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商品説明
日本ではなじみが薄いが、奥深い魅力を秘めた3国。世界でも指折りの葉巻生産国ニカラグア、観光地としての魅力に溢れるホンジュラスのバイーア諸島など、知られざる中米の世界へ読者を誘う一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田中 高
- 略歴
- 〈田中高〉在ホンジュラス、エルサルバドル国連開発計画事務所プログラムオフィサー等を経て、現在、中部大学国際関係学部教授。著書に「日本紡績業の中米進出」ほか。
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紙の本
100%満足できる内容ではないが、ホンジュラス関連書籍の出版を喜びたい
2004/11/27 09:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホンジュラスに強い思い入れがある私は、彼の国に関した書籍をここ数年渉猟し続けています。しかし、私の希望に応えてくれるような書物は多くありません。中米は日本人には心理的にも遥か彼方に位置していて、その関連書籍は商業的にペイしないと見られているのでしょう。例えば島袋あゆみ著「アスタマニャーナ・また明日ね」(那覇出版社 ; ISBN: 4890951040)という優れたホンジュラス滞在記も自費出版という形でしか世に出ることが出来ません。
かねてから注目していたこの「エリア・スタディーズ」のシリーズでホンジュラスが取り上げられるとは思いもよりませんでした。他の2国との抱き合わせである上、ホンジュラスに割かれたのは14章と、3カ国の中では頁配分が最も少ないのですが、それでも彼の国の情報に飢餓感のある私は本書をむさぼるように読みました。
取り上げている話題はスペインによる侵略史・疲弊した経済状況・比較的安定した政治史・マヤ文明史などです。コパン遺跡に4章も配分したのは、既にマヤ文明の関連書が比較的入手しやすいことに鑑みると、もったいない気がします。
またエルサルバドルとニカラグアの章では文学や映画など芸術面に多少なりとも触れているのですが、ホンジュラスに関しては同様の記述が見当たりません。この点も残念です。
一方で、政治・経済に関する情報は比較的新しく、有益に感じられる部分も少なくありません。また他の中米国に比べてその国民性が穏健であると記していますが、この点は懐かしい思いとともに読みました。確かに私が首都テグシガルパで言葉を交わした人々は物腰が柔らかく、温厚な人柄を印象づけるものでした。
なお、ニカラグアの反政府組織コントラの拠点がホンジュラス国内にあったことに触れた英国映画「カルラの歌」の監督名を「ケン・クローチ」としていますが(141頁)、正しくは「ケン・ローチ」です。