紙の本
子供たちから「国家」を奪わないでやって欲しい
2005/12/26 03:28
17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
刺激的なタイトルだと誰もが思うだろう。日本を礼賛することが嫌いな人はおそらくタイトルを見ただけで読みもしないだろう。しかし、それはいけない。批判というものは、自説以上に他説を検討して初めて主張適格が生まれる。故に私は、憲法改正を説き未来を語る本よりもむしろ、愚かで吐き気がするような護憲本の方を多く読んだりしている。要するに、タイトルだけで本書を読まないのは「もったいない」ということだ。
戦後60年を経過してもなお左翼勢力は頑強に存在し、近年は共産社民といった文字通りの左翼はなりを潜め、仮面を被って様々な機関に入り込んでせっせと活動している。たとえば、民主党には西村真吾や原口そして前原代表といった素晴らしい国家の宝の陰に隠れて、媚中反米・愛国心排撃・憲法改正反対など売国行為を繰り返している。
朝日新聞などは、国家観なき売国屋の総本山であり、竹島を譲れなどと社説に書き込む有様である。そのうち朝日は韓国が主張しているとおりに「対馬は韓国領土」などと言い出す可能性もある。それは、朝日には朝鮮に国籍を持つ在日が溢れかえっているからである。
たとえば、従軍慰安婦についても、強制連行したなどという確定的証拠は絶無である。つまり、少なくとも「よくわからない」というのが実情なのに、上述した朝日や正義面した無知な輩が知識のなさを棚に上げて「自国の負の歴史を直視できない」などと始まってしまう。実に、憐れだと思う。そうしてH9年から教科書におどろおどろしい嘘が真実として書き加えられる事となった。その反面で、拉致問題は掲載されず、豊臣秀吉は悪の化身で、天皇陛下は犯罪者とされ、聖徳太子にはわざわざ「厠」という文字を使い、日露戦争の英雄は誰一人として教科書に乗らない(詳しくは「つくる会」HP参照。非常に詳しい)。
朝鮮では例えば秀吉を破った李しゅんしんは大英雄としてかかれ、他方日本では東郷元帥は全く乗らない。日露戦争とは、有色人種にとって何万年も語り継がれるいわば聖戦とされる(たとえばトルコ・メキシコなどでも)。当時日本が日本海をロシアに突破され、支配される事になれば、白人から完全に独立した有色人種国家はゼロとなるところだった。その立役者がほぼ全ての教科書に載っていないのは異常事態である。ふつう、東郷や児玉源太郎などは硬貨か紙幣の写真になっているはずだ。
こうして左翼の言うとおり、自虐史観だけを押し付けられ、教室で漠然とそれを聞かされる生徒のことを考えてみてほしい。多くはよく聞いてないだろうが、とにかく「日本はわるかったんだな・・」と漠然とイメージすることになる。当然そうなれば、故国を語るに胸をはれず、終いには国歌斉唱拒否とか、憲法改正反対とかやがては中韓のいうとおりの主張を受け入れる祖国なき憐れな人間が生まれる。若者が犯罪に走るのも無理はあるまい。
著者の主張で目を引くのは、いわゆるマッカーサー史観からの離脱である。確かにマック元帥は昭和大帝のご人格に感銘し、食糧支援をするなどよいところもあったが、著者の指摘は傾聴に値する。無論韓国にとってはマック元帥は救国の英雄であり、最近の銅像撤去など、まさに北朝鮮化する韓国の姿が看取できる。
日本人よ、もっと誇りを持て。私たちの祖先は、300万の犠牲を払い太平洋戦争を生き抜き、有色人種唯一先進国を作り上げ我々に遺してくれた。国の滅びとはあっけなく起きるものだ。財政破綻ともなれば、愛国心なき若者はどんどん国を捨てていくだろう。
それを防ぐべく愛国心教育がいま必要なのである。戦争=愛国心というイメージ付けは、左翼の戯言であって、もうそろそろ騙されないようにしたほうがいいのではないか。およそ10年前出版された本の復刻版であるが、未だタイムリーであり、それ自体10年分自虐史観しか持てない若者を量産したという証拠であろう。
紙の本
天皇教の真髄
2006/05/15 01:05
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の何章かは従軍慰安婦問題,東京裁判の問題など,すでにほかの論者によってさんざん書かれている内容である.そのなかには「選挙コンプレックスがニクソンの生命取りになった」(p. 113) というような,おもしろい話がちりばめてあったりはするものの,あまり新鮮さは感じられなかった.3 章からは日本資本主義の分析など,小室らしい話題が登場するが,私にとってもっともインパクトがあったのは第 4 章「なぜ,天皇は「神」となったのか」である.最近は教育勅語が現在でも有効な常識的な内容だとする意見が多くなっているが,小室によれば教育勅語はキリストのような現人神である天皇が儒教にはないまったく新しい規範を説いたものであるという.これぞ小室天皇教の真髄であり,逆にいえば教育勅語の ”復活” に注意が必要だということでもある.
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日本と言う国がどのようにして誇りを失うようになったかの記述は一読に値する。いまだにGHQの呪縛がこの国を縛り付けているのだという事実が面白いくらいに伝わってくる。いい加減、日本人に目を覚ましてもらいたいものである。
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『誇りなき国家は滅亡する』
健全なる保守小室直樹氏の日本國論。
靖国問題から日本の外交問題など幅広く扱っている。社会学者宮台真司の師だけあって感情垂れ流しの文章でなく、客観的、学問的に今の日本、日本人に警笛を鳴らす。
かなりの良書。
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日本人は集団アミノーで全員発狂している。まだまだ知らないことが多すぎます。「痛快憲法学」を図書館で取り寄せ中です。
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よくできている。
日本が陥ったこの不可思議な歴史感の元凶。
”近代”日本というものの成り立ち。
天皇という制度。
日本に忍び寄る滅亡への足音とは。
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日本人としての誇りを持って生きる意味を知った。シキタリに縛られて伝統主義を生きる人間も2012年の時点で多く存在するのであろう。反日教育が原因とは断定できないが、急性アノミーの恐ろしさを知った。今後、日本は伝統主義、資本主義、民主主義の崩壊を見る事なるかもしれないと感じた。平成24年でも日本は戦後を生きているという認識が生じた。知のカリスマ小室直樹のDNAに触れるコトが出来る本。しかし、現時点の日本が非常に危機的な状況にあるように変化する(それが現実なのだが)ので気の小さい人には勧めれませんw
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革新の気迫を持ち敢為の精神に富み有能なる者は、新資本家などの資本主義の指導者に蝉抜したのであった。
武士が資本家になった。資本家は武士から供給された。155
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「伝統主義」――ヴェーバー社会学における最も大切な分析法の一つである。160
資本主義だけではない。近代法もリベラル・デモクラシーも、伝統主義を打破しないところにありえないのである。161
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戦訓に学ばない――日本軍に巣食う伝統主義
戦争に勝つ秘訣は、新事実から学ぶ、ということである。171
試行錯誤こそ戦闘の本領である。
錯誤から学んで新試行を行うところに戦勝の要諦がある。172
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日本人は天皇との「絶対契約」を結んだのであった。あとは、キリスト教諸国がやったようにタテの絶対契約(神との契約)をヨコの絶対契約(人間と人間の契約)に転換すればよい。
天皇の人間宣言が出されるに至って、神たる天皇と日本国民の絆は断ち切られることになる。
整いつつあった立憲政治の基盤はどうなる。232
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だから世界中の国は、その国の正統性を教育によって子どもに叩き込む。303
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「知の巨人」とも称される小室氏は人文・社会科学分野で高い学識をもち、多数の著作を残している。著作の中には「~原論」と題するものが多いが、それに倣えば本書は「現代日本原論」とも言えるだろう。
「日本国民に告ぐ」というセンセーショナルな表題は憂国の書にありがちではあるが、小室氏の主張は単なるイデオロギー論ではなく、人文・社会科学に基づく論理展開を伴っていることが特徴である。
本書は1996年に出版された同名の書を改定したものであるが、その内容は当時よりも安倍政権下の現在の方がより重みを増している。教科書問題、従軍慰安婦問題等を切り口に日本人の歴史認識がどのように形成されてきたかを分かりやすく解説している。そして、その内容が分かりやすいだけに、保守でも革新でもない多くの平均的な日本人は、少なからずショックを受けるだろう。自分がそうであったように。
そのうえで小室氏の指摘をどのように受け止めるかは読者の判断であるが、おそらく1996年当時よりも現代の方が共感できる人が多いのではないだろうか?約20年の間に小室氏の指摘の多くが現実の問題となっているからである。とりわけ、日本のマスコミがもたらしている弊害は、SNSの発達により明らかになりつつある。
本書は小室氏の著作の中でも代表作と呼ぶにふさわしい一冊だが、小室氏の著作に免疫のない方には先に「日本人のための憲法原論」を読むことを薦めたい。この2冊をセットで読むとより理解が深まるだろう。
今、本書を人に薦めると安倍政権支持と受け止められるかもしれないが、政治的なイデオロギー抜きにして多くの人に薦めたい一冊である。
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ストーリー
謝罪外交、自虐教科書、「従軍慰安婦」問題…。日本の行く末は大丈夫か。現下の危機の本質を歴史と社会構造にまでさかのぼり分析し、「日本人にとって今いちばん大切なこと」を考える。
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ニュルンベルク裁判は、国際法的根拠がある(ロンドン議定書)が、東京裁判は国際法的根拠がない。▼サンフランシスコ講和の後、日本の議会は戦争犯罪による受刑者の赦免(しゃめん)を決議(1953)。死刑や獄死した被告の死は公務死と見なした。死刑になった人も靖国神社へ合祀された。東京裁判の「戦犯」を否定した。
32年テーゼ。ソ連コミンテルンによる日本共産党への指令。皇室をロシア帝国の専制と混同し、「絶対主義的天皇制」と規定。これを打倒するため「ブルジョア民主主義革命」が必要と主張。
朝日新聞の戦争煽り。「欲しがりません勝つまでは」「撃ちてし止まむ」は朝日新聞が募集して宣伝に使った標語。「敵来たらば、『一億特攻』で追い落とそう」(朝日新聞 昭和20年6月14日朝刊)。「老人も女も来るべき日に備えよ」。満州事変以降、朝日の発行部数は急増(大儲け)。「欲しがりません勝つまでは」と紙面に載せる一方、編集局長は高級料亭で芸者遊びに興じていた。▼イアンプ強制連行捏造。吉田清治「本に事実を書いても何の利益もない。カムフラージュした部分もある。事実を隠し、自分の主張を混ぜて書く。新聞だってやっている」
※鈴木善幸。軍事同盟である日米安保条約を破棄する、と誤解されるような発言。国際法では、一方が破棄すると宣言すれば破棄される。問題に。社会党出身、国際法音痴。
※東京書籍。教科書上に官憲による「強制連行」があったかのように記述。▼謝罪する=賠償責任を負う。
※マッカーサーの両親は教育熱心。偏差値秀才。エリート意識が高い。GHQは事前検閲により報道の自由を害した。
※原爆投下の責任者は戦犯として裁かれなければならない。明白な国際法違反。
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日本人のための憲法原論を読み、アノミーという概念を知り、もう少し詳しく知りたいと思った。
この本にはより詳しく書かれている。
主張その良し悪しは別として、結論として国に誇りを持てというのは分かるが、その具体的内容は書かれていない。
情報資料としては面白く、憲法原論に続いて付箋も多く貼った。
全体的印象として、今の時代の右側の人達の主張が纏まったものという感じ。事実として異論は無いが、
ここで述べられてはいない著者の具体的解決策は、恐らく引き起こされ得る結果から想像するに、その道は絶対ではなく相対化され、咀嚼消化し止揚されるべきものだろう、と感じる。
著者の意図する具体的解決策はどの本に書いてあるのだろうか。それを知り、それをどう咀嚼し消化するか、が課題かと思った。