紙の本
文体により、意外に爽か、サイコパス物
2005/10/01 20:38
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もうみなさん、サイコパスのミステリは、食傷気味ですか??
でも、最近は、さすがにミステリ界でも、
ちょっと下火になってきた、サイコパス物です。
アメリカ南部のアラバマ州の地方都市で、
首なしの死体が連続で発見されます。
しかも、死体の下腹部になにやら、犯人が記入したと思われる
文言が数行。
市当局は、PSITと、呼ばれる、特殊な精神状態の犯罪
に対する、部門の刑事を出動させます。
果たして、事件の顛末は、いかに、、、、、。
という、プロット。
主人公は、このPSITに所属する若き刑事。
相棒の刑事と軽くジョークを言い合い、
又、上司と戦いながら事件解決を目指します。
と、サイコ物だと、なんとなく、暗ぁーく
展開しがちですが、本作は、文体もその助けになっていて
割と、爽やかに、読み進められます。
よく判らない、比喩、ジョークも多数。
プロの書評家の方々が、みなさん指摘されていた
「羊たちの沈黙」を思わせる、
精神病院の収容患者からのヒント的電話は、
その後、主人公自身に重くかかわってくるのですが、
ここまで、上手くかけているのだったら、
省いても良かったかなぁ、と、個人的には、思います。
これだけ、真似していると、言われるのも、癪でしょう?。
まぁ、本当は、あっても良いです。
(↑優柔不断)
そんなに、プロの書評家がいうほど、”真似”って感じでは、
無かったので。
併し、本当に本作の犯人の狙いは、
想像を越えてますよ、、、。
当る人は、居ないでしょう。
紙の本
常人では思いつかない動機
2018/09/30 18:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
猟奇殺人者を兄に持つカーソンは、相棒のハリーとともに首切り連続殺人を捜査する。シリアルキラーものですが、カーソンとハリーのチームが生き生きと描かれていて、陰鬱な雰囲気はありませn。施設に収容されている兄やアル中の恋人など狂気が描かれているがそれもどこかユーモラスです。犯人の動機は、驚くよりもぽかんとしましたね。常人の理解が追い付かない域に達している動機なので。
投稿元:
レビューを見る
びっくりオチでした。ジャンル的には、サイコ・サスペンスに分類されるみたいです。
タイトルの意味が内容にどう関係してるのかよくわからなかったのですが・・。
刑事の主人公が事件を探っていく話です。
投稿元:
レビューを見る
やっと読み終えました。最近日本の物ばかり読んでいたので、なんだか読みづらく感じてしまいました。衝撃の結末っていう感じでもなかった。もう少し臨場感みたいな物感じられれば...
投稿元:
レビューを見る
百番目の男――百人のうちの99人が考えることとは別のことを考える男。…らしいのだが、私はこの主人公には魅力のかけらも感じなかった。若い刑事ゆえ無駄に爽やかなだけで単純にイライラした。タイトルやあらすじに何となくそそるものを感じてみたが中身は凡作。元コピーライターの作者ゆえ言い回しに癖はあるが、そのさじ加減は好き嫌いが分かれるところ。私は場面によって好きにも嫌いにもなれたが、だんだん鬱陶しく感じていた。ひとつのエピソード、ひとりのキャラクターに尾ヒレが付きすぎる。よりドラマチックにしようという作為的なものを感じたサイドストーリーは、興味もなく退屈なだけだった。肝心の事件だが、『羊たちの沈黙』を連想しない読者はいないだろう。“サイコとは何か?”を考えた時、単純に思いついたアイテムを使って小説を書いたような。ただそれだけのような。それではマズいだろうということで、ラストの真相をひねり出してみたものの、今度は突飛すぎてついて行けない。何となく期待感を持たせる作家だが、本作品がシリーズ化するなら用はない。もっと熟練した人物を読ませてほしい。
投稿元:
レビューを見る
サイコパスはサイコパスが捕まえるという「羊たちの沈黙」で形作られたスタイルを踏襲しているものの、斬新な味付けを加えられてページが進み易い。ちょっぴり複雑な恋愛話も絡んだり、ラストが妙に爽やかだったり、マジにお得だわ。
シリーズ化されるようだし、その第一話としてチーム誕生といったところですね。
それにしても、デビュー作でこの出来は頼もしい。数多の消えていった有望ミステリー作家達の轍を踏まないことを祈ります。
投稿元:
レビューを見る
その環境下でよく警察関連の職に就けたなぁ・・・。
犯行動機に関しては賛否、是非色々あるでしょうが、そこからミステリを読む事の快楽の一つは存分に味わえるので、いいのではないかと思います。
ただ、ジェレミーが典型的過ぎるのが弱いかな。
投稿元:
レビューを見る
あらゆる意味で「その発想はなかった」。こんなに爽やかな絶句を味わえる作品は滅多にないと思う。思わずイイ笑顔になってしまった。
投稿元:
レビューを見る
舞台はメキシコ湾に面したアラバマ州のモビール。
アメリカ南部に位置する街で,分かりやすく言えば,
フォレストガンプの海老取り船が出てくるシーンの街だそうです。
土地勘は全く無いが、本書を読むとその土地に興味が出て来る。
特に主人公の暮らす家は魅力的に感じた。
ビーチに立つビーチハウスで,テラスの外は直ぐビーチ。
主人公も物語の中で,釣りを楽しんでいる。
作者の釣り好きが垣間見れるシーン。
日本語訳だからしょうがないのかもしれないけど、
多少理解に苦しむ表現もあった。
特にアメリカンジョーク的な英語のごろ合わせは,
無理やり和訳した感があり全く理解できない。
読み飛ばすしかなかった。
そこは残念。
ストーリーは,連続猟奇殺人事件を追う刑事の話。
アラバマ州モビール市警察本部の精神病理・社会病理捜査班の刑事。
不幸な生い立ちを持つ主人公で,上層部の受けはよくなく,
相棒と共に組織内でも干されている感もある。
しかし,主人公は物語の中で,相棒のハリーに本書のタイトルでもある
『百番目の男』と言われる程の,非凡な才能の持ち主。
その才能の一つ(?)なのが,刑務所に服役中の兄弟。
その兄弟の力も借りつつ,2人で事件を解決していくのだが,
若い主人公ライダーの軽口と,その相棒ハリーの軽快なやり取りで,
本書の様なサイコサスペンスが暗いだけのイメージにならずに
済んでいる。
本書のポイントは『動機』だと思う。
自分は,その動機(犯人の動機)がどうしてもしっくり来なかった。
そもそも猟奇殺人犯の動機に説明など付かないのかもしれないのだが・・・・。
やっぱりしっくり来なかった。
後半に行くにつれ,スピード感も上がり展開が速くなる。
それにつれて,納得行かないな~という思いのままに読み進んで行った。
でも,終わり方は好きかな。
2冊目の『デス・コレクターズ』もとても評判のいいらしいので,
それを読んでみていいか悪いかは判断しようかと思ってます。
投稿元:
レビューを見る
結末がありがちなパターンにはまってしまったのと、本物のサイコパスの兄に助言を求めるというところが既出の設定の為、やや眉をひそめたが、それ以外は実におもしろかったと思う。
ハリーとライダーのコンビは魅力的だったし、不可解な犯行手口の解決もそこそこ納得できる上で、かなり虚をつかれた。
またこの人の作品が読んでみたいと思わせる作家。
■このミス2006海外6位
投稿元:
レビューを見る
登場人物のキャラクター造形や、物語の展開から先行するいくつかの作品を想起してしまうので、その辺はちょい弱さを感じるが、この作品の肝はなんといっても他にるいを見ないホワイダニット。この部分を味わうだけでも読む意味がある。
投稿元:
レビューを見る
首なし死体の謎を精神病理・社会病理捜査班のカーソンとハリーが追う。
6年ぶりに再読。
サイコサスペンスとしては殺人の動機に納得いかないものがあったり、プロットの粗が目立ったり、訳文もなんとなく馴染んでなかったり、なんだよねぇ。
巻が進むにしたがって作者と翻訳者が巧くなってるけど、やっぱり最初はこんなものだったか。
このシリーズの胆はやっぱりジェレミー兄ちゃんw
飛ばしてるなあ。でも憎めないんだよなあ。
むしろ次に何をやってくれるのか、楽しみで仕方ない。
カーソンには迷惑なことだろうけど、新作はジェレミー兄ちゃんが暗躍するそうなので今から期待している。
投稿元:
レビューを見る
まずこの登場人物の設定。
そうして次に、犯人の動機。
この2つを思いついた時点で、作者はほぼ、勝ったと言っていいんじゃないだろうか?
猟奇殺人のサイコパスと戦う主人公、その主人公の知恵袋。
そういった設定はないわけじゃない。
ところがこの主人公がちょっと優男で訳あり。
相棒・ハリーの明るさと包容力、嫌みったらしくて政治的な上の方の人たち。
魅力的なストーリーに、ほくほく。
あたしの悲劇はなんといってもまず3巻から読んだこと。
この作品を読みながらだって、あの人が3巻で‥!!
と、ちらついちゃって悲しいのなんの。
良い子の皆さんはぜひ、ちゃんと1作目から読みましょうね。
投稿元:
レビューを見る
父から虐待されて育ち弟を守ろうと父を殺し、自分を守ってくれなかった母の代替として女性5人を殺した連続殺人犯の兄を持つ異色の刑事、カーソン・ライダーのシリーズ1作目。政治的広報的な都合でアラバマ州モビール警察に設立された異常心理が絡む犯罪を専門に扱う特殊チームPSITに任命されたカーソンは、相棒のハリーとともに、被害者の首を切断し下腹部に文字を刻印する不気味で不可解な連続殺人犯を追います。事件は猟奇的だし登場人物は過去に虐待されていて悲惨だしアルコール中毒患者のリアルな禁断症状は出てくるし、大変重々しい内容。なのにハリーがユーモアにあふれとても味わい深く心の広い人物で、全体的な作風は意外なほどに穏やかで軽やか。『ブラッド・ブラザー』を先に読み、面白くて遡って読み始めましたが、デビュー作なのにビックリの構成とどんでん返し。2作目の解説で「ばかばかしい理由!」と書かれていた件は確かにばかばかしいのだけれど、犯人の心の有り様を全編通じてジワジワと浸透させてあったのと全く予想もつかないことだったので、まさかそうだったのか!と驚きました。作品の世界観に入りそびれてしまったなら、そんなバカなこと、と、白けてしまう人もあるのかもしれません。大変面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
異常心理事件を扱うチームPSITが活躍するシリーズ1作目。
愉快な相棒のノーチラス、殺人鬼の兄ジェレミー、問題を抱えた検死局の新人アヴァ、と個性豊かな登場人物達に紛れて、主人公のカーソン・ライダーの影がとても薄い。しかしこのどこか頼りない薄さが一種の魅力でもあります。
斬首され陰部に謎の文字を書かれた死体が次々と発見されますが、なぜこんな姿にされたのか、という謎が一番の見所です。
犯人が異常だから、の一言で終わらせない、犯人には犯人なりの理論のもとに行動しているのだ、という答えがおもしろい。
その真相には一瞬唖然としてしまいました。
サスペンスフルな犯行の異様さと、作者の稚気に富んだアイディアが楽しい1冊でした。