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黙の部屋
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.4
  • 出版社: 文藝春秋
  • サイズ:20cm/411p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-323900-2
  • 国内送料無料

紙の本

黙の部屋

著者 折原 一 (著)

画家、石田黙とは何者か? 風変わりな絵の作者を追う美術雑誌の編集者。地下室に監禁されてひたすら絵を描き続ける男。実在の絵をめぐる迫真の美術ミステリ。図版多数収録。【「TR...

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黙の部屋

2,263(税込)

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商品説明

画家、石田黙とは何者か? 風変わりな絵の作者を追う美術雑誌の編集者。地下室に監禁されてひたすら絵を描き続ける男。実在の絵をめぐる迫真の美術ミステリ。図版多数収録。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

折原 一

略歴
〈折原一〉早稲田大学卒業。編集者を経て1988年「五つの棺」でミステリ作家としてデビュー。「沈黙の教室」で日本推理作家協会賞を受賞。著書に「冤罪者」「失踪者」など。

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みんなのレビュー8件

みんなの評価3.6

評価内訳

紙の本

今回は小説よりも、折原一のコレクションを楽しみましょう。それにしてもコレクターというものは、たくさんの作品を集めるものと感心します

2005/08/18 20:56

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

扉を開きますと、
装画 石田黙「室内風景」
(口絵、本文中作品もすべて著者蔵)
装幀 関口聖司
といった文字が飛び込んできます。(口絵、本文中作品もすべて著者蔵)がミソですね。それが何かは、読んでいけばわかりますが、巻末の著者コメントと併せて読めば、納得です。もって回った言い方をしていますが、決してトリックやネタバレの話ではありませんのでご安心ください。
ちなみに、奥付の前の頁に載っている文章ですが
「本作品は、関係者の了解のもと、画家・石田黙の作品並びに伝記的事実を踏まえて執筆されていますが、全体としてはフィクションであり、登場する人物、団体等の一部は架空のもので、実在のものとは関係ないことをお断りしておきます。 著者」です。
構成ですが、「黙の部屋 目次」となっていて、全体は、前景「黙のいる部屋」と後景「黙のいる風景」が、第一部「沈黙の画家」、第二部「沈黙のアトリエ」、第三部「沈黙の美術館」、第四部「沈黙の果て」を挟む形となっています。また224頁と225頁の間にカラーの図版が8ページ分、作品数で10点掲載されています。本文中では、字体の異なる文章が挿入されて、如何にも叙述ミステリの第一人者折原らしいものとなっています。
主人公は、石田黙の作品に魅入られてしまうことになる折原の分身とも言っていい35歳の水島純一郎、「月刊美術情報」という美術ガイドの編集長です。とはいえ編集部の人員は三人なので、実質的には平の編集部員とは変わりません。彼の趣味はといえば、取材かたがたオークションに参加して、手頃な価格の作品を手に入れることです。
で、彼が石田黙の15号の作品「夜光時計」と運命の出会いを果たすのが、新富町に住む55歳の美術評論家で自らも絵画のブローカーのようなこともしている資産家の竜野健作のもとに取材に行く途中で迷い込んだ、築地にある廃業寸前の古物商のところでした。再び訪れようにも探し出すことの出来ない謎の店。いかにも、ミステリらしい出だしで、乱歩も大喜びではないでしょうか。
美術年鑑類にも名前の出てこない、それでいてプロが見ても心惹かれる作品を残した作家を巡り、様々な人の思い、男と女の熱い想いが錯綜する話ですが、私にはヒートアップするネット・オークションの様子が面白かったです。また、一般の美術好きは600万円くらい作品を購入すると、飾るスペースや費用の関係で買うことを一旦ストップし、それ以降は作品を売却しながら、その代金で買い続けるというあたり、具体的で唸りました。
ちょっと腑に落ちないかな、というのが水島のオークションに望む姿勢。35歳という設定ですから、もう美術の世界に10年以上住んでいるわけです。オークションが盛んになったのが1990年ですから、殆どそれが日常化している時間をプロとして生きているわけです。取材は勿論、趣味がオークションでの落札というのですから、この期に及んで会場に足を運ぶのが初めて、とか、下見会で目当ての作品を前で熱心に見入る、なんて、全くの素人、おかしいですよね。
ただし、オークションはプロでも熱くなるそうですから、折原もきっとこうやって石田作品を手にしていったんだろうなあ、ドキドキしたのは分るなあ、と分らないではありません。実力がありながら埋もれていった作家が星の数ほど居ることを思うと、折原のように小説という形は無理でも、私も何とか、そういった人たちに光をあててみたい、そう思います。
ちなみに、美術の窓、という月刊誌があります。2005.7月号を立ち読みをしていたら、その中の本を紹介するコーナーに、この『黙の部屋』について1頁が裂かれていました。
最後になりますが、掲載されている石田黙の作品数は、30点を越えます。すべて著者蔵ですから、折原も600万くらいは投資しているかもしれません。

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2007/04/15 01:28

投稿元:ブクログ

偶然手にした一枚の絵から、その作者・石田黙の魅力に取りつかれ、彼に迫ろうとする美術雑誌編集者の水島。そして、記憶を失い、何者かに監禁されてひたすら絵を描かされる謎の画家。インターネットオークションを通じて自分以外にも黙を探している人物がいることを知り、ますます興味を持っていく水島。しかし石田黙のことを周囲の誰も知らない・・・黙とはいったい何者なのか??

最後の結末は予想外でした!
この石田黙って人物が実在の人だとはまったく知らずに読んでいました・・・

2012/10/21 20:49

投稿元:ブクログ

ある店で石田黙という画家の作品を見つけた水島。徐々に石田黙にひきつけられていく水島。ネットオークションで黙の作品を落札する水島。三田村裕子との出会い。三田村裕子の兄・黙士の失踪。石田黙を兄と想い作品を集める裕子。裕子の元恋人・松野友也。美術評論家・竜野建作と事件の関係。何者かに誘拐された裕子を助け出すために謎のアトリエに向かった水島。殺害された竜野。竜野の妻の死と事件の関係。

2009/03/11 01:23

投稿元:ブクログ

大分前に読んだので内容は覚えていない。

しかし、不思議な世界に引きこまれたという感情は覚えている。

これは、内容プラス文章力だと思う。 この作者は叙述トリックの大家
として知られているが、それだけではなく、読ませる文を書く
文章力、表現力が高いのだと思う。

機会があったら、もう一度読み直したい。

*****************


以下、文藝春秋に記載された本人のお話

小説にして美術書
 過去、絵画について書かれたミステリの名作は数多い。例えば、歴史的に有名な画家(ダ・ヴィンチ、フェルメールなど)の絵画が発見され、その行方をめぐって事件が起こるという小説があるとする。しかし、読者はそんな絵画が現実に存在しないとわかっているので、ある程度冷めた意識で読む。作品の行方をめぐるサスペンス、殺人事件の謎にどきどきすることはあっても、結局、その絵が偽作だったり、焼失してしまったりして話は終わる。その点にかなり不満が残るかもしれない。
 私の『黙の部屋』はそれらの作品とは一線を画している。作中に使われている三十点に近い作品は全部本物。そして、一つ一つの絵が現れるにしたがって、ストーリーが進行するといったものだ。
 絵を使って、いかにストーリーを組み立てていくか、読者は作家の苦心に思いを馳せながら読んでいく。そういった意味では、過去にない珍しいタイプのミステリだと自負している。
 最後まで読めば、あなたは謎の画家・石田黙についてすべて知ることになるはずだ。『黙の部屋』を小説として読んだ後、最初にもどって絵を見返していけば、この本は「石田黙・作品集」にもなる。一冊で、小説と美術書の両方が楽しめる。作者の狙いはまさにそこにあるのだ。成功しているかどうかは読者の判断に委ねられている。

2009/08/25 21:08

投稿元:ブクログ

ひょんなコトから『石田黙』という画家をしった美術雑誌の編集者。
そこから連なっていく、不可思議な人間模様とは??


『石田黙』は実在の画家です。
なので、実際の絵を見ながら本を読み進めて行けるので
とても分かりやすかったです。
こういう絵の描写は、どれだけ細かくされても分かりませんから(´ω`;)

本の内容も折原ワールド満載でしたが、
絵の不思議さに引き込まされました。

2009/12/29 22:02

投稿元:ブクログ

「騙されないぞ、騙されないぞ」と呟きつつ読んでいたら……あら、騙されなかったわ(笑)。
思ったほどの仕掛けじゃない? という気もしたけれど、雰囲気が良いのでもうそれだけで充分。図版も入ってて豪華だし、「魅せられる」一冊ですよこれは。読んでいるうちに、「石田黙」という作家の存在が現実なのか虚構なのか、それすらも分からなくなってきたし(現実だよね?)。

2011/07/29 21:35

投稿元:ブクログ

石田黙の妖しい絵に魅せられた。これは謎の画家、石田黙を紹介するためのミステリーですね。美術界の裏側なども興味深く読めた。小説であり、美術書(石田黙作品集)でもある不思議な本。

2015/10/20 22:37

投稿元:ブクログ

図書館。折原一さんを初めて読んだ。実在の画家とミステリーを絡めているからなのか、独特の妖しさが全体に流れている。実際に絵が多用されているのも効果的。事件と犯人そのものはそんなに面白くないのに、作品が醸し出す雰囲気にはのみ込まれてしまった。