紙の本
切実な思いがこめられた漢字あれこれ
2007/02/22 14:50
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日漢字ドリルを宿題でしている小学生の娘を見ながら、
私自身、漢字が書けなくなったなぁと実感する。
読めるには読めても書けない。
小学四年生レベルの漢字も書き順があいまいだったり、
からきし書けない漢字も多い。
勉強と思うから、暗記と思うから漢字練習も苦になったけれど、
この本に出合って、そんな気持ちが吹っ飛ぶ気がした。
何しろタイトルからいい。
「神さまがくれた漢字たち」。
そして白川静さんの序文にはこう書いてあり、ぐっと心をつかまれる。
「『漢字』は、中国の古代の人々の、きわめてゆたかな、
また私たちがすっかり忘れてきてしまったような、
自然や社会にたいする切実な思いが、たくさんこめられています」
この切実な思いを知ることにより、
漢字が今までとは違った存在になったような気がします。
どことなくほのぼのとしたイラストも感じがいいですし、
本文の漢字にはすべてルビがついているのも親切。
ゆっくりじっくり読みたい一冊です。
本書は「よりみちパン!セ」シリーズの一冊ですが、
このシリーズには「14歳からの仕事道」(玄田有史)
「日本という国」(小熊英二)、「ハッピーになれる算数」(新井紀子)、「ひかりのメリーゴーラウンド」(田口ランディ)など、タイトルだけで興味を引かれるものが多数ありました。
投稿元:
レビューを見る
白川先生の漢字の世界を筆者がビギナーにも分かるように示したのが本書。実に置く深い世界をとりあえず、導入として示してくれたのです。ちなみに漢字の世界を楽しく紹介した阿辻先生監修のNHK「漢字大好き!」を見るのもいいだろう、あれDVD化されないかな〜。それから白川静カレンダーというのもあるのでこれもアートです。素敵です。
投稿元:
レビューを見る
漢字といえば白川静。静タン。
子ども向けでルビとかふってあるので頭が小鳥でチヨチヨな大人にもとってもわかりやすいので君も今日から職場で漢字博士って呼ばれちゃうかも!?エッヘン!な感じ。漢字。
投稿元:
レビューを見る
100%orangeのイラストがカワイイ「よりみちパン!セ」シリーズ2冊目。もういい大人なんですが、難しく感じました。でも漢字の世界の奥深さに触れた気がします。
投稿元:
レビューを見る
「BOOK」データベースには、中学生以上とありますが、漢字に興味を持った子供なら簡単な漢字にもルビが全てあるので読めます。
漢字のルーツ・・・深い内容。
大人も勉強しなきゃ・・・
投稿元:
レビューを見る
購入者:長谷川(2007.3.8)返却:(2007.4
.13)成立や意味自分の中にあったものとの違い奥の深さを知りました。
貸出:川端(2009.7.21)
今まで感じの意味を何となくではありますがイメージして使っていたんですが、良い話に出てくる由来ではなく、この本では真実を追求している点が非常に引き込まれる感があり、読みやすかったです。昔の人は神様に対しての考え方が非常に重く、現在とは全然違うのも分かりました。今は非常に軽いですね。
貸出:誠(2010.12.1)返却(2010.12.10)
これだけ長く使われている文字も世界を探しても無い、というのが印象的でした。漢字の成り立ちの意味合いや昔の人の思い入れに対していろいろと勉強になりました。ただ、文章や本の構成がやや難解だったのが残念でした。ちょっと読みにくくわかりにくかったです。。。。
投稿元:
レビューを見る
読む・語彙 Reading/Vocabulary
「よりみちパン!セ」は、中学・高校生向けに書かれた新書(一般啓蒙(けいもう)書・ノンフィクション)のシリーズで、漢字のふりがなも多くて読みやすいですが、豪華な執筆メンバーで、大人が読んでも面白い良書が多く出ています。興味のあるタイトルを手にとってみてください。
http://www.rironsha.co.jp/special/series/main.html
投稿元:
レビューを見る
1) 『みんなのなやみ』 重松 清
2) 『神さまがくれた漢字たち』 白川 静 監修 山本史也 著
3) 『いのちの食べかた』 森 達也
4) 『さびしさの授業』 伏見憲明
5) 『正しい保健体育』 みうらじゅん
6) 『14歳からの仕事道(しごとみち)』 玄田有史
7) 『不登校、選んだわけじゃないんだぜ!』 貴戸理恵+常野雄次郎
8) 『こどものためのドラッグ大全』 深見 填
9) 『ハッピーになれる算数』 新井紀子
10) 『ひかりのメリーゴーラウンド』 田口ランディ
11) 『バカなおとなにならない脳』 養老孟司
12) 『みんなのなやみ 2』 重松 清
13) 『オヤジ国憲法でいこう!』 しりあがり寿+祖父江慎
14) 『日本という国』 小熊英二
15) 『気分はもう、裁判長』 北尾トロ
16) 『いま生きているという冒険』 石川直樹
17) 『だれか、ふつうを教えてくれ!』 倉本智明
18) 『演劇は道具だ』 宮沢章夫
19) 『死ぬのは、こわい?』 徳永 進
20) 『男子のための恋愛検定』 伏見憲明
21) 『世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー』 森 達也
22) 『コドモであり続けるためのスキル』 貴戸理恵
23) 『生き抜くための数学入門』 新井紀子
24) 『男子のための人生のルール』 玉袋筋太郎(浅草キッド)
25) 『おばあちゃんが、ぼけた。』 村瀬孝生
26) 『「美しい」ってなんだろう? 美術のすすめ』 森村泰昌
27) 『オンナらしさ入門(笑)』 小倉千加子
28) 『ひとりひとりの味』 平松洋子
29) 『ひとはみな、ハダカになる。』 バクシーシ山下
30) 『ついていったら、だまされる』 多田文明
31) 『あのころ、先生がいた。』 伊藤比呂美
32) 『家を出る日のために』 辰巳 渚
33) 『「悪いこと」したら、どうなるの?』 藤井誠二+武富健治(マンガ)
34) 『失敗の愛国心』 鈴木邦男
35.『カレーになりたい!』水野仁輔(東京カリ〜番長)
36.『続・神さまがくれた漢字たち 古代の音』山本史也
37.『叶恭子の知のジュエリー12ヵ月』叶 恭子
38.『恋と股間』杉作J太郎
『建築バカボンド』 岡村泰之
『この世でいちばん大事な「カネ」のはなし』 西原理恵子
『子どものためのお酒入門』 山同敦子
『正しい処女の失いかた』 千木良悠子+辛酸なめ子
『正しい童貞の失いかた』 松江哲明
『中学生からの神学入門』 佐藤 優
投稿元:
レビューを見る
面白いけど、漢字の成り立ちだなんて、
どうとでもいえる気がします。
だから、「こういう考えもあるよ。」って
紹介なら納得いくけど、「これしかない。こうなはずだ。」
みたいに主張されると…どうもなぁ、と思ってしまったり。
投稿元:
レビューを見る
漢字は単なる記号ではない。自然や社会に対する切実な思いがこめられているのだ。という白川文字学。漢字をながめながらこの字にはどんな思いが込められているのだろうと調べたくなってしまう。
投稿元:
レビューを見る
本屋さんの特設コーナーでちょろっと立ち読みしてから、気になっていた本。
図書館のティーンズコーナーにあって、すべての漢字に振り仮名が振ってあった。つまり、この本は子供向けってこと?
しかししかし、読み始めるとすごく難しい。
自分が、中学生いや、高校生でも分かったかどうか。
大学院まででてるのに、内容をすらすらと頭に落とし込むことができない。
かといって、読みにくいわけではなく、文章自体は読みやすい。なので、ゆっくりとじっくりと読み込んでいくと、漢字のつむぐ物語がぼんやりと見えてくる。
漢字の解釈はまず「口」からはじまる。
この本の中では、「口」を、クチとせず、サイとして解釈することで、色々な漢字を神様と結び付けていた。
「口(さい)」についての説明を終えたのち、それを活用しながら神と生死、神と鳥について語られていく。その内容は非常に物語的で、一連の流れとして捕らえやすい構成になっていた。
面白いなと思った部分。
・左右と尋ねるの話
左=「工」の形をしたまじないのための道具を手で神に供える字
右=祈りの言葉らしきものを収める器をしめす「口(さい)」を手にもち差し出す字
これら2つをあわせ
尋=「工」と「口(さい)」をあわせて、たむけ、神のありかを”尋ねる”形。「ヨ」と「寸」は手をあらわす。
投稿元:
レビューを見る
よりみちパンセ~初めの物語:からだの物語・サイの物語・生と死の物語・空翔けるものの物語・「物語」ののちに~白川博士の脱・説文解字は賛成だが,『口』が部首として一つもないというのが解せないし,万葉集などを引いてきて中国人も同じような気持ちだったのだろうと云われても納得がいかない
投稿元:
レビューを見る
2011年2月
・身近な漢字をピックアップして,その成り立ちを「物語」で解説.
・通説を反証して,新たな漢字体系を説明.漢字への見方が変わった.
・理系人間の自分にとっては,斬新な内容であった.普段の生活から離れたテーマ・論法であったから.特に,論理構築が甘いと感じたが,言語学ではしょうがない事であり,”このような学問も存在する”ということを学べた.
投稿元:
レビューを見る
漢字はその成立から3300年経てもなお「生きている」文字である。ヒエログリフや楔形文字が使用されなくなったことを考えると、漢字は古代から脈々と受け継がれている「生きた化石」と言ったら言い過ぎだろうか。ひらがなやカタカナも漢字から生まれた文字であると考えると、日本人は(そしてもちろん中国人も)、まさに生きた化石と共に生きているのである。
にもかかわらず、我々は漢字の成り立ちについて詳しくは知らない。知っていたとしても、その説明があまりにもずさんであることが本書によって厳しく批判される。
わが国の漢字研究の大家である白川静氏の「漢字学」を体感することができる本書は、その構成やレイアウトを含めて、まさに企画力の勝ちであると言える。本書では、神と人との交感が漢字の成立にとっていかに重要であったかがドラマティックに解き明かされていく。これまで知らずにいたことを知る楽しさや悦びを存分に味わうことができる。
ただ残念なのは、中学生にも読んでもらうことを想定しているわりには文章の難解さが目立つところだ。もちろん著者の独特の言い回しが、古代中国の謎を探るドラマに適していないとも言えないのだが。
投稿元:
レビューを見る
よりみちパンセのシリーズって面白いですよね。(#^.^#)10代向け、ということなんでしょうが、私なんかにはもう丁度いい!っていうか、今回は少し難しかったくらいにして。漢字の成り立ちについて、そもそもの甲骨文字から考察しておられるのですけど、これまでの私の常識がガラガラと崩れてその気持ちのいいことったら!!その昔の、人間と神との関わりに深〜〜〜く結びついているものなんだな、とまさに、目からウロコでした。人智を超えた力に対する畏敬の念の強さ、がそもそもの漢字の始まりで、だから、「人」という字も、尊重すべき存在として扱われてはおらず、少し首をすくめた人の立ち姿から、つまり、神の意向のままに生命を左右されたという意味をあらわしている、と言われるとなるほどぉ〜〜と。(お互いに支えあっているから、と言ったのは金八先生でしたよね。^^;)こんな調子で、古代の人々の心の中にまで入っていく考察がとても面白かったです・・・。