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紙の本
著者コメント
2004/11/08 03:15
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投稿者:切通理作 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギネスブックに乗るロングランシリーズ『男はつらいよ』、そして『たそがれ清兵衛』が米アカデミー賞の候補になるなど内外の圧倒的な評価を得て、その路線を継ぐ新作『隠し剣 鬼の爪』も好評。
本書は、そんな山田洋次監督の80本近い作品を通して<日本人論>を展開しようという試みです。
副題として「幻風景を追って」と付けました。
そもそも山田洋次の描く風景——田舎や下町の温もりのある世界—−自体が、最初から実感に根ざすものではなく、遠い風景として抱え込むようなものであるということ。そしてそれは、日本中がコンクリートで覆われているいまだからこそ、見通せるのではないかという意識で本書は書かれています。
いわば『男はつらいよ』の世界で言うなら、寅さんの甥である満男の世代の感覚で書かれた本です。著者は高度成長期まっただ中の昭和39年に生まれ、山田洋次の監督暦とともに育ってきました。
日本の「幻風景」と「原風景」、そして読み手の皆さん自身の立ち位置が、この本からどう見えてくるのか、広く問いかける一冊です。