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商品説明
彼がどこから来たのかは知らない。気がついたら活動していたのだ…。「イエスはキリスト教のではなく、歴史の先駆者である」という視点から、歴史の本質を担った逆説的反逆者の生と死を綴る。80年三一書房刊の増補改訂版。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田川 建三
- 略歴
- 〈田川建三〉1935年東京生まれ。新約聖書学者。著書に「書物としての新約聖書」「キリスト教思想への招待」など。
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著者/著名人のレビュー
イエスはキリスト教の...
ジュンク堂
イエスはキリスト教の先駆者ではない、歴史の先駆者である――イエスをキリスト教の呪縛から解き放ち、歴史の本質を担った一人の逆説的反逆者として捉えた、画期的名著の増補新版。
「イエスという男はどこから来たのか、我々は知らない。『ナザレのイエス』と呼びならわされていたから、ガリラヤ地方のナザレの出身だったのは確かだろう。……しかし、ある日イエスは決断してナザレの村を出て、あのような活動をはじめた、というのではない。いつ、どのようにして出てきたのか、気がついてみたら、イエスという男はああいう活動をやっていた、ということだろう。……だいたい、あれだけの活動が、一つや二つの決心やきっかけでできるものではない。それはイエスという男の生の帰結であり、出発であり、内容であった。」(本書より)
内容目次 逆説的反逆者の生と死
/イエスの歴史的場/イエスの批判―ローマ帝国と政治支配者/イエスの批判―ユダヤ教支配体制に向けて/イエスの批判―社会的経済的構造に対して/宗教的熱狂と宗教批判の相克/人名・事項索引
出版ダイジェスト:2004年12月
『キリスト教文化の謎と魅力 クリスマスを迎える静かな夜に読む本』
紙の本
真の自由を求めて生きた男の話
2004/06/12 18:10
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:パティロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新刊案内で田川建三著『イエスという男』を見つけたとき、胸がどきっとしてしまった。自分の今までの未熟な人生を振り返っても、その節目節目に大切な役割を果たしてくれた本たちがいる。そして今、とても大切に思っている本がこの本なのだ。増補改訂版ということなので、私が読んだ初版本とは違うけれど、ずうずうしくもこの文を書きたくて書いている。
これは、イエスの生き方に込められた著者自身の生き方、思想の本だ。
著者が求めるものは、人間の真の解放・自由なのだろう。
著者はイエスを、同じく真の自由を求めたゆえに、しかも過激に求めたゆえに、殺された男だと、共感している。
何にも属さない、もしどうしても属さなければならないとしたら、強い者たちの側ではなく弱いものの側を選びたいというイエスの生き方が、「虐げられているものが救われるのだ」という虐げる側に都合のいい言葉にすりかえられる。そういうやり方で、死後のイエスが強者にたくみに呑み込まれていることを、著者は繰り返し批判している。
>人は自分が理論的に理解しえないことも、実践的にはなしうる。
なるほど、理論というものは、私たちの“生”という実践のあとを、ひいひい言いながらようやくくっついていっているだけなのだろう。
>人間の解放というようなことが言い得るとするならば、誰に強制されるのでもなく、それぞれがおのれのうちにあるある種の残酷さを克服していかなければならぬ。
そしてこの言葉は、私を戒める。
今の私には、こういう読み方が精一杯だけど、本書のこのふたつの文章を、絶対忘れることはないと思う。