- カテゴリ:小学生 中学生 一般
- 発売日:2005/07/13
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/126p
- 利用対象:小学生 中学生 一般
- ISBN:4-16-367230-3
紙の本
素数ゼミの謎
13年あるいは17年おきに何億匹も大量発生する、アメリカの不思議なセミ。17・13という「素数」に隠された謎とは。日本人科学者が初めて解いた、奇妙な奇妙な「素数ゼミ」の秘...
素数ゼミの謎
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商品説明
13年あるいは17年おきに何億匹も大量発生する、アメリカの不思議なセミ。17・13という「素数」に隠された謎とは。日本人科学者が初めて解いた、奇妙な奇妙な「素数ゼミ」の秘密。子供から大人まで楽しめる科学読み物。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
吉村 仁
- 略歴
- 〈吉村仁〉1954年生まれ。ブリティッシュ・コロンビア大学研究員等を経て、現在静岡大学工学部教授及びニューヨーク州立大学併任教授。専攻は数理生態学で進化理論を研究している。
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紙の本
大自然の中で生き残るために進化していく生物の驚異を味わえる書
2005/11/25 07:25
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
北米大陸で13年に一度、あるいは17年に一度の割合で同一地域に大量発生するセミがいます。13も17も素数(1と自分自身でしか割り切れない数字で1より大きいもの)であることから、このセミのことを著者は「素数ゼミ」と呼びます。
セミの幼虫が地中で長年月を過ごしてから地上に出てくることは日本の小学生ならだれでも聞いたことがあるでしょう。アブラゼミやミンミンゼミは通常7年程度で成虫になります。しかし本書の主人公である「素数ゼミ」は13年/17年もの長い時間をかけて成虫になるというわけで、地中生活の長さはまさに桁違いです。
ではそれほどの長期間、地中で過ごすのはなぜなのか?
また同じ場所で大発生するのはなぜなのか?
そしてなぜ13年とか17年という素数の周期で発生するのか?
本書はこの3つの謎について、中学生にも分かるような易しい日本語で説明してくれる、コミカルなイラストつきの小冊子です。
謎に対する解答は明解至極。その御明察ぶりに幾度も膝を打ちながら読みました。上質のミステリー小説を手にした時のような爽快な読後感を味わえます。
判じ物の書評で解答まで記すわけにはいきませんから、詳しくは本書にあたってもらうとして、本書が浮かび上がらせてくれるのは、大自然が計り知れないほどの歳月をかけて巧みに積み上げてきた種の保存の歴史です。素数ゼミ(正式には「周期ゼミ」)がこのような不思議な性質を帯びるようになったのは180万年前の氷河時代ということですから、なんとも気の遠くなる話です。
なお、本書を面白く読めたという高校生以上の読者には次の類書もきっと楽しめることでしょう。
「はじめての進化論」(河田雅圭/講談社現代新書)
「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス/紀伊國屋書店)
紙の本
謎解きと感動!
2006/01/28 13:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカで13年と17年周期で大量発生するセミ。彼らは13年あるいは17年のあいだ幼虫として地中で暮らしたあと、同じ年に一斉に同じ地域で地中から這い出し、成虫になる。そして交尾をして子孫を残し、その一生を終える。2年前の夏はそんなセミの一種がワシントンなどで大量発生した年だった。10平方メートルに400匹という大群のせいで、松井の所属する大リーグ・ヤンキースの試合も中断に...。
本書では、これらのセミがなぜ同じ場所でこれだけ大量に発生するのか、なぜ成虫になるまでこれほど長いあいだ地中に生活するのか(普通のセミは7、8年)、そしてなぜ13年と17年という周期で発生するのかが解き明かされる。
自らの学術論文をもとに筆者が書き下ろしたというこの本を、私は1時間もしないうちに読み終えてしまった。イラストが多く、どちらかというと少年少女向けだということもあるが、何といっても、内容にひきつけられたというのが、その最大の理由だろう。
その謎解きの方法が、推理小説のようにおもしろく、実に興味をそそられる。種明かしになるため詳細は述べないが、筆者は上記の疑問を、進化論や考古学の研究成果に小学生でも理解できる数学の基本概念を絡めて、見事に解き明かしている。そして、その基本概念の一つが、これらのセミの呼び名−素数ゼミ—のもととなった素数なのである。
13と17が素数であるということ。この鍵をもとに、奇妙な生態をもつセミの歴史が徐々に明らかにされていく。やがて、なぜこのような周期をもつセミが現存しているかが最終的に解き明かされた瞬間、誰しも推理小説における謎解き以上の感動を感じるだろう。彼らのこの独特の生態は氷河期を生きのびるために獲得したものであった。プラスアルファの感動とは、その何百万年にもおよぶ生命の営みに対する畏怖の念だと言っていいかもしれない。
物語は、このようにいじらしくも生存を勝ちとってきた素数ゼミが、現代における人間社会の専横に打ち勝つことができるのかどうか、疑問を投げかけながら終わっている。地上に這い出ようとするセミが都市を見上げる後ろ姿のイラストとともに...自然保護を訴える通常の専門書以上に、強いアピールを感じ取った一冊であった。
紙の本
数学と自然の仕組みが分かる
2016/02/26 22:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然の仕組みと数学との関係が分かる本です。小学校高学年から中学生くらいが読むと、とても興味を持てる内容です。もちろん、大人もです。この本を小学六年生に紹介したところ、非常に良い反応でした。
紙の本
生命ってたくましい。
2005/11/23 21:15
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、タイトルに惹かれた。“素数ゼミ”という聞いたことのないセミと“謎”。『博士の愛した数式』(小川洋子・著/新潮社)を読んで“素数”に興味を持ち、“謎”が大好きな私としてはつい手が伸びる一冊だ。読んでみてさらに驚いた。
セミが何年も地中にいて地上に出てからは一週間ぐらいしか生きられない、というのは知っていたが、13年または17年間も地面の下で過ごすセミがいるとは!
本書では、①なぜ13年と17年なのか?②なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?③なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大発生するのか?という疑問を、まるでミステリー小説の中の探偵が推理していくように、氷河時代まで遡って次々と解き明かしてゆく。
そこには、“生命の進化”という壮大なドラマが広がっていて、生命のたくましさ、したたかさ、素晴らしさ、不可思議さといったものを否応なしに感じさせられた。なぜ素数でなければならなかったのか、についての答えが提示された時、感動すら覚えた。
本書は、人間が引き起こす環境破壊と素数ゼミの将来についての関係で締めくくられており、私たちの行動が今後さらに重要になってくることを感じさせられた。
最後に載っていた、セミが地中からじっと地上の世界を見ている挿絵が、「あなたたちの行動をずっと見ていますよ」というセミのメッセージのようで印象的だった。
子供向けの本だと軽く読み始めたが、なかなかどうして、内容の深いものだった。
親子で読んでもいいし、ミステリーが好きな人、数学や生物、歴史に興味がある人が読んでも楽しめることだろう。
紙の本
子供を理科好きにするにはうってつけの一冊
2006/11/20 09:26
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
素数ゼミというのは北アメリカ大陸に生息している17周期,13年周期で羽化するセミのこと。この本はこれら素数ゼミについて(1)なぜ13年と17年なのか。(2)なぜそんなに長い時間をかけて成虫になるのか。(3)なぜいっぺんに同じ場所で大量に羽化するのか,という3つの謎を提起し,これを子供にもわかるように基礎の基礎から解き明かしていく。
……いや,マジでこれは良い本であります。小学生くらいの子供がいるひとは子供と一緒に読むといい。特になぜ13年と17年なのか,のところの説明は数学が,いや算数が苦手なオトナにも分かりやすく,素数や生き物についての興味かきたてること必至。挿し絵も奇麗だし,子供を理科好きにするにはうってつけの一冊かと。
紙の本
思わず納得してしまう仮説
2015/10/30 04:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:minomonta - この投稿者のレビュー一覧を見る
13年ゼミ・17年ゼミといわれる素数ゼミの謎に迫った一冊。イラストも多く小学生でも非常に読みやすくわかりやすい。著者の仮説が真実かどうかはわからないが無知な私には説得力があって納得してしまう。今後の研究展開が気になるところだ。ただこの本を執筆時点では著者は素数ゼミを現地で実際に見ていないらしい。
紙の本
楽しい科学絵本
2012/06/13 15:42
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
スティーヴン・ジェイ・グールドの『ダーウィン以来』の11章「竹とセミとアダム・スミスの経済学」で扱われていた13年ゼミと17年ゼミの話を、詳しく扱った絵本です。小学校高学年から、中学生向きです。グールドよりも詳しく説明されているので、分かりやすい。
内容量を考えると、価格が高い気がするが、絵本だと考えれば普通なのでしょう。