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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.7 267件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2004.10
  • 出版社: 小学館
  • サイズ:19cm/284p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-09-387499-9

紙の本

間宮兄弟

著者 江国 香織 (著)

だって間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでるじゃん−。「そもそも範疇外、ありえない」男たちをめぐる、江国香織の恋愛小説。【「TRC MARC」の商品解説】

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間宮兄弟

税込 1,430 13pt

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著者紹介

江国 香織

略歴
〈江国香織〉1964年東京生まれ。作家。紫式部文学賞、山本周五郎賞、直木賞等受賞多数。著書に「きらきらひかる」「号泣する準備はできていた」など。

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みんなのレビュー267件

みんなの評価3.7

評価内訳

紙の本

映画になりましたね。

2006/04/07 19:34

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山野翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る

江國香織の『間宮兄弟』を読んだ。
面白く、微笑ましくて、そして哀しい恋愛小説だった。
「そもそも範疇外、ありえない」男たちを巡るお話し。
恋愛らしい恋愛は彼等には起こらない。彼等を中心に様々な他人の恋愛沙汰は数多く発生するのだが…。
彼等に起こるのは恋愛とも呼べない一方通行の片想いばかり。切ない。しかし、何か考えようによっては、俗世間を超越しているが如き彼等の生き様は少々羨ましくも思える。
「いい人」だが「恋愛関係には絶対にならない」男二人。本当に「いい人」たちであることが、小説を読んでいると、ひしひしと伝わって来る。
「カレーパーティー」に「花火大会」、それぞれに足を運んでくれる女性たち。
兄・明信の職場の上司の妻(離婚話でもめている)に一目惚れする弟・徹信。勿論、直ちに玉砕するのだが。そして、彼は毎度のように新幹線の走る姿を見に行く。心の傷を癒すために。
兄・明信もビデオ屋の店員・女子大生の直美ちゃんにあっさり振られる。大ショック。
小学校(徹信が校務員として働いている)の教師・葛原先生には、別の彼氏との別れを決意させる役回りしか巡って来ない。
でも、二人の兄弟は基本的に元気だ。
郷里の母親は、そんな彼等を大の自慢にしている。母の誕生日に兄弟は毎年、食事に彼女を誘う。そんな息子たちなのだ。(父親は既に他界している)
最後に思ったのは、恋愛なんて成就しなくても一向に構わないということ。ゴールの結婚生活が素晴らしいものだとは限らない。
「恋に恋する」間宮兄弟の生き方は安全(?)で、ドロドロせず、案外楽しいものなのかもしれない。
兄弟二人、これからも末長く明るく暮らして行ってもらいたい。
一つの男の生き様の理想形ではある。彼等の如く、生きたいかは別にして。
「ここは、ついさっき、私が一人で立っていたときと、違う景色の場所に思える。」
本の帯にある言葉。彼等兄弟が作り出した俗世間とは一線を画した異次元の世界。ずっと其処で生きてみたいような、たまに行くからいいような場所・・・。ほっとはするが、人間真の痛みも必要かもしれないし、人の醜さ残酷さも知るべきなのかもと思う。絵本の世界は普通、大人になれば卒業するものなのだ。しかし、強い郷愁の念を忘れられない・・・。
追記:このお話は映画になった。まだ、公開されてはいない。が、徹信がお笑いのドランクドラゴンの塚地武雅とは、意外なはまり役だと思う。早く観てみたい。葛原先生が常盤貴子もいい線行っている。兄弟の母親役に結構ちょい役で映画出演が多い中島みゆき。どんな怪演を見せてくれるか。これもファンの一人として大変期待している。

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紙の本

ささやかで、みっともなくても、小さな幸せ。

2007/09/15 21:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトウジョン - この投稿者のレビュー一覧を見る

いい年した兄弟が二人で仲良くご飯を食べたり、
ビールとコーヒー牛乳片手に野球観戦をしたり、
クロスワードパズルに熱中したり、
別々の本を読みふけったり、
そしてたまには若い女の子や悩める人妻にドギマギしたりする日々の物語。


ほのかな<色恋>が登場するものの、間宮兄弟の基本はあくまで自分たち兄弟にある。兄弟は自分たちがもてないのを分かっているし、決して負け惜しみでなく二人の暮らしを満喫している。
二人は幼い頃のまま仲良くしているだけなのだけど、それが他人の目には奇異に映る。「屈託がなく」「どこか俗っぽさを超越しているように」見える。
そして間宮兄弟のその愛すべき性質は、何故だか周囲の人々をもなごやかな気持ちにさせてくれるものなのだ。
そしてこの物語を読んだ読者の気持ちをも。

実は先に映画版を見ていて、映画もなかなかに自分好みでいい出来だと思ったのだけれども、それは何よりこの「間宮兄弟」のキャラ設定が何より魅力的だった結果だろう。
何も言わずとも一見してまず「オタクっぽい」と思われがちな二人、
それなりの社会経験を積んでいる筈なのに子供っぽさが抜け切らない二人、世間から浮いていることを自覚しつつも自分を偽れない二人。

「間宮兄弟」に好意を抱いてしまう人というのは、きっと自分の中のどこかに「間宮兄弟っぽさ」を持っているからではないかな、と思う。
大人になって、昔の自分を忘れたフリをしているけれど、本来はきっと誰しもの心の中に「間宮兄弟」的なものがあるのではないか、とも思う。


自分なりのこだわりがあるのはいいことだ。
ささやかでもいい、毎日が楽しいのはいいことだ。
兄弟だって姉妹だって親子だって友達だって恋人だって夫婦だって、心の通う人がいるというのはいいことだ。


日常の中の小さな幸せを教えてくれる、なんともほのぼのする作品である。

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紙の本

間宮兄弟の細部に宿るもの

2007/08/13 22:36

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画を先に観た口です。
映画もとても好みだった。
そして、小説もとても好みだった。

細かい設定それぞれがほほえましく、
するするよめる。

ジグソーパズルをおもしろ地獄と呼ぶ。
学校職員の仕事をヘミングウェイと呼ぶ。
読書日のすごしかた。等等。
映画にもあったけど、彼らの部屋の本棚は、とても豊かで楽しそうだ。

特に私が好きな細部。
小説の中の人物って、なぜかたいてい、
海外小説か、近代の日本の小説ぐらいしか読まないイメージがあるけど、
間宮兄弟はごく最近の作家までマークしている、というところ。
村上龍対村上春樹の議論をしたりする兄弟。
こういう細部のおもしろさが、
兄弟の輪郭をくっきりさせてるのかな。
男性っていうより、男の子がそのまま大きくなったような。

まだまだ続きがありそうな気がする。
読み終わったとき、終ってさみしくなった。
ちょうど作中の本間直美が、
あの兄弟のおもしろい部屋にいけないのは残念、と思ったように。

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紙の本

人生における幼年時代の意義をさりげなく伝えてくれる温かい物語

2004/12/12 23:08

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『間宮兄弟』は、酒造メーカー勤務の兄・明信35歳と小学校の用務員の弟・徹信32歳の二人が主人公の小説である。登場人物は、二人暮らしの間宮兄弟、徹信の勤める小学校の教師・葛原依子、レンタルビデオ店のアルバイト・本間直美と妹の夕美、直美の彼氏・浩太、夕美のボーイフレンド、そして、兄・明信の同僚・大垣賢太とその妻・沙織、同じく明信の同僚で大垣と大人の交際をしている安西美代子だ。
 母親思いで、かなりの読書家、スポーツ観戦、映画鑑賞、音楽鑑賞と豊かな趣味を持つ、人柄のいい兄弟であるが、間宮兄弟は恋愛運には恵まれない。レンタルビデオショップの直美に恋をした兄も大垣賢太の妻・沙織に恋をした弟の思いもはかなく終わってしまう。二人とも彼女がいない暦35年と32年である。
 徹信の同僚・依子の同僚教師との不倫、大垣賢太・沙織夫妻の不仲、大垣賢太と安西美代子の大人の交際、直美と浩太のさわやかな恋愛、夕美とボーイフレンドの子どものような交際、間宮兄弟を巡る登場人物の恋愛模様が巧みに描かれている。
 
 他の登場人物の過去は一切語られていないが、間宮兄弟の子ども時代や父親が生きていた頃の家庭の様子、離れ住む母親・順子と祖母の様子は細やかに綴られている。
 兄弟は、失恋しても自分を失うことなく、元の生活にすんなり戻ってゆく。傷つけられても傷つかない。傷つけられても決して人を傷つけない。暖かく、誠実な間宮兄弟。経済的にも、両親の愛情にも満たされて、仲良く成長した兄弟の幸せな幼年時代に間宮兄弟の確かな心の置き所があるのであろうか。
 紙ヒコーキやビー玉、キャラメルのおまけ、ラムネのびん、LPのレコード、古い漫画など、誰もがいつか処分してしまうような物をいつまでも大切に持っていそうな二人のことがうらやましくなってしまった。
 
 恋愛小説でありながら、恋愛が主題ではなく、大人になった登場人物を描いていながら、それぞれが抱え持つ子どもの部分が浮き彫りにされている。恋愛に振り回されずに生きることも一つの術であることを間宮兄弟から学ぶ人もいるだろう。
 弟の徹信が小学校の用務員という職を気に入っていること、小学校の教師・葛原依子と同僚教師の不倫など、恋愛小説の舞台とはなりそうもない小学校という場に小さなスポットライトが当てられていることも面白い設定だと感じた。

 小説『間宮兄弟』は、人生における幼年時代の意義をさりげなく伝えてくれる温かい物語としてお勧めの一冊。

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紙の本

夜の紙ひこうき

2004/11/14 21:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 紙ひこうきは飛行機ではない。形は飛行機を模しているし、一応空も飛ぶ。しかし、それはきっと、全く違うものだ。例えば、空に置いてみる。紙ひこうきが空にある時、飛んでいるというより空間に浮かんでいるように見える。飛行機にはもちろんそのような頼りない浮力感はない。それでいて、紙ひこうきの姿は本物の飛行機よりも凛としている。紙の折り目がくっきりと空の獏とした空間に映える。そして、それが夜の空ならなおさらだ。

 そんな夜の紙ひこうきのような作品が、江国香織の『間宮兄弟』である。主人公の間宮兄弟は、たぶん複雑骨折したような現在(いま)にあって、夜の空を飛ぶ紙ひこうきのように、危なっかしい漂い方で生活をしている。兄明信は三五歳でやせ型、弟徹信は三二歳で肥満型。性格は体型が違うように、兄弟といってもかなり違う。唯一同じことといえば、女性にもてないことだろうか。それでいて、間宮兄弟の日常は悲惨な感じがしない。兄弟と出会う人たちもそんな兄弟の生活に何故か懐かしさのような思いを抱いてしまう。

 間宮兄弟は兄も弟もだ。本が好きで映画が好きで、夜の公園で紙ひこうきを飛ばすのも好きだ。父はいない。母とは離れて暮らしている。でも、母の誕生日には贈り物をもってお祝いをするし、冬至には母から教えてもらったとおり、今でも湯船にゆずを浮かべる。間宮兄弟の日常が人の心を惹きつけ、暖かくさせるのは、現在の私たちが失ってしまった何かが兄弟にはあるからだ。便利とか効率とかでなくしたもの。それは、紙ひこうきがもっている緩やかな浮力感に似ている。

 物語に登場する女性たちは間宮兄弟に惹かれていく。しかし、彼女たちは愛の対象として兄弟を選ぶことはない。彼らの生活にあこがれるものの、彼らと生活を共にすることを選択はしない。それは紙ひこうきの時間や空間でなく飛行機の速さを選ぶ現代人と同じことだ。もう私たちは飛行機がもたらす速さを捨てることはできない。そんな私たちだから、紙ひこうきのような間宮兄弟を愛してやまないのだ。今夜もどこかでこっそり夜の空に紙ひこうきを飛ばしている間宮兄弟を。

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紙の本

間宮兄弟の一風変わった魅力

2006/06/06 10:29

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

何だかおかしい。何だか切ない。
間宮兄弟はそんな兄弟だ。兄の明信はひょろひょろで弟の徹信は太り気味。どちらも共通して女性にもてず、というか女性とつきあったためしがなく、30歳代半ばになっている。女性が彼らに振り向いてくれない理由を「格好わるい、気持ちわるい、おたくっぽい、むさくるしい、だいたい兄弟二人で住んでるのが変、そもそも範疇外…」などと作者は厳しくあげつらう。厳しい、んだけど、そこには何らかのユーモアが漂ってしまって、悲痛さをかもしださせない。これって大事なポイントだと思う。読んでいて、読者までが、間宮兄弟のことを「あーむさい」とか思ったら、その時点でこの小説は失敗だ。そうではなくて、どうしようもなく世間の渡り具合が下手な二人を、不思議にいとおしいと思う気持ちが湧き上がってくるところにこの小説の素敵さがある。実際間宮兄弟は兄弟そろって歌を歌って歩いたり、兄弟そろってジグソーパズルに真剣に没頭したり、茣蓙を並べてひいて寝ころんだり、何だか子供のような姿に多くの読者は好感を持つのではないだろうか。
ところで子供のような兄弟を描いているだけでは小説にならない。冒頭10ページのところで「もう女の尻は追わない。そう決めた日から俄然平和になった」とある。なぜなら彼らはあまりにもひどい痛手を、恋をすることによって被るから(つまりこっぴどく振られるから)。なのに明信はレンタルビデオ(ビデオ鑑賞も彼らの趣味の一つだ)屋のバイトの女の子にちょっと気を引かれはじめ、そうなると徹信はカレーバーティなるものを開いて明信の恋を応援しようとする。一方で自分の勤めている学校の女性教諭も招いて明信に紹介しようともするのだが。だが、ことごとくうまくいかない。ビデオ屋の女の子には彼氏がいるし、女性教諭はとりつく島もない。そうこうしているうちに徹信の方が一目惚れをする。相手は明信の会社の同僚が離婚しようとしている妻である。徹信は被害者である彼女を自分が支えてやらなければと思う。どうも徹信は思い込みが激しい傾向にあるようだ。だが、徹信は振られ、失恋した時にいつも行う儀式のような、「新幹線を見る」という行為をして、年の暮れを迎える…。
こうやってこの小説のあらすじのような、部分的な場面を切り取ったような文章を書いてみても、この小説の魅力を、勿論充分につたえるものではない。私が最も惹かれたのは、何というか、文体である。からっとした文体、当たり前のことを当たり前のように告げている文体に、なぜかユーモアがにじみ出す。それは間宮兄弟というやさしくて、明るくて、でももてないキャラクターを描いているからかもしれないし、その文体があるから今述べたような間宮兄弟が生まれてきたのかもしれない。畢竟、両者は結びついている。
映画化されたことによってこの本は更に多くの人が読むようになるだろう(私はあまり映画を見てから本を読むという、最近の傾向は好まないのだが)。その時、映画とは異なる間宮兄弟、及び間宮兄弟を取り巻く人々の魅力がどう綴られているかに気づいてもらえたらいいなあと思う。

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紙の本

空気の描写

2005/08/09 12:53

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kakko - この投稿者のレビュー一覧を見る

苦手な江國香織だが、これはとても好きだった。
淡々と、人が描かれている心地よさ。
誰かがそこに存在する空気の味わい。
私が小説を読む楽しみは、現実では知り得ない人々の人生の断片に触れることだ。
こういう人たちは、よくよく見れば、存在しているのだろう。なのに、日常では関わることがなく、当然ながら彼らのような生活、心情を知る機会がない。
自分の感性に合っても合わなくても、人物にリアリティーがあってもなくても、「こういう人がどこかにいる」「こういう世界がどこかにある」と知るだけで、読書は私にとって有益だ。
物語の面白さなどより、「江國香織という作者がこういう人たちのこういう世界を描いた」ことそのものに物語があるのだと感じるし、読者はこの作品を通してその物語の断片に触れられる。それが、私には楽しかった。
余談ながら、読者がコメントする書評について、共感やリアリティーや興味や好みにおける採点ポイントで、作品を評する姿勢を、いつも痛ましく感じる。好みでないことを得意口調で公表する自己顕示欲は毒々しくて、嫌な気持ちになる。個人の書評サイトでの毒の吐き散らしは自由だが、本を売るサイトにそれを掲載することに疑問を感じる。たくさんの読者がたくさんの本を手にする機会があってこそ、より豊穣な出逢いに広がるはずなのに、なんだかとても悲しいし、恐ろしい。

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紙の本

間宮兄弟は、まだまだ遊び盛り。

2006/05/16 19:03

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:TEMU - この投稿者のレビュー一覧を見る

`ただ道を歩く´という行為も、間宮兄弟の手に掛かれば
歌を歌ってすっかり遠足気分。
遊び盛りの子どもを身体だけ大きくしたような彼らは、
端から見ると`ちょいダサ´兄弟。
でも不思議と心が和む。
彼らにとっては、何気ない日常が
読者を新鮮で、どこか懐かしい気持ちにさせる。

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紙の本

間宮兄弟は、いつまで理想郷に二人、篭っていられるのだろうか

2005/11/01 12:57

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つな - この投稿者のレビュー一覧を見る

居心地のいい空間で、二人心静かに暮らす間宮兄弟。外見や内面は対照的だが、昭信と徹信の共通点は女性にもてないこと。夏から冬にかけて、彼らの生活に変化が訪れる。切っ掛けは、レンタルビデオ屋の店員直美ちゃんと、徹信の職場の同僚依子を、彼らの自宅でのカレーパーティーに誘ったこと。これを機に、直美ちゃんとその妹の夕美ちゃん姉妹、夕美ちゃんのボーイフレンドとの交流が生まれる。昭信の会社の先輩、賢太の妻沙織も後半で登場してくる。
夏が過ぎ冬になって、彼らの生活には何の変化もなかったのだけれど、彼ら兄弟の存在は周囲に確かに影響したのだ。
この間宮兄弟のマンションは、本当に居心地が良さそう。「ダイヤモンドゲーム」、「怪盗ルパンシリーズ」、ケストナー、リンドグレーン、などなどが懐かしい。
マンションの居心地の良さ、人柄の好もしさは伝わるのだけれど、彼らはやっぱり「もてない」まま。この兄弟も、ずっとこのままというわけにはいかないのだろうけれど、浮世離れした理想郷ではある。

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紙の本

チャップリン兄弟

2004/11/07 15:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

間宮兄弟—兄・明信、サラリーマン。弟・徹信、小学校の用務員。
純朴で心根の優しい兄弟だが、彼らを知る女性たちに言わせると、「恰好わるい、気持ちわるい、おたくっぽい、むさくるしい、だいたい兄弟二人で住んでるのが変、(略)そもそも範疇外、ありえない、いい人かもしれないけれど、恋愛関係には絶対ならない」。
当然、兄弟は女性とつきあったことがない。
兄は妄想に奔りすぎ、弟は猪突猛進にアタックする。
彼らは何度失敗しても、このパターンを改めようとはしない。
本書でも、兄は行きつけのレンタルビデオ屋の店員に、弟は人妻にこっぴどく振られる。


失恋物語でありながら、読後に爽快感が残るのは、溢れるユーモア感覚と、妙に心温まる兄弟のキャラクターのせいだろう。
兄弟の家に招待された女性が、扉の外で入ろうか逡巡している。自分は場違いなのではないかと。引き返そうかとも考えるが、思い切って呼び鈴を鳴らす。出迎えた兄弟を見て、彼女は次のように感じる。

「おなじ夕闇とおなじ空気。依子は不思議な気持ちで考える。それなのにここは、ついさっき、私が一人で立っていたときと、違う景色の場所に思える。」

兄弟の不思議な魅力を示した秀逸な描写だ。

兄弟がチャップリンの映画をビデオで見る場面で、

「世の中の理不尽さに負けそうな気分のとき、なぐさめと勇気を与えてくれる。それは灯台ほど確固たる光ではないが、マッチ売りの少女のマッチ程度には、役に立つのだった」

とチャップリンについて書かれているが、これはまさしく間宮兄弟にもあてはまるだろう。


彼らは、恋のため、女のために自分を変えようとはしない。
彼らの周りの人物たちの世界が、恋人や配偶者を中心に回っているのと、ちょうど対照的だ。
間宮兄弟は恋には恵まれないが、充足している。日々を楽しんでいる。世俗にわずらわされていない。
本書を読んでいて、こういうのも幸せのひとつの形かもしれない、と思った。

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紙の本

非モテ系人生のススメ。

2004/10/29 09:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る

 なぜかモテない三十路の間宮兄弟は、二人仲良く2LDKに住むのであった…。江國香織作品は、こういうちょっと奇妙な家庭(でも、本人たちにはさほど自覚がない)を描くのがものすごくうまいと思う。淡々とライトな筋立てながら、こういう人生の深淵をふとのぞかせる描写に引っ張られて飽きずに読了出来た。

 いい人なのに、恋愛対象にならないという間宮兄弟。ああ、それは周りの人の見る目がないのね、可哀想に…と思って読み始めたのだけれど。ごめん。やっぱだめだわ。気持ち悪いわ。ヒトに対してキモチワルイなんて失礼な感情をそうそう持たないのだけど、間宮兄弟は特別。うん、ヒトはいいと思うよ確かに。でも、二人っきりで完結してしまっているのだもん。他者の介在する余地はないね。

 「スイートリトルライズ」や「思いわずらうことなく愉しく生きよ」などの江國香織作品はかなりホラーな側面があるなぁと常々思っているのだが、今回も怖い女が出て来る。私は飼い犬に差をつける人(内犬と外犬を分ける等)が嫌いなので彼女のことも全然好きになれなかった(番犬が欲しいならセ×ムにでも入れ!)。しかし彼女のような傲慢と自己憐憫は、女性ならば誰もが多かれ少なかれ抱えているものでもあるのだろう。ああ、恐ろしい。

 いつもふられている彼らだが、ドン・キホーテ的とでも言うのか、明らかにムリ目の女性にばかり惚れている。それは自分が彼女と釣り合うかどうか客観的視点で見ることが出来ないからなのか、それとも恋の情熱の前には客観的視点など無力なのか、おそらくその両方なのであろうなぁ。あきらめない前向きな姿勢も潔く、希望を燃やし続ける彼らが滑稽でありながら、読み進めるうちに「負けるな! がんばれ! それでいいのだ!」とエールをおくりたくなってしまうのだから不思議。
 非モテ人生を邁進する彼らだが、だからこそ普通の大人ならばゆるされぬほどの自由気ままで優雅な暮らしをおくることが出来るのだから、非モテ万歳と言うところか。
p.s.以前、知人が言っていたのだが、あまりにあたたかで居心地のよい家庭というのは、家族(子供)が外へ飛び出す力が弱くなるとか。間宮兄弟の家もそんな印象を受けたよ。

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紙の本

ま、こういう適度な軽さの本をファッショナブルととらえて喜ぶ人って多いんだろうなあ、でもなあこれって時間つぶし本だよなあ、時間、勿体無かったかなぁなんて思ったりして

2004/12/11 21:05

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ちょっと小ぶりだよなあ、と本を見て思ったので実際にロバート・ホワイティング『イチロー革命』と並べて見たら、確かにそうだった。身長170cmを超える男性陣に、150cmの愛らしい少女が混じった時のような、親しみやすさである。何の話かって? 勿論装丁です。装画=木下上勝、写真=大野晋三、装丁=SONICABANG CO.

主人公の間宮兄弟は、上が35歳の明信(12回見合い)、下が32歳の徹信。一方通行の恋をしたことはあるけれど、恋愛をしたことは二人とも無いという最近では良くあるパターンの男性、ただし兄弟二人とも異性に不器用は珍しい。痩身なのが明信、小太りが徹信と覚えてもらえばいい。兄の職業は会社員、弟は学校職員。母の名前は順子、年齢は不詳だが、弁護士であった夫を亡くした今は、一人のんびり静岡に暮らし、気軽に東京に出てくる点を考えれば50代後半がいいところだろう。

話は、兄思いの弟が、明信のために自分が働く小学校にいる「明信好み」と思われる女性教員の葛原依子を、二人が済む賃貸マンションに招待しようと思い立つ場面で始まる。そのための企画というのが「夏の夕べのカレーの会」というのが、やはりもてないだろうなあと納得である。

しかし、ここで兄弟の思惑が微妙にずれる。その時兄の頭にあったのは、彼がよく使うレンタルビデオ屋のバイト店員直美だった。そういう兄弟の微妙な違いを描きながら、不倫に行き詰まった依子、浩太との恋に燃えている大学三年生の本間直美、姉を冷静に見る高校三年生の夕美、名前が出てこないボーイフレンドたちが兄弟と距離をとりながら話を進めていく。

それに、明信の同僚である経理部の安西美代子49歳、上司である大垣賢太39歳と妻の沙織という夫婦が絡んでくる。所謂、構成で読ませる小説ではないので、流れに乗るように気軽に読むのがいい。感動とは無縁の物語なせいか、淡々と読み終えることができる。ま、これで得るものといえばもてない男性への嫌悪感くらいなものだろうか。

読書、ビデオ、紙飛行機、スポーツ観戦、コーヒー牛乳、ゲーム、音楽、鉄道模型、花火大会など多趣味というか、如何にももてそうにないマイナーでオタク化した世界を泳ぎ回る二人は、当然のことながら社会といったものに全く興味をいだかない。社会というか、他者と言い換えても正しくて、結局、女性といっても彼らの中にある幻想の女性と遊んでいるに過ぎない。

どう考えても、こういう男は可愛くもなんともなくて、ただうざったいだけだから、気をつけようねという江國の声を聞いてしまうのは私だけだろうか。まさにライトノベルの真髄ここにあり、である。もう一度読むか、といわれれば時間が勿体無いから遠慮しておこう、そういうレベルの作品とでも言っておく。

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紙の本

内容紹介

2004/08/20 19:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小学館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

兄・明信、35歳、酒造メーカー勤務。弟・徹信、32歳、学校職員。二人暮らし。読書家、母親思い、マイペースで人生を楽しむ兄弟だが、おたくっぽいと女にはもてない。一念発起で恋人をつくろうと、徹信の同僚、葛原依子と、ビデオ屋の店員、本間直美を誘って家でカレーパーティ、花火パーティを開催する。依子は不倫相手と別れるが兄弟には興味なし。明信は直美をデートに誘うが断られる。しかし、直美の妹・夕美は徹信に興味を持つ。明信は同僚の大垣賢太に、妻・沙織との離婚話の仲介を頼まれるが、沙織は応じない。徹信は沙織に心惹かれるが冷たくふられる。しかし、兄弟の感性は次第に女性たちを動かすことになる・・・。女性にとって、本当に素敵な男性はどんな男性なのか。恋愛カリスマ作家として、女性たちの圧倒的支持を得ている江國氏の、美しい日本語によるリズムよい文体が遺憾なく発揮された作品です。

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2004/10/02 00:36

投稿元:ブクログ

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2004/10/01 11:30

投稿元:ブクログ

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