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商品説明
特殊な能力を持った弱虫の少年・タダシ。妖怪たちと力を合わせて、世界征服を企む魔人・加藤保憲と戦うことに。人類存亡をかけた世紀の戦いに少年と百万の日本妖怪が立ち上がった。愛と平和の大冒険。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
荒俣 宏
- 略歴
- 〈荒俣宏〉1947年生まれ。慶應大学法学部卒業。幻想文学、博物学等の研究者、小説家。「帝都物語」で第8回日本SF大賞、「世界大博物図鑑 第2巻」でサントリー学芸賞を受賞。
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紙の本
アノ加藤に、妖怪達が立ち向かう!
2005/06/22 14:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
この書名を目にして、大御所・水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』を思い浮かべた人は、なかなかの妖怪好きである。悪に心を染めた妖怪達と鬼太郎達が闘う、という内容の傑作があるからだ。本書にも“ぬらりひょん”や“油すまし”、“一反もめん”に“砂かけばばあ”といったお馴染みの面々は登場するが、内容はがらりと違う。こちらは、人間とも鬼とも区別しがたい悪の存在と妖怪&人間の連合軍が闘う、というストーリーになっている。
さて、荒俣宏と聞いて、気になる名前を思い出さないだろうか?そう、『帝都物語』に登場する軍服姿の魔人・加藤保憲である。この魔人が、本書でも悪の親玉として登場する。自らの欲望を満たそうと、またもや日本の首都に攻撃をしかけるのだ。『帝都物語』を夢中になって読んだ私としては、“加藤”が敵というだけで、ワクワクする気持ちを抑えきれない。
メインはもちろん決戦シーンだが、全編を通して“親子の愛情”というテーマが流れている。主人公の少年と母親、妖怪の姫とその父親、そしてカッパの親子と、いたるところに“親子”が登場する。「親子の対話が少なくなった」と言われ、親殺し子殺しの事件が毎日のように発生している今日この頃、本書、もしくは本書を原作とする映画が、親子のあり方を考え直すきっかけになるかもしれない。
本書の漢字の多くには、ふりがながふってある。小学校低学年では難しいが、高学年ならば読めるはずだ。文章自体も、子供向けに近い。広義のファンタジーとして、大人から子供まで幅広く楽しめる作品だ。