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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2005/08/09
  • 出版社: 文藝春秋
  • サイズ:20cm/292p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-16-324210-4

紙の本

その日のまえに

著者 重松 清 (著)

神さまは意地悪だから、大切なひとを遠くへ連れ去ってしまう。昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死−。生と死と、幸せの意味を見つ...

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その日のまえに

税込 1,572 14pt

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商品説明

神さまは意地悪だから、大切なひとを遠くへ連れ去ってしまう。昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死−。生と死と、幸せの意味を見つめる連作短編集。『別冊文藝春秋』掲載。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

ひこうき雲 5−47
朝日のあたる家 49−89
潮騒 91−129

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評価内訳

紙の本

もしあなたが余命3か月の宣告を受けたら?そんな気持ちで本書を手にとって欲しいなと思う。

2005/08/22 21:05

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

2001年『ビタミンF』で直木賞を受賞以来、2002年『流星ワゴン』、2004年『卒業』とファンを唸らせる小説を上梓、自他共に認める家族小説の第一人者として不動の地位を保っている重松さんであるが、本作を読んでまだまだ目指すところは高かったことに驚愕された方は私だけじゃないはずである。
本作にて家族小説というより夫婦小説として“究極の愛情”を描写、重松ファンってなんて幸せなんだろうと思われた方も多いはずだ。
本作は帯にも書かれている“連作短編集”と言うよりもむしろ、独立した短編4編と妻が末期ガンになって亡くなる過程を描いた長編がミックスされた超お買い得&オススメ作品である。
たとえば山本周五郎賞を受賞した荻原浩さんの『明日の記憶』を楽しめた方には是非手にとって読み比べて欲しいなと思う。
“平凡”と“普通”という言葉がある。
本作にて出てくる人たちは“普通”の人たちであるが、いわば“平凡”ではない。
というのは、どの編にも不幸な死が直面しているからである。
それでも登場人物たちというか残された人たちは現実を受け止めなければならない。
少し前述したが、前半の4つの短編に出てきた人物たちが後半のいわば本来の連作短編(「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」)に脇役として登場する。
不覚にも彼らの突然の登場に涙してしまった。
重松氏にとっては予定調和だったのだろうが、一読者である私はその筆の冴えに度肝を抜かれたことを正直に吐露したい。
重苦しく悲劇的なテーマをいとも簡単にわかりやすく読者に提供してくれる。
家族小説は題材でしかなかった。
崇高な親子愛と夫婦愛、あるいは熱き友情を読者に身につかせる・・・本作は重松ワールドの到達点だと思ったりするのである。
--------------------------------------------------------------------------------
健気に生きるって本当にむずかしい。
本作に登場する人たちはすべて健気に生きている。
大輔・健哉兄弟のみならず、看護師の山本さんに至るまで・・・
他の重松作品でも味わえるのであるが、本作ではより一層、深い悲しみに打ち勝つべく“健気な努力を怠ってない点”が読者の胸を熱くするのである。
たとえば、「ヒア・カムズ・ザ・サン」に登場する高校生のトシが後半母親の病室を毎日訪れるシーン、あるいは石川さんがシュンの為に花火大会を催そうと努力しているシーン。
とっても印象的である。
そしてなによりも凄い点は、主人公(と言っていいだろう)の僕が前述した彼らの行動や生き方を“前向きに生きているものの象徴としてバネとしている”点である。
重松ファンの誰もが胸を打たれることであろう。
もしあなたが余命3か月の宣告を受けたら?
そんな気持ちで本書を手にとって欲しいなと思う。
はたしてあなたは涙せずに読めるだろうか?
少なくとも30才以上の方が読まれたら、少しずつ直面していくであろう未来の“死”を考え、あるいは子供のころの“忘れられない思い出”を懐かしむのもいい。
新たな人生の“教科書”を手に入れた重松ファンの心の中には、作中に出てくる無農薬野菜が毎日届いているのであろう。
亡くなった和美さんが天国で微笑んでる夢を今晩は見そうな気がするのは私だけであろうか・・・
是非、あなたの意見も聞かせて欲しいなと思う。
活字中毒日記

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紙の本

その日のまえに

2008/02/16 20:23

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

 読み終えてみて、どなたにも読んでいただきたい優れた1冊でした。7つのお話が固まってひとつの物語になっています。若くして癌で亡くなるということがお話の大きな流れです。
「ひこうき雲」人が、遠い過去、小学生だった頃をふりかえっているような記述から始まっています。わたしが中学生の頃に腎臓病で亡くなったS君を思い出しました。みんなで病室までお見舞いにいきました。上手な文章です。
「朝日のあたる家」女子イリエムさんの状況は深刻です。人間は何もしなくなったら、狂うか、死んでしまうでしょう。だからイリエムさんは夫と闘うべきだとわたしは強く思いました。
「潮騒」ここ数年、わたしの身の回りでは毎年ひとりずつのペースで同世代の仲間だった人が癌で亡くなっていきます。Mさん、N君、T課長を思い出しました。そこに今月亡くなった先輩Tさんが加わります。57歳でした。みな、志(こころざし)なかばでこどもを残して旅立たれました。この章の部分は宗教書のようです。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」何だろう、作者のやさしさ、その反面の弱さがわかります。カオル君とおかあさんには何か秘密があります。カオル君はよく喋る男です。後半はあざやかでした。
「その日のまえに」わたしはこの本を読みながら自分が死ぬときは、自宅の和室で死にたいと思いました。病院のベッドは嫌です。記述は大部分の人に共通する一般的な体験です。書き方が、うまいなあ。物語の展開は計算されているようで、自然な流れから発生している部分もあり計略的ではありません。作者の才能と資質なのでしょう。
「その日」224ページは胸と目頭が痛くて熱くなります。そのページのためにそれまでの223ページが存在していました。なんといううまさでしょうか。247ページ、わたしの病気体験からいうと、眠っているようにみえる意識がない状況でも、本人には周囲の声が聞こえています。まぶたを開けたくてもあかない、からだを動かそうとしても動かない、声をだそうとしても出ない、そういう状況で意識はあります。耳も聞こえています。
「その日のあとで」この章を追加で書く意味はなんだろうかと首をかしげました。「その日」で終わることが通常の小説ではなかろうかと。携帯メールではできないことが書いてあります。亡き妻の最後の言葉が胸に突き刺さりました。この本を読んでよかった。死んだ人と会話をしていくことは大事だと思いました。作者は最終章にすさまじいエネルギーを注ぎ込んだことがわかります。最後の2行は名句です。花火の爆発は人生そのものです。

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紙の本

死をむかえる前に、もし手紙を書く時間が与えられたら、あなたは、心から愛する人に何を伝えますか?

2005/08/30 23:28

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:諏訪旭 - この投稿者のレビュー一覧を見る

恐ろしい物語なのかもしれない。果てしない哀しみと、救いようのない寂しさ、かすかに感じるほのかな希望、最後のページを読み終えたときの読了感を安易に言い表すことは決してできない。あふれ出る悲しみは、とてつもなく大きくて、流れだす涙を自らの意思で止めるのはほぼ不可能だろう。自分が心から愛する人のことを一瞬でも思い出してしまったら、物語の主人公に自分の姿を重ねてしまったら、きっと押し寄せる哀しみに打ちひしがれてしまうだろう。平凡かもしれない、とても幸せかもしれない、もしかしたらすでに不幸かもしれない、誰もが今生きている現実の世界に、いつ起きてもおかしくない「その日」を、著者は真剣に、そして赤裸々に綴っている。
 自らの余命を宣告されたとき。人は何を考えるのだろう? 一日一日、刻一刻と磨り減っていく人生の時間。自らの命が尽きる日を「その日」とよび、「その日」に向かって、一つ一つ準備をすすめる、ごく普通で幸せな夫婦。愛すべき息子たちに何を伝え、何を託すのだろうか。死までの時を知ることは幸せなのだろうか? ストーリーは突飛なものでは決してない。それなのに、なぜ? これほど人の心を掴むのだろう? 小手先だけのまやかしも、煙に巻くトリックも何もいらない。そこに語られるのは、人生。たったそれだけで、充分だったのだ。
 どこにでもいそうな家族を、長い間描き続けてきた重松清。その独特の世界に私はいつも驚かされ、そして癒されてきた。本作「その日の前に」はそんな重松作品の中で、ひときわ輝く光を放っている。重松清の作家人生の一つの到達点を感じることができた。物語は誰かに読まれたがっている。書き綴った作者の思いが、何かを伝えようとしている。何も説明はいらないだろう。この物語を読み終えたとき、誰もが感じるはずだ。生きることの意味を、明日を迎える喜びを。小説のもつ無限の力を、感じて欲しい。今ここに、一つの名作に出会えた喜びを堪能した。
 死をむかえる前に、もし手紙を書く時間が与えられたら、あなたは、心から愛する人に何を伝えますか?

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紙の本

今も昔も変わらぬ「その日」に触れて。

2007/04/30 11:07

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

《湯の原に鳴く芦田鶴はわがごとく妹に恋ふれや時わかず鳴く》
 大宰府政庁から近場にある吹田湯(すきたのゆ)、今の二日市温泉に身を浸しているときに淋しげに鳴く鶴の声に亡くした妻を思い出し、湧き出る湯のように悲しみもあふれ出てきて泣いた、と詠んだ大伴旅人の歌である。泣くを鳴くに置き換えるところに悲しみの深さがしのばれる。
 奈良の都から遠く離れた任地で妻を亡くした万葉歌人の悲しみは、今の時代にも染みわたる。
 いくつかの非日常のストーリーが綴られ、それが「その日の前に」から始まる非日常にまとまっていくことに不思議さを感じた。
 それとともに、「その日のあとに」のなかで、亡くなった和美さんが託した手紙に記されていた「忘れてもいいよ」の「も」の一字が妙にひっかかって仕方ない。
「忘れてもいいよ」と、
「忘れていいよ」では、受け取り方が異なる。
 わずかに一文字の違いではあるが、そこに夫婦が過ごしてきた年月の深さをしることができる。
 大伴旅人には家持、書持の二人の息子がいた。
 亡き妻の代わりとして大宰府に来て二人の息子を養育したのは旅人の妹である大伴坂上郎女である。
 大伴家持は「万葉集」を編纂したことでもしられるが、叔母の郎女からは豊かな歌の素養を受け継いだことだろう。
《しろがねもくがねも玉も何せむに優れる宝子にしかめやも》
 大伴旅人と同じ時期、山上憶良が筑前国守として大宰府の政庁に勤めているときに詠んだ歌である。
 和美さんの残した宝子である二人の息子も坂上郎女のような感性溢れる叔母に育てられたらいいなあ、と願わずにいられなかった。

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紙の本

物語にするには生々しい「死」を題材として「生」を説く、重松氏にしか書けないであろう一冊。

2005/09/20 17:09

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

愛する人が死ぬ「その日」。
それは誰の元にもやってきて、その日は今日か明日か十年後かは分からない。
ただ必ず「その日」はやってくる。
誰もが頭では理解していても心では理解できない愛する人の死。
この作品は最愛なる妻の「その日」のまえ、「その日」、そして「その日」のあとを書いた短編やその他母が癌になってしまった一人の少年を書いた作品などの連作短編集だ。
どの短編も決してそこで終るのではなく「死」の後も「死」と直面した日々も書いてある。
正直重松氏の作品は読んでいると我が身と重ねてしまい苦しくなる。
社会人になり家を出てからもう10年近く経ち、実家に帰るのも年に数回となった今、両親の老いそして祖母の弱り具合は目を背けることが出来ないくらいにはっきりと分かる。
子供の頃は両親は永遠に生き続け、明日も十年後も二十年後も変わらない日々を想像していた。しかしある日、「その日」は突然やってくるのだと現実に遭遇したのは学生時代だった。
中学・高校と続けて級友の死と遭遇し、ほんの少し前まで同じ教室にいた子の変わり果てた姿を目にした時から私の中で死はいつの間にか身近になっていた。
今まで何人かの葬儀に出て、死は身近になったけれどもその事を理解し消化できたわけではない。ただ永遠というものはなく、誰にでも死は訪れるということだけ頭で分かり、その日がせめて自分の周りの人に来ないことを祈るだけ。
そしてこの作品の中では自分の「その日」を知り、それまでの期間をどう生きていくかを考える夫婦の姿がある。
今まで最期までの期間をどう過ごすかという物語は読んだことがあるけれど、「その日」に向かって子供ため、夫のため、亡くなる妻のために過ごす話は読んだことはない。
きっと物語にするには生々しく、それは想像すると言うより誰もが不安に思っていることだから作品としてどの作家も書けなかったのではないだろうか。
最後に妻が残したメッセージ。
そして愛する人を失ってからも続いていく主人公や子供達の人生に読者は自分の過去と未来を重ねていくのであろう。
日常にある「死」を題材として「生」の意味を説いている一冊、読んでいて苦しいけれども読むべき一冊。

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紙の本

永遠なんてどこにもない。死を題材に生を問う。落涙必至の傑作

2007/05/15 23:28

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る

何気ない日常から、ある日突然、愛する人を失う人たちはどうするか。誰でも訪れる死、その日をあなたはどう迎えますか?
こんなに泣いた本はいつ以来だろう。しかも号泣でした。
とめどなく流れる涙。それでも読み続けなければいけない。それは重松作品を読む義務というものだろう。とっておきのラストがあるわけでもない。しかし、読んだ後、生きることや人生ってこういうものなんだなーと考えてしまうのが重松作品であると思います。
この作品も例外ではない。誰もが避けて通りたい「死」をテーマに暗く、重く、辛い作品ばかりです。
ここに収められた作品は、どの主人公たちも死を受け止めていくんですよね。自分がその日を迎えるまでどう過ごしていくのだろうか。
愛する人を亡くした人が読むと、「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」が情景のように、出てきて。その死を思い出しがながら、自分と重なり合いながら読んでしまうので、わたしはグチャグチャに泣いてしまいました。
わたしたちが敬遠する、「死」とはどういうことなんだろうか。それは「生」を思うことなんですね。
ちゃんと重松さんは答えを作品の中で用意しています。それは「考える」ことなんですね。昔を考える、今を考える、そして「その日」を考える。なくなった人たちも、残された人たちも。
永遠なんてない、いつか迎える「その日」を、わたしたちはどう迎えるのでしょうか。それも考えつつ、今をもっと、一日一日を大切なものとして受け止めていかなくてはと思います。とっても辛く、重い作品集です。一つひとつの作品が単独に泣けます。
しかし、重松さんは、ちゃんと最後に繋がるようにしています。
本当にうまい。ストーリーも文章も。流れるような文体と、美しい情景描写。会話の妙。
まさに名人級のこの作品集をぜひ手にとってもらいたいと思います。

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紙の本

生と死が身近に感じられた作品

2007/02/15 19:32

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

愛する大切な人との永遠の別れ。
それは、淡々と過ぎてゆく日常の中で突然に訪れた。
余命を告げられ、『死』に直面した人々の悲しくも確実にやってくる「その日」まで、そして「その日のあと」を真摯に描く連作短篇集。
いくつかの短編が、表題作に少しずつ溶け込み、繋がり、ひとつの物語となっている。
最初の作品から涙が込み上げ、一冊読み終えるまで涙が乾くことがなかった。
死に逝く本人、看取る者の気持ち両方が痛烈に心の琴線に触れ、そして自分と重ねてしまう。
死を受け入れるという事は、その瞬間だけではなく、その前にもその後にも永遠に繋がっているのだという事を痛感させられる。
タイトルの如く、いずれはやってくる大切な人の、そして自分自身の「その日のまえに」、どう生きるのか、何をしなければいけないのか、そして、生きている事の素晴らしさ、命あることの尊大さ、何が大切なことなのかを、改めて見つめ直さなければならないと強く思った。
読み終えて、ただの「お涙頂戴もの」として終わっていない確かな手応えを感じ、伝うるべく言葉を全て使っても、伝えきれないほどの感動で胸が一杯になった。
生と死を見つめる事で、生きる事に対しての何か特別なものを教えてくれた忘れられない一冊となった。

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紙の本

『その日』へ向かうバイブル

2006/07/25 23:44

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

久しぶりの重松清です!
最近は私事ながら、死に触れる作品は避けていたのですが、ダ・ヴィンチの品評を見て、これは読もうと思えました。
読み終わって感じたのは、題材のせいもあるかもしれないのですが、昔よりリアルな日常の人間描写が薄まっていた、というかアクが減ったかなという感じです。
「泣ける作品」と聞いていたのですが、途中までは泣けませんでした。
しかし「ヒア・カムズ・ザ・サン」の章、母親と息子の物語を読んだとき、涙が止まりませんでした。
リリー・フランキーの「東京タワー」系ですね。お母さんと息子の話は、ぐっときやすいのかも。
しかしこの「ヒア〜…」の母親も、愛らしくて息子のことをよく分かっていて本当にかわいらしい人なんです。
町で見かけた美しいストリートミュージシャンの少年のことを「恋だわぁ☆」と息子さんに話して、息子さんに呆れられたあと、ついでに「病気かもしれない」と、ぽっと話す。
息子さんの動揺に反して、母親は「もしかしたら違うかもしれないから別の病院で検査してみる」と言って、中々治療に専念しようとしない。
話全体が切ないのに温かく、ダメ息子かと思われた彼も、母親を思ってチグハグな行動に出るのが愛おしい。
ラストは最高だし、この章は言うことなしです!
表題にもなっている「その日のまえに」は「その日」「その日のあとで」の三部作。
派手さはないけど、素晴らしい文章力で切々と「死」が書かれています。
読み終わった後で、この表題の重さをひしひしと感じます。
重松清作品の中でこれは静かながら真骨頂だと思います。道徳の教科書にぜひとも載せてほしい!

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紙の本

時が流れるということ。——重松清著「その日のまえに」書評

2006/03/25 15:45

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hiro-tom - この投稿者のレビュー一覧を見る

心にしみるストーリーである。それぞれ、独立した短編が書かれていると
思って読んでいたが、最後にはひとつのストーリーに収斂されていった。
死を宣告されたあと、残された時間をどう過ごすか、家族はどう接したら
いいのか、本人とその家族の葛藤———。本書はこのテーマをいくつかの
エピソードを通じて、綴っていく。意図的に決め付けたメッセージのような
ものはあえて封印しているのだろう、どの話も悲しさと葛藤の中にも、
一筋の「鮮やか」さがあったような気がする。
同じような現実に直面したとき、自分はどうするのか....自分はどのように
振舞うことができるだろうか、周りに気を払う余裕があるだろうか、気を使い
すぎてしまうのだろうか、刻一刻と近づいてくる宣告済みの「死」に対し、
正面から逃げないで立ち向かえるのだろうか...そして、見守る立場に万一
なったときは...
避けられない現実、それを一度だけでも考えておく機会をもらえること、
それが本書を読む価値だと感じる。
ブログ「お金のプロで起業するぞ!」

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紙の本

銀の婚

2006/01/21 18:23

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 毎年年賀状に自作の駄句を載せるようにしてから何年か経つ。今年(2006年)の賀状にはこんな句を書いた。
 「年新た/妻と迎へし/銀の婚」
 周りの何人かに俳句の出来を聞いたが、ひねりが足りないことが大勢の意見だった。特に中句がよくない。銀婚式といえば妻と迎えて当然だ。そのあたりが素人の、素人らしさと反省している。
 妻と結婚して、今年25年になる。当時二十歳だった妻も今ではどっしり腰の周りに脂肪のついたオバサンになった。二人の娘も成人して、私と妻は早い晩年を向かえつつある。
 実に平凡な生活であった。病気らしい病気もせずにここまでやってこれた。勿論その時どきに悲しみも後悔もあったはずだが、なんとか25年という時間を妻と迎えることができる。私たちにはまだ「その日」が来ない、はずだ。
 重松清の連作短編集『その日のまえに』は評判通り心を透明にしてくれる作品であった。正直泣ける。何度も泣ける。一緒にいた妻が「その日」を境にいなくなる。妻と思い出の地をめぐる「その日のまえ」、やがてやってくる「その日」、悲しみが厚く積もった「その日のあと」。いつも隣にいる人の喪失はあまりにも悲しすぎる。しかし、この作品はあまりにも深すぎて何をどのように書評していいのかわからない。こういう作品こそただ静かに本を閉じるのがいいかもしれない。
 ただただ平凡に25年という歳月を過ぎしてきた私と妻であるがいずれ「その日」がやってくる。それはどのような人にとっても避けられない現実だ。この世に生まれてきた限り誰にも「その日」がやってくる。私が先であるか、妻が先なのか、それはわからないが、少なくとも「その日」、私は妻に「ありがとう」と云える自分でありたい。
 もしかしたら、冒頭の句はこう書くべきだったかもしれない。
 「年新た/「その日」のまえの/銀の婚」

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紙の本

『その日』に向かってどう生きる?

2008/08/11 15:36

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bochibochi - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初は、よくある話、よくある短編集だと思い、
ちょっと退屈しながら読んでいたのですが・・・

さすが、重松さん。

後半から、話は繋がり、盛り上がり、
一気に読み上げました。

生きている者すべてに平等に訪れる『その日』
『その日』に向かって生きている私。

そう、毎日が『その日のまえ』なんですね。

友人の・・・
親の・・・
つれあいの・・・
私の・・・

その日のまえに・・・私は何がしたい?私に何が出来る?


生きている時間、大切にしたいですね。
カウントダウンは始まっているのですから・・・。

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紙の本

永訣のリアル

2005/09/01 22:03

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

人の死に正面から向きあった短編集だ。
余命いくばくもないと知った主人公とその家族の思いが痛いほど伝わってくる。
「泣ける」という言葉が売り文句になってしまいそうな本であるが、昨今ブームの「泣ける小説」と一緒にしては失礼な作品だ。
決して泣かせるのが目的なのではなく、ただ生きている、それだけのことが如何にありがたいことであるか実感させ、今、この瞬間にも家族の最期に向き合っている人が必ずいるということを思い起こさせてくれる小説だ。
中でも『その日』という短編が圧巻だった。
「その日」とはすなわち、永訣の日のことだ。
「その日」を迎えた家族の姿を丁寧に丁寧に描いている。
—「その日」を見つめて最後の日々を過ごすひとは、じつは幸せなのかもしれない。—
胸に刻んでおきたい言葉だ。

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紙の本

残された側

2016/09/27 09:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る

死は誰にでも訪れるもの。
短編集ですが、どの作品も残された側の気持ちが主に描かれています。
現実を未来を見据えて生きていきましょう。

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紙の本

こういう本、批判しづらいんですけど。

2008/10/02 00:12

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

こういう、人が死んでいく話を批判することを、
よしと思わない人がいるということは覚悟の上で、
正直に「う~ん」と思ったことを書かせてくださいね。

あざとい。
とにかく人が、中年だったり子供だったりでこれから、という人が
癌で死んでいく。
さあここで泣けといわんばかりに。
その「さあここで泣け」というサインが、
わたしの年齢や経験も原因だと思いますが、
分りやすすぎてだめでした。
誤解はしないでほしいんですが、
わたしだって人間なので、
人が死ぬのは哀しいです。
家族がいなくなるのを想像するとすごく辛い。
そういう人間としての感情がないわけじゃないんです。
非常に類型的な気がしてだめだった、ということなんです。
ちょっと食傷気味になってしまいました。
あらすじを読んだだけで、「その日」ってなにかわかってしまうし。

う~ん、泣けばすむはなしなんでしょうか?
何の抵抗もなく泣けばよかったんでしょうか?
たぶん、人の生命とは何かを考えるべきなんでしょうが、
なんだか素直にそこに入っていけませんでした。
意外と、「泣け」サインが無い本に限ってそこに入っていけるってことありませんか?

ひねくれちゃっててごめんなさい!!

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紙の本

重松作品に期待しすぎて

2009/11/05 20:33

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浸透圧 - この投稿者のレビュー一覧を見る

作品所感。

『ひこうき雲』  
嫌われ者の女子の不治の病、興味深い設定だ。
子どもの残酷さをさらりと描いてのけるのがうまい。
そして老人ホームの義母のシーンは圧巻。素晴らしい。
彼女は連れ帰ってもらえると上機嫌になるが瞬間的に正気に戻り苦しむ
という話がまずあり、寿司を前にした涙は正気に戻ったからではとくる。
ここは老人も老親をかかえる人も心打たれるシーンだろう。

『朝日のあたる家』
設定がユニーク。ヒステリア・シベリアナ。この神経症のくだりは小説的。
シベリアの果てしなく広大な大地を耕し続けた農夫がある日、夕日に向って
何日も歩き続け、最後に倒れ死ぬ。永遠に囲まれると神経が切れるという。
永遠から逃げたくなるのはわかるが、永遠ならよいではないかと思う。
実際に永遠などどこにもない。だから恐れる必要もないと。
僕は作中の高校教師の立ち位置により近いかもしれない。
朝日に負けるという言い草は正直鬱陶しい。神経症の一種で盗癖の女が
でてくるが、この辺から物足りなくなるのは、描き方が紋切り型のせいか。

『潮騒』
主人公の少年が息子を亡くした父親に思いがけず「ごめんなさい」
と叫ぶ場面に涙する。しかし余命3ヶ月の命に逡巡するシーンはくどい。
むしろ、訳なくこみあげる感情につき動かされた言動に迫るものがある。

『ヒア・カムズ・ザ・サン』
最後まで感情移入すらできない。主人公の語りが鬱陶しい。
ジョークに流す様が切ないという狙いがうまく機能せず空回りしている。
泣き笑いをめざしたろうが、独白も設定もくどい。
明るく振舞う健気な母も類型的で、ガンを患うが気丈に振舞う中年の女
というキャラ設定がそもそも有り勝ちだ。

『その日のまえに』『その日』『その日のあと』
表題にもなり、大いに期待したが、全くのれない。
闘病物は、なぜ強がった笑いに流そうとする主人公が多いのか。
気丈な振舞いがあって、周りで逡巡する家族がいて――。
この3部作も、心配しないで、私は大丈夫、けど実は大丈夫じゃないの
という展開にえんえんつきあわされる。
主人公が衰えていく様も雲をつかむようにしか把握できないのは、
僕の経験値が低いというより、描写が表層的だからだ。
泣かせる技に長けた重松なのに、この3部作は泣けないし感動もできない。
要介護老人の痛ましさにあれほど涙させる手腕があるのに、
なぜ女性のガン患者だとこうもむず痒くなる展開の連続なのだ。
期待が大きすぎたか。重松は安っぽさを承知で描いたのだろうか。

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