紙の本
不器用な世界の物語
2006/03/28 16:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くらげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
積み重ねなければいけない。
どこまでも、上がっていかなくてはいけないという幻想に取り付かれた都市。
都市の上に都市を重ね、その礎を忘れない様にする人々。
その都市の狭間に生まれ、その中で生きていく人々。
だが、都市の上に生きる人々は無意識のうちに下層を否定している。
歪んだ愛。
無意識の否定が生んだ、歪んだ愛。
それは時に人を過ちに誘い、人を疑わせ、人に後悔の念を抱かせる。
人はそれに気付かず、人はそれを人に言うことが無く間違い続ける。
上書き。
文明や歴史とは、上書きされていくものである。
積み重ねるだけでは、新しい常識は生まれない。皮肉なことにそれを知るのは、学者であった。
必要ないものは消され、間違ったものは上書きされ、正しいものは何時までも残る。
それが、人の見つけた世界の在り方。
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鬼頭先生独特の雰囲気が味わえる作品だと思います。これを読んで改めて思ったけど、面白いと思える作品には、独特の雰囲気を持つものが多いような気がします。
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鬼頭さんは絵は決してうまいとは言えないと思うんだけど何て言うかそんなのも感じさせないように話に引き込まれる
「ぼくらの」に惚れて買ったけどこれも好きです、この人の世界観ってありそうでなさそうで好き
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世界観がある漫画家さんだと思う。表面をなぞっているだけじゃ微塵も感じ取れない単語がタイトルの「夢」で、それに違和感が生まれないから、センスだとも。
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エロいけどエロくない、不思議な作品。
私が思うに、鬼頭さんの描くエロは生々しさがなく淡白な印象を受けるので
この作品の荒廃したあまり生気のない世界観でも違和感がなく
一つ一つの作品の切なさや哀しさをより引き立てるものになっていると思います。
愛の表現は人それぞれだけど、全部が全部理解してもらえるわけではないから
難しいですね。
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ただ上へと重なる都市の人々の、それぞれの愛の寓話。
どれも鬼頭莫宏らしい。まぁた少女とセックスだべ!
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初めて読んだ鬼頭作品。淡淡と描かれていて、読んだ後に物語がすっとしみこむ感じ。未発達、未成熟の少女描かせたら一級。
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自分で何とでも出来ただろ? / あんたの立場で言うセリフじゃないわよ
【自分で? 言ってることがよくわからない】
【だって できるわけないでしょ】
【僕のゲームでは こんなことはおこらなかったのに】
え? ケンカ?
あんなに 退屈しのぎのゲームでしょ
【そうか】
[男のゲームのキャラクターは退屈までは感じなかったんだろうな]
(第6話 造物主の檻)
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舞台は近未来のどこかの国の一都市。
殻都市と言われるその都市は、廃棄と増築を重ね無限に積みあがって成長を続ける都市です。
その都市を舞台にした短編が収録されています。
王道のベタな話や、悲しいけれどもどうしようもできない話など
色々なバリエーションがあって楽しめました。
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未レビュー消化。近未来において生死を描いた物語。神のように気紛れに命を与えたり、奪われたり、街の見る夢のようにフワフワした話もあって面白かったです。特に、第6話の造物主の檻は良いオチだなぁと思いました。ゲームキャラクターに退屈を与えなければ争い事が起きないがつまらない。そう思うと僕らの世界に神がいるとしたらこんなめんどくさい感情を人間に与えたのも納得ですね。
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心を自覚することの難しさ‐『殻都市の夢』http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20091117/1258453081
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鬼頭莫宏はやせっぽちを描かせたら天下一品です。
エロティクスFって、快楽天(今は失楽天?)みたいな雑誌かと思っていたら、作家陣がツボにはまった。
こんど買ってみようかな。
この本に限っては、そんなにきわどいシーンも無いような。
18禁的な描写はありますが、エロありきのマンガでなく、話の流れ上で濡れ場がある感じ。
しかし誰も濡れてなさそうな。やせっぽちが多いから?
渇いた濡れ場を描くよなぁ。
なるたるよみたい〜
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立ち読み。
鬼頭さんなのに、あまりえろくなかった(失礼
しかし、氏の描く、かわいそうなくらいに痩せ、よろよろと頼りない印象の子供たちの口から紡がれる物語は、その姿に反して奥深く、時に苦い命の味がする。
あんなに魅力のない体つきの少女たちからいつも目が離せないのは、
その子供らしいあやうさゆえか、
それとも早熟ゆえのあやしさからか。
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すごい好きな話だった……!
色々な物語がどれもやるせない切なさでぐっときてしまう。
どの話も魅力があるので買って損無し。
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初挑戦の鬼頭莫宏作品。架空の都市で繰り広げられる男と女が綴る物悲しい夢の残滓。SFであり、ヒューマンドラマでもある物語。
掲載誌がマンガ・エロティクスFであったため、そういうシーンがあるもののそこは嫌み無くさらっと読める。なんとなく読み味がハヤカワSFを読んだ時の感覚に似ている。