玉ちゃんとかぶってて、「ん?」と
とまどったけど、ちゃんと男の子だって認識してからは俄然面白くなった。
二人がぎこちなくもだんだんまるで女同士のようになっていくのが良かったな。
私も刈川さんみたいな親友欲しい。
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毎回西さんの漫画では1コマでこの人の描くお話は素敵だと思わされる。
「どんどんきれいになっていく・・・」
切ない。
そしてこの刈川さんいい性格してる。
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うーん。さすがに近親はダメだわ。
刈川さんは全篇素敵だけど。
ベス○電機のニュースを見るたび思い出す。
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性同一性障害の青年?とその弟、その二人の許されぬ近親同性愛、そして、彼らの後押し役を偶々担うこととなった女との奇妙な三角関係。感性で読むべきのだろうが、だからこそ、読み取れない自分がいるのを感じざるを得ない。夫々悩みが悩みとして腑に落ちないのだ…。