3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
事故で妻を亡くしたのをきっかけに、
人の背後霊が見えるようになった男性が、
その不思議な能力を使って、探偵を始める話。
途中までは不思議な幽霊(心霊?)話で、
(ホラーではないので、怖くは無いです)
ミステリアスでわくわくします。
が、途中から話がどんどん変わり、
最終的には現実離れのSFになります。
最初から最後まで一気に読める作品。
紙の本
前半はいいですね。でも、途中から完全に子供のための本になる。それならそうと言っておいてくれればいいのに、って思います。しかも、あまり必要のない捻りなんか入れたりして、フ、シ、ゼ、ン・・・
2006/02/10 20:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずカバーの猫の絵がいいですね。こう、なんていうか精神的なものを感じます。さぞかし名のあるイラストレーター、或いは予想に反して気鋭の日本画家だったりして、とおもって本の扉近辺を捜したんですが、いつもある記述がありません。ままよ、と奥付周辺を見ると、ありました。写真 KENJI HATA/A.collection/amana/Corbis Japan 装幀 新潮社装幀室だそうです。これが写真?どう見たって絵でしょ、ねえ・・・
主人公は30代前半の男、事故で妻の那由美を亡くした私こと新海友道です。以来、全く元気がありません。既に両親は20歳を過ぎた頃相次いで他界していますし、画家である弟の尚道はとは仲が悪いわけではありませんが、頻繁に会うわけでもありません。そんな元気の無い男を心配してくれるのが、新海が住む熊本の練兵町にあるマンションの1階にある喫茶店「そちめち」の初老のマスターとママです。
二人には言っていませんが、友道、実は事故に遭って人の背後霊を見ることができるようになっています。で、二人の背後霊というのが面白いことに彼らの、ではなくて何故か主人公の両親、ていうところが面白い。ただし、これが小説の謎の部分か、といえばそうではありません。設定として楽しむだけでいいです。
で、気力を無くしている私を元気付けようと二人がちょっとしたアルバイトを紹介します。栄和商事に勤める総務課長補佐の山之辺哲の妻香代32歳の行方を探すことがそれです。香代は那由美と友だちであったという。その一言が、ある意味、主人公を探偵家業に向かわせるのですが、彼の前に暴力団員らしい連中が現れて・・・
とりあえず登場人物を何人か書いておくと、彼女がパートをしていたというスーパー・フォントの前で、友道を仲間だと思って声をかけてきたのが荒戸和芳がいます。元寿司職人でカラオケ好きが嵩じて身を持ち崩し、妻からは離婚を持ちかけられ、今は独身のホームレス。
そして小説の良くも悪くもムードメーカーの久永小夢(さゆめ)、年齢は10歳くらい。主人公の住むマンションの下の4階に住んでいます。小夢の父親は三年前に急性肝炎で亡くなっているので、今は母と子の二人暮しですが、この子は母親と主人公を結びつけよう、なんて俗なことはしません。
彼らに、健軍のシネコン建設予定地で発見された縄文時代の遺跡群から出土した土器や謎の男たちが絡んで話は展開します。なんていうんですか、読んでいて、これってジュヴナイルじゃん、ミステリーランド?なんて思いますね。ま、梶尾の文章の読みやすさのせいもあるんですが、そっちに行く?っていう感じ。
特に小夢が登場するあたりで、ぐっと向きが変る。同じ少女が出てきても、大人の小説に留まる村上春樹と、一気に少年少女小説化する梶尾。読んでいて、この差は大きいなあ、って思います。つい先日、都筑道夫の少年小説コレクションを読んでいたんですが、どっちかというとこっちに近いかな、そう思います。しかもラストでしょ。ああいう設定の必然性、殆ど感じないんですね。捻じ曲げる必要、ないじゃん、そう思います。
投稿元:
レビューを見る
もう何でもありw
都合よく上手く行き過ぎるのはフィクションの良い所w
でも設定は結構好き。
シリーズとかになったら読むのに。
最後の最後ちょっと切ない感じの終わり方でした。
投稿元:
レビューを見る
…ファンタジーかよ!
「黄泉がえり」の著者なんですね…知らなかった。さもありなん。
探偵ということばに騙されましたが、先は気になって読んでしまいました。
何故表紙がにゃんこなのかは読んで納得。
背後霊が見える、という設定にも納得。
投稿元:
レビューを見る
がっかり。タイトルが素敵だし何より梶尾さんだし、と思って期待して読んでいったら…。妻を亡くして人の守護霊(背後霊も?)が見えるようになった主人公が、探偵まがいなことを始めて事件に巻き込まれていく。周りのキャラクターや黒猫はすごく魅力的なんだけど、中盤からかなりトンデモ系な展開に走ってしまった。
投稿元:
レビューを見る
人探しミステリかと思いきや、ものすごいファンタジーでした。
前半後半でまったく違うものを見ているように感じてしまうくらい、劇的な展開を見せてくれたので、ある意味おもしろかったです。
投稿元:
レビューを見る
事故で最愛の妻をなくした男が、他人の背後霊が見えるという特殊体質になったのをきっかけに、人探しをする探偵みたいな役回りに……という帯から期待されるストーリー展開からどんどんかけ離れていき、読み終えたときには「……こんな話?」とつい首を傾げてしまう一冊。単純な夫婦愛の物語には絶対ならない、『黄泉がえり』とはだいぶ違う変な本(そしてその変な事態に対する主人公のツッコミも変)。淡々とおかしい。とらオバ。
投稿元:
レビューを見る
期せずしておもしろかったです。
一気に読めました、黄泉がえりを書いた人とは知らずに読みましたが、似通った雰囲気ありました。
投稿元:
レビューを見る
交通事故に遭い、最愛の妻が死んでしまった。それ以来生きる気力も失ったが、そんな新海だが、事故をきっかけに、背後霊が見えるようになっていた。両親の背後霊の憑いた喫茶店『そめちね』の夫妻の配慮で、ある主婦の失踪事件を調べることに。調べていくうちに古代遺跡から発掘され、盗まれた壺にいきあたる。平凡な主婦の失踪と,古代の遺物,そして忍びよる奇妙な霊に操られた人々…自称探偵助手の小夢ちゃんにひっぱられながら,事件の真相に挑む。小夢ちゃんが,小学生とは思えない程しっかりしてて,かつおしゃまで可愛いんですよ!ホームレスから人気歌手へ華麗なる転身を遂げた荒戸とか。自分の背後霊はどんなだろう,って思っちゃいました。ラストも凄く意外で,楽しめました。
投稿元:
レビューを見る
○2008/04/21
知らずに手に取ったんだけど、黄泉がえりとかこの胸いっぱいの愛を、とかの作者さんだったようで。たしかどちらも死者が現代に現れて、という風に記憶してるんで、そういうあちらとこちらが繋がる感じの作品をよく書く作者さんなのかな。
事件の真相?は、こんなにファンタジーなのかよ!とつっこみたくなったが、オチというか正体が、なるほど、という感じで面白かった。
そして小夢(さゆめ)ちゃんが行動派のおてんばっ娘で可愛い。この子の勘というよりは、小さい子ども独特の霊感みたいのが反応してるんじゃないのかなーとは思ったけど、まぁ作者に任せます。
登場する人たちの人物像がみんなはっきりしていて、読みやすく面白かった。
投稿元:
レビューを見る
設定、語り口、とても面白くてあっと言う間に引き込まれた。
ストーリーはちょっと欲張り過ぎと言うか、
前半と後半で別の物語にした方が面白くなるんじゃないかと思った。
前半、後半、それぞれ単独で十分に面白く仕上がりそうな分、
逆にそこが気になった。
ラストのドンデン返しは確かにびっくりしたけど、
さすがにそれはナシではないかと。
発想はすごいんやけど、そのままやと矛盾や疑問も生じてしまう。
どうにか克服出来ればすごくなりそうやけど。
投稿元:
レビューを見る
最愛の妻を事故で失ってから、他人の背後霊が見えるようになった男性が主人公。
人探しを頼まれたことがきっかけで大変な事態に巻き込まれていくという話。
想像していたよりもファンタジーというか、何だか陰陽師ちっく?
それはどうなの?と思うところもあり…ちょっと期待ハズレかな。2009/05
投稿元:
レビューを見る
タイトルが八雲に似てるなぁと思ったんですが、まったく傾向が違いましたね。本のオビには「泣ける!」とか書いてありましたけど、それはウソだろうという感じ^^;でも意外と面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
前に読んだ「クロノス・ジョウンターの伝説」はハインラインの「夏の扉」系列だと書きましたが、これは同じくハインラインの「人形つかい」です。決してアイデアの盗作じゃなく、芯は似ていてもうまく膨らませています。ただ・・題名が(^^;;
「黄泉がえり」がカジシンの代表作と思ってますが、これは次点。嫌味のない優しさがあります。本筋じゃないちょっとしたエピソード部分が心に残ったり・・引っかかていた伏線も、ちゃんとどんでん返しに使われましたし・・独創性は弱いけどまとめ方はさすがって感じ(^_^)
投稿元:
レビューを見る
【感想】
・ミステリかと思ってたらホラーのようなファンタジーのようなSFのようなのになった。作品自体がヌエのよう。
・エマノンの著者の作品何か読もうと。表紙黒猫やったし。
【一行目】人は二度死ぬと言われる。
【内容】
・事故で最愛の妻を喪い、背後霊が見えるようになった男。失意の日々を送っているが能力を活かして社会へのリハビリのためにも探偵のようなことを始めることに。
・なぜか誰にも背後霊がいない一家の失踪した主婦を追っているとなにか恐ろしいものが浮かび上がってきた。
▼簡単なメモ
【荒戸和芳/あらと・かずよし】ホームレス。元寿司屋。新海と出会ったことで運が向きはじめた。物凄く歌が上手い。
【カード】とある宗教団体? が広報的に配布しているらしいカード。よくわからない文字が書かれている。
【熊本】舞台は熊本のようだ。
【黒猫の霊】最初小夢の母に憑いていたが後に小夢に移る。
【小夢/さゆめ】十歳くらいの女の子。新海と同じマンションの四階に住む。母親から虐待を受けているようだ。後に探偵助手として活躍する。
【獅子とも猿ともつかない動物の絵】盗難にあった土器の中にあった勾玉に描かれていた。「カード」の無地部分をコピーしたら似たような絵が浮かび上がってきた。
【新海友道】主人公。事故で妻を喪い失意の日々。事故の後遺症か最近背後霊が見えるようになった。本来の仕事はデザイナー。
【鈴木喬信/すずき・たかのぶ】由衣の父。東京の印刷所勤務。
【そめちめ】マンション一階にある行きつけの喫茶店。マスター夫婦はマンションのオーナーでもある。
【土器】盗難にあった。中に勾玉があった。
【尚道】新海の双子の弟らしい。風景画が得意。
【那由美】妻。事故で亡くなった。
【背後霊】新海は他者の背後霊を見ることができるようになった。背後霊なので自分のものは見られない。それは人である場合もあるし動物やこの世ならざる何かである場合もある。まったくいない場合もある。
【原田均一】土器が盗難にあったので責任を取って? 自殺した学芸員。
【久永小夢/ひさなが・さゆめ】→小夢
【久永美津子】さゆめの母。
【ペチャ】マンションに来ていた黒猫。車にひかれ死亡したのち久永小夢の母親に取り憑いた。
【勾玉】盗難にあった土器に入っていた。正確には勾玉ではなく金属片。
【マスター】そめちめのマスター。背後霊は新海の母。
【松尾めぐむ】保育士。山野辺哲の子どもが通っている。
【ママ】そめちめのマスターの妻。背後霊は新海の父。
【箕田】博物館の学芸員。
【木曜日】山野辺香代はパートが休みの毎週木曜に夫にも内緒で外出していた。なにをしていたかは不明。
【山野辺香代】行方不明。スーパー・フォント田迎店でパートタイムしていた。
【山野辺哲/やまのべ・さとし】妻が那由美の知人だったらしい。三十三歳。その妻の香代、三十二歳が行方不明になっているらしい。
【由衣】鈴木由衣。小夢の友人。