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ローマ人の物語 12 ユリウス・カエサル 中 (新潮文庫)
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紙の本
ヨーロッパをを創る人
2008/05/11 21:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
天才の行動は当代の人には理解できないのが特徴である。しかし、後世の人から見れば、その行動の正しさが明白であることも特徴だ。その意味で言えば、カエサルは天才だったと言える。
ローマ人がイタリア半島周辺に留まっていた時期には有効に機能していた共和制も、支配地域が拡大してしまうと機能不全に陥ってしまう。なぜなら、ローマで開催される市民集会に参加できない市民が増えすぎ、多数の声が反映されなくなった結果、地方に火種が燻る状態となってしまったからだ。この火種を消そうと軍を差し向けても、その指揮官以下中核は1年交代の任期制。敵地で戦争をしなければならないのに、戦争の才を持たない指揮官が任命されるかもしれないのだ。
カエサルは、ローマ共和制の欠点を明確に認識していた。そして、どういう支配制度を敷けば、広がったローマ世界を平和のうちに治めることが出来るかを考えて行動していた。この制度が有効であることは、カエサルの後継者オクタヴィアヌスの手により生まれ変わったローマ帝国が存続した事からも明らかだろう。しかし、カエサルにとっては自明なローマの欠陥も、当時の元老院議員には理解できなかった。彼らにとって、カエサルの行動は王を目指すための利己的な行動にしか見えなかったのだ。
現代の政治家は理想を持って政治を行っているのか。こういう話を読むと疑問を感じてしまう。確かに、自分なりの理想を持って政策を立てている人もいるかもしれない。でも、その政策とは、例えれば、いまある道を右に曲がるか左に曲がるかを決めるという程度のものではないのか。新しい道を切り開くように、滑走路を敷設して空を飛ぶというように、抜本的に何かを変えるということまで考えて政治をしている人はいないように思う。
現代の政治制度は、ローマ共和制が抱えたような問題を孕んでいる気がする。これを劇的な変化によって乗り越えるのか、緩慢な衰退を迎えるのか、静かに選択の時は迫っている。
紙の本
キケローの不幸
2006/10/29 21:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
塩野七生の本に出てくる 情けないキケローの姿に同情して キケロー自身の著作である「老年について」「友情について」を読んでみたが どうして大したものである。
日本の縄文時代にローマではワイン片手にこんな本を書いた人がいるという事実は2000年経った今でも「重い」。
それにしても まことキケローは知性の人であり 塩野にあそこまで滑稽に書かれるのは 彼の不幸である。塩野の愛するカエサルが同時代だったのが 彼の不運であるとしか思えない。キケローさん、ちょっと生まれた時代が悪かったですよね、同情します。
紙の本
カエサルの大改革
2015/08/31 14:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
アレクサンドリア、ゼラ、タプソス、ムンダの戦いに連戦連勝したカエサルは終身独裁官に就任し、ローマの大改革に乗り出した。しかし、彼に残された時間は短かった・・・
前巻に続く戦闘シーンもさることながら、改革篇のカエサルはわずか2年足らずでかくも多くの政策を実行できたのか、と驚くぐらい内容の濃いことをやっている。戦闘シーンと比べると少しつまらないかもしれないが、こっちのほうに彼の真価が表れている気もするので、飛ばさずに読んでほしい。