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ヴィーナス・プラスX
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.4
  • 出版社: 国書刊行会
  • サイズ:20cm/305p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-336-04568-2
  • 国内送料無料

紙の本

ヴィーナス・プラスX (未来の文学)

著者 シオドア・スタージョン (著),大久保 譲 (訳)

男が目を覚ましたのは、謎の世界レダム。そこでは荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た「男でも女でもない」人々が闊歩していた…。再評価著しい異色作家スタージョンによる...

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ヴィーナス・プラスX (未来の文学)

2,376(税込)

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商品説明

男が目を覚ましたのは、謎の世界レダム。そこでは荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た「男でも女でもない」人々が闊歩していた…。再評価著しい異色作家スタージョンによる幻のジェンダー/ユートピアSFの傑作。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

シオドア・スタージョン

略歴
〈スタージョン〉1918〜85年。ニューヨーク生まれ。SF・幻想小説家。「人間以上」で国際幻想文学賞を受賞。世界幻想文学大賞・生涯功労賞を受賞。著書に「一角獣・多角獣」など。

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みんなのレビュー13件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (4件)
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紙の本

確固たる「美」のイメージを、強力な言語の構築力で体系ある「世界」として現出させたのち、それを絶対視しない勇気と英断。

2005/06/23 23:35

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

奇想で滑らかにまとめられる短篇群では、物語の背景に、大きな体系で完結する「世界」の存在を感じ取りながらも、その断片にしか触れることができない。こうして初めて長篇を読んで深く感じ入ったのは、「何て美しい全体を書けるのだろう、この作家は……」ということ。
一目見て「美しい」と反応できる視覚芸術、ささいな和音やフレーズで同様に反応できる音楽芸術などと違い、言葉を積み重ねイメージを現出させる文芸の場合、「美しい」と響くには、読み手の想像力に頼らねばならない困難がつきまとう。また、創作と読む行為の双方に、辛抱強い時間の経過も必要であろう。題名だけで十分美しい作品もあるし、詩や俳句の形式で、詩情のエッセンスを捉える方法もあるけれども……。
そうした詩情を取り込めるものなら、小説のわずか1行、2行で泣きたくなるほど切ない文を書くことも可能。実際、『不思議のひと触れ』所収「雷と薔薇」中にあった「人間のすべての手をポケットに深く突き入れると〜」という部分など、どうしてこうも美しいイメージを結晶させられるのかと忘れ難い。ただ、この一節とて、主人公の追い込まれた情況と彼が下した判断が言葉として先に積み重ねられていたからこそ、波紋のように打ち寄せてきたものなのである。
人間が住んでいたのと同じ地球上にある「レダム」という世界——昼夜の区別なく、睡眠が要らず男女の区別もない人びとが暮らす謎の閉鎖的ユートピアをスタージョンは現出させた。
皆が争いもなく友好的に暮らし、揃って幸福感に満たされるユートピアがSF小説のなかで最後までつづくわけがないと、どこか心に留めて読んでいく。だが、スタージョンの魔術的な言葉の構築力は強力で、めくるめく表現に心躍り、いつしか疑念は薄らいでいく。
たとえば、謎の世界レダムで目覚めた男性主人公が案内される、衣装の詰まったクロゼット。横棒もハンガーもないそこには、多種多様の服が吊るされている。懐かしいピエール・カルダンやサン・ローランの近未来的モードを思わせるキュートな型、鮮やかな色のイメージも楽しいが、それらが意志があるように自然にフィットしてくる着衣の様子が何とも面白い。人体にとって服がどうあるべきかの人類学的考察も経ているからこそ書ける、美しいイメージではないかと推察する。
もう1箇所、レダムの子どもたちの遊びの場面も印象的だ。水遊びやらボール遊びやらグループごとに違うことをしていても、常に皆一緒に歌を歌っている。音楽に集中することなく……。規則的に発せられた和音は空にたゆたい、子どもたちに一体感を与える。これも単に歌が美しい、遊ぶ子が美しいというのではなく、子どもの集団の在り方の理想が、美しいものとして作家の意識の根底に横たわっているためだ。
当たり前のことだが、言語で「美」を構築していけるのは、対象とすべき確固とした美のイメージがそこにあるから。スチールや動画の美しい場面を単に言葉で転写しようという作法ではなく、「愛」「幸福」についての深い思索あってこそ成功するのが小説という言葉による「美」の創造である。その意味では、服や遊びより、レダムを成立させている「Aフィールド」「セレブロスタイル」という2つのシステムを美しい概念の例として取り上げるべきなのかもしれない。
レダムという世界の各種断片から見事に全体を立ち上がらせたあと、スタージョンはユートピアそのものの在り方に問いを投げる。1つの大きな価値体系に構成員全員が価値を認め、幸福を感じる世界。逆に言えば、その体系から外れる個性や異種が存在しない、認められない、そのような世界は果たして人類にとって真のユートピア足り得るのか。
そこを読み取るとき改めて、スタージョンが私の頭に描いてくれたレダムという世界、それを構築する彼の想像力の元にある、意志と姿勢の美しさに気づかされる。

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紙の本

目が覚めると、一面銀色の空が…

2005/06/24 16:58

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る

目覚めたそこは、奇妙な人々のいる異世界「レダム」だった。
チャーリー・ジョンズはレダム人から彼らのことを学ぶよう
たのまれるが…。

導入がいい。
現代人チャーリー・ジョンズがいきなり目を覚ましたら
奇怪な世界にいるのである。直線ではなく曲線で構成された建物、
そして銀色の空。
その世界レダムで、レダム人からレダムを学んでくれるよう
お願いされたチャーリー・ジョンズとともに読者はレダム世界を
見学して歩くことになる。
SFは現実とは異なる世界観を飲み込むまでに時間を要することが
多いが、本書でははじめからチャーリー・ジョンズは異分子なので、
彼と一緒にまっさらな気持ちでレダムを学べるところが巧い。

男女性別なき人々が住む「レダム」の世界と、
ごくふつうの男女が暮らす「ベゴニア通り」の物語が
交互に展開していく。性別が存在しないレダム、
そして男女の性別が存在し、それによって差別や倒錯や葛藤が起きる
我々の世界との対比が面白い。

特筆すべきは「ベゴニア通り」の世界で、ごく普通の中流家庭の
生活を淡々と書いているのに、妙に惹きつけられる。
それは善き父であるハーブ・レイルと妻子、隣人のスミティたちの
描写がリアルで真に迫っているせいか。
レダムの習俗よりも、ベゴニア通りの方が面白く思えたほど
だった。レダムが抽象的すぎて、レダム世界の説明に
想像力が追いつかぬところもあったしな…。

そしてただでは終わらないのが本作。ミステリーと言ってしまっても、
良いかもしれない。このラスト、謎が解けるところ…
そしてそれによって一変する世界、
我ら現代人ののど元に突きつけられた剣、
それはSFを読み慣れた方には古くさいモチーフであろうが、
私は眩暈に襲われるほどの衝撃を受けた。

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紙の本

歪んだ絶景

2008/07/15 18:01

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る

1985年に亡くなりましたが独特の作風で知られる
スタージョン氏の数少ない長編の一冊です。
波瀾に富んだ人生を送り辛口の発言でも知られる彼ですが
歪んだガラスの向こうに美しい風景が垣間見えるような作品を
発表していました。
本作は東西冷戦、人種差別、女性の人権など60年代の
様々な問題を背景に異世界を描いた問題作です。
 
彼は曲面で構成された小部屋で目覚めた。
彼は必死に思い出す。
チャーリー・ジョンズという自分の名前。
自宅、少年時代、愛する女性、、、。
「ここはどこなんだ?なぜ、ここにいる?」
それだけが思い出せない。
そして、彼の前に現れたのは奇妙な服を着た男女とも
しれない人間に良く似た見知らぬ生物だった。
 
チャーリーは、その生物に案内され異世界「レダム」を
見て回ることになった。
常に銀色の空に包まれた人工的にも見える風景。
人知を超えたテクノロジー。男女とも知れないレダム人。
陶酔の宗教と調和を基調にした不思議な文化、、、。
やがて、彼はレダム人の文化に共感を覚えていく。
そして、チャーリーの前に異世界レダムの最後のそして
最大の秘密が明らかになっていく。
その結末とは、、、。
 
後年のウーマン・リブ(女性解放運動)やキューバ問題、
ベトナム戦争、民族や宗教、教育や貧富の格差など
様々な問題を先取りしたような作品です。
小説には珍しく巻末に参考文献リストが記されています。
SFでありながら現実の問題に密接に関連しています。
ちなみに同様な主題の作品を発表しているル=グイン女史の
父親と同門の文化人類学者の著書も参考文献にあります。
「闇の左手」などと本書を読み比べるのも面白いかもしれませんね。
 
発表から翻訳まで年月が開いていますが、当時の日本では
理解されにくいと判断されたのかもしれません。
個人的には文化人類学的な興味で読み始めましたが、
様々な問題に関心を持ったり異世界の美しさを感じたり、
様々な楽しみ方が可能な作品でもあります。
ちなみに女性服飾の古典用語なども登場しますので、
論文のように調べて考える楽しみもあります(笑

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紙の本

社会科学+物語のSFの傑作

2005/11/20 13:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 SFは、自然科学+物語で構成されるものである。一時期、社会科学+物語のSFが、流行したことがある。この作品が書かれ、出版されたのも、1960年であるという。社会科学という意味は、ウーマン・リブに象徴される、性差の概念見直しの意味である。日本語で性差と言っても、生物学的性差(sex)と社会学的性差(gender)の、二重の意味合いがある。SFのテーマになるのは、genderの方である。その背後にsexがあるのは、当然だが。この作品では、両性具有の人類による社会と文化が、描写されている。それが何時の時代であるか、我々正常人類との関係や、正常人の反応は如何なるものか、最後のどんでん返しがみごとである。それまでは、新人類の社会や文化が良く描かれている、と思いはするが、特別印象深いとも思わず、読んできた。が、最後の衝撃がすごい。傑作である。

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紙の本

内容紹介

2005/04/28 14:15

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:国書刊行会 - この投稿者のレビュー一覧を見る

チャーリー・ジョンズが目を覚ましたのは、謎の世界レダム。そこは、銀色の空に覆われ、荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た<男でもなく女でもない>住人たちが闊歩している世界だった! 故郷に戻りたがるチャーリーに、レダム人たちは交換条件を持ち出した。「あなたの目で私たちの文明を評価して下さい」。彼は承諾した、自分の本当の運命も知らずに——異空間での冒険とアメリカの平凡な家庭生活の情景を絶妙に交錯させながら、ジェンダーの枠組みをラディカルに問い直す。孤高にして最高のSF作家、シオドア・スタージョンが放つ幻のジェンダー/ユートピアSFの傑作がついに登場!

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2006/05/07 13:44

投稿元:ブクログ

面白かったよ!オチがよいです。
ひっくり返された。
ただ同時進行される典型的(?)アメリカンな生活描写の意味があまりわからなかった…

2008/04/19 12:27

投稿元:ブクログ

私がスタージョンに求めていたのとは違う、まっとうな面白さ。いや、面白かった。ジェンダーとかユートピアとか7,80年代にはやったよね、とか斜に構えて読み始めても、あっという間にのめりこんでる。最後まで一つも先回りできないまま、一気に読んでしまう。理想郷が存在しないのはなぜか、これを読めばよぅく分かります。

2006/01/28 22:05

投稿元:ブクログ

普通にSF。主人公が性別がないっぽい人たちばかりの世界にタイムスリップしたっぽいところから始まる。普通っぽいSFだなあと思った。結構面白かったのに、最後のほうで意味が分からなくなったので四つ。ヴォネガットみたいなSFより、こういうしっかりした設定マニア系のSFのほうが俺は好きだなと思った。一応ジェンダー論っぽい感じだっけどよくわからん。もうちょい簡単なSFのほうが素直に楽しめそう。ル・グウィンもスタージョンの文脈の作家だということを知った。

2010/04/03 14:36

投稿元:ブクログ

なかなか読みにくい。難解ではないのだが、男の、未来世界に飛ばされた後の話しと、飛ばされる前の話しが交互に語られ、話しがどっちにむくのかが、なかなかわからない。が、最後までよむと納得します。

これは、理想社会なのか、それともデストピアなのかは、解釈のわかれるところです。

2009/11/19 13:48

投稿元:ブクログ

両性具有の世界レダムに連れてこられた主人公チャールズ・ジョンズ。
そこで見知り、あぶり出される性と文化。60年代アメリカの風景が幕間に挟まれていくのも効果的。
後半の畳み掛けるようなどんでん返しもあり、いろいろ考えさせられ、一気に読ませる傑作。

2010/06/13 07:36

投稿元:ブクログ

[ 内容 ]
チャーリー・ジョンズが目を覚ましたのは、謎の世界レダム。
銀色の空に覆われ、荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た“男でもなく女でもない”住人が闊歩している世界だった。
故郷に戻りたがるチャーリーに、レダム人たちが持ち出した交換条件は「あなたの目で私たちの文明を評価して下さい」。
彼は承諾した。
自分の本当の運命も知らずに―異空間での冒険とアメリカの平凡な家庭生活の情景を絶妙に交錯させながら、スタージョン的思考実験が炸裂する!
ジェンダーの枠組みをラディカルに問い直した幻の長篇SFがついに登場。

[ 目次 ]


[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

2015/03/29 21:29

投稿元:ブクログ

気がつくと昨日と同じ服を着たまま見知らぬ部屋にいた。男の名前はチャーリー・ジョンズ、二十七歳。すぐに分かることなので説明すると、チャーリーがいるところは未来の地球。核戦争で絶滅した人間に代わり、ドームで覆われた世界レダムに暮らしているのは人間に似た別の種族。彼らが人間とちがうのは、両性具有であることだ。チャーリーはレダム人の世界について客観的な意見を述べるために選ばれてここにつれてこられたらしい。

レダムについて学習を終え、感想を述べることができたら解放され、もとの世界に戻れるという。チャーリーはレダムの歴史学者フィロスに案内され、施設を見学する。そこにあるのは、地球人をはるかに超えた科学水準を持ち、平和に暮らす人々の姿だった。チャーリーは学習が進むに連れ、レダムに親近感を覚え、トランスジェンダーの世界にもなじんでいくのだった。

いかにもSF的な設定で、異世界に紛れ込んだ地球人が、自分たちとは全く異なる世界に間近に接し、それまでの自分が抱いていた世界観を根底的に揺さぶられ、意識改革を迫られる寸前まで行く。ところが、そこで新たな事態が発生し、主人公はかつて住んでいた旧世界にもどらざるを得なくなる。主人公の価値葛藤を通し、今ある世界――というのは、概ね60年代のアメリカを中心とする世界だが――の是非を問う、現実の世界に対する問題提起を執筆動機とする長篇小説である。

主人公は、白人男性のキリスト者。問題にされているのは、西洋的価値観の根底にあるキリスト教と、それに付随するようにして現在にいたる男性中心主義である。レダム人は両性具有者同士の結婚により、双方が妊娠し双子を出産する。過去ではなく、未来を尊ぶレダムの人々は、子どもを信仰対象とし、知的な作業については時間短縮をはかり、独自の学習機械を用いて学習させるが、日常生活は手作業を主とした環境下で育てられる。このレダムの世界は一種のユートピアであり、科学技術万能で、人間らしさをスポイルされた現代社会批判になっている。

小説の構造的には、同時進行で現在のアメリカ家族の実態が、章が変わるごとに挿入される。現在アメリカ編では、互いに愛し合い結婚していても、男と女は別の生き物で、そのジェンダーには明らかな差がある、ヘテロ・セクシャルを強調する場面が描かれる。二つの世界が対比されることで、本編の視点人物であるチャーリーへの過度な感情移入を中和する役割が期待されているのだ。SF的世界の現実批判のぶっとんだ趣向に疲れたところで、洒落やジョークを主体とするコメディ・リリーフの登場となるわけである。

男性と女性には差より共通する部分の方が多い、という理論や、多くの生き物における交尾の多様さ、原始キリスト教のアガペー論等、よく勉強しているなあ、と思いはするものの、大事なところは講義調になり、物語の進行からは遊離しているように見える。自分が肯んじ得ない世界に無理矢理放り込まれた人間が時間の経過により意識や感情に揺らぎや葛藤が生じ、転向に至る人間ドラマが、存分には描ききれていない。もともとアイデア主体の短篇向きの作家なのではないか。どんでん返しに見せるキレのよさ、話の落としどころ、ミステリにも似た問題解決の鮮やかさからは、そんな感想を持った。

単純な異性愛を持ってよしとする固定化した性意識を疑わない社会が持つ息苦しさについては、ようやくこの国でも気づかれては来ているようだが、理解者が増えればそれに対する風当たりもきつくなる。作者はキリスト教を中心に据えた西洋の歴史的なあり方を批判の根拠に据えているが、決してキリスト教的論理を主とするとも思えないこの東洋の国においても、男性中心主義や同性愛者その他の性的少数者への偏見については西洋諸国に引けをとらない。

少し前の本だが、問題とするところは決して古びていない。固定化された過去をではなく、つねに変化、移行(パッセージ)を信条とするレダムの精神に見られる清新さにはある種の感銘さえ受けた。ユートピア物SFと見せかけて、最後にあっといわせる手際など、堂に入ったものだ。久しぶりにSFらしいSFを読ませてもらった気がする。

2014/11/23 20:01

投稿元:ブクログ

原著は1960年刊行。
ジェンダーの問題をSF風味のオブラートにくるんで描いた長編。
両性具有者たちの理想郷めいた世界に放り込まれた男の見聞の様子と、
1950年代アメリカ中流家庭で平穏に暮らしながら
様々な疑問や不満に頭を悩ます普通の人々の姿が
互い違いに綴られるが、
後者が前者の直前のパートを補完するかのような
示唆的な内容になっている。
社会の構成員がすべて両性具有なら性差別の問題は解消するよね!
――って、いや、そんなにスッキリ解決しますかね?
てな話(違うかw)。
それよりも、違いは違いとして認めた上で互いに尊重し合い、
協調して暮らしていく方が、ずっとよくないですか?
ということなんだな、きっと。

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