紙の本
良い本です
2024/03/31 10:52
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史全般が苦手なのに、なぜか本屋で目に留まり手に取りました。 読み始めたら、面白くてどんどん読んでしまいました。 ものすごい教養と頭の良さのあるこの2人だからこそ生まれる会話は、知的好奇心がく引きこまれますね。
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歴史文学の巨匠・司馬遼太郎氏と日本文文学研究者のドナルド・キーン氏による味わい深い対談集です!
2020/08/25 10:39
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、歴史小説にかけては巨匠とも呼ばれ、数々の名作を発表されてきた司馬遼太郎氏と、アメリカ出身で日本文化や文学を生涯にかけて研究され、日本国籍も取得されたドナルド・キーン氏による対談集です。同書では、「ますらおぶり」と「たおやめぶり」、忠義と裏切り、上方と江戸の違い、日本にきた西洋人など、数々のテーマで、日本に精通されたお二人が日本の歴史の香りを味わいながら「双方の体温で感じとった日本文化」が語られます。興趣つきない対談集です。ぜひ、日本人ならば読んでいおきたい一冊です!
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空海で納得して本居宣長で少し違和感
2015/12/26 10:15
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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
さらさらとすぐ読めてしまいます。対談ですからその時のノリみたいなものがあるのかな、とも思いました。なら堅めの本を別途書く際はちがうんじゃないかなと。
また、微妙に両者の見解は違います。キーンさんはまっすぐ自分の学んだことから感じたこと、司馬さんは博覧強記みたいな感じ。どちらもがあるきっかけで歴史上の人物の評価を転換したりしている。たとえば空海なんか、ここは妙に納得がいくものだった。
通史的引っ張って議論しており明治の外人さんまで、なぜか章建てで本居宣長で閉じる。
ここは小林秀雄と大きく評価が分かれる。
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おしゃべりで解き明かす日本文化。
教壇の上から押しつけられるものじゃなくて、
盗み聞きしたい話。
日本史を勉強しなくても、わかる面白い本。
でも、知っていたら、もっと面白い本。
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ドナルドキーンが言う。
中国人は『ますらお』風を好み、日本人は『たおやめ』風を好むという。
なかなか深く観察しますよね。
日本人はお涙頂戴の物語が好きですからね。
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ドナルド・キーン氏の幅広い日本文化の理解と考察が鋭くてよかった。「伝統は10年でできる。すべての人に嘘の伝統を教え込むのに10年かかる」が深い。(2008.1.21)
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司馬遼太郎、ドナルド・キーン著「日本人と日本文化」中公文庫(2009)
* 銀より金の方が大切な時代にどうして足利義政は銀閣を建てたのか。すでに、義満が建てた金閣があったのに。日本人は銀の方に本当の美を感じる文化があったのではないか。東山文化の墨絵、花道、茶道共に、同じ銀の世界のものとして受け取られていたのかもしれない。
* 日本人はいままでもそうであったが、芸術家に対して非常に寛大である。日々の生活にいろいろ欠点があっても、芸術そのものがすぐれていたならば他のものは許すという文化がある。
* 日本人は、神道である。1つの神道的な空間というものが日本人にあって、その上に仏教がやってきて、儒教がやってきて、しかしながら神道的な空間は揺るがない。しかし日本人には便宜主義がある。
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奈良の平城京あと、京都の銀閣寺、大阪の適塾にて三度にわたって行われた司馬遼太郎とドナルドキーンによる対談を纏めた一書。
冒頭から「ますらをぶり」と「たおやめぶり」、日本人の本質的な気質に関する内容から入り、足利義教による日本文化、幕末と明治など日本の歴史の細部が美しく鮮やかに浮き彫りになっている。非常に濃い内容だが、二人の相性も素晴らしく隙間のない対談なので基礎知識だけの読者でも十分に楽しめる。
◆日本の文学は歴史的に「たおやめぶり」。一番初めの傑作は紀貫之による土佐日記、万葉集は「ますらをぶり」、次の古今集は「たおやめぶり」、その後にわかに男性的が現れるのは芭蕉の俳句、芭蕉に並ぶ俳人である西行は「たおやめぶり」が僅かにまさっている。芭蕉のますらをぶりには杜甫の様子に重なる。日本で中国の俳人と云えば白楽天。明治以降も一時期は尾崎紅葉を初めとする女性的な文が流行るが、伊東博文による憲法発布による先制攻撃で自由民権運動は頓挫し、文学も伝統派に回帰していく。
◆オランダは比較的安価な日本の金が目当てであった。銀を持っていけば金を同量近く手に入れることができる。日本の銅の中には金が含まれていた為に銅も目的とした。当時の日本に銅から金を取り出す精錬方法は無かった。
◆シーボルトは実はオランダ人ではなく、ドイツ人。幕末に日本に訪れたアーネストサトーは中央集権国家の必要性を説き明治維新の根本思想に影響を与えていた。はじめて将軍を皇帝ではないと考えたのはサトー。横浜で発行されていた「ジャパンタイムズ」に日本の将来についての具体的なヴィジョンを寄稿。「英国策論」として広まり、西郷隆盛に影響を与え明治維新の原型となる。
◆フェノロサ、チェンバレン、サンソムなど外国人は日本が大好きで日本に尽くしたが、お役御免となると追い出され最後まで日本人にはなれなかった。源氏物語の訳者であるアーサーウェーリーは「現在の日本に興味はありません、現在の日本を見るよりも、まだ日本の古い本を見たほうがいいです」と語り一生日本を訪れることはなかった。
反対にアメリカはアメリカに尽くした外国人は等しくアメリカ人になることができた。
チェンバレンは東京大学の言語学の伝統(日本語の語源は北方にあり)を作り上げた。サンソムはチェンバレンを尊敬し北海道での領事館にて徒然草の翻訳を完成させるなど、日本文学の形成を行った。
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総括、それほどひきこまれることはなく。
知識偏重の対談だという印象はぬぐえず。
平安時代に国風文化が栄えたのは、
平安以前におもに中国から取り入れてきた文化への反発があったからで、
日本には受容の裏に反発があるということがいえようという部分は興味をひかれた。
また、土佐日記、考えてみれば男が女に扮して書いていて、
男性ですら心情の吐露を求めるという世界的には極めて異例ともいえる性質を日本人は有し、
女性性みたいなもの、つまり情緒の優位が日本人の根本にはあるのかなぁとも。
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外国人による日本文学研究の第一人者であるドナルド・キーン氏(コロンビア大学名誉教授)と司馬遼太郎氏による、日本人と日本文化をテーマにした対談が収められている。日本人の原型は「たおやめぶり」、という議論は興味深かった。あと、日本の歴史には「英雄」がいない、こんな国は他にはない、という話とか。(英雄という概念が西洋特有のものなのでは?と思ったが、司馬遼太郎によれば太平天国の洪秀全は「英雄」にあたるみたい。)
蛇足ながら、つい先日(2011.4.15)の報道によると、ドナルド・キーン氏は、「東日本大震災があった今こそ、愛する日本への信念を表したい」との理由から、日本国籍を取得し、日本に永住する意思を固めたとのことである。多くの外国人が日本から逃げ出す中、こういう人もいるんだと、少し感動している。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110415/t10015334141000.html
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歴史小説の雄である司馬氏と、日本文学のすぐれた研究者であるキーン氏が、日本の文化と日本人について語る対談集。
資料を集めれば集めるほど、なんだか心細くなって路頭に迷っているような気分になってきたので、ここは一度、原点に戻ろう、とこの本を再び読んだ。
そこで驚いたのが、一休について語っているページが、たった4ページにも満たなかったこと。この対談集は本当に面白くて、レポートを書かなければいけなかったのにそれをほっぽって読んでいたぐらいだった。そんなこの本で一番印象に残っていた話題が一休だったのに、たった4ページしかなかったとは、びっくりだ。
でも、やはり今読んでも、司馬氏とキーン氏は面白いことを語り合っていた。
特にキーンさんのほう。
キーン「=略=しかし一休の漢詩はぜんぜん知らなかったし、伝記も詳しいことはなにも知らなかったものですから、『狂雲集』など読むば読むほど不思議な人物だと思いました。しかも、変な言い方ですけれどぼくは<この人を理解できた>と思った・・・。彼との間に空白があるような感じはたちまちなくなって、彼の悩みをまったく私の悩みのように感じるようになった・・・。」
このキーンさんの言葉、一休を調べるようになった今なら、私にも少しわかりかけてきたような気がする。一休の言葉や言動は、なんというか、人間の「真っ当でありたい」という気持ちを、とても揺さぶるものがある、と思うのである。
でも、真っ当に生きることはとてもとても難しくて、愚かな自分にはとてもその境地まで到達できそうにない。だけれど、一見真っ当に見えて、実は裏で舌を出しているような、そんな生き方はしたくない。そんな生き方をするぐらいなら、いっそ畜生の道を歩いたほうがよっぽどマシだ、みたいな・・・。
キーン氏は一休さんについてアメリカで公演をしたことがあるそうで、またその公演がたいへん「ぼくの公演であんなに成功したものはなかったでしょう」というものだったらしい。その公演は若い人が多かったそうだが、みんな感動して、とても感銘を受けていたそうだ。キーンさんはそのことを「それは私の講演がじょうずだったからじゃなく、やはり一休の悩みに不思議な普遍性があって、現代人に訴えかけるような力があるからなのです」と言っている。
やっぱり一休さんって、魅力のある人だと思う。
現実に対して、非常に(悲しくなるぐらい)真っ向から対面していた人だと思う。彼の精神性を理解することは、卒論だけでは絶対に無理だとは思うけれど、少しでも、その精神に寄り添ってみたいと思う。
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司馬遼太郎と日本文学・日本文化に関する学者ドナルド・キーンの対談。
最近、隣の部署にロシア人が異動してきた。彼と一緒に仕事をしており、話す機会が多い。そのため、日本人と日本文化について少し勉強しておこうとなんとなく思ってこの本を購入したが、さっぱり分からない、、、レベルが高すぎて。いや、あまりに自分に知識がなさすぎて。。。なので無評価。。。
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日本人としてのあるべき姿と日本文化のあるべき姿は一体どこに存在するのか。
その論点を一切にブラさずに、キーン氏と司馬氏が対談形式で
論じていくスタイルであり非常に興味深かった。
というのも、私が個人的に日本史が大好きでさらに司馬氏の竜馬がゆくも読破している経緯から、中盤戦以降の内容がすらりと頭の中に、
頭脳の中に刷り込まれていく感覚に陥り、久々に歴史に関する知的好奇心を
掻き立てられたと感じたからだ。
儒教の精神が流れているのか。
もう一度その論点は振り返り自分の考え方を確立する方向へ
進めて行きたい。
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日本史を専攻していただけに、面白い内容だった。もう一回日本史勉強しなおしたら、当時と全く違う目線でみちゃうな。しかし僕は読んで疲れた。笑
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たおやめぶりとますらおぶり、金と銀、高野山は国際的、四天王寺、大名は政治家、室町幕府は貧乏だったため、日明貿易を行い、それを絢爛豪華な建物に費やした。日光はその延長線。勝負の結果は裏切りによって決まる。戦争はページェント。舞台裏の根回しが日本人は好き。