ワールドタンクミュージアム図鑑

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投稿者：塩津計　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

海洋堂なるミニチュア専門のメーカーが食玩シリーズの一環として１４４分の１の精密なる戦車模型シリーズを発売した。３５分の１こそ正統な戦車プラモであって、４８分の１や７２分の１は邪道と吐き捨てていた私だが、このシリーズには食指が動いた。「やはり、出来が違う」と感じたからだ。附属でついているモリナガヨウさんのイラストや解説もグーだった。「第二次大戦時のドイツ戦車の最高峰ケーニッヒティーゲルⅡ型の燃費はリッター１６０メートルだった！」などという度肝を抜かれる真実も明かされたりしている。「これは買わねばならない」と私は決意した。食玩シリーズの欠点は「中に何が入っているか分からない点」なのだが、幸い私は高所得者である。小学生時代と違いお小遣いは青天井。コンビニに入るなり私は店員に向かい躊躇無く叫んだ。「この棚にあるもの全部下さい！」
なんと豪気な、なんと大胆な。大人になるとこういうことが出来るんですな。これを「大人買い」というそうですが。
本書はこれに附属しているモリナガヨウさんのイラストと解説をまとめたものです。それにしても私は思うのです。ガンダムに狂った連中と、ミリタリーミニチュアシリーズに狂った私のような人間とでは、知的水準に天と地ほどの隔たりが生じているということを。結論から言うとガンダムが好きな奴は頭が悪く、戦車プラモにはまった人は頭が良いということになる。ならざるをえない。それは以下の文章を見れば一目瞭然である。「成形炸薬弾はモンロー効果を応用した対戦車兵器で、これを最初に大々的に実用化したのはドイツ軍のパンツァーシュレッケである。これが北アフリカ戦線で米軍に渡り、米軍がこれをコピーしたのが世に言うバズーカ砲である。ドイツ軍はその後携帯式使い捨て成形炸薬弾パンツァーファーストを開発するが、これが戦後ロシアによって研究され、現在、世界中に流布しているＲＰＧ７の原型となったのである。成形炸薬弾から戦車を守るため、ドイツ軍はシェルツェンなるものを戦車に取り付けた。これは戦後米軍Ｍ１エイブラムスに採用されたスペースドアーマーの原型となったものである。イスラエルなどでは独自に利悪ティブアーマーが開発され発展を遂げている...」こうした文章を読んでも、おそらくガンプラなどという幼稚なおもちゃに狂っている諸君にはちんぷんかんぷんなことであろう。ざまあみろとはこのことだ。

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投稿者：ぶひお　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

食玩の解説文をまとめたものですが、それだけに素人にも面白く読めて、独特なイラストともあいまって読みやすい構成となっています。それでいてマニアックな一面もありミリタリーに詳しい方にもお奨めです。