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紙の本
病魔という悪の物語 チフスのメアリー (ちくまプリマー新書)
著者 金森 修 (著)
20世紀初め、腸チフスに罹ったとされ、突然病院に収容されてしまったメアリー。「毒を撒き散らす悪女」として恐れられた彼女の半生を辿りながら、伝染病への偏見などを考える。【「...
病魔という悪の物語 チフスのメアリー (ちくまプリマー新書)
病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー
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商品説明
20世紀初め、腸チフスに罹ったとされ、突然病院に収容されてしまったメアリー。「毒を撒き散らす悪女」として恐れられた彼女の半生を辿りながら、伝染病への偏見などを考える。【「TRC MARC」の商品解説】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・緊 急 復 刊! これは、明日の私たちだ──100年前のアメリカを震撼させた衝撃の実話。伝染病の恐怖と闘う現代人が、今読むべき歴史的教訓の書!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・料理人として働いていた彼女は、腸チフスの無症候性キャリアとして、本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた――。20世紀初め、毒を撤き散らす悪女として「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る。エイズ、鳥インフルエンザ、新型コロナウイルスなど、伝染病の恐怖におびえる現代人にも、多くの問いを投げかけている。「これは、ある一人の女性の生涯の物語だ。その女性は、料理がとてもうまい人だった。子どもの面倒見もよく、雇い主からは信頼されていた。だから、料理に存分に腕をふるい、雇い主にも信頼されてそのまま生活していけたとすれば、貧しいながらも、それなりに幸せな人生だったろう。だが、その女性には過酷な運命が待っていた。三七歳になったあるとき、突然、自分自身には身に覚えもないことで、公衆衛生学にとっての注目の的になり、その後の人生が大きく変わっていく。突然、自由を奪われ、病院に収容されるのだ。」─「はじめに」より【目次】第1章 物語の発端(事件以前のメアリー チフス患者の発生 ほか)第2章 公衆衛生との関わりのなかで(腸チフス チフスと戦争 ほか)第3章 裁判と解放(法的な問題 「チフスのメアリー」の露わな登場 ほか)第4章 再発見と、その後(自由になって 恋人の死 ほか)第5章 象徴化する「チフスのメアリー」(一般名詞化するメアリー 勝ち馬に乗る歴史 ほか)「恐ろしい伝染病が、いつ社会に蔓延するかは誰にもわからず、もしそうなれば、電車で隣に座る人が、恐ろしい感染の源泉に見えてこないとも限らない。(略)そして、この生物学的な恐怖感が私たちの心の奥底に住み着き、いつその顔を現すかはわからないような状況が、人間社会の基本的条件なのだとするなら、未来の「チフスのメアリー」を同定し、恐怖を覚え、隔離し、あざけり、貶めるという構図は、いつ繰り返されてもおかしくはない。(略)もし、あるとき、どこかで未来のメアリーが出現するようなことがあったとしても、その人も、必ず、私たちと同じ夢や感情をかかえた普通の人間なのだということを、心の片隅で忘れないでいてほしい。」─本文より抜粋【商品解説】
目次
- 第1章 物語の発端(事件以前のメアリー チフス患者の発生 ほか)第2章 公衆衛生との関わりのなかで(腸チフス チフスと戦争 ほか)第3章 裁判と解放(法的な問題 「チフスのメアリー」の露わな登場 ほか)第4章 再発見と、その後(自由になって 恋人の死 ほか)第5章 象徴化する「チフスのメアリー」(一般名詞化するメアリー 勝ち馬に乗る歴史 ほか)
著者紹介
金森 修
- 略歴
- 〈金森修〉1954年札幌市生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。パリ第一大学哲学博士。東京大学大学院教育学研究科教授。著書に「フランス科学認識論の系譜」「負の生命論」「バシュラール」など。
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考えさせられました
2020/05/29 18:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀初頭、アメリカで蔓延した感染症、腸チフスにかかった家政婦、メアリーさんの数奇な人生を取り上げた本です。
メアリーさんは離島に長期間隔離され、自由を取り戻すことなく死去。死後も「チフスのメアリー」と揶揄されるなど、さながら悪魔扱いされてきた事が如実に記されています。著者は世の中がメアリーさんをここまで悪者扱いするのはいかがなものか?と読者に問いかけています。今、新型コロナウイルス感染症が話題ですが、メアリーさんの数奇な人生は「明日は我が身では?」と思うと背筋が凍りつきました。本当に考えさせられる内容でした。
紙幅が140ページと、新書としてはかなり薄いです。文章の行間隔も広くとってあり、気軽に読めるように仕上がっています。若い人たちにも読んでほしい1冊です。
紙の本
大衆迎合的なジャーナリズムによって産み出された「チフスのメアリー」という言葉が彼女自身から切り離されて独り歩きする恐ろしさ。私たちは自分の感覚的な物の見方だけで人を評価して良いのか。
2020/08/06 15:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は科学史・科学思想史の日本人研究者。「チフスのメアリー」と呼ばれていた女性、100年前のアメリカで、腸チフスのキャリア(腸チフスに感染していながら本人には自覚がない)として初めて特定され、37歳以降ほぼ生涯隔離されてしまった女性である。この本を読んで驚いた。当時、この「メアリー」以外にも数多くのチフスのキャリアが存在していたにもかかわらず、彼女だけが生涯にわたり公衆衛生局によって自由を奪われ、隔離されたのだ。それはなぜだったのか。著者は丁寧に、「メアリー」の背後にある社会的事象、感染症に対する人間の恐怖心がどんなふうに社会に生じるかについて紐解いていく。個人の自由と社会の多数を守るための犠牲について、「メアリー」の物語はたくさんのことに気づかせてくれる。
紙の本
レッテルを貼っておしまいか?
2020/05/08 21:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ合衆国に実在した女性メアリー・マローンを紹介しながら、当時偏見の目で見られ勝ちな立場であったこと、ほかにもチフスのキャリアの男性がいたにもかかわらず、メアリーほど厳しく扱われなかったことが語られている。
十代向けとはいえ現在の状況からいって、大人も読んで一考すべきだ。
紙の本
繰り返される過ち
2020/07/08 09:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
19世紀末に失意のうちに亡くなったひとりの女性が、21世紀に甦ってきたかのようです。感染者への偏見や差別を、如何にして防ぐのか考えさせられます。
電子書籍
気の毒過ぎて
2021/08/31 22:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
腸チフスのキャリア、無症状の保菌者、という理由で、37歳からの人生がこれでは……。理不尽すぎます。しかし、現代とて、いろんな病気の偏見はあるわけで……。そう思うと……。