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紙の本
冷たい校舎の時は止まる 上 (講談社ノベルス)
著者 辻村 深月 (著)
【メフィスト賞(第31回)】ある雪の日学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない玄関の扉、誰も来ない校舎。謎を追ううちに彼らは気づく。学園祭で自殺した級友の名が思い出せな...
冷たい校舎の時は止まる 上 (講談社ノベルス)
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商品説明
【メフィスト賞(第31回)】ある雪の日学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない玄関の扉、誰も来ない校舎。謎を追ううちに彼らは気づく。学園祭で自殺した級友の名が思い出せない…死んだのは誰!? 第31回メフィスト賞を受賞した学園ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
辻村 深月
- 略歴
- 〈辻村深月〉1980年生まれ。千葉大学教育学部卒業。「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
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紙の本
人生の1ページを校舎にとどめて
2007/01/22 12:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
第31回(2004年)メフィスト賞受賞作。
雪の降る朝、学校に閉じ込められた男女8人の生徒たちを描くミステリー。なぜか扉は開かず、ほかに誰も登校してきません。そして時は止まっています。
センター試験を1ヵ月後に控えた高校三年の彼らは、クラス役員を引き受けた仲良しグループ。成績もよく、みんなから信頼されています。
彼らの学校はその2ヶ月前、クラスメートが飛び降り自殺をしています。ところが、この8人はどうしてもその名前が思い出せません。
閉ざされた空間と時のなかで、それぞれに抱えた思いや人生をリアルに描きつつ、この不可思議な現象を解き明かします。もちろん欠点がないわけではないですが、デビュー作としての完成度はとても高い。
他者との距離感、頭がいいゆえの疎外感、家族の不和、心の弱さなど、切なくなるテーマがてんこ盛り。頭のよさがどれほど友達との間に距離を作るか。それはなにも進学校だけに限らず、それぞれの学校、クラス、小さなグループで起きうる、誰もが経験する階級です。だからこそ、この小説が心に響きます。
そして今、その時代をこの8人を通して覗いてみれば、その風景は「憧憬」です。苦しい時期に出会った友達への憧れです。親しみの距離、バックボーンは実は関係なく、ただその関係性には自分の他者への愛情だけが頼りだと、今になって理解できます。