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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.12
- 出版社: 晶文社
- サイズ:20cm/358p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7949-2744-4
紙の本
プリーストリー氏の問題 (晶文社ミステリ)
退屈な人生を送っていたプリーストリー氏は、見知らぬ美女と手錠でつながれ、殺人犯として逃げ回るはめに…。抱腹絶倒のスクリューボール・コメディ。【「TRC MARC」の商品解...
プリーストリー氏の問題 (晶文社ミステリ)
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商品説明
退屈な人生を送っていたプリーストリー氏は、見知らぬ美女と手錠でつながれ、殺人犯として逃げ回るはめに…。抱腹絶倒のスクリューボール・コメディ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
A.B.コックス
- 略歴
- 〈コックス〉1893〜1971年。イギリスの作家。アントニイ・バークリー名義で本格ミステリを、フランシス・アイルズ名義で犯罪心理小説を発表。
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紙の本
手錠のままの恋愛
2005/01/10 22:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうやら大英帝国のジェントルマンたる者は、「冒険願望があってしかるべき」らしい。
アガサ・クリスティーの作品に登場する、よろず相談引き受け人、パーカー・パイン氏の元には、毎日の単調な生活に嫌気がさした男が、冒険を求めてやって来ていた。しかし本編の主人公プリーストリー氏には、一向に冒険願望がない。三十六才にして友人からは「ペポカボチャ」「カサガイ」呼ばわりされるが、本人にとっては馬の耳に何とやら。このまま平穏な一生を送るかと思われたが、ある夜ピカデリーで見知らぬ女性に助けを求められるという、かつてない事態に遭遇する。うら若く美しき女性の願いを断れないジェントルマン、プリーストリー氏は求めに応じるが、なぜか彼女と二人、手錠につながれ殺人犯として追われる身に…。
さてここで、「いくら何でも冒険しすぎじゃないか」とは読者側は思わない。全てを見渡す「天の視点」を与えられている読者には、もう一つの情報が与えられているからだ。彼をカボチャ呼ばわりした友人とその仲間達が、ある実験について話し合っていた事、その被験者にプリーストリー氏を選んだ事。なぁんだ、これは一種のお芝居だ。ならいくら話が広がってゆこうと、最後はおさまる所におさまるさ。そう楽観する。
ところがやっぱり、お芝居とは違うのだ。彼等の行動範囲は舞台の上だけにとどまらないし、あらかじめ決まった役者しか登場しない舞台とは異なり、次から次へと予想外の人物が飛び入り参加してくる。こうなると、もうシナリオは滅茶苦茶だ。
それでも、仕組んだ側は所詮素人。犯罪のプロ、警察が乗り込んでくれば、
あっという間にからくりが暴かれ、お灸を据えられておしまいさ。
そうかそうか、その手があった。
ところが、事件を担当するコッティンガム警部は、話を聞いて「まるで鉄道旅行で読む扇情的な三文小説」を思い出したと言いながら、事の真相に気づかないお間抜けぶりだし、唯一の目撃者であるフォスター氏は、現場で聞いた「皇太子」という言葉に反応し、「第二のサラエヴォだ!」と興奮状態(あぶないってば)で、どんどん妄想を膨らませていく。
「美女」「巻き込まれ型犯罪」「恋愛」とくれば、これはヒッチコックの十八番。プリーストリー氏と美女の『或る夜の出来事』の双方の勘違い会話シーンなんて、スクリューボールコメディの第一人者、プレストン・スタージェスの映画のワンシーン。更に、装画担当が映画『舞台よりすてきな生活』のチラシのイラストを描いている上杉忠弘さんなので、この物語、映画の匂いがぷんぷんする。登場人物達も、清廉潔白は一人もいないのだが、妙な所で弱気だったり良心に立ち返ったり、果ては勘違いに興奮したりと愛すべき人物ぶりを披露してくれる。
さすが、ロジャー・シェリンガムの生みの親、アントニイ・バークリー。
解説にある彼の著書『The Family Witch:An Essay in Absurdity』『The Professor on Paws』も是非読んでみたい。ちなみに前者は
「幽霊のついているような一家と縁を結びたい」と言う婚約者の父親に「幽霊はいないけど魔女はいます」と答えるトボケた男の話だし、後者は雌猫に教授の脳が移植されてしまうという、弓月光の漫画『ボクの初体験』をほうふつとさせる設定の話である。
紙の本
内容紹介
2004/11/13 10:49
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投稿者:藤原編集室 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「君はキャベツだ! カブだ! ペポカボチャのカタツムリ野郎だ!」友人からこう評されるほど、活気のない人生を送っていたプリーストリー氏は、ある夜、見知らぬ美女に助けを求められ、日頃の習慣を破って冒険に乗り出した。ところが事態は予想外の方向に発展、殺人犯として件の美女と手錠でつながれたまま逃げまわるはめに……。炸裂するスラップスティックと洒落たロマンス。A・バークリーが本名で発表したスクリューボール・コメディの逸品。