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元警察官が書いた『死んでも治らない』という本・・・そこにはおバカでおマヌケな犯罪者たちのエピソードが書かれていた・・・それを書いたために、著者の大道寺圭はエピソードのたねである犯罪者たちにつきまとわれてしまう。犯罪者たちの悩みや相談に半強制的にのせられる危険な安楽椅子探偵、大道寺圭の事件簿。
「死んでも治らない」「猿には向かない職業」「殺しても死なない」「転落と崩壊」「泥棒の逆恨み」の5編の間に「大道寺圭最後の事件」が細切れに挿入されている連作短編集。目次を見ただけでデビュー作『ぼくのミステリな日常』以来得意としている“あの形式”の短編集だとわかります。
各短編とも巧妙に伏線が引かれ、それが鮮やかに謎解きへと結実していきます。ユーモアかつブラックそしてビターな味わいが残る作品です。
個人的には大道寺圭という人物に、なぜかひ弱なイメージを持っていたので(原因不明)、ハードボイルドのような活躍にびっくり! 彦坂夏見嬢や角田港大なども登場、楽しませてくれます。
収録作:「死んでも治らない」「猿には向かない職業」「殺しても死なない」「転落と崩壊」「泥棒の逆恨み」「大道寺圭最後の事件」(1〜6) (2005.02.03)
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若竹さんの作品は出てくる人の心情とかがすごいでている。
全部読むと話が続いてるとこがすごい。
微妙に黒い所がある主人公って素敵。
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元警察官の・大道寺圭は、一冊の本を書いた。警官時代に出会ったお馬鹿な犯罪者のエピソードをつづったものだった。この本により、まぬけな犯罪者たちが大道寺の前に現れて来る。大道寺は珍事件・怪事件に次々と巻き込まれて行く。刑事時代の最後の事件簿を混ぜながら進んで行く、ブラックユーモア溢れるミステリーです。
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元警察官・大道寺圭が書いた一冊の本。
警官時代に出会った間抜けな犯罪者を題材にした「死んでも治らない」。
それが呼び水となり、さらなる間抜けな犯罪者に付きまとわれ……。
氏が贈るコージー・ハードボイルド、ここに登場!!
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元警察官・大道寺圭がおバカな犯罪記録「死んでも治らない」という本を書いたことから、おバカな犯罪者たちに付き纏われる事件簿。
いや、その内容は危険が伴い、とてもおバカとは云えない。起こる出来事とは裏腹に、主人公はあくまでも淡々と冷静なのがハードボイルドで、オチはかなりブラック。
大道寺圭の最後の事件をスライスして、5つの事件簿が綴られているが、その関連が面白い。
私は時間が交差したストーリーがあまり好きではないのだが、混乱しない手法なので読んでいて混乱することはないだろう。
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元警察官、大道寺圭は退職後本を書いて作家になった。それをきっかけに、様々な事件に巻き込まれていく。
短編集だけど、すべての事件が繋がりがあって、むしろ長編みたいな雰囲気になっている。いわゆるコージーハードボイルド、にカテゴライズされるらしいが、圭のクールさが非常によくあっていて、面白かった。次作出たら買うよww
でも、ちょっと血なまぐさかったかな。
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公務員の描写に笑った。善良なお役所の方々には悪いが大変うなずける偏見。
短編オムニバス形式が好きだし、若竹七海らしくて良い。スパイラル。コージイボイルドって呼んじゃおう。
乾いていて、軽やかな悪意。密かに読者を暴いていくような。
タイトルや、小ネタもセンスがあって、やっぱり好きだなー。
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(あ)かるいミステリかと思いきや、何気にブラック。若竹七海は何気にブラック、というの多いですね。中身・題材が重くないものなので軽いと思いきや…精神的に重い、という。
これは、中身というより、犯罪者が軽いというか、おバカ。元警察官の大道寺圭が、おバカな犯罪者をネタに本を書いたら、さらにそういった手合いが寄ってきて…と、こう書くとまさに「軽い」ミステリ。
なんだけど。
そこは若竹七海、やっぱり重いのです。
軽く見せていても、人には何かしら重みを背負っているのです…人知れず。
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若竹七海祭り第2弾大道寺圭の事件簿と副題の付いた作品。シリーズ化はされていない作品だと思います。5つの連作短編とそれを繋ぐ6つの書き下ろしショートストーリーが差し込まれています。表題作でもある第1話は面白い。しかしそれに続く第2話・第3話はひらがなが多く読みにくいしダラダラ連なる無駄な言葉が多すぎて閉口しました。全編通して緩く締まりがない感じを受けます。またウイットもなくかといってハードボイルドでもなく中途半端な感じは否めません。この作品の惹句にある“ブラックでほろ苦く間抜けなハードボイルド”ならば、荻原の「ハードボイルドエッグ」の方が満足感は高いと思われます。最終話には葉崎町や前田家が登場し「古書店アゼリア…」と繋がりがあるような感じですが…単に固有名詞が同一なだけかもしれません。
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元警察官の大道寺圭は、警官時代に遭遇した間抜けな犯罪者たちの実話をまとめた本「死んでも治らない」を執筆した。警察を退職したにもかかわらず、この本が呼び水となって妙な事件に巻き込まれていくのだが…。「死んでも治らない」「猿には向かない職業」「殺しても死なない」「転落と崩壊」「泥棒の逆恨み」の5編(タイトルのシャレが効いてる)は、大道寺が退職後(出版後)に巻き込まれた事件を描いた短編。さらに書き加えられた「大道寺圭最後の事件」(書き下ろし)が、各話をサンドするように6分割されて構成されている。つまり時系列的には前後する作品を行ったり来たりするような格好になり、読みながら「あれ?」とか「そうだったのか」とかちょっとずつ全貌が明らかになっていく感覚が面白い。構成の妙がこの作品の大きな魅力ではあるがそれだけではない。(馬鹿は)死んでも治らない、を地でいく犯罪者たちの失敗談はクスリと笑いを誘う。短編はブラックなユーモアに包まれて結末を迎え、最後の事件の最終話を読んで、はじめの話が腑に落ちるというところもいい。若竹氏は、連作短編はやっぱり得意とするところのようだ。
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元警察官で作家の大道寺の周りに集まるおバカな犯罪者達。
連作短編集で、サクサク読めます。 読みやすい文章にブラックさが加わって、いい味出してます。
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自分が気に入ったのはその本の作りというか構成というか。フリーライターの女性が亡くなった事件を最後の事件として真相を捜査しながら、警察を辞めた後に本を出版して犯罪者に巻き込まれ・・という短編が挟まる。短編を読むうちに殺人事件の真相も徐々に明らかに・・という。
こういう話の持っていきかたが非常に上手な作家さんですね。
最後の毒のある終わり方もなかなかにいい感じ。
少しずつ読むよりも一気に読んでしまいたいそんな一冊。
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ユーモアミステリーかと思ったら、全然違う。おバカな犯人のおバカな事件は笑える。でも根底に流れるものが悲痛でやるせなくてどうしようも無いのです。泣きたいけど、目の前に起こっていることがあんまりくだらなくて笑うしかない。そんな感じ。
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4
上手いなあ。
展開が駆け足気味なのが少し気になるが、読み終えた時にまずまず腑に落ちてるんだから許容範囲かな。
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もの凄い久しぶりに若竹さんの本を読みました。
「あ~若竹さんはこんな感じだった」と思いだしました。
コージーミステリーとしてユーモアには包んでいますが、毒も含まれてます。
人の悪意を書くのが、とにかく上手い人なので、かなり癖もあります。
けど、そんなところが病みつきにさせる要因なんですよね。
この本は元警察官の大道寺がまだ警察にいるときの話と、辞めてからの話が交互に書かれます。
文庫本だし、表紙の絵も可愛いので、さらっと読めそうかなぁと思っていたら、工夫に満ち溢れていて丁寧に書かれているなぁという印象の本でした。
大道寺は警察を辞めてから「間抜けな犯罪者」を本にしているんですが、その具体例が笑えます。