紙の本
ホストクラブに行ったことがない方も是非楽しんでほしい気軽に読める連作ミステリー。
2005/06/19 22:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田衣良さんの『池袋ウエストゲートパーク』シリーズを彷彿させるテンポの良い都会的な連作ミステリー集である。
舞台は渋谷にあるとあるホストクラブ。
その名はclub indigo。
本作は舞台が夜の水商売ということもあって、石田氏のように取り上げているテーマ自体が普遍的なものではないが、読み易く新人のデビュー作としては上々の出来栄え。
気軽に肩肘はらずに読める一冊だと言えそうだ。
そう、ホストクラブに行ったつもりで楽しんでほしい。
主人公はフリーライターの晶で三十路を越えた女性、これが表の顔。
実は裏の顔(副業)として大手出版社の編集者の塩谷とともにインディゴを経営する。
池袋シリーズのマコトとの大きな違いはやはりマコトが副業とは言え“オープンに探偵業を行っている”のに対し、晶は自分の店に降りかかってきた事件に巻き込まれている点であろう。
言い方を変えれば、本作の方が“等身大で冒険物語的な作品”だと言えそうだ。
なんといっても読ませどころは、主人公と彼女をとりまくひとまわりほど年下のやんちゃなホストたちとのギャップであろう。
若いホスト達もひとりひとり個性派揃いで身近に感じるのである。
主人公のキャラ(多少弱々しさも合わせ持つ)とホストたちの頼もしさに読者の期待を裏切られずに楽しめるのである。
脇役陣も本当に多彩、なぎさママ、豆柴刑事、クールな憂夜・・・
特筆すべき点は、全四編で構成されてるのであるが後半につれ面白くなってくる点である。
こういう作家がどんどん出てきてもっとホストクラブのように盛り上がってほしいな(笑)
続編も是非読みたいですね。
次は晶の恋愛話や憂夜の正体も暴露させてほしい。
それはそうと加藤さんって男性?それとも女性?
いちばんのミステリーはその点だったりして・・・
活字中毒日記
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5月16日購入。おれはこういう設定のお話が好きだからいいけど、IWGPのパクリっていう人いっぱいいそうだなあ。
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(収録作品)インディゴの夜(創元推理短編賞(2003/10回)/原色の娘/センター街NPボーイズ/夜を駆る者
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クラブみたいに気軽にこれるホストクラブがあればいい―主人公の軽い一言で作られたホストクラブ、Indigo。
「今時の美少年たち」とともに舞い込んでくるいろんな事件も解決していく・・・
ホストクラブという舞台装置が面白いのでそのあたりの雰囲気だけで一気に読めてしまいます。主人公が30代の独身女性ライターで、精神的にしっかり自立してるのも好感もてるし。このまま中編くらいで書き続けてほしい感じ。
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主人公は30才ちょいのライター晶♀。ホストクラブのようなボーイズバーのオーナー。お店の店員に関わる事件に巻き込まれて話は進んでいく。
池袋ウェストゲートパークの渋谷版という印象。
出てくる登場人物が個性的すぎるがそれが話をおもしろくしていると思う。
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女性ライターの高原晶と大手出版社の編集者・塩谷がオーナーを務めるホストクラブ「インディゴ」。ひょんなことで、表の仕事はそのままで、裏の仕事を始めたわけだけど、このインディゴを舞台に、やんちゃなホストと高原晶が事件を解決していくと短編集です。
ともすると暗く湿った感じの夜の街に陰湿な事件、それを三十代の高原晶のさばけたキャラクターが明るい爽やかな雰囲気を出しています。
ただ、事件自体はどれも、「ああ、そうですか」で終わっちゃう感じで、あまりに普通の事件って感じがします。スタイリッシュでウィットにとむ新世代探偵小説ってことだけど、どうも軽すぎる謎と問題提起もするけど、これはやっぱり難しいことを考えないで、面白く行こうよって言うパーティのノリで接した方がよかったのかも(^^)
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創元推理短編賞の選考委員の先生方の「エンターテインメント性」は2時間ドラマレベル。「スタイリッシュ」は7年前ってとこ?「ウイット」にいたってはとうとう何処にも見つけられませんでした。わたしはこのヒロインを好きになれない。口先ばかりのほんとに嫌な女だ。ダンディズムのないアウトローはただの下種。……ぶっちゃけIWGPを選考委員も編集部の誰も読んでないのか、そこの東京創元社。
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気風のいい女性を主人公にしたせいか、嫌味がなくて読後感が爽やかな仕上がりになっている。設定は池袋ウェストゲートパークとかぶる部分もあるけれど、メインはホストの男の子達の浮き草であっけらかんな怖い物知らずなところにあるので、これはこれで面白いと思う。
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ホストクラブといってもシャンデリアともお高いスーツとも無縁。渋谷という土地柄もあり、なじみのクラブで遊ぶような、フランクな雰囲気の「クラブ・インディゴ」で起こる事件の連作短編集です。気軽に読めそうな設定で、キャラは個性的だし、ドタバタアクションはあるし、単純に笑えるのは確実。お約束な展開、と思いつつも、もっとやっちゃえ〜!と気分ものって来ます。そう思わせるのは文章力と、連作ならではの構成。各短編が、この順番じゃないといけない、ってくらい理想どおりに気持ちよく並んでます。余談ながら「高村晶」が微妙に「葉村晶」に被ってみえるのは名前のせいでしょうか。葉村だったらホストクラブなんて行かない上に酷評しそうだけど。
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ドラマになっていたのを観て
原作ってどんなだろう?と読み出したのがきっかけ。
ドラマとは少し違う人間関係であったりしますが
さくさく読めます。
渋谷をちゃんと知っている人が書いてるんだなぁと
読みやすいけれど、ペラペラではないです。
ちゃんと背景が見えてくるかんじ。
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・読み物としては軽いが、爽快なテンポが小気味よい。ホスト達の感覚にたびたびついていけない晶に、深く共感します(笑)NPとかなんとか、隠語だらけの言葉は本当暗号でした。・続編もあるんですねー。
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ホストクラブというと、行ったことは無いにしろ、ある程度の想像図は出来上がっているわけですが、この物語の舞台となる「club indigo」のホストたちには度肝を抜かれました。髪型も服装も個性的…というか奇抜で。そして何と言っても彼らの源氏名。ジョン太だの犬マンだのDJ本気(マジ)だの…王道的ホストは優夜さんくらいですね。
そんな彼らが主人公の晶と共に探偵をするのだから、面白くないわけがない。最高に楽しいです。でも、おちゃらけて見える彼らも自分の信念とプライドをかけてホストをやっているんです。それがなかなか格好良い。欲を言えば、一人ひとりをもっと掘り下げて欲しかった…とは思いますが、短編集ではちょっと難しいのかな。
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ミステリー。ホストって自由にやってそうなイメージがあったけど実は奥深い。何回か事件に巻き込まれるけど、経営者の立場として、仕事を楽しんでやってる姿がステキ☆
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キャラクターがはっきりしていて、WGPほど陰湿な事件は起きないので、笑って読める素人探偵ものです。続編「チョコレート〜」も同じ調子。
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フリーライターの高原晶が友人の編集者・塩谷と共同でオーナーになっている渋谷のクラブ「インディゴ」で起こる数々の事件を体を張って解決にあたる。個性豊かな店のホスト達が独自のネットワークを使って探偵する。
「池袋ウエストゲートパーク」の二番煎じのようになりそうでならないのは、イマドキの若者の尻を叩いて動かすのがカッコよさとは無縁の三十路女だからか。
シリーズ化されているがまだまだ謎の部分もあり、今後の展開も期待。