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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.3
- 出版社: 祥伝社
- サイズ:20cm/429p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-396-65032-9
紙の本
紫禁城の黄昏 完訳 上
著者 R.F.ジョンストン (著),中山 理 (訳),渡部 昇一 (監修)
清朝最後の皇帝・溥儀のイギリス人家庭教師による歴史の証言。映画「ラストエンペラー」の原作にして、戦前のシナと満洲、日本の関係を知る第一級資料の完全訳。上巻には岩波文庫版未...
紫禁城の黄昏 完訳 上
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- 税込価格:4,400円(40pt)
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商品説明
清朝最後の皇帝・溥儀のイギリス人家庭教師による歴史の証言。映画「ラストエンペラー」の原作にして、戦前のシナと満洲、日本の関係を知る第一級資料の完全訳。上巻には岩波文庫版未収録を含む第1章から第14章までを収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
R.F.ジョンストン
- 略歴
- 〈ジョンストン〉1874〜1938年。エディンバラ生まれ。オックスフォード大学卒業。香港総督秘書などを経て、1919〜25年に皇帝溥儀の帝師を務めた。
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紙の本
丸谷才一の領分。
2005/09/08 01:52
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年、ジョンストン著「紫禁城の黄昏」完訳版がでました。渡部昇一は「この本は、日本人全員がその筋を心に留めるためにも必ず読むべき文献です」とわざわざの指摘。渡部氏はこうも語っておりました。「私はこの本の原著がほしくて20年ぐらい探していました。ところがどこを探しても見つからない。それでも神田の本屋さんに頼んで一冊見つけました。もう一冊は、アメリカの古書業界の会長をしていたルーロン=ミラーさんという友人に頼んで、・・オーストラリアでもう一冊見つかりました。このほかは一冊も出てきません。私は、イギリスの古本屋はたくさん知っていますから、この20年間ほどずっと注文を出しっぱなしにしていますけれども、『出た』という連絡はどこからもありません」
その本の完訳が今年でた。
ところで、
毎日新聞「今週の本棚」欄で2005年8月14日に「あの戦争から60年」という特集をしておりました。丸谷才一さんと五百旗頭真さんがおのおの9冊の本を取り上げておりました。その丸谷さんのリスト。
①『満州事変』臼井勝美著(中公新書)
②「『真珠湾』の日」半藤一利著(文春文庫)
③『暗黒日記』清沢洌(岩波文庫)
④「昭和二十年 1〜11」鳥居民著(草思社)
⑤「原爆を投下するまで日本を降伏させるな」鳥居民著(草思社)
⑥「靖国問題」高橋哲哉著(ちくま新書)
⑦「野火」大岡昇平著(新潮社)
⑧「父と暮せば」井上ひさし著(新潮文庫)
⑨「ねじまき鳥クロニクル 1〜3」村上春樹著(新潮文庫)
丸谷さんは、各本を自分史と重ねながら紹介しており高橋著「靖国問題」は「この神社に関する、これまでのところ最上の本であった。人間には情緒という大事なものがあることをしっかりと認めながら、しかし情緒的にはならないのがよい」
としております。
私は鮎川信夫著「時代を読む」を思い出したのです。
それは週刊文春に連載されたコラムで、二回目に丸谷才一を取り上げておりました(1982年)。
あらためて紹介します。
「・・巧みな書き出しである。奇妙なパーティの光景を目撃させられた読者は、これから何が起こるかという期待にひきずられて、『裏声で歌へ君が代』の五百頁をこえる大冊を苦もなく読まされてしまう。そのための小さな工夫、仕掛け、道具立てはなかなか豊富である。また、話題性にも事欠かない。雑学の大家である作者は、五頁に一回くらいの割で、小さな知識のきれっぱしを提供してくれているからである。」
コラムの真ん中を省略して、次に
「主人公はひとりよがりの感慨をもらしているが、誰もこんな人間を、危険だとも剣呑だとも思わないだろう。・・
何をとりあげても、底流となっている現実が稀薄なのである。特に『家』は全く無視されており、その観念のかけらもない。国家や家族から疎外されるのはとうぜんなのであって、この主人公は、もしかしたらそれを自由と錯覚しているのかもしれない。・・
潮の流れに乗ることは上手である。・・だが、それがどこへ流れていくのかさっぱり分からない。・・毒のないパロディに終わっているゆえんである」
今年(2005年)。丸谷才一はリスト「あの戦争から60年」で、完訳『紫禁城の黄昏』を取り上げませんでした(五百旗頭さんも同じ)。
渡部昇一氏は「中国・韓国人に教えてあげたい本当の近現代史」(徳間書店)で
「それにつけても私が非常に残念に思うのは、林健太郎先生にしても猪木正道先生にしても、たしかに立派な学者でいらっしゃたけれども、この本を読んでいないことです。私は歴史の素人ですが、『紫禁城の黄昏』は精読しました」(p139)
ちなみに駅構内の本屋では『紫禁城の黄昏』が上巻しかありません。都会で平積みしてあった下巻は、まだ初版。下巻の印象が強く残ります。その日本大使館へと逃げ込む経緯。
紙の本
戦前の中国観が変わります。
2021/12/29 09:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:へもへものへじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くの日本国民は、「戦前の中国では孫文をはじめとした共和国主義者が支持を集め、旧態然とした清王朝復興派は批判され排除されようとしていた。」といったイメージがあるのではないでしょうか?
しかしこの本を読むと、どうやらそういったイメージは戦後に作られたイメージに過ぎないことが分かります。
溥儀の家庭教師を務めた著者の目から見た中国観が、今まで知られていなかった戦前の中国観を見せてくれる貴重な一次資料です。