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あなたに不利な証拠として(ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブックス)
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紙の本

あなたに不利な証拠として (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS)

著者 ローリー・リン・ドラモンド (著),駒月 雅子 (訳)

警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰める...

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あなたに不利な証拠として (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS)

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商品説明

警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは…MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。【「BOOK」データベースの商品解説】

【アメリカ探偵作家クラブ(MWA)エドガー賞最優秀短篇賞(2005年)】警官を志望する若きキャシーは、レイプ被害者のマージョリーと出会う。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる−。男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く10篇を収録した短篇集。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

完全 19-31
味、感触、視覚、音、匂い 33-51
キャサリンへの挽歌 53-80

著者紹介

ローリー・リン・ドラモンド

略歴
〈ローリー・リン・ドラモンド〉テキサス州生まれ。ルイジアナ州立大学で英語の学士号とクリエイティヴ・ライティングの修士号を取得。大学で教鞭を取るかたわら執筆に勤しむ。

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みんなのレビュー51件

みんなの評価3.7

評価内訳

紙の本

透徹した表現が解体してゆく女性警察官たちの真実

2006/04/22 00:08

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:シュン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 MWA最優秀短編賞受賞作品。ポケミスで最近紹介されるものはほとんどが主要ミステリー賞の受賞作である。この作品にしても、普通であればさして話題にも上らないまま、単なるMWA最優秀短編賞で終わってしまうはずである。そう考えると、各所で声を大にして本書の価値を広めた書評家筋の功績は案外に大きい。
 この作品のどこが、それほどまでに書評家らの心を捉えたのかとの興味は当然いつも以上に深い。まず読み出してすぐに気づくのが、強烈なオリジナリティを匂わせた斬新さという点だろう。ぼくの場合、すぐに作品以上に、作者に対して強烈な興味を覚えてしまったのだが、なるほど、巻末解説によれば、この作者は警察官としての履歴を持った極めて稀有な女性作家なのだった。警察官を辞職したのが30歳での交通事故による。その後ガンをペンに持ち代えて、大学で文学の教鞭を取る傍ら創作の世界に踏み込んできたという履歴が、ある意味独自である。
 本書は、女性警察官たちを主役に据えた短編集だ。それぞれの短編が完全に独立したものではなく、むしろ連作短編集に近い構成となっている。ルイジアナ州バトンルージュ市警を舞台に、5人の女性警察官の物語を、すべて一人称によって描いたものである。
 この作品集の魅力は、まずその揺るぎなき一人称表現の豊饒さ、硬質さであると言っていい。文学の香気漂うシャープな切り口により、実体験に基づく地に足の着いた犯罪体験を、単なる犯行現場としてではなく、作者の五感で描き切るゆえに、読者がもたらされる臨場感は、かつて経験した覚えがないレベルだ。
 犯行現場は、警察官らにとって残酷を体験として彼女らの人生にまるで標のように与えられる。日常生活の混乱を携えながら、ヒロインらは翌日の仕事にふたたび取りかかろうとセルフコントロールを試みるが、それらは到底一筋縄では行かない。ときには精神に異変をきたし、ときには真夜中の犯罪現場に集まって、独自の儀式を執り行う。被害者の絶望を共有し、浄化しようと試みるのだ。救われない被害者の不条理を受け入れることができないままに、職業としての警察官を日々続けてゆくことの、これはダメージの記録でもある。
 女性警察官ならではの特異な苦しみに追いやられた彼女たちの選択肢が、ここではいくつもの短編作品を生み出しているのだ。時には男性警察官との距離感に悩む彼女らの孤独が、美しい地球の営みの中で、研ぎ澄まされてゆくようだ。
 本書の構成は、実はデリケート極まりない。女性警察官としての基本部分から、徐々にアウトラインを膨らませ、ストーリーは岐路に分け入り、逸脱、拡散してゆく。短編集は徐々に独自で孤独な世界を方々に拡げ、途方もない世界の果てにおいて、魂の再構築の物語が始まってゆくのだ。
 弱い心を抱きしめ、小鳥をそっと手のひらでくるむように魂を包み込む。甘えに限界を感じつつも他者たちと悲劇を共有し、人間の持つ根源的な業と直面する、あまりにもタフでハードな光景の具象例の数々に、池上冬樹は「心が震えた」と独白している。
 まさに心の琴線に響き合うごとき普遍的な音色が、ぴんと張りつめた透明な空気を伝わって、読者の心の芯の辺りを揺らめかせる。静かに、しかし容赦なく。
 表現の極北に迫る警察小説の、ある脱皮のかたちが、紛れもなくここにある。
 「彼女が書くものはこれから全部読む」とエルモア・レナードが言ったそうだ。さて、いったい何人の読者が同じことを考えるだろうか。

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紙の本

あとがきを先の読むことは一般的には興をそぐものだが、本作品では簡明な「訳者あとがき」、名文である、読んでおいた方がベターだと思われる。

2006/06/12 13:18

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者は警察官の経験があると訳者あとがきで紹介されているが、これはまさしく警察小説である。ただし、かなり異色だ。五人の女性警察官が一人称で語る短編集だが、事件そのものの不可解性よりも人間性に共通して潜むマイナスベクトルを丹念に時には残酷に切り開いてみせる。そしてそれもまた不可解のままに放置される。
「あなたに不利な証拠として」、このタイトルはなんだとたいがいの日本人はピンとこないだろう。ただアメリカ人の場合誰でも知っていそうな警察官の常套セリフなのだ。
原題『Anything You Say Can and Will Be Used Against You』はアメリカの警察官が犯人逮捕の際に告知を義務づけられている
「あなたには黙秘する権利がある」
の後に続く言葉で
「あなたの発言は法廷で不利な証拠として扱われる可能性がある」
からの引用句なのだそうだ。
訳者あとがきは
「この被疑者保護の精神と、すさまじい事件現場との皮肉なねじれが、本書の基調となっている」
と解説しているがこの解説は本著の狙いを過不足なく表現している。
お互いに銃器をもったもの同士、凶悪犯を拘束する現場は狂気の修羅場にあるのだから、法と正義の宣告なんて口に出す側も聞かされる側も何も意味を持たない実に滑稽な形式に過ぎない。人間の知性や理性が作り出した社会法則なんて極限状況では無力なのだ、そしてその不条理の中で生きているのが人間なのだと作者は全編を通して語っている。
第一編の「キャサリン」が素晴らしい。平穏な日常生活を送る婦人警察官が垣間見せる犯人射殺の後遺症。拘束現場の凄まじいストレス。優しさあふれる老婦人との近所づきあいがあって、事件の前後で対応が微細に変化したその老婦人を観察する神経質な彼女の視線。幼い日の花や木や草の懐かしい香りに対比される拭っても拭いきれない死臭。指や耳や目や鼻の感覚が事件現場用にならされてしまっていることに気がつく時のとまどい。幼なじみで遊んだ隣の姉妹に対する親の虐待と彼女たちのたどった悲惨な運命。そして伝説的英雄であった女警察官が思いがけなく見せる暗い性癖などなど。この物語のエッセンスがギュッと詰まっている。
読者はこの明暗、それはむしろ輝かしいところから見たより深い昏さなのだが、を感覚的に受け取り、自分のどこかに共通しているなにものかを感じながら、この世界にのめり込むことになる。
ラストの第五編「サラ」が秀逸であった。こうした救いのない煉獄エピソードを積み重ねた短編集であるかのようにみせて、著者は著者らしい感性をもって締めくくる。それは一種の「救済」である。女警察官の「わたし」はこの法と正義と秩序が貫徹しているかのように見える現代から逃避する。逃げて逃げて、そこは唯一神の存在しない、まだ呪術的信仰がのこる村落共同体であった。老女が逃亡者に語る、不条理のままに生きよと。千金の重みでそれは読者の心を揺さぶるであろう。
実は本編ではこの語りがスペイン語で書かれている。だから「訳者あとがき」の解説がなければ多くの読者は気づかないかもしれないのだが。
「多くのことを知っているつもりでも、本当は少ししか知らない。何もかもわかっているものなどいないと理解するまで、幸せには生きられない。自分が強いとうぬぼれてはならない。人はみずからの弱さを抱きしめるとき、強くなれる」
読み終わってふと居間のテレビをみたらNHK「あの人と会いたい」に遠藤周作の遺影があった。
「私の人生は薄汚いみじめな人生だった。だからよかった。満足できる人生なんてつまらないものだ」と。
特異なキリスト者・遠藤周作は人間性の本源にある「やさしさ」でもってこう語っているのだろう。
老女は人間社会の根源にある「みじめさ」でもって同じようなことを語っているのかもしれない。

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紙の本

ミステリとして、というより小説自体の完成度が高いです。しかも訳文が見事。12年の結晶をみごとに花咲かせていますよ

2006/07/22 23:23

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

原題は ANYTHING YOU SAY CAN AND WILL BE USED AGAINST YOU
ちなみに、 You have the right to remain silent と二つあわせて、アメリカで警察官が犯人逮捕のときに告知を義務付けられている、いわゆる「ミランダ警告」と言われています。こうして原文で読むと、結構迫力がありますねえ、人権・・・
カバーには
「アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞
景観を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは・・・・・・MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録」
とあります。ちなみに、この紹介文には間違いがあるので書いていけば、マージョリーはレイプされていません。あくまで未遂。ですから「レイプしようとした」が正しいです。うーむ、最近のハヤカワは乱暴だ・・・
まず、目次を書き写しておきます。全体は五部からなっていますが、実際には五人の女性の名前だけがタイトルとなっています。「第何部」というのは私が便宜上つけただけですので、よろしく。
長い謝辞に続いて本文ですが
第一部 キャサリン Katherine
「完全 Absolutes」:職務で人を射殺したキャサリンの脳裏にこだまするもの
「味、感触、視覚、音、匂い Taste、Touch、Sight、Sound、Smell 」:自分の子供時代の音は何だろう
「キャサリンへの挽歌 Katherine’s Elegy 」:新人教育の場に登場した長身の女性は
第二部 リズ Liz
「告白 Lemme Tell You Something 」:話好きの老人が樹を切りながら語るのは
「場所 Finding a Place 」:警察を辞めて二年、彼女が思い出すのは交通事故
第三部 モナ Mona
「制圧 Under Control 」:彼女が踏込んだのは家族が憎みあう現場
「銃の掃除 Cleaning Your Gun 」:子供を虐待した父と同じ職業についたモナの憎しみ
第四部 キャシー Cathy
「傷痕 Something About a Scar 」:カバーにある通り
第五部 サラ Sarah
「生きている死者 Keeping the Dead Alive 」:妻を虐待していた夫は犯人なのか
「わたしがいた場所 Where I Come From」:自分たちが犯した罪に怯えるサラは
となって、駒月雅子の「訳者あとがき」で終わります。
この本の評判をミステリ時評なので見て読み始めた人は戸惑うでしょう。確かに、警察官が出てきます。事件もあります。捜査らしきものも行なわれます。でも事件は、人間を描くためのきっかけ、背景に過ぎません。
カバーにもあるように、5人は同じ警察に勤める女性です。彼女たちが直面するのは、人を殺すということの意味であり、夫や父親による虐待や、自分の過去といった、まさに自分自身の悩みです。
それが、本当に美しい、というか、粘り気のある訳文で綴られていきます。この文章と内容から判断する限り、これは純文学ですね。警察を舞台にしたこういうタイプの小説は、日本にはないのではないでしょうか。近い、とすれば松本清張の短篇のいくつか。横山秀夫ではないですね。凝縮したものを感じさせる話です。

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紙の本

このリアルな描写は読者を選ぶ

2006/08/12 17:56

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゲベリン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ミステリー」の一冊として出版されているが、決して軽い読み物ではない。警官の物語であるから死や暴力に関するショッキングな描写もある。だが、むしろ主人公の心理描写の緻密さに特徴がある。そこには事件のこと以外は何も考えていないようなお定まりの刑事や警官はいない。主人公は私たちと同じように感じたり考えたりしている一人の人間。例えば車で移動しているときに同乗している同僚の何気ない言葉や仕草に妙にいらついたり、同僚に対してそんないらつき感じた自分を後悔したり…そんな感情の揺れまできちんと描かれていて、リアルである。
 だから現在苦悩やトラブルを抱えている人にはお勧めできない。実際私の友人はこう言った。「トラブルを忘れようとして本を読んでいるのに、普段自分が感じているのと同じ感情を読まされるので耐えられない」と。友人は途中で放り出したが、それらに耐えて最後まで読み終えた後の読後感は、奇妙に暖かい。
 短編集であるが、この本は最初から順番に読み進めた方がよい。最初は身近なところから始まり、小さな山や谷を越えながら物語は進む。そして最後の2編で最も険しく高い山に登り、その向こうで穏やかで安らぎに満ちた風景に出会い終わる。そんな旅のような本である。

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紙の本

なにより、小説としての完成度が、高い。

2007/02/09 23:31

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いやぁ、評判どおりの好作品でした。
そして、今年の「このミス」の海外部門の1位です。
 早川のポケミスは、長年変わらぬ装丁で
古い出版からこぼれた隠れた名作を出したりと
ずーっとシブい作品を出してきました。
 そのポケミスから、「このミス」の1位が出るなんて、、、。
紹介の装丁の写真に原書の装丁写真使ってましたから、、。
(ポケミスの装丁、シブすぎ、、。)
と書いたのですが、実は、新しい装丁で本屋には、現在並んでいます。
 うーんどうだろう、古いままの実直な早川さんが、好きだったのに、、。
 数人の女性警官を主人公とした、短編集で一人につき、二三篇の短編が描かれています。
そして、どの登場人物も少しずつ他の人物とリンクしていて、
全体で、かくして円環は、閉じたではありませんが、一つの世界観を作り出すように出来ています。
 ミステリとしてどうのこうのというより、兎に角、文章、表現力、構成なんかに置いて小説として兎に角、完成度が恐ろしくよく出来ている感じです。
警察官が、五感それプラス、直感にあたる大六感まで屈指して
職務に当らなければ、いけないように
 この作家もその全ての五感を読者が感じられるように
作家の想像力を屈指して、丁寧に描かれています。
警察官にとって、大事な直感が、作家が作品を描く上で
取って代わるのが、読者へ伝えたいという、作品への思いでしょうか?
兎に角、本当に小説としてよく出来ています。
 アメリカの警官として、一番に上がるのは、
やはり、銃の問題なのだ。ということも
よくわかりました。
 職務が犯罪者の暴力にさらされる危険は、もとより
警察官自身の所持する銃器による、過剰防衛の問題。
繰り返し、本書でも出てきます。
 日本人の立場からすると、
銃器を規制すれば、いいじゃにかと、いうと、
本書保守的な南部が舞台ということもあるのですが、
南部特有のマッチョな文化があり(警察は、その文化の最たるもの)
そうは、ならず、警察官個人が、犯罪者の銃器、自身の過剰防衛
全てを、思い悩み抱え込んで生きているといった感じです。
 本書のラストの短編は、
上記の問題も含め本書内に登場するすべての人に対する
癒しといった感じの一遍で。
 これがまた、恐ろしく、静かな作品ながら、読者に強烈に訴えかけてきます。
 これが、ラストにあることが、また本作品を高めている要因かと。
こういう作品が、宝島社の「このミス」の1位というのも、
まんざらでもないなぁ、と思った次第です。

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紙の本

ミステリに精通している人向けの本

2007/03/10 14:23

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どんな本にも、読者との向き不向きがある。本書は、ミステリ分野の本が好きな人で、小説としてもよくできているようなものを望んでいる人には最適の本なのだろう。
 実際、かなり立派な賞を受賞しているのだから、本書を読んで、さほど面白くないと思ったとすれば、選んだジャンルが違ってしまったということになるのだろう。
 私は、賞の立派さから、少々過大な期待を抱いて読み始めてしまったようだ。どこまで読み進めれば、賞にふさわしい展開になるのかと期待しながら読んだが、最後までそういうシーンには至らなかった。
 といっても、これは本書の落ち度でもなく、賞を与えた人の問題でもない。単なる相性の問題なのだろう。
 小説としてみれば、すらすら読み進められる訳のクオリティの高さは特筆に値するだろう。わずか数日で、読み終えられる訳書はそれほどないだろう。女性警察官の心理描写も巧みだ。一人の人間として警察業務に当たる使命感と苦悩が痛いほど伝わってきた。私たちの警察業務への理解はもっと高くあるべきだと感じだ。
 それにしても、前編を通じて出てくる「銃」の問題は、アメリカ社会をどれだけ危険に陥れているか、深く考えさせられた。現場に警察官がおもむくとき、銃の危険性を無視しては語れないのである。
 それにしても、事件現場の描写は生々しい。特に、女性が被害にあったときの様子などは、例えば、電車の中で読むときには周囲の目を気にしなくてはならないほどである。辛くて読み飛ばしてしまいそうになったりもした。ここまで、事件現場をリアルに描いてみせる著者の筆致に脱帽するしかない。
 ともかくミステリファンにはたまらない秀作なのだろうと思う。ただ、私には少々辛かったというのが偽らざる気持ちである。これは本書の出来とは無関係なのであるが。

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紙の本

世界が立派で明るくて、私たちも生き生きして可能性に満ちていた頃が過去になったことを思う物語

2007/04/15 21:47

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

ルイジアナ州バトンルージュ市警に勤める5人の警官たち(キャサリン、リズ、モナ、キャシー、サラ)をめぐる10の短編小説集。
 「このミス」の海外部門1位に選出された作品ですが、ある種の犯罪が起きてその真相に迫るというミステリーにはなっていません。

 作者のローリー・リン・ドラモンド自身にバトンルージュ市警勤務の経験があり、痛ましい事件現場や酸鼻きわまりない他殺体の描写は、そうした修羅場を幾度も味わった者でなければできないほどの迫力をもっています。
 こうした現実の陰惨さに、市民の安寧と社会の秩序を守るという高邁な理想のもとに参集したはずの彼女たち女性警察官たちは、心身ともに疲弊しきっていきます。疲労困憊する彼女たちは、恋人や家族や社会と均衡を保った健全な関係を築くことができなくなっていきます。

 どの物語も、かつて抱えていたはずの大きな輝きと可能性を、いつのまにか過去のどこかで置きざりにしてしまった女性たちの哀しさが刻み込まれています。

 殊に、あたかもエッセイのような趣をもった語り口の、キャサリンをめぐる3編には心をわしづかみにされました。キャサリンという魅力的で有能な警察官の、若かりし頃から殉職後までを綴った物語ですが、決して聖人君子ではないひとりの女性の人生の生々しさを溜め息とともに読みました。

 それぞれの物語は決して心軽やかにしてくれることはないはずなのに、なぜ心魅かれるのか。
 おそらくそれは、警察官ではない私も、彼女たちの姿に我が身を重ね置かずにはいられない今を生きていることを思い起こすからでしょう。社会に出たときに、持っていたあの思い。そして今の自分の思い。
 彼女たちひとりひとりの中に、自分の姿を見ないことはない。彼女たちのやりきれなさが、この私のやりきれなさに重なることを思い返しながらの読書だったのです。

 いろいろと思うところの多い、大人のための小説だと感じました。

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紙の本

ローリー・リン・ドラモンド、元警官の作者が描く女性警官の懊悩。

2010/07/05 18:45

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 僕が今、新作を待望している作家、それがこのローリー・リン・ドラ
モンドだ。それほどに「あなたに不利な証拠として」は素晴らしいでき
ばえの小説だった。
 
 女性警官たちを主人公にした連作短編集で、それぞれの主人公の名が
タイトルになっている。キャサリン、リズ、モナ、キャシー、サラ。最
初のキャサリンの物語から僕らは彼女たちが生きている世界にグイグイ
と引き込まれていく。キャサリンは職務中に強盗を射殺した。元警官の
作者は、女性警官の日常の行動を、事件現場の状況を、射殺にいたるま
での心の動きを、その後の懊悩する姿を、そのすべてを精緻なタッチで
描いていく。まるでその場にいるように。苦しみもがくキャサリンの側
に寄り添うように。

 交通事故で辞職を余儀なくされたリズ、同じ警官である父親との確執
に苦しむモナ、レイプ事件の被害者との因縁めいた関係に驚くキャシー、
ある事件のあと職場を捨てニューメキシコに逃避したサラ、それぞれの
話が同じようにリアルに描かれ、読後に大きな余韻を残す。作者が現場
をよく知っている、ということだけではこんな小説を書くことはできな
い。ローリー・リン・ドラモンドは、洞察力、観察力、表現力が飛び抜
けて素晴らしいのだ。警察小説ではない物語もぜひ書いて欲しい。この
人の作品なら絶対すごいに違いないから。文庫版も出ているが表紙が今
ひとつなので、ここはやはりポケミス版をおすすめしたい。


ブログ「声が聞こえたら、きっと探しに行くから」より

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2010/01/04 10:43

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2006/06/14 12:38

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2008/06/02 01:51

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2007/01/24 23:32

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2007/02/27 01:41

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2007/04/01 15:37

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2008/06/03 23:34

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