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夜市
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.2 284件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.10
  • 出版社: 角川書店
  • サイズ:20cm/179p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-04-873651-5
  • 国内送料無料

紙の本

夜市

著者 恒川 光太郎 (著)

【日本ホラー小説大賞(第12回)】何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして...

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夜市

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商品説明

【日本ホラー小説大賞(第12回)】何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した祐司だったが、常に弟を売った罪悪感に苛まれていて…。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

夜市 5-78
風の古道 79-174

著者紹介

恒川 光太郎

略歴
〈恒川光太郎〉1973年東京都生まれ。2005年「夜市」で第12回日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。

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みんなのレビュー284件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

なんていうか、乙一以来の才能ですね。久々、であり、他にない、ともいえます。今までのホラー小説大賞作家のなかでもトップでしょう。

2006/11/24 20:59

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

これまたカバーデザインがいいです。色合いも独特で、赤が単なる赤ではなくて、なんだかこう、血の色を髣髴とさせるんですが、それがホラーにはならずに、日本的な情緒を感じさせて、それには三匹の金魚の存在と、カバー上部の左右にある木々が効いているんですが、全体としてはダークファンタジーとでもいえる雰囲気をだしています。そんな装丁は、片岡忠彦。
で、書いちゃうんですが凄いです。いや、凄いっていうと何だか壮絶なドラマっていうふうに受け取られてしまうおそれがあります。なんていうんでしょうか、読ませるんです。で、その文章って言うのが持って回ったものでもないのに、しっとりしていて読みながら充実感を感じるんですね。
実は同時期に、絲山秋子『沖で待つ』(文藝春秋)、G・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』(新潮社)という同じ版型で角背、ボリュームも200頁をきる、デザインもスッキリとした作品を併行して読んでいたんですが、これがまた充実していて、まさに彼らでなければ書き得なかったものとなっていて、至福の時を過ごしてしまったわけです。
同じ似かよった装丁でも、中身まで同じになってしまった野島伸司『スコットランドヤード・ゲーム』(小学館)、有川浩『レインツリーの国』(新潮社)、小澤征良『蒼いみち』(講談社)、浅倉卓弥『北緯四十三度の神話』(文藝春秋)なんかとは雲泥の差で、むしろ恒川の場合は、1973年生まれっていうことを考えると、よくもまあここまでオリジナルであるなあ、と逆に感心してしまうわけです。
簡単に収められている二篇を紹介すれば

・夜市 :大学二年生のいずみが、高校時代の同級生・裕司に連れられて岬の森に向かいます。裕司は、そこで開かれる夜市に行きたい理由がありました。学校蝙蝠に告げられた市でいずみが知ったのは・・・
・風の古道 :七歳のとき、小金井公園で父親とはぐれた私は、知らないおばさんに連れられて、熊笹の小道を歩いて家に戻ります。そして12歳の夏、親友のカズキにそそのかされて再びその道を・・・

ともに80頁前後の中篇で、夜市は「野生時代」2005年7月号に掲載され、風の古道は、書き下ろしだそうです。選者は荒俣宏、高橋克彦、林真理子ですが、三人の絶賛振りに相槌を打ちたくなるのは、私だけではないでしょう。オリジナリティだけではなく、完成度からも文章力からも、近年、ここまで書いた作家がいたか?
印象だけで強いてあげれば、あの『日蝕』で芥川賞をとった平野啓一郎や、乙一に近いのではないのか、そう思います。範疇としてはホラーというよりはダークファンタジー、クーンツよりはキング。単純に文学派ということではなくて、人間のとらえかたというかそういった部分で類似点があるかな、とは思います。
で、選評を読んでいてわかったんですが、ホラー大賞には、大賞以外に、長篇賞、短編賞という部門賞があるんですね。私は、大賞=長篇に順ずるもの、と考えていたので、『夜市』は長篇ではないけれど、中篇として優れているので長篇に準ずるとして受賞したのかとおもっていたんです。
実は、短編賞を取った、あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』は既に読んでいて、そこに『夜市』のことが出ていましたから、これが長篇なんだと。冷静に読めば長篇賞には大山尚利『チューイングボーン』があるんですよね。思い込みが激しいとこういった小さなことでミスります。ともかく、目が離せない作家が増えたことを素直に喜びましょう。

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紙の本

異界の中で自らの運命を背負って生き抜く存在を内包する作品

2009/08/05 00:06

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

血のように赤い池を三匹の金魚が泳いでいる。

森の奥の闇と赤い池の境目がぼんやりとかすんでいる。

森も池もまだこの先があるかのようだ。

金魚はくっきりと存在感があるのに、
池と森のどちらにもいて、
どちらにもいないように見える。

本書には、第12回日本ホラー小説対象受賞作(2005年)の『夜市』と
書き下ろしの『風の古道』が収録されている。

2つの作品は、主要登場人物が同じ特徴を持っている。

『夜市』の「裕司」と『風の古道』の「私」は、子どもの頃から
異界への道を通り抜けるセンスのようなものがあり、
1度ならず2度も異界を訪れる。

1度目は偶然、2度目は意図してやってくる。

『夜市』の「いずみ」と『風の古道』の「カズキ」は、
それぞれ、「裕司」と「私」に巻き込まれた存在だ。

1人だったら異界に入ることはできなかったであろう。

そして、この1度の異界への訪問が戻れない方向へと運命を変えてしまう。

もう前には戻れないのだ。

そして、さらに、2つの作品は、それぞれの訳があって、
異界の中で、自らの運命を背負って生き抜く存在を内包している。

その人物が、ストーリーを重く、哀しく、牽引しているのである。

どちらも現実の世界に、普通に生きた経験を持たない。

この運命は、他の人に巻き込まれたがために
背負わなければならなくなったのだが、
彼らには、人や運命を恨んだり、呪ったりという気持ちはない。

数奇な運命の中、それでも自分で選択し、自分を諦めずに、
純粋な気持ちを失わないままに生き抜いてきたのである。

登場人物たちは、ぎりぎりのところで、生死を分ける選択を迫られる。

他の人と一緒とか同じとか、そんな曖昧なことは許されないのだ。

そして、選んだら、戻れない。

「いかなる奇跡を用いようとも、
 生を得るとはそういうことではないのですか?
 そのはじまりから終りまで、覚悟と犠牲を必要とする。」

『風の古道』の中のこの僧侶の言葉は、
それを集約しているようで、迫力が感じられた。


  道は交差し、分岐し続ける。

  一つを選べば他の風景を見ることは叶わない。

  私は永遠の迷子のごとく独り歩いている。

  私だけではない。誰もが際限のない迷路のただなかにいるのだ。

これは、『風の古道』の一節なのだが、これが2つの作品を、
あるいは、著者の表現の1本の軸として存在しているのだと感じた。

どんな運命の中にいても、孤独であるとしても、哀しさを背負っていても、
歩いていくのだという思いにさせられた。

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紙の本

執着こそがこの世に生き残る糧なのかもしれない

2007/12/11 01:54

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この世の者ではない人外の妖怪たちや死者たちが営む異世界での「夜市」。
ぞこに足を踏み入れてしまった人間は、「何か」を買わなくては本の世界に帰れない…。幼い頃、弟と二人ここへ踏み入れてしまった祐司は、そこを出るために弟を人買いに売ってしまった。「野球の才能」という器(器量)と引き換えに。祐司が帰ったもとの世界に、弟の存在する余地は消えていた。そして月日は流れ、祐司は再び昔の同級生いずみと共に夜市へと向かう。
 そもそも「異界」をテーマにしたものが私は好きだ。神話の「ヨモツヒラサカ」を連想させるような異界からの脱出ストーリー。「千と千尋~」を思い起こさせるような化外のもの・神たちの国。神隠しという言葉の先にこんな世界があるのではないかと思ってしまう。
なにより感動したのは、売られた弟のその後の生き様と、助けに来た兄。この二人の最後の別れは、私に「杜子春」を思わせた。

さらにもう一点、帰れなくなった理由に「無欲なる者はどこにもいけない」とある。あらゆるものが手にはいる夜市、逆に欲しいモノがない者は帰ることが出来ない夜市。私は思う。「夜市」はあの世の、人外の世界。神の世界。死者の世界。
欲望・・・生きたいという希望を持たないものは、こちらにかえってこられないのだ と。
個人的には後半もう一作の『古道』の方が好きだがあえて表題作に諸表した。最後まで感動と発見をさせられた、ジャンルを超えた素晴らしい作品に出会えたことに感謝。

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紙の本

リアリティある「異界」世界

2007/01/24 21:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトウジョン - この投稿者のレビュー一覧を見る

大学生のいずみは、高校時代の同級生・祐司から「夜市」に行こうと誘われる。二人で出かけた岬の森では、確かに「夜市」と呼ばれるものが開かれていた。
それはこの世のものならぬ市。
一つ目ゴリラが刀を売り、棺桶職人の前に腐乱死体が立ち尽くす。
髪の変わりに植物を生やした少女が語る、「ここに迷い込んだら、買い物をするまで出ることはできないの」。
一体どういう理由でこのように恐ろしいところに連れてきたのかと祐司に問いただすと、彼は幼い頃の思い出を語りだした。
「自分は子供の頃、弟と引き換えに野球の才能を買ったのだ」、そして「弟を買い戻すためにここへやってきたのだ」と。
現実と異界の世界を描いた幻想ホラー小説。
前半では兄である祐司サイド=現実サイドが、後半では弟サイド=異界サイドが軸として語らるのだけれども、この弟の話が切なくて、悲しくて。
そう、これは決して「恐ろしい」だけではない、「かなしい」物語だ。
多くの和風ファンタジー作品、例えば今市子の『百鬼夜行抄』も現実と異界にまたがる話であり、ヒューマンな中にも時折「こちら(人間世界)はこちら、あちら(異界)はあちら」というように、ふたつの間には明確なボーダーがあるのだということが示されているが、『夜市』もその通り・・・いや、それ以上に明確な線引きがなされている。
兄と弟の世界が一夜の「夜市」によってはっきりと分かれてしまったのだということ、たとえ再会したとしてももう元には戻らないということが、残酷なまでに、はっきりと。
それは同時収録の『風の古道』も同じ。
こちらは友人とともに異界の道に足を踏み入れてしまった少年の話だが、「いったん入ってしまったからには簡単には外に出られないのだ」ということが終始語られている。
何も知らずに外からやってきた少年は、友人とともに脱出を目指す。
しかしそれを助ける青年は、異界のものであるために外に出ることはかなわない。
何があっても。
ファンタジーであるというのに、(だからこそ)時に容赦のないほどはっきりとしたルールがある「異界」という世界。
どこか民俗学的な雰囲気漂う日本的・土着的な幻想ファンタジーホラー作品である。
和風ファンタジーが大流行の昨今、本書の描く異界はシビアなだけに非常なリアリティが感じられる。
恐らく作者の中には、すでに確固とした世界観が成立しているのだろう。
それこそが本書の不思議な魅力であり、他の類似作品との大きな違いだと思った。

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紙の本

絶妙の感覚をもつストーリーテラー

2006/11/04 18:25

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

第12回(2005年)日本ホラー小説大賞受賞作「夜市」収録。
ホラーそのものの設定はそれほど目新しいものではないのです。けれど物語が進むにつれ、もうひとつの物語が立ち上がってきます。それが絶妙のタイミングと、読者の興味を引くひとつの単語で構成されています。
「怖い」というより「どうなっちゃうの?」と疑問で引っ張られます。新人作家とは思えないストーリーテラー。
しかし「夜市」にしても、同収録の「風の古道」にしても、その市場や道に行ってみたくなります。もちろん行ったら帰ってこれない。けれど覗いていたい。うーん。やっぱり物語設定もうまいんだな。
「夜市」
いずみは高校時代の同級生で、中退してしまった祐司のアパートを訪ねます。祐司は今夜、夜市が開かれるからいっしょに行こうと誘います。公園から岬に続く森のなかに突然、闇が途切れた。
「風の古道」
「私」は7歳のときに小金井公園から迷い、ひとりで通ってきた道を5年ぶりに入り込んだ。同級生のカズキがいっしょだが、そこはやはり時空を越えた不思議な道だった。

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紙の本

恒川光太郎『夜市』の衝撃

2006/12/11 15:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東雅夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 幻想文学の専門誌を編集していて長らく悩みの種だったのが、ジャンルの問題である。編集サイドとしては、幻想文学という分野の総合的な研究批評誌を目指すからには、ホラーも採りあげればファンタジーにも触れる、伝奇時代物やSF、あるいは純文学にも目配り怠りなく……などと高邁な(?)理想を掲げていたわけだが、読者の側の志向と嗜好はまちまちで、とりわけホラー・ファンとファンタジー・ファンの間には、深くて黒い大河が滔々と流れているようであった。
 ホラー派はファンタジーを「いい年して御伽話かよ」と鼻で笑うし、ファンタジー派はホラーを「あんな気色悪いものを好んで読むのは変態」などと嫌悪する……両派の相互不信には、なかなかに根深いものがあった。

 だが、時代は変わった。いや、変わろうとしている。
 今年度の日本ホラー小説大賞(第十二回)を受賞した、恒川光太郎の中篇集『夜市』を読みながら、私はそのことを痛感し、感慨ひとしおであった。

 受賞作の「夜市」は、人外の魔物たちがさまざまな品物を売買する、この世ならぬ市場の物語である。「学校蝙蝠」が、夜市の開催を町中に告知してまわるという冒頭の一節からして、これはホラー大賞ではなくファンタジーノベル大賞の受賞作ではないのか……と疑わしめるに十分だろうし、その後の展開も、登場人物たちがいとも易々と、それこそ近くのショッピングセンターにでも出かける感覚で異界へ参入し、そのことにさしたる驚愕も恐怖も示さないときては、気の早いホラー・ファンの中には、看板に偽りありと怒りだす向きがあるかも知れない。

 だがしかし。ゆめゆめ、そこで投げ出してはいけないのだ。
 夜市という世界の実態が次第に明らかになるにつれて、読者はヒロインの大学生いずみとともに、迂闊に異界へ踏み込むことの恐ろしさを、じわり、じわり、と実感させられることになる。そしてハッと気がついたときには、ジャンルの違い云々など忘れ去って、思いもよらぬ方向へと二転三転する物語の行方を、夢中で追いかけていることだろう。

 こうした離れ業を可能ならしめているのは、ひとえに作者の、物語の語り部としての卓越した資質に他なるまい。
 非現実を描いて虚構を意識させない、イメージ喚起力に優れた文体。
 読者の意表を突く奇計をひそめて、入念に練りあげられたプロット。
 怪奇幻想文学の書き手にとって最も必要とされる二つの美質を、作者は十二分に兼ねそなえているように思われる。

 それが決してフロックゆえなどでないことは、受賞第一作となる併録の「風の古道」が雄弁に実証していた。
 古くは神々の行き交う通路であったという「古道」——住宅地や山林を縫って縦横に延びる不可視の街道に迷い込んだ少年たちの彷徨を描いたこの作品は、ホラー・ジャパネスク評論家を以て任ずる私などからすると、受賞作を凌駕する傑作であると断じたくなるほどのきららかな魅力を感じさせるのだから。

 作者の描く異界譚には、近くは天沢退二郎(「竜の道」)、古くは泉鏡花(「高桟敷」)、はたまた海彼のジャン・レイ(「闇の路地」)にも通ずる密度と奥行き、そしてなによりも確固たるコスモロジーがある。
 この作家が語りだす物語に、もっともっと耳かたむけてみたい……心からそう感じさせてくれる「幻想と怪奇」の語り部の誕生を言祝ぎたい。

(『小説推理』2006年1月号「幻想と怪奇」欄掲載)

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紙の本

放浪の作家

2005/12/24 19:06

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第12回日本ホラー小説大賞受賞作『夜市』と受賞第一作『風の古道』の中編2作が収録されている。新人作家とは思えない巧さがあり、独特の世界観が確立されている感がある。
 両作ともこの世と異界のあわいのような空間を描いていて、ホラーともファンタジーともオカルトとも読める。それでいて泣ける筋立てとなっているので、朱川湊人の描く世界と相通じるものがある。『夜市』で兄に捨てられた弟が辿る成長過程や、『風の古道』に描かれた少年と相棒の道程などは、松本清張『砂の器』の親子の放浪を思い起こさせるような痛々しさと物悲しさが感じられる。願わくは、放浪の場面をもっと膨らませた作品を、今後書いていってほしい。著者の筆が最も冴える分野だと思われる。
 いずれ朱川湊人クラスになるのではないか、と予感させられる作家の登場だ。

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紙の本

ようこそ、現実の裏側へ。

2015/12/29 18:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「夜宵」を読んでいたせいか、表題作「夜市」の第一印象は「夜宵」に似ているな、だった。
しかし「夜宵」があくまでもそれに関わった人々の関係性を扱っているのに対し、「夜市」はあくまでも夜市という場、そのものが主体となっているように感じる。
夜市の一部としての一人称で語る店主、望みを持たなくなったゆえに闇に溶けていった裕司のように。

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紙の本

さすがホラー大賞受賞作!!

2006/01/20 06:19

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ホラー大賞受賞といっても、怖いんじゃないんだよなぁ。やっぱり表現や状況設定が上手いのかなァ。読解力の乏しい私にはそういう感じがしました。
 非現実的だけれどもリアル、また点であった登場人物が繋がって線になるところは爽快。「野球がうまくなる権利」を手にするために弟を売るという設定。古めかしくなく、超現実的。やはりテクニックなのでしょうね。
 併作の『風の古道』の方も結構楽しめました。

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2006/08/08 10:04

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2017/02/01 19:50

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2005/12/04 13:29

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2006/10/16 00:11

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2012/12/07 19:50

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2006/02/12 02:01

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