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紙の本
はじまりは森のピアノ
2002/04/19 06:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:葵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼にしか弾けない森のピアノ。一ノ瀬海阿字野先生森のピアノという幻想的な世界と繁華街といういかにも現実的な世界とが、ミスマッチしていてとてつもなく独特の雰囲気を感じさせる。事故を起こしてから、抜け殻のように生きてきた阿字野の前に現れた、一人の天才・一ノ瀬海。はじめは森のピアノだけで、満足していた海だが、次第にピアノの魅力に引き込まれてくる。特に印象に残った場面が、コンクールの本番になっても、自分の中のモーツアルトの亡霊に取り憑かれて、それに立ち向かうシーン。そこで悩みながらも、楽譜通りになぞるだけの演奏ではない、誰の真似でもない、自分が感じたように表現してピアノを弾けばいいということと、大勢の観客の中で演奏する快感を知った。これが海にとって大きな影響をあたえ、一体となって聞いていた観客、そしてそれを読んでいた私にも大きな感動をあたえた。海がせまい日本を飛び出し、世界で演奏する日がやってくるのを読者みんなが望むことだろう。