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書店員レビュー
まばたきで忘れてしま...
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん
まばたきで忘れてしまうような一瞬の嫌悪感が永遠に続くような、
そのまま快感に変わるような・・・
女性作家独特の皮膚感で描かれる湿度高めな一冊です。
一度読むとてんとう虫、ボタン、硬い床、いくつかのキーワードと
踊るようにゆらめく絵が忘れられなくなります。
本当は梅雨時にでも紹介したかったなぁ、などと思いつつ。
コミック担当
紙の本
虫虫
2007/12/14 14:48
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紺野優 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もしもだれかにこの作品集をひと文字であらわせ、といわれれば虫が動くさまをあらわす「蠢」という字なぞよいのではないかとおもう。ページをめくれば昭和のレトロな町並みが、砂が、てんとう虫が、花が、おおぜいの自分が、圧倒的な質感をもって飛び出してくる。その蠱惑的なイマジネーションと、抑制のきいた「白い」コマとのギャップが小気味よい。流れるような描線と大胆なコマづかいをみると、なるほど作者がアニメーションも手がけているというのもうなずける。津野裕子や秋山亜由子や中野シズカといったほかの青林系女性ファンタジストと比較すると、女性の生理感覚が強調されているのが特徴だろうか。とにもかくにも一読して損はない才能であって、こういった作家のためにぼくは青林工藝社を応援しつづけたい。