紙の本
いい恋だよ
2017/03/24 16:57
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんといっても「蕎麦屋の恋」が秀逸。まず京急線沿線の話。いつも利用している路線だから親近感湧きまくり。八景、横浜、川崎とイメージしやすく、頭の中が映画館に。あれはきっとあそこだろうなーと。波多野さんの恋の表現、ステキ。炬燵に入って一緒にTVを見る。愛情があるからこそ。愛を感じる場面、行動、人それぞれなんだ。ホテル行って一緒にTV見て帰る。新鮮だった!他2編。自由が丘の勘違いカフェはありそうで。基次郎的行動痛快。最後、フィンランド舞台。タイプの違う女性2人と男性1人。桜子タイプなんだかんだモテる。おそらく。
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この人の作品もまだ一部しか読んでないな。直木賞候補にもなった『ツ・イ・ラ・ク』はビックリするほどに面白かったけど、他の作品は結構揺れがあって好き嫌いが分かれる。
地味に女に持てる製薬会社の課長と板前志望の女の子の不思議なデートを描く表題作、こじゃれ感を装ったものを憎む美容師小林君のタタカイ「お午後のお紅茶」、学生時代の女友達の招待で妻とスウェーデンへ行くことになった男の物語「魚のスープ」、以上の3篇が収められている。
痛快なのは「お午後のお紅茶」。小林君が勤める青山の美容院そばのレストランが標的となるのだが、いかにも「おしゃれでしょ」って感じの店で女主人は偉そうでしかも味付けは濃いし、なんか押し付けがましい!!わかるわー。なんか許せないんだよ、演出がミエミエなかんじとか。しかも店の名前は「ポプリ」だ。勘弁して欲しいわ。読みながら小林君とともに憤ってしまう作品。石田衣良の解説もGood.
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「男女の関係」というものに、ちょっと感傷的な気分になりながら読める小品3篇、といった感じです。ただ、この登場人物たちの周囲の人々はどうなんだ?とか、2番目の自然食レストランの話は、姫野さんの私怨なのか?とか考えてしまいますが。僕は「魚のスープ」の安易で妥協的だけどちょっと幸せな結論が、なんとなく好きでした。
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読み始めはいまいち・・・ と思った。 でもだんだんよくなった。何も起こらない、というか、起こってるけど、起こってない。そんな小説は好きです。
コタツに入ってテレビを見る。ただそれだけに幸福を感じる。それってとっても素敵だなと思った。そして、それを感じて、なんとなく察して、自然に一緒にやってくれる男性に、そんな人に、出会いたいものです。
二つめの『お午後お紅茶』どんな話かと思いきや、うーん。最後まで!でも、小説としてうまいなぁと思った。この本の中で一番良かったのは、『魚のスープ』
姫野カオルコ、大人だな。この、なんだか微妙な短編集は、とっても微妙で。ラストもなんだか微妙で。でも、それが、真実っぽくて良い。かな。
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タイトルといい中味といい
そこはかと川上弘美のニオイがするのは私だけ??
いつもの作品と違って
ハードさがあまりありません。
男と女の色気もそこはかと飄々としてます。
生々しくない艶があります。
私には全然ありでしたが
ものたりないなって人もいたかもしれませんね。
「お午後のお紅茶」はタイトルがすばらしい。
うっかり「午後の紅茶」って読んじゃいましたが、
気をつけてください。
「お」をはずすと作品のグレードがさがっちゃいますよ。
この意味のない「お」が命なのです。笑
つまんない女の人でもそれが素敵だと言う男もいるのだと言う
「魚のスープ」よかったです。
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大人の男女の淡くて温かくて寂しい恋を描いた表題作の他、プロ意識に厳しい著者ならではの「自然派カフェ」を風刺した作、男性の恋愛に対する勘違い、自意識過剰を描いた作の全3編収録。
初期の作風を思わせつつ、ユーモアをまじえた軽やかな作品集。
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あんなに笑えるエッセイを書く人がこんなに優しい物語も書くのか…。
ゆっくりとした流れ、酔って歩く夜道のような浮遊感。
「ツ、イ、ラ、ク」ははげしくて青い恋であったのに対して、こういう大人の恋(?)も素敵…と大袈裟でもなく思う。
優しい話じゃないかもしれないけど優しい話だと私は思った。
「お午後のお紅茶」はラストが笑える。
解説は石田衣良氏(「池袋ウエストゲートパーク」の原作者。「14」?も読んだ。?が楽しみ)。
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日常生活のはしばしに起こる情感の起伏を、さまざまな角度から物語にした短編集。総タイトルにもなった巻頭作品は、穏やかで淡い恋愛佳篇。
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「お午後のお紅茶」は姫野節炸裂。
似非オシャレの気持ち悪さに対する
痛快な批判がとてもおもしろい。
表現うますぎ。
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3つの話が入った短編集。
解説にもあったが、姫野作品らしい、恋愛や価値観を懐疑的に読者に投げかける話だった。
気張らずに楽に読めたが、パンチは少なかったかなあ。
ただ、リラックスして読めた。
強いて言うなら、石田衣良の解説だけが不満。
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お午後のお紅茶がものすごく笑えた。
あそこまでひどいところに行ったことはないけど、お店をやっている人は大なり小なりこだわりがあるんだと思う。それが行き過ぎると他人に迷惑をかけるもんだと思うと、笑える。
でも、自分も気をつけないとなぁ
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書店で4位だったかになっていたし、読みやすそうな厚さだったので購入。
文章って、作者さんによってそれぞれ書き方の特徴があるじゃないですか。
姫野さんの本を読むのは初めてだったので、新しい文だな、と思いました。
3つの短編が入っていたのですが、どれも「うーん…」って感じ。
登場人物に共感できなかったせいかな…。
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製薬会社の経理部課長、秋原。43歳の平々凡々な男なのに、新入社員のお嬢さまやら年上のキャリアウーマンやらにやたらともてる。
一方コックを目指す31歳の波多野妙子は家庭の団欒に飢えた一風変わった女性。
二人は通勤に使う京浜急行の中で出会い…。
二人のキャラクターも出会い方も直球の恋愛小説とはほど遠いのだが、なぜか和む。
表題作の他に収められている「お午後のお紅茶」と「魚のスープ」もなんとも言えないおかしみがある。解説(石田衣良氏による)にもあるが、作者の好き、嫌いをやわらかく、だけどストレートに伝えてくるあたりが心憎い。
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直木賞受賞作家を、図書館で借りる。価値観のギャップが面白い。例えばバイセクシャルであることのような驚く話がさらっと、炬燵でTVのようななにげない話がガツっと描かれる。世間に囚われない軽やかさがいい。
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二冊目の姫野カオルコである。
当時小学生の頃、購読していた雑誌で推薦されていた『変奏曲』を読んで(あれは小学生が読むべき本ではまったくなかった)以来。
あらすじを読んでこんなしっぽりした話を書くのか、と思ったけれど、案の定淫靡なテンションの作品だった。
具体的な描写はないけれど。
表題作の『蕎麦屋の恋』は、43歳のサラリーマンと30歳の料理人を目指し脱サラした女が親密になっていくまでを描いている。
二人は京急線ユーザーで互いに存在を知っていて、ふとしたきっかけで言葉を交わすようになる。
ただ二人が接触するのは後半部で、男女それぞれの過去に起こった出来事を掘り下げている。
男はなんでそんなに?というほどモテる。
彼に魅力を感じきれず、なんか違和感があった。ここまでモテる設定にしないほうがよかったのではないかと思う。
女の方は、父親の歪んだ教育観に多大な影響を受け、”TVを誰かとみる”ことに異様なほど価値を置く。
恋愛というもの、女性であることがピンときていない感じの女と、プレイボーイの男(と彼がこれまで出会ってきた女達)のズレがよかった。
ただ、タイトルは『テレビの恋』の方が内容的に正しいのではないか。まったく風情はないけれど。
『お午後のお紅茶』
バイセクシャルの美容師が自身の過去を振り返る物語なのだが、”ポプリ”という名で自然派を気どりながらもポーズだけで中身がズレているレストランとその女店主の滑稽さを描いている、らしい。
というのも解説を読んで、ああそうなのかと思ったから。
こういう系の物語はイマイチピンと来ない。
『魚のスープ』
結婚三年目の夫婦がスウェーデン旅行をする話。
夫は”平均的ないい夫婦”である自分と妻の現状に満足していて、そろそろ子供も作ろうと思っているが、それは妻への愛情や子供への欲求よりも”あるべき姿”になることを求めている印象がある。
その理由が物語でわからなかったのがイマイチ入り込めなかった。
スウェーデンに赴任している女友達との微妙な綱の引き合いと、妻への覚めた目が印象的だった。