最驚！ガッツ伝説 ２

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投稿者：べあとりーちぇ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　大好評を博した「ガッツ伝説本」の第２弾である。前作に比べると少々「伝説」の個々のパワーは落ち気味に感じるが、あのインパクトはそうそう再現できるものではないのだろう。とはいえ本書の爆笑誘引力を侮ってはいけない。会社近くの書店で購入後、帰宅する電車の中でうっかり読んでしまった家人は何度も堪え切れずに噴き出してしまったのだそうだ。

　本書の体裁は第１弾とほぼ同じ。見開いた左のページに伝説が、めくった裏にその解説が載っている。その数は前回よりちょっと減って５８。芸能人ガッツ伝説の生き証人には勝俣州和氏、若槻千夏さん、地井武男氏、具志堅用高氏、川村ひかるさん、石田純一氏という錚々たるメンツが並ぶ。
　芸能人生き証人の方々は意外にも（と言ったら大変失礼なのだけれど）、皆さん「ガッツさんって本当に頭の回転が速いんですよ」と仰っている。「ガッツ伝説」第１弾の後、バラエティ番組出演の機会が急増したガッツ氏を改めて拝見しても、確かに第１弾で早飲み込みしたような「天然」な感じは思ったよりも薄かった。
　もしかしてアレコレの伝説は、「天然ボケ」の生み出したものではなく、常人には思いもよらない論理のアクロバットによる奇想天外な着地点なのだろうか。そう言われればなるほど「ああ、そっちへ行っちゃったのねえ」な一連の流れは「ガッツ流ロジック」に貫かれているような気もしてくる。論理のぶっ飛び具合にはめくるめく快感さえ覚えるのだ。

　第１弾と同様、マイホームパパぶりが微笑ましいのも魅力である。娘の佑季さんの通信簿をアレしてしまったり（特にネタを伏す）、次男の有太君の素行を諌める特製お手紙を書いてみたり。その他ちらほらと出て来るエピソードから、３人の子供たちも奥様も、皆さんガッツさんのことが本当に好きなんだなあとほのぼのと感じられるのが素敵である。
　ただし自分のお父さんがもしもこんな感じだったら、確かにちょっと苦労はするかもしれないが。

　さらに今回のオマケとして、現役時代の全試合を写真入りでプレイバックしたコーナーや、大コケして山のような借金の元になってしまったという映画『カンバック』の誌上再公開、ガッツ氏が出演したさまざまなＣＭの選り抜き１５本を４コマで再現したＣＭグラフィティなどが充実している。
　個人的なお勧めは「スタッフサービス」の秀吉役で、未見の方はぜひエアチェックしてご覧いただきたい。とあるバラエティ番組でファイティングポーズを取った時、ガッツ氏の目の色が一瞬にしてシリアスに変わってぞくりとしたのだが、このＣＭのガッツ秀吉のシャドウもなかなかスゴイ（けど笑っちゃう）。

　その他お気に入りは「ガッツことわざ劇場」のミニコーナー。トボケた味のガッツ流ことわざ、良く味わってみるとなかなか含蓄があるような…。
　ともあれ、またまたたっぷりと楽しむことができて大満足な１冊。第３弾も出るといいなと思うのだが、さしものガッツ氏でもこれ以上の伝説があるかどうか。ネタ切れを心配しつつ、やっぱり期待してしまうのである。