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老ヴォールの惑星(ハヤカワ文庫 JA)

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.8
  • 出版社: 早川書房
  • レーベル: ハヤカワ文庫 JA
  • サイズ:16cm/379p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-15-030809-8

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文庫

紙の本

老ヴォールの惑星 (ハヤカワ文庫 JA)

著者 小川 一水 (著)

【SFマガジン読者賞】【「TRC MARC」の商品解説】

老ヴォールの惑星 (ハヤカワ文庫 JA)

821(税込)

老ヴォールの惑星

648(税込)

老ヴォールの惑星

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ギャルナフカの迷宮 7-116
老ヴォールの惑星 117-164
幸せになる箱庭 165-252

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みんなのレビュー78件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

傑作

2005/08/22 22:00

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る

中篇4作が入った一冊だが、どれも傑作と呼べる出来
作者の小川一水氏は最近力をつけて来ている注目のSF作家だが、大作を狙いすぎて粗筋のように大きく端折ってしまっている感があり、「いま一歩」と思っていたのだがこの一冊で大きくイメージが変わった
最近多く出回っているキャラクター物とは一線を画す、本当に「良いSF」である

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紙の本

丁寧な、いい仕事です。

2007/03/26 15:57

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 SFやファンタジーは自由に世界を設定できるだけに、どれだけ無理なく、しっかりと世界を創ってあるか、が作品の大事な要素である。著者の作品はこれが初めてなのだが、この一冊におさめられた作品はどれも、その設定の基礎が丁寧に良くできている、よみごたえのあるSFとして満足感を与えてくれた。
 表題作品の「老ヴォールの惑星」に登場する異星の生き物はなかなか想像するのが難しい。表紙カバーのイラストに随分イメージを助けられたが、独創的な生き物である。
 理想を目指す若さが先走るようなところもある「ギャルナフカの迷宮」。作者は1975年生まれということであるからまだ30代。それを考えれば「若さのさわやかさ」にも感じられる。
 おさめられた4作品のなかでは「漂った男」が一番楽しめた。人はなにを頼りに生き続けるか?そんな問題をからっとした調子で書いていく。軽いタッチだがじんわりとした味わいもある。孤独になった主人公がちょっと狂いかける場面などは真に迫るし、引き離された男女の心の複雑な動き、男同士の心の繫がりもいい描かれ方をしている。
 著者の既著を調べてみたら、派手な表紙の「若・少年少女」向けのものが多いようであるが、この一冊は広い年代層が満足できるものといえるだろう。今は若い味のさわやかさがまず感じられるけれども、今後さらに熟してくると違う味もしますよ、という期待を感じる。中年を過ぎたら渋い味を出してくれそう、と。いい仕事、期待してます。

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紙の本

2006年星雲賞受賞

2017/01/12 10:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

「漂った男」では、惑星全体が栄養で満たされた海を遭難する奇妙な世界だ。監獄よりも埋蟄よりも深い孤独を表現できるのは、著者が人の心を信じているからなのかもしれない。

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紙の本

弛緩したようで鋭い感性

2012/01/18 00:53

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

「漂った男」がいい。全表面が海である惑星に不時着した男。生存に支障は無いが救難は来ない。一人延々と海面を漂流することになる、ただそれだけの物語なのに迫力がある。超空間通信おかげで文明世界との交信は保たれるが、電波のように発信源が探知できないという設定が秀逸だし、宇宙の果てで人間一人を探索するコストを維持できないという事情も悲しい。そして漂流する時間の長さが、彼の精神が幾度にも渡って変容していくことによって表現されていて、じわじわと怖さが拡大しつつ、臨場感が伝わって来る。
未来版ロビンソン・クルーソーとも言える話だが、いくらかのオーバーテクノロジーを加えることで人間の肉体に限定したミクロな世界を生み出し、主人公は一層の孤独さを増し、精神的な苦痛にフォーカスが当ることになった。その小さな世界を通してうっすらと、文明の見通しも宇宙戦争も現実味を与えられるところが、ゼロ年代的なところなのかもしれない。
そしてこうしたゆったりした時間の流れが、この作品集の特徴だろうか。
全体主義が微温的に浸透し始めている社会で、思想犯が放り込まれる「ギャルナフカの迷宮」も、全体像が見えない迷宮の中で生き延び、そして脱出を目指す経過は、勇気と冒険よりは、静かな思索によって少しずつ行動様式が進化し、その果てに目指す結末が置かれている。考えて行動する、ではなく、考えて生活し時間が経つという、日本の現状を揶揄したようでもあるこの世界の中での動きに独特なものを感じる。
「老ヴォールの惑星」は一転して、地球型とはまったく異なる生命体の世界。無機的な分子の結合によって生まれた彼らだが、知識の伝承という形で、生物らしさがかろうじて我々にも認識される。そこでも老ヴォールと呼ばれるある生命体の意識が、幾世代の中で伝えられて、遂に彼らは宇宙を目指すことになる。ヴォール自身は何も大活躍するわけでなく、ただ世代が移り変わる中で彼の記憶だけが受け継がれてゆく。奇妙な話というだけに終わりそうな設定でありながら、記憶が彼方へとなるスケール感で語ることで、その思いが人類にも共感できる形に育っていく。
「幸せになる箱庭」異星人がもたらす、グレッグ・イーガンばりの超テクノロジーの生み出す世界を描くのだが、人類や宇宙の行く末を正面切って語るのではなく、登場人物達の生き方の向こう側に見えて来る。これから語られるべき長い時間を予感させながらと言えば、予断が過ぎるかもしれないが。
どれも決してスーパーヒーローが登場するわけではなく、様々な痛みやしがらみを抱えた人間(生命)が、一歩一歩進んでいく。現代においてブラックボックスならぬクラウド(雲)にも例えられる奔流のように進歩していくテクノロジーの得体の知れなさに、抵抗するでも溺れるのでもなく、生身の人間として適応していこうとする姿勢が、この「ゆるさ」に似た、しかし力強い未来の物語から感じられないだろうか。

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2010/10/21 13:44

投稿元:ブクログ

短編?中編集?です。表題作以外のモノが気に入った。一番気に入ったのは「幸せになる箱庭」です。「漂った男」も「ギャルフナカの迷宮」も良かった。それにしても、仮想世界と現実との関係、今の自分が知らないだけで仮想現実の中にいるかどうかというのは、この世界から離れられない私達には永久にわからないですからねぇ。逆に仮想世界なら、ファンタジーの様な魔法も超能力も使える世界に生きてみたい気もします。実は覚えてないだけだったりして…

2009/11/08 22:37

投稿元:ブクログ

本当は数十年以内に実現されそうな近未来を描いたSFがすきなんだけど、この作品を読んでその価値観の縛りが外れてしまいそうだ。

極限状態で置かれた人間の姿を描いた「漂った男」と「ギャルナフカの迷宮」が特に好きだ。

つまらない事で悩んでいるのがバカらしくなるような、勇気をもらえる作品。

小川一水は初めて読んだけど、才能ある作家だな。他の作品も読んでみよう。

2006/02/13 22:43

投稿元:ブクログ

■「導きの星」や「第六大陸」は読んでたのですが、なんとなく手が遠のいてました。これは長編ではなく中短編集。100頁デコボコのが三つとその半分の表題作で計4編。

■地下迷宮に投獄された男を描く「ギャルナフカの迷宮」。
木星型ガス惑星の知的生物を描く表題作。
異星人とのファーストコンタクトかと思いきや…「幸せになる箱庭」。
大地のない惑星に着水、延々と救援を待つ「漂った男」。

■短編よりアイデアを充分に膨らませられて、長編のようにキャラクターに左右されない中編てのは好きなので、その点、大満足。
いやホント、「漂った男」なんて、このシンプルな設定で飽きさせませんから。

■今年は小川一水を掘り進めようか、と思わせる一冊。
引き込まれます。

2005/10/06 00:10

投稿元:ブクログ

「群青神殿」しか読んだことがなかった。というか、読めなかったというか・・・おもしろいとは思いつつも、ただ一点ヒロインのあまりにも「萌えキャラ」なたたずまいに拒絶反応が出たというのが正直な感想。今回五つ星なのは拒絶反応がおきなかったからってことでしょう。なにせ、話はべらぼうにおもしろいのだもの。

2012/06/18 10:54

投稿元:ブクログ

 反社会的な政治犯として、一枚の地図だけ渡され地下迷宮に投獄された主人公が、原始時代に等しい無法状態の中から民主的な社会を築きあげるまでを追っていく、社会構築シミュレーションゲームみたいなお話。
「ギャルナフカの迷宮」



 陸のない惑星に不時着した兵士が、栄養価の高い海にプカプカしながら○年も、母星と通信機を介したやりとりを心の支えに救出を待ち続けるお話「漂った男」

が面白かった!

2011/09/10 21:03

投稿元:ブクログ

環境と生物が共通で取り上げられている作品集。どれもが特異な環境とそれに対するシミュレーション的な印象を受けた。奇異な物を見る面白さはあった。

2012/01/24 23:32

投稿元:ブクログ

紹介文には“環境と主体の相克を描破した”とあるが、個人的には異なる状況・環境下における人と人、人と知性体とのコミュニケーションを描いた四つの物語、だと思った。
表題作「老ヴォールの惑星」が一番好み。記憶や知識が失われず、種族を超えて受け継がれていくことを想像し、暖かい気持ちになれた。
「漂った男」はサバイバルものというよりも、男の友情物語と捉えた。

2004/01/21 15:14

投稿元:ブクログ

http://mit56.way-nifty.com/dawn/2005/08/post_6c62.html

2006/11/08 01:04

投稿元:ブクログ

最近読んだ国産SFでは一番のお気に入り。この作品集で感じたのは景色、頭の中に浮かぶ風景です。幸せになる箱庭以外の3編は首題とは別に私に新鮮な風景、景色を見せてくれました。全編を通じて結末には大きな不満がありますが、風景の点では楽しませてもらえました。特に「老ヴォールの惑星」と「漂った男」の2編は楽しめました

2012/08/13 20:36

投稿元:ブクログ

SFマガジン読者賞受賞作。
短編と中編の区別を知らないけど、解説によると中編集になるらしい。
「ギャルフナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」
の4編が収録されている。
SFはあんまり読んだ事のない分野だけど、この本は哲学的な思索が随所にみられるように感じた。他のSFもそうなのだろうか。
既に書いた文章から感想を持ってくると、「ギャルナフカの迷宮」は、
映画でいうと「CUBE」とか「SAW」とかに分類されそうな、(笑いを入れると松本人志監督「しんぼる」も含まれる)「閉鎖空間でのサバイバル&脱出系」の作品でした。
外界から隔絶された空間で同じ状況に置かれた者同士が、相互不信や疑心暗鬼に陥ったりしながら、知恵を出して生存と脱出のために奮闘するというのが、私の置かれた心理的状況とシンクロするものがありました。
生贄として、最下層民として囚人が必要とされたというのは、自分の状況認識と似ているなと思いました。
「老ヴォールの惑星」は、想像だけで書かれた生物の住む惑星が舞台の話で、将来に隕石の衝突による種族の滅亡が確実の中、別の知的生命体に知恵や経験を託せないかと種族が連帯してメッセージを送る話。
これは死を身近に感じる精神状態で、私が読書経験の中で得た最良のものを人に伝えようとするのと似ているなと思いました。
「幸せになる箱庭」は「仮想現実と現実」が主題の話で、マトリックスのような仮想世界に生かされている世界と現実の世界の区別はできるのか、という哲学的な思索がある。
これは「培養液の中の脳」といった哲学で時々話題になる話を思わせる作品でした。
「漂った男」は、自分の住んでいた惑星から遠く離れた無人の海だけの惑星に漂流した男が、通信のみを心の拠り所にして救出を待って生き延びる話。
これは、私の支持者なんて一人もいないんじゃないかという無人島への漂流に似た心理的風景と、パソコンによる通信を心の拠り所にしているという自分の状況と重なるものがありました。
バイタルデータもとられたり、生存のために脳内妄想の世界に逃避したり、通信手段の機械での情報伝達経路が政府によって把握され、心の拠り所としている存在が実際には代理役を立て相手している事を隠している、というのも自分の状況と似ているなと思いました。

2006/11/03 22:10

投稿元:ブクログ

期待して読んだのですが、ハードSFファンとしては方向が違っているので残念ながら厳しい評価に成ってしました。

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