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狡い男に愛されて (角川ルビー文庫)
狡い男に愛されて
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紙の本
怪しい佐久本法律事務所
2006/10/21 12:12
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の神津俊介は、元上司のインサイダー取引疑惑に巻き込まれたことで、留学先後に復帰した法律事務所で疎まれ、針のむしろに置かれる立場となっている。
元上司の池田は極めて有能な弁護士だったが、自己愛性人格障害の典型のような男で、愛人でもあった神津をいいように弄んで利用した後、あっけなく切り捨てて、立つ鳥跡を濁しまくるような形で職場を去っていた。
事務所の経営陣や職員のほとんどは、神津がそんな最低男池田の共犯であると見て、事務所の汚点でもある疑惑の記憶ともども放逐したいと考えていた。
けれども神津の後輩の国弘だけは、神津をひたすら慕って忠犬のように働き、留学先への連絡も欠かさず、帰国後の事務所への復帰を支えるための尽力をおしまなかった。
池田に捨てられ生きる力を失いかけていた神津にとって、国弘は心の支えであり、またかけがえのない聖域のような存在でもあった。
ところが、復帰後に池田に無理矢理呼び出され食事をさせられていた神津を目撃したとたん、その一途な忠犬国弘が、サディスティックな脅迫魔人へと変貌してしまう。神津は池田のインサイダー取引の証拠となり得る書類を国弘に横取りされ、それを上司にバラさないことと引き替えに、強引に関係を迫られる。心の聖域とも思っていた国弘による突然の脅迫に、神津は動揺するものの、池田を陥れて報復しようとしていた醜い本心を国弘に知られたくないために、どこか暗い喜びを感じつつ言いなりになってしまう…。
この神津という人は、普段は女王様のように高飛車で、途轍もなくプライドが高いのに、どこか芯に弱いところがあるらしい。かつて池田に弄ばれて利用されたときにも、まるっきり無抵抗で心まで明け渡してしまったようだし、一途な子犬のように従順だった国弘にまで、ほとんどなすすべもなく服従してしまう。抜け目のない若手敏腕弁護士のはずの男がそんなマゾなことでいいのかと思うのだが、物語中の人々は、本人も含め、そんな神津に特に矛盾も感じないようだ。あるいはそのギャップがいいということのなのか、神津に迫る人々は、彼のプライドの高さを暴力的に蹂躙するのを楽しんでいる風もある。それでいいのか法の番人。
ちなみに神津たちの所属する佐久本(さくもと)法律事務所には、彼らの他にもそういう性向の弁護士が何人も所属していて、この「〜愛されて」シリーズだけでなく、別の作品でもいろいろと鬼畜ぶりを発揮しているようである。
この事務所の名前が出てくるたびに、私は心のなかで「SM法律事務所」と変換して読んでいるのであるが、神津の復帰時の自己紹介のときに、国弘が神津のゴキブリ嫌いや偏食の多さを暴露したとたん、同僚たちの神津を見る目が妙な具合に好意的になったところをみても、弱みを抱えていたぶりやすいキャラを好む職員の多いことが伺える。
この法律事務所に依頼するクライアントは、彼らのサディスティックな性癖を存分に発揮できるような仕事を持ち込めば、支払う報酬以上の働きを期待することができるかもしれない。しかしクライアント側にマゾ傾向があったりすると、餌食にされかねないので注意が必要である。実際このシリーズの「悪い男に愛されて」に出てくる佐伯弁護士は、仕事先の好みの男に薬を盛って既成事実を作った上で奴隷にするという悪行をはたらいている。
本当に、これでいいのか法の番人(よくないよ、普通)。
紙の本
策士わんこ攻
2017/09/30 16:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半までは理想通りの策士年下わんこ攻でした。
一見無邪気に受を慕いながらも牙を隠し熱を秘めてるような策士わんこ攻、いいですね!
クールビューティーなやり手受も理想通りでした。
しかし、後半はちょっと期待と違って、攻が予想以上に強かな策士だった事が残念でした。
受を脅すような形はちょっと…。
何のための策士だ!