紙の本
楽しみは世界に満ちている
2021/08/10 17:40
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名なスウェーデンな児童文学。
作者はアストリッド・リンドグレーンという女性。2002年に94歳で亡くなっている。
日本でもその作品集が出版されているほどで、中でも『長くつ下のピッピ』は人気が高い。いやいや『名探偵カッレ君』でしょ、という人もいるだろうが、脚本家の三谷幸喜さんが小学生の息子さんとともにはまったのが、やかまし村に住む六人の子どもたちを描いたこの作品。
三谷さんは自身のエッセイの中で、この作品にはまった理由として「彼らの暮らしが、あまりに楽しそうだから」と書いている。
また「自分の少年時代をぴったりと重ねることが出来た」という。
もちろん、ここには塾もテレビゲームもスマホも出てこない。
それでも、やかまし村の子どもたちは毎日楽しそうなのだ。
現在の子どもたちは、あるいは大人もそうだが、その楽しみを忘れてしまっているかもしれない。
物語の主人公は七歳のリーサ。彼女には九つのラッセと八つのボッセという二人の兄がいる。
リーサの家の隣には八つのオッレという男の子(オッレの飼っている犬スヴィップを手にいれたエピソードはこの物語の中でも秀逸)と、反対側の隣の家には九つのブリッタとリーサと同い年のアンナという女の子二人が住んでいる。
男の子三人、女の子三人とうまい案配になっていて、仲がいい時もあるし、ケンカしている時もある。
おそらく彼らの暮らしには何もないから、楽しみは自分たちで見つけるしかない。でも、それで見つかるのだから、この世界はきっと楽しみに満ちているのだろう。
紙の本
自分もこんなところで過ごしてみたい
2015/08/13 16:24
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投稿者:ぺろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
男の子3人女の子3人のお話で自分も子供時代にこんな遊びがしたかったとか子供部屋にも憧れました。ちょっと笑えるところもあって楽しい内容です。
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やかまし村は、たった3軒の家で構成されている村で、そこで暮らす3人の男の子 & 3人の女の子(その後+1人の赤ちゃん)の日常が描かれています。 その6人の子供達の中の8歳の少女の一人称で語られる「遊びの毎日」は実に生き生きとしていて、少なくとも KiKi ぐらいの年齢の読者には遠く離れた国のお話でありながらも違和感を感じさせない物語なんじゃないかしら? 同じ作者の「ピッピ」のように奇想天外な登場人物が出てくるわけでもなし、「カッレ」のように大きな事件が起こるわけでもない。 でも読んでいて「あった、あった! こういうこと。 KiKi の子供の時はね・・・・・。」と似たような体験を思い出させる何とも懐かしく、微笑ましい物語の宝庫でした。
登下校の際に石の上を歩くことを仲間内の決まりとして、万が一何かの拍子で地面に足をつけちゃうようなことがあったら「死んだことにする」な~んていう遊びは KiKi にも覚えがあります。 もっとも KiKi たちの時代は、その遊びには子供なりにちゃんとした(?)本当の理由がありました。 当時は舗装道路と言えば自動車道路限定でした。 そして急増していた「交通事故」から学童自動を守るために通学路は畑の中とか民家の軒先が指定されていて、そこは未舗装だったんですよね。 だから一度雨でも降ろうものならそこかしこに水たまりができちゃって、そこを歩くと靴はドロドロになるし、下手をすると靴下まで泥水が浸み込んで気持ち悪いことこのうえない。 だからどうにかして靴をドロドロにしないために石の上を飛んで歩くというのは必要に迫られていたことでもあったんです。
でも、それをそのまま口にしちゃったら余りにもつまらないし、まして程よい距離感で都合の良い石があるわけでもなし。 だからそこに遊びの要素を持ち込んで、「石から落ちたら死んじゃうということにしよう!」となったんですよね。 この物語を今回再読するまで、そんなことはすっかり忘れていたんだけど、読み進むにつれて飛び石下校にまつわるアレコレを鮮明に思い出しました。 本来「靴を汚さないため」の飛び石下校だったはずなのに、子供の跳躍力ではとうてい辿りつけない石しか見つけられなかった時に「えいや!」とばかりに飛んでみたら、結局大きな水たまりのど真ん中に落っこちて、挙句そこで足を滑らせて靴はおろか、スカートからブラウスまでドロドロになっちゃって、帰宅するや否や母に叱られたことまで思い出しちゃった・・・・・ ^^;
さて、このシリーズで描かれる一つ一つの出来事は実際に似たような経験があって懐かしかったり、同じような経験はないものの、そこに流れる子どもらしい「遊びの精神」に共感してノスタルジーに浸ったりすること多し・・・なんですけど、その感覚は必ずしもこの物語に限ったものでもありませんでした。 例えば「小さな牛追い」みたいな物語でもそれに近い感覚は持つことができました。 でも、この物語を読んでいて初めて振り返ることができて、読了後も強く印象に残ったお話がありました。 それは、「乳歯が抜ける」という誰もが体験してきた事件(?)とそれに対しての子供たちの反応の物語で��た。
KiKi 自身は乳歯が抜けきって永久歯にはえ変わって早○十年。 そんな事が自分の人生の中で起こったことさえ忘れていたけれど、今回この物語を読んでいてあの歯のあたりがむずかゆい感じやグラグラし始めた時の頼りなさ。 硬いものを噛んだときにたまたまそれがグラグラしている歯の部分にあたり、「グキッ!」となったような気がしたうえに涙が出そうなほど痛かったこと。 その歯のグラグラが気になって気になって、しょっちゅう口の中に指を入れて弄っていたことなんかをありありと思い出しました。
最近の子供は抜けちゃった乳歯をどうしているのか知らないけれど、KiKi の子供時代は上の歯が抜けたら縁の下へ、下の歯が抜けたら屋根の上に向かって投げ
「早く立派な歯がはえますように」
と唱えるのが決まり事のようになっていました。(← これは地域的な風習だったのかしら? そのあたりはよく知りません。) 我が家ではこれを子供1人でするのではなく、両親と一緒にするのが「家庭内ルール」だったため、父が帰宅している時で、母の手が空いている時間で、さらに明るい時間帯(つまり夜はありえない)にしなくちゃいけなかったので、歯が抜けてからこの行事が執り行われるまでにはそれなりの時間が空いてねぇ・・・・。 その間はその大切な「抜けた歯」をこの物語の子供達同様、小さな箱(それがどんな箱だったかは覚えていないけど)に入れて、暇さえあれば眺めていました。
決して眺めていて気持ちの良いものではなかったはずなんだけど、それでも何だか宝物のような気がしていたんですよね~。 あの抜けた歯というヤツは子供時代から大人へ向かうイニシエーションの賜物であり、人生の中で大人への階段の第一歩を示す象徴でもありました。 そんな大切な一大イベントだったはずなのに、人は生きていく中でそんなことがあったことさえ忘れ去っちゃうものなんだと思うと、何気にショックを受けたような気分になりました。
さて、この物語の中で1つだけ KiKi なんかの子供時代とは大きく違うところがありました。 それはやかまし村の子どもたちが学齢に達しているにも関わらず、学校の同学年のお友達とはほとんど交流していないように感じられることです。 一巻目の「やかまし村の子どもたち」だけならいざ知らず、2巻目に進んでも3巻目に進んでも、ず~っと向こう3軒両隣という狭い社会の中だけで遊んでいるんですよね~。
もっとも彼らが通う学校は本当に小さな学校で、クラスだって学年別ではなくて日本でいうところの1年生から6年生までが1つの教室に集っちゃうという状態だから、実は同学年の子供が1人もいない・・・・ということがあったのかもしれません。 さらに言えば、やかまし村から学校まではかなり遠いので KiKi の子供時代のように「一旦うちに帰って、ランドセルを置いたら公園に集合!」とはいかなかっただろうこともわかります。 しかもこの通学路を集団登下校よろしく、常に6人で行き来しているので、「放課後に運動場でかけっこしてから帰ろう!」というのも難しかったのはわかります。 恐らくイマドキの(これは KiKi の子供時代も含め)子供と比較して、家庭内での労働もあったことでし���う。
でもね、KiKi なんかの感覚では学齢に達するとそれまでは年下の子とも楽しそうに遊んでいた子供であってさえも、知力も体力も自分には及ばない年下の子と遊ぶより同年代の子供と遊ぶことを優先するようになっていくのが普通だと思うんですけど、この「やかまし村の子どもたち」は相変わらず6人の小さなコミュニティの中だけで遊び続けているんですよね~。 だからと言って社会性が育っていないのか?と言えば、そうでもないのがこれまた不思議でねぇ・・・・・(苦笑)
さて、最後にこの本(「やかまし村の子どもたち」)の宮崎駿さんの推薦文をご紹介しておきましょう。
この世界に楽園があるとするならば、やかまし村がそれです。 読んだ子供達は、みんなこの本が好きになり、自分たちもやかまし村に生まれたら良かったのにと思います。 こんな風な楽しさは子供の時にしかありません。
それなのに、このような村でくらすチャンスはめったにないのです。 それで、「ああ~おもしろかった」と読み終えてから、ちょっぴり残念が気持ちがするのです。
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子供の目線で書かれていて非常に読みやすく、和やかな世界です。
やかまし村の6人の子供たちが、楽しく愉快に暮らす生活を描いた作品。
読んだあと、ピッピの作者と同じなのを知りました。
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大きくなったらみんなでお家建ててやかまし村にしようねって約束したなぁ。
叶いそうにないですが今でも憧れてます。
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秘密基地、野いちごつみ、外でのお昼、岩のぼり、水遊び。
混じりたい、遊びたい、ずっと子供でいたい。
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やかまし村には、家が3軒きり、子どもは男の子と女の子が3人ずつ、ぜんぶで6人しかいません。でも、たいくつすることなんてありません。ひみつの手紙をやりとりしたり、かくれ小屋をつくったり、毎日楽しいことがいっぱい!
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やかまし村には家が3軒、子どもが6人。その子どもたちの日常を描いています。魔法もなければ荒唐無稽な冒険もない、実に素朴な日常。しかしそれが面白いんですね。ほし草の山に突っ込んだり、大人の服を着てみたり、小屋を作ってみたり、家出を空想してみたり。強い刺激に慣れてしまうと素朴な面白さを味わうことが難しくなりますが、そんな時にこそこのお話がいいのかも。何もないことの豊かさを感じられます。
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三軒の、仲良く寄り添うように建った家。これが『やかまし村』のすべて!
物語は、そこに住む6人の子供たちの日常生活。
子供のころ読んだ「遠い国、自分と同じ子供の日常」を疑似体験できる
微笑ましいエピソードが盛りだくさんです。
『長靴下のピッピ』、『ロッタちゃん』シリーズと同作者の作品です。
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家が三軒しかあらへん「やかまし村」はスウェーデンの片田舎にある。
それぞれの家には子どもたちがいて、かれらの日常生活が描かれる。
子どもの数は少ないですが、日々の暮らしに遊びに行事にワクワク。
すんばらしい自然のなか昔ながらの風習を大事にし素朴にしかし楽しく交流し遊ぶ子どもたち。
うん、これはね、うらやましいんや。
自分が体験したことでないはずなのにどこか懐かしい、やかまし村のお話。
ときおり読み返したいシリーズです。
リンドグレーンさんは岩波の作品集をいちおう全部読んでます。
その中でもこのシリーズが特に好き。
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たった6人しか子供がいない村の話。秘密基地を男の子が持っていて、女の子が秘密を暴くっていうのは、何ともほろにがい子供の頃を思い出す。先生のキャラも最高。大人が素敵だ、ただの子供の本っていうだけじゃなく、学ぶことも多いなーと思う児童文学です。
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村の子供達、というのだから、この村にしか子供がいないかと思いきや
そういうわけではなかったです。
一応他にも村があって、そこにも子供達がいるけれど
そこの子供達が主人公なだけでした。
しかし3家族しかいない村って…どれくらいの敷地面積なのでしょう??
視点を変えて話して行くのかと思ったら、それも違いました。
女の子1人の視点から、家族と友人と兄妹を語っています。
子供の秘密基地に、女の子の遊びと男の子の遊び。
そうだった、こんな事にあこがれた、と懐かしく思う事も。
ただ、日本とは違うので、こちらではありえないような事も。
だからこそ、こういう暮らしにあこがれるのかも、です。
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スウェーデンのちっちゃな村の子どもたちの、ささやかかもしれないけど、楽しい毎日。
みんなで、あそびを考えるとか、道具を使いこなすとか、子どものときだからこその空想力全開な世界は、いまの子どもたちにも知ってもらいたいな。
たっぷりの自然が、あそびの場を提供してくれるし、ときに怖さも教えてくれるっていうのも。
ただ。
接続詞と語尾に、すこし苦戦しました。
リンドグレーンさんのお話は、楽しくて好きなんですけど……。
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リーサは7才。兄のラッセ,ボッセ、くっついて立ってる両どなりの片方の家のオッレ。もう片方の家のブリッタとアンナの姉妹。やかまし村の三軒の家の子どもたちの日々。リーサとアンナが、カエルと王女の話を読んで,王子様になるかもしれないとカエルにキスしようとする話とか,坂を登るのがめんどくさいからといって,大人になったらグルグルガラガラ技師になって,反転する坂を造るんだと主張するラッセとか、とにかくおかしい話がいっぱい。美しいスウェーデンの自然に育つ子どもたちの様子が生き生きと描かれています。さすが,リンドグレーン。大人はほとんど登場しませんが,ちらっと出てくるときがあって,今思えば(子どもの時にはわかるわけないですが)リーサたちと同じような楽しい子ども時代を過ごしてきた人たちだなあと思わせる茶目っ気がありました。いつかスウェーデンにいってリンドグレーンの物語の中を歩いてみたいと思います。 やかまし村の三冊の本はどの本も同じくらいおすすめ。子ども時代がはるか遠くなった人でも子ども時代に戻してくれる本。でも,この本は子ども時代に読むのがしあわせだろうな。書いていたらまた読みたくなった。
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小さい頃って、毎日同じメンバーで同じ遊びを同じ場所でしていたような。それでいてゆっくりと時間が流れていたような。そんなことを思い出してほっこりしました。