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紙の本
君の心に響く物語
2005/09/26 17:09
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
『仮面ライダークウガ』や『仮面ライダーアギト』といったいわゆる平成版ライダーにはなかなか馴染むことが出来ず、それ以降はとんとご無沙汰だった。ところが春のある日、「今度のライダーは、音で敵を倒すんだよ。ちなみに主人公の武器は太鼓で、これがまた渋いんだ」と、幼稚園児を子に持つ友人が熱く語るのを聞き、どれどれと興味を引かれチャンネルを合わせた。それ以来、すっかりハマッてしまった。この『仮面ライダー響鬼』に。
本書はそのノベライズで、TVよりも更にハッキリと明日夢少年の視点。響鬼=ヒビキとの出逢いから彼ら(ヒビキの仲間達)と心を通わせ始めるまでがストーリーの中心で、高校入試という大きなイベントを目前に控えた少年が、思春期特有の不安定さに自ら悩みつつも成長する姿が、軽快なタッチで描かれている。
それぞれの心情の描写もハッキリしているし、会話の続き方も良く、一定のテンポでどんどん読めてしまう。ただ、戦闘シーンやカッコイイ台詞が出てくると、どうしても本家である音付きの映像には負けてしまう。ファンならばやはり台詞は細川茂樹の声とイントネーションで語ってもらいたいし、アクションシーンは身のこなし全てに目をこらしたいものなのだ。また、擬音は活字にすると幼稚になることが多く、本書も残念ながらそのお仲間。せっかくのシーンが、この擬音によって壊されている場面が多いのである。仕方ないこととはいえ、つくづく勿体ない。
とはいうものの、物語自体のまとまりは良く、TVの雰囲気そのままの味わい。子供向けアクションヒーローモノのノベライズという点では、かなり頑張った作品だ。思春期を迎えた少年の心の動きも、爽やかに描かれている。本書の主人公・明日夢少年と同年代の多くの少年少女に、夢を持って読んでもらいたい。