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商品説明
札幌で働く柾人のもとへ、両親の死という過去で疎遠となっていた妹から手紙が届いた。結婚するという連絡に喜んだが、式間近になって妹と婚約者がほぼ同時に失踪。柾人はふたりを捜し出すため戻ることのなかった故郷へ向かう。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小路 幸也
- 略歴
- 〈小路幸也〉北海道生まれ。広告会社退職後、ゲームシナリオの執筆に携わる。「空を見上げる古い歌を口ずさむ」で第29回メフィスト賞を受賞してデビュー。著書に「Q.O.L.」など。
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紙の本
爽やかな読後感
2005/11/11 22:10
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:violin - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公と妹には、家族に関して重い過去がある。
ある日、結婚を間近に控えた妹が居なくなる。何かの事故か?
それとも自分からか?なぜこの時期に?
捜しはじめる主人公。すると妹の婚約者の方とも連絡がとれない。
主人公は、あるデパートの『特別室』所属。特殊な仕事についている。主人公を手助けする回りの人々も 何らかのいわくつき。
婚約者の方は事件性を含んでおり、行方を追う過程もテンポよく読める。ミステリーな婚約者とは反対に、妹の方は…
登場人物たちは、それぞれに欠けた「家族」に対する思いをもつ人たちでもある。そして、それを補うような形で話しはおさまっている。それなりの人たちだけれど、なぜかみんな「いい人」で、あまりにまるくおさまりすぎていると思わないでもない。
しかし、「物語」なのだからほっとできる終わりがあってよいだろう。私はちょっとドキドキして、少しジーンときて、ほ〜っとできる
爽やかさが好きだ。
紙の本
家族は、できあがるものではなく、つくっていくもの
2006/12/25 22:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る
柾人は幼い頃の両親の死がトラウマとなって生きている。たった一人の妹、木実が失踪した。そして木実の婚約者も行方不明に。デパートの「特別室」に勤務する柾人が二人の行方を調査する中から、浮かび上がる事実とは…。
この作品は快作といっていいでしょう。作品自体はこじんまりとまとまって、読み終わった後も結構、爽快感がもてます。
悲惨な殺人で家族を失った兄と妹が時間がたった今、新しい家族と共に暮らしているというところが本作品の大きなツボ。その家族も血が繋がったものではなく、特殊な仕事の中から追い込んでしまった家族と同居しているのです。祖父と高校生の女の子という家族。
そして妹も婚約者という新しい家族をもって、これからの人生を過ごしていくという、ありきたりの話ではありません。家族を追い求めてなぜ妹は失踪したのかが大きな謎なのです。
そして、二度と帰ることの無いと思っていた故郷、旭川に帰ることになります。初めて過去と対峙することになるのです。その旭川で育ててもらった人たちが癖がありつつ、実にいい。「特別室」のかくさんという人物も謎めいていていい味出しています。
話立ては実に面白い。さくさく読めますが、いかんせん話が小粒の感は否めません。そこらあたりが不満なのですが、この作家、いつか代表作を書くのではないかという予感あり。
「家族は、できあがるものではなく、つくっていくもの」
この言葉が心に響きます。家族をテーマにし、謎を追う特殊員。この作者に目が離せません。
紙の本
おもしろくてしかもすっきりしたラインを持つ小説
2006/06/27 17:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一本に見えたラインが二本に分かれ、だが実は一点でやはりそれは一本になるー、というのが本書を読んで得た印象。作者のストーリーの運び方の巧さは既に体験済みなので、私はむしろこのラインの鮮やかさに感心した。
この説明ではあまりにも自己中心的なので、補足しておくと、最初一本に見えるラインとは、結婚予定を知らせてきた妹と、その相手が失踪し、主人公と主人公の周りの人々が二人を探すライン。二本に分かれるラインとは、その相手と妹の失踪は互いに関係のないものであると知れるライン。そして、最後のラインはここで書くわけにはいかないが、もっとも心のふるえるライン。
ところで、この作者の魅力の大きな一つは、登場人物がいいこと。本書でもたくさんいい人物が出てくるが、中でも二人が気に入った。<特別室>の補佐役のカクさん。主人公が下宿しているばあちゃん。全然ちがう二人だが、「人生」というものを重ねてきた重みと、矛盾するようだが、だからこそ得られる軽みがある。
と、ここまでほめておきながら、評価が星三つなのは個人的にマイナスの要素が最後にどーんと用意されていたからである。それは歳経たばあちゃんなら受け止められるかもしれないが、私には受け止められないものだった。それが何か興味を持たれた方は、本書をどうぞお読みください。
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