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商品説明
地球上の、人間以外の生き物たちはどんなふうに子孫を残しているのか? ときには残酷で、ときにはおかしい。人間の理解を超えた生殖活動を営む生き物たちの姿を擬人化して描く、13編の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森川 幸人
- 略歴
- 〈森川幸人〉1959年岐阜県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。グラフィック・クリエイター。イラスト、CGなど様々な分野で活躍。CG、ゲーム制作会社ムームー代表。著書に「マッチ箱の脳」ほか。
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紙の本
現代のファーブル昆虫記。もっと続きが読みたくなる。
2011/05/08 00:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダ・ヴィンチ電子書籍アワードの大賞に輝いた作品。
奇妙なタイトルとかわいらしい装丁に惹き込まれる。
本書は虫の生殖行為の不思議を絵本のかたちにしたもの。
内容を紹介するのがいちばん早いと思うので
一話だけ、おおまかな説明を。
たとえばepisode9の「永遠の絆」は
村でいちばんの美女と結婚できることになった男の話。
しかし彼は、妻となる女性のあまりの美しさに、
誰かに盗られるのではないかと過剰に心配する。
結婚のその日、男は神に懇願し、祈りを捧げる。
『彼女がずっと私だけのものでありますように。
それが叶うなら、死んでもかまいません』と。
結婚の儀式が終わると神の『願いを叶えてやろう』との声が。
つぎの瞬間、男の頭が取れてしまい、そのまま彼は死んでしまう。
しかし彼の胴体は、彼女としっかりと手を握ったまま離れなかった。
そんな彼女に誰も言い寄るはずもなく、彼女は彼の望みどおりに
彼以外の妻になることはなかったのだった。
このお話はじつはミツバチの生殖が元になっている。
ミツバチのオスは、交尾が終わると死んでしまうために
生涯に一度しか交尾できない。
彼らは交尾が終わった瞬間に硬直化して失神してしまい
体がそのまま落下する。
このときオスの生殖器はメスの中に入ったままである。
このため生殖器はひきちぎられ、即死するということらしい。
捨て身の行為には、おどろくべき理由があるのだが・・・・・・。
エロティックとホラーが混在した、ヒトの本能に訴えてくるお話。
13篇のお話にはそれぞれ「なぞ解き」という解説がつく。
これを読んでいくうち、読者は
おどろかされたり感心したりしながら
虫たちの行動や備わっている機能に
どんどん興味がわいていく。
虫の図鑑とか生態を描いたものは
(ビジュアルが)苦手な分野なのだが、
この本は虫をすべてかわいらしく擬人化しているので
気持ち悪さはまったくない。
閲覧できる機器を持っていないため、図書館で本書を借りたが、
あまりのおもしろさに、書評を書きたくなった。
アプリで話題になったものを紙で読むという逆バージョン。
本との出会いには、そんなこともある(というか増えるかも?)