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  • みんなの評価 5つ星のうち 4 1件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.9
  • 出版社: 筑摩書房
  • レーベル: ちくま文庫
  • サイズ:15cm/239p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-480-42099-1
文庫

紙の本

小松崎茂昭和の東京 (ちくま文庫)

著者 小松崎 茂 (著),根本 圭助 (編)

小松崎茂昭和の東京 (ちくま文庫)

税込 1,100 10pt

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評価内訳

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紙の本

風を描く作家

2006/12/03 23:59

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小松崎茂 昭和の東京
 ちょうど先日、都内で開催されていた小松崎茂氏の回顧展に行った。元プラモデル少年としては、喜んで出かけた。当時は彼の名前を知らなくとも、彼が描いたプラモデルのパッケージを見て育った一人なのである。本書は、彼が画家修行中の傍ら挿絵画家の手伝いをしていた戦前に描いたスケッチと、それをもとに後年、改めて描いた東京風景のイラストがおさめられている(一部カラー)。
 会場で、本書でも紹介されている東京の風景イラストを、目の前にして驚愕した。ものすごいのである。その精密さは彼の他の作品の延長である。むしろ、「正確に描く」という姿勢はこのときに叩き込まれたらしい。しかし、それ以上に目をひいたのは、「風」を見事に描き切っていたことである。浅草寺を舞う鳩、風にざわめく銀杏の葉、強い風にあおられる洗濯物。それぞれたった一枚の絵なのに画面が動いて見え、音さえ聴こえてきそうである。逆に、風のない「トンネル長屋」の風景も、「ない」ということがありありと伝わってくるのである。
 改めて、彼の他の作品を見ると、風がキーになっていたことに気がつく。波を切って、風の中を進む戦艦大和、浮揚して進む未来の乗り物。この風によるスマートな躍動感こそが、彼の作品をより魅力的にしていたのである。現代で、「飛翔」を描くアニメーション作家として宮崎駿氏が名高いが、彼はたった一枚の絵でそれらをぼくらに見せてくれていたのである。

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