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無国籍
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.1
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/255p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-474001-2
  • 国内送料無料

紙の本

無国籍

著者 陳 天璽 (著)

パスポートは? 選挙権は? 愛国心は? はじめて明らかになる無国籍の実態。国籍のなかった「私」が、その半生をつづりながら無国籍で生きるとは何かを問う。【「TRC MARC...

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無国籍

1,512(税込)

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商品説明

パスポートは? 選挙権は? 愛国心は? はじめて明らかになる無国籍の実態。国籍のなかった「私」が、その半生をつづりながら無国籍で生きるとは何かを問う。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

陳 天璽

略歴
〈陳天璽〉1971年横浜生まれ。筑波大学大学院国際政治経済学研究科修了。現在、国立民族学博物館助教授。著書に「華人ディアスポラ」がある。

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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (2件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

2007/10/15 17:23

投稿元:ブクログ

文化・民族・国籍は必ずしも一致しないもの、ということを実感していたときに出会った本。無国籍の人が我が国にいるということを、恥ずかしながらこの本で初めて知った。

2007/05/22 22:35

投稿元:ブクログ

トム・ハンクス主演映画「ターミナル」の世界で、空港から一時的に出られなくなった主人公と全く同じ経験をした人、それがこの本の著者である。国際法の観念上、「国籍」は各国政府が各自法律を作り管理することになっている。ただ、その弊害として最たるものが「法の隙間」から零れ落ちてしまう人々の存在だ。ただ国籍がないということだけで法に翻弄され、人としての尊厳すら失われかけている、そんな人々が日本にもたくさんいることを教えてくれた。

2010/06/10 21:26

投稿元:ブクログ

寄る辺なさはこんなにも人を生き難くするものなのか。
どうしようもない状況に置かれている人は、どこにも行けないのにどこに居ることも拒まれる。
比較的恵まれた環境にいる著者でさえ、無国籍だから無国籍を調べたいのに無国籍ゆえに自由に動けない、調べられない、働けないという壁にぶち当たる。

無国籍者の置かれている状況の理不尽さを描きつつ、不幸なだけの書き方じゃないところが良い。
たとえば「無国籍」というアイデンティティ。家族やコミュニティのこと。
それはそういった資源がなければ生きのびられないことを逆説的に表してもいるのだけれど。


本文で「チェン ティェン シー」を大切に扱っていることを書いているのに表紙と奥付の著者名が「ちん・てんじ」なのは酷いよ新潮社。

2009/04/25 09:55

投稿元:ブクログ

赤いパスポートを持って海外へ出るとき、自分の国籍を改めて感じる。それくらいだが・・・

著者の父親は、敢えて『無国籍』を選ぶ。(もちろん苦渋の選択ではあるのだが。)
『無国籍』でというカテゴリがあり、その人たちが日本に暮らしているという事実に、驚く。
権利は守られていなくても、存在はできるという矛盾。

また自分が望まずにある日突然『無国籍』となってしまうことがあるという驚き。
まるで存在を否定されたかのような恐怖だろうと思う。
昔そんな漫画を読んだことがあったな〜ある日突然、誰からも自分の存在を認められないというような。
どこの国からも解放されたようにも見える『無国籍』は、実際のところは自由を奪われ、行動を狭められる。

彼女の今後の活動に注目していたい。

2011/11/06 15:22

投稿元:ブクログ

法のはざまなどで、「無国籍」状態におかれる子どもがいるのは知っていた。血統主義、しかも1984年に変更されるまでは父系血統主義だった日本では、日本人の父と外国人の母との間にうまれた子どもが、認知などの問題で父方の国籍を得られず、しかしその母の国が生地主義をとっていたりすると、宙ぶらりんになるのだった。いわば「強いられた」無国籍。どちらも選べなかった結果。

私が知っていたのはそれくらいのことで、この本で、選択した「無国籍」のことを初めて知った。

著者・陳天璽(チェン ティエン シー)さんは横浜の中華街うまれ。中国の北・黒龍江省出身の父と、中国の南・湖南省出身の母は、第二次大戦後の国民党と共産党の政権争いの末にできた中華人民共和国をはなれ、台湾へわたった。台湾は、中華民国の臨時政府(国民党政権)が設けられた。陳さんの両親は台湾で出会い、結婚した。陳さんの父が日本へ留学、その後に一家は日本へ移住することになった。陳さんは、六人きょうだいの末っ子として、家族のなかでは一人だけ日本で生まれた。

1972年、中華人民共和国と日本との「日中国交正常化」宣言のうらで、日本政府はそれまで国交を維持してきた中華民国・台湾との国交を断絶した。日本に住む中国人、華僑のあいだには衝撃が走る。

中国人といっても、日本政府の認める「中国」が変わったのだ。国交のない中華民国籍を維持するのか、国交のある中華人民共和国籍に変更するのか、日本国籍に帰化するのか、あるいは。

陳さんの一家も、連日話し合い、選択に苦悩する。陳さんの父は最終的に、中国も日本も選択せず、「無国籍」になるという結論を出した。

▼…国は国籍という制度を設けることによって、自国の国民を規定し、その権利と義務を定める。しかし、戦中、戦後を通して「国」自体が大きく変わり、父や家族はその度に翻弄されてきた。国籍を取得することを拒否し、どの国の枠組みにも入らないという「無国籍」。この選択をすることによって何が起きるのか、誰にもわからなかった。
 父は最後に、「無国籍もひとつの『国籍』だ」、自分に言い聞かせるようにつぶやき、決断した。
 国籍をどうすべきか、いろいろと暗中模索していた父は、友人に聞いたり自分で法律を調べるなかで、「無国籍者は国際法上守られる」という情報を入手していたらしい。(p.23)

父がこの決断をしたとき、陳さんは1歳になったばかりだった。この本は、横浜中華街に生まれ育ち、日本になじめない思いをいだき、香港へ、そしてアメリカへと留学し、自身の経験もあわせ「無国籍」について研究してきた陳さんの半生が書かれている。

アメリカ留学時代に、「I'm Chinese」と自己紹介しても、自分のアイデンティティとはどこかそぐわないと感じていた陳さんは、ドイツ人の母、ブラックの父の間にうまれドイツで育ったと自分を語る人と知り合い、自身の説明も変わっていく。「I'm Chinese,but born in Japan」と自己紹介したとき、ほっとした気持ちになる。

「無国籍」を研究するようになって、陳さんはさまざまな人に出会っていく。かつての運動の成果も知る。たとえば無国籍が外国人登録の一���のカテゴリーに入るよう努力してきた人たちがいたこと。このことで、無国籍者は少なくとも外国人と同じだけの権利を享受できるようになったが、それまでは日本人か外国人かという区別のもとで、無国籍者はまるで透明人間だったという。

陳さんにそのことを教えた平田正代さんはこう語った。
▼「たいていの場合、無国籍者は外国人よりもレス(less=より少ない、より価値の低いという意味)だと思っている人が多い。しかし、無国籍も選択によるもので、国籍の一つであるという考え方があることをもっと多くの人は知るべきです。無国籍だからといってレスでは絶対ないと思います」 (p.154)

陳さんの父が選択したように、国の政治変動や政治体制に賛同できず、生来の国籍を放棄して無国籍を選択する人は多いという。たとえばロシア革命時の白系ロシア人、ベトナム戦争時のベトナム人。

本文では中国語よみの「チェン ティエン シー」をパスポート取得の際に苦労して通したことが書いてあるのに表紙と奥付に「ちん・てんじ」とルビが振ってあるのは、なんでなのかと思ってしまった。

「無国籍」と図書館の蔵書検索をしてみると、やたら料理の本が引っかかる。その中で、陳さんの『忘れられた人々 日本の「無国籍」者』と、かなり古い本だが羽仁五郎の対談集『無国籍の論理』があったので、予約してみた。

(11/5了)

2016/10/29 13:04

投稿元:ブクログ

どの国籍も持たない「無国籍」であった著者。
当初、日本で生活していた子ども時代には不便を感じなかったものの、海外旅行の際に台湾にも日本にも入国できないというトラブルに巻き込まれ、自身の「所属」や「アイデンティティ」を大きく揺さぶられます。
華僑として育った著者と同じ境遇の人びと、そして様々な理由で国籍を取得できず「無国籍」となった人びとの生きざまを取材する中で、研究者として、また一人の人として考えたことをつづったエッセイのような本。
2004年と少しデータは古いかもしれませんが、2016年に読んでも考えるべきテーマを示唆されたような、素敵な作品でした。
まずは「無国籍」という“国籍”の人がいるということを知り、また彼らが生活の様々な面で苦労を強いられていることを知る事が必要だと感じます。
そして、「無国籍」という現状に至っているそれぞれの理由に思いを致し(「自己責任」などで思考をとめるのではなく)、多くの人々が生きやすい世界を建設するために、どのような方策があるかを考えることが大切ではないでしょうか。

(p.247)
国籍は、国によって与えられるもの。生まれながらにして持っているものではなく、むしろ国と個人の関係を証明するものとして後から与えられているものだ。髪や瞳、そして肌の色などは生まれながらにして与えられ、容易に変えられるものではない。しかし、国家が与えてくれる国籍は、国の変動によってかわってしまうこともあれば、移住や帰化により変えることもできる。複数の国籍を持ったり、何も持たず無国籍となったりすることもある。▼これまで、私たちは、そんな「国に与えられる国籍」によって、自分の帰属やアイデンティティを規定したり、他者を「外国人」「何々人」と区別してきた。▼人の存在証明や法的立場を決める国籍。しかし、国籍を誰に与えるかということは、それぞれの国家が、自国の事情や法律によって定めるものであり、国際社会に共通したシステムはない。▼現代のようにグローバル化が進み、国境を超える人の移動が増えるなか、個人の国籍やアイデンティティに関わる問題は、どんどん複雑化してくる。…▼これまで、そして今現在も、私たちは国籍を与えてくれている国家を「自国」とし、自分のアイデンティティのよりどころとしてきた。ときにはそのために戦い、他人の命を奪うこともあった。では、無国籍者はどうなのか?無国籍者は、どの国に対しても帰属意識を持てないのであろうか。…人は本来、いろんな場所に愛着を持ち、いろいろな人によって支えられて生きて行く。だからアイデンティティも一元的なものではありえない。▼無国籍者として生きてきたこと、そして今、日本をはじめ各国にいる無国籍の人々と触れ合い、彼らの研究を通して学んだことがある。▼人はしばしば、育った場所に愛着を持ち、愛する家族、そして愛する人を支えに生きるものである。国籍を持つ人も、無国籍の人も、みな変わらず同じだ。