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風に舞いあがるビニールシート
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.9 350件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.5
  • 出版社: 文藝春秋
  • サイズ:20cm/313p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-324920-9

紙の本

風に舞いあがるビニールシート

著者 森 絵都 (著)

愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。【「BOOK」データベースの商品解説】【直木賞(1...

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風に舞いあがるビニールシート

1,512(税込)

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商品説明

愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。【「BOOK」データベースの商品解説】

【直木賞(135(2006上半期))】国連で難民事業に携わる里佳は、上司で元夫のエドがアフガンで死んだという知らせを受ける。そして、エドがアフガンで助けた少女のことを伝え聞き−。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

器を探して 7-51
犬の散歩 53-96
守護神 97-139

著者紹介

森 絵都

略歴
〈森絵都〉1968年東京生まれ。早稲田大学卒業。「リズム」で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。「カラフル」で産経児童出版文化賞、「DIVE!!」で小学館児童出版文化賞を受賞。

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みんなのレビュー350件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

大切なもの、それは確固たる信念。

2006/11/07 18:42

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分が大切に思っている何かのために、懸命に生きる人々の6つの物語。
表題作をはじめとして、自分の確固たる信念のために、自分の人生までもを懸け、生き抜いてゆく姿に心を打たれた。
心から大事に思っているものに対して、困難にも負けずに真摯な気持ちで向き合い、そして、懸命に生きてきたからこそ与えられる贈り物が、この本にはたくさん詰まっていた。
それは、特別な事ではなく、自分の思いを大切に暮らしていけば、誰にでもみつけられるもののようで、読んでいてとても勇気付けられた。
自分に足りない何かを教えてもらったようで、読み終えるまで、涙がぽろぽろとこぼれて仕方なかった。

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紙の本

この完成度の高さは、やっぱり本命でしょう。気になる点があるとすれば、角田光代や三浦しをんとカブル印象をあたえるところ。でもね、この作品集は狙ってますよ、絶対

2006/07/11 21:33

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある意味、いかにも森絵都の本らしいブックデザインです。まず、ハヤシマヤの装画ですが、本のタイトルがそのまま思い浮かぶような、風が吹き抜けるような都心の公園の情景が、油絵の筆跡も鮮やかに、そして爽やかに描かれています。しかも、その左上に小さな字でタイトルと著者名があって、本の下のほうに1センチくらいの白い空白があります。これが実に洒落ています。背の字のは言い方もスマート。カバー表の字の並び方比較するとさらに楽しめます。その装丁は、( )が面白い池田進吾(67)。
で、今回も勝手にこの作品を直木賞の本命に押してしまうんですね、私。事前に騒いでそれが足を引っ張るとも思えないので書いちゃうんですが。それほどに、この作品集のレベルは高いです。無論、一種の競争ですから、相手もいるわけですが、これがちょっと役不足かな、って思うんです。ま、候補作はたまたま半分読んだだけなんですが。
今回でいえば、伊坂幸太郎の『砂漠』ですが、もっといい作品が過去にありました。宇月原晴明『安徳天皇漂海記』についていえば、文体が直木賞にはあわないでしょう。古処誠二『遮断』はある意味、もっとも深い話なのですが、今の日本人があの戦争を真面目に見つめることができるとは思えない現状から、残念ですが遠慮しておきます。貫井徳郎『愚行録』は進境著しい作家の仕事ですが、ちょっと特殊、三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』は、この作家としては甘い。
ま、手放しで森絵都を押すか、と言われれば、角田光代、或いは三浦しをんと被っている点が気にはなります。そこで私は本命 森、対抗 古処、大穴 宇月原としておこうと思います。ま、今回の候補者は誰が賞をとってもおかしくはないんですが。お遊びはここまで、あとは内容紹介。
自称、お嬢様。本場フランスでお菓子つくりの修行をしてきた美貌のヒロミの作り出すスィーツに魅せられて、彼女ととともに歩み始めた弥生は、マスコミの寵児となった主人に振り回されて「器を探して」。 毎日のように捨てられ、引き取り手のないままに処分されていくペットの犬たち。なんとか里親を見つけ出し、犬たちに幸せに生きて欲しい、ボランティアのために水商売の世界に入った恵利子の「犬の散歩」。社会人大学生の強い味方、いや最後の砦?伝説のニシナミユキに再開する祐介の「守護神」。
25年ぶりに潔が訪ねた町。仏像修復工房で働いていた彼が出会った不空羂索像。一体の仏像が師弟の間を切り裂いて「鐘の音」。誇大広告、とクレームがついたことで先方に謝罪に行くことになった健一の連れは、助手席で携帯電話をかけ続ける新人類「ジェネレーションX」。元夫だったエドが死んで以来、国連難民高等弁務官事務所での仕事に身が入らなくなった里佳、彼女が思い出すのは七年間の夫との結婚生活「風に舞いあがるビニールシート」。
繰り返しますが、どの作品もレベルが高いです。重松清の作品がいかにも一時代前のオジサン風に説教臭くなっているのに対して、その次ぎの世代の作家たちからはそのような高圧的な、或いは教条的なところが感じられません。それでいて、人間をしっかり見つめているのですから、我が家の高校生長女が森や三浦、角田の作品を評価するのも当然でしょう。
無論、涙を流すことは可能です。「犬の散歩」「風に舞い上がるビニールシート」で、心を動かさない人はいないでしょう。或いは、いかにも現代人らしい優柔不断さが読者を苛つかせる「器を探して」「守護神」。こんな話も書くんだと感心させる「鐘の音」「ジェネレーションX」。

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紙の本

人生に向き合う姿が読者の胸を熱くさせる完成度の高い短編集。

2006/07/01 04:44

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

別冊文藝春秋に連載されてたものを単行本化したもの。
全6編からなるが、ひとことで言えば人生の喜怒哀楽が詰まった作品集と言えそうだ。
森さんの本当にいいところは“頑張って生きている方への応援歌的な話”を誰よりも巧みに書ける点であろう。
正直な話、本作をエンターテイメント作品のカテゴリーに入れるのはもったいないような気がする。
ただ、単に読んで楽しむと言うだけのものではない。
読んで吸収して消化までしたい作品の数々。
主婦やサラリーマンにとってのどのように生きるべきかの指南書的な本ですね。
自分がそうだから余計に肩入れするのかもしれないが、不器用な人が好きだ。
どの作品も普段、働き疲れている読者にもう少し頑張ってみようかなと言う活力を与えてくれる内容のものばかりである。
まず冒頭の「器を探して」。
主人公のように何かに板ばさみになっていることって多々あるであろう。
思い切ったラストの気持ちの切り替えにに度肝を抜かれた方も多いはずだ。
次の「犬の散歩」は犬の里親探しのボランティアをするために晩にスナックで働く女性が主人公。
こだわりをもって生きるって難しいってことである。
「守護神」は夜間の大学が舞台。
代筆レポートをめぐる男女の会話に魅せられる作品。
「鐘の音」は仏像が好きな男が主人公の物語なんであるが、この作品集で一番不器用な主人公である。
人付き合いが下手で、師匠をも怒らせるのであるが運命が彼の人生を変える。
これも彼の信念が強かったからだと信じたい。
個人的にどの作品が好きかと聞かれたら、意外かもしれないが、次の「ジェネレーションX」と答えておこう。
唯一明るめの作品と言っても良いだろう。
どちらかと言えば、『DIVE!!』のような開放感を味わえる作品ともいえるんじゃないだろうか。
携帯電話魔の若者石津のキャラが面白いですよね。
そして女性の方には表題作を読んで欲しいな。
もちろん感動度では一番の作品である。
国連難民高等弁務官事務所に勤める主人公であるが、亡くなった元夫エドの悲しみに明け暮れる毎日を過ごしている。
現場主義を貫き通した夫とのなれそめやすれ違いが生じた結婚生活を振り返り、現状との差異を明確に読者に知らしめてくれる。
ラストの感動度と爽快さはなんとも言えないのである。
私は単純に不況とは言うが今の日本人の平和と幸せを再認識した。
あと、物事をもう少しワールドワイドに見つめなおすことの必要性を感じた。
それにしてもこの洗練された文章と読者を圧倒させるストーリーテリングはなんなんだろう。
森さんの児童書に未読のものがあるのでなんともいえないのであるが、今後どんな作品を上梓し続けるのであろうかという期待感を抱かずにいられないのである。
個人的な意見であるが、本作にはハートウォーミングという形容は当てはまらないと思う。
私は“鳥肌の立つ作品集”という形容をつけたいと思っている(笑)
のほほんと生きている自分へのいましめとして読むべきであると思った。
さあ、あなたも生半可な気持ちで読むべき作品ではないということを肝に銘じてページをめくってほしい。
読み終えたあと、森さんの凄さを認識できた方は大切な何かを思い起こせた証拠であると確信している。
はたして、あなたは大切なひと(こと)を大切にするということを怠っていないであろうか?

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紙の本

まじめな短篇集

2008/02/15 22:51

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

非常にまじめな小説だと思います。
登場人物がまじめだとか
筋が品行方正だとか、そういう意味ではなくて、
小説に対する取り組み方や、
作りこみかたが非常にまじめだと思います。
それは、本の最後に付されている、
謝辞と参考文献リストを見てもはっきりしています。
仏像の修復や、国連の仕事を舞台とした作品があるのですが、
そのためかどれもすきがありません。

わたしは、
このモデルとなっている大学をよく知っているだけに、
「守護神」が一番すきでした。

情熱には○。
どの作品も、はっきりではないにしろ、
共通してこういっている気がします。

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紙の本

夢中になれるもの

2006/08/15 09:30

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:モモ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「器を探して」「犬の散歩」「守護神」「鐘の音」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」の6つの短編集で直木賞受賞作品です。
何が大切かは個人の価値観によるもので人生もそれぞれ違うもの。一般に幸せと言われている人生とは少し違っても大丈夫と勇気を与えてくれる作品です。器用には生きられないけれど自分が選んだ道で頑張っている主人公たちは、実はどこかに迷いもある。それでも一歩を踏み出していく。それぞれテーマの重さはちがうけれど、心に残る作品集だと思います。
特に爽やかで楽しい「ジェネレーションX」、重いテーマだがどんどん引き込まれ考えさせられる表題作の「風に舞いあがるビニールシート」が印象的でした。「器を探して」の主人公を夢中にしたお菓子が美味しそうです。

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紙の本

レポートに苦しむ大学生必読です(笑)

2006/08/08 00:00

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

やりました!!(●≧∀)/ついについに!!大好きな森絵都さんがこの作品で直木賞を受賞しました!!!!!嬉しすぎ☆★
実は発表前にすでに図書館で借りて読んでいたのですが、一章だけどうしても読めない章があって(購入した今も実は読めてなかったりする…)感想文は先送りにしてました。
この作品、本当よく出来てる!
森絵都さんの作品のいいところは、作品を出すたびにどんどん文章がうまくなっていってるとこ!題材もいっぷう静かなのに面白くて、完成度めちゃ高し!!
この作品で一番のオススメは「守護神」の章。
主人公は二部の大学生。
この大学の二部には「レポート代筆の達人♀」がいて、彼もその達人の噂をたぐり、彼女にレポート代筆を依頼します。
ふつうレポートの代筆って、面倒だったりうまく書けないから頼むものですよね?彼女もそういう意識を持って、自ら選んだ人たちに代筆していた。
しかし主人公のこの青年。代筆の理由がちょっと謎。いったい彼はどうして彼女にどうして代筆を依頼したのか…。
この青年…すごいです!不器用なくせにカッコいい!思わず応援したくなっちゃいます。
これね…読んだあと、すごい勇気が出てくる!大学生は絶対読むべき!
私はこれを読んだあと書いたレポート、参考文献を10冊以上も使って大作をなんなく書き上げられましたよ!!(笑)
こんなストーリーを書けるなんて、森絵都は天才だ!と改めて思いました。

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紙の本

この方の作品が好きで、読みました。

2014/10/30 22:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

この方の作品が好きで、読みました。
短編集。どれも文章がうまくて読み易いです。ただ、人物の感情が理解し難かった点が自分に合わないかな、と思いました。

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紙の本

揺るぎ無い信念。

2007/09/10 01:49

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

森絵都の直木賞受賞作だということで、以前から読みたいと思っていた。長編かと思っていたけど、6つから成る短編集である。
 最初の『器を探して』は、たった一つの器を求めて出張する弥生を要に語られているが、彼女が属するケーキ屋のオーナー、ヒロミのこだわりといったら凄まじいものである。そのヒロミは、芸能人のようなイメージが湧いてくる人物で、弥生はマネージャー的立場のようでもある。弥生は出張中に結婚という安泰と、仕事との間で葛藤を味わうがそれでも信念を貫こうとする。自分が力を添え、ラ・リュミエールの名を広めようという強い信念である。ヒロミの嫌がらせに耐えつつ、日々雑事をこなしていく弥生だ。いいように使われているだけだと周囲には映っていても、弥生は揺るぎ無い信念でヒロミの世界を必死に守ろうとしているのが凄い。
 次に展開される『犬の散歩』には心が打たれた。日常でも、飼い主の身勝手で無責任に手放されたり、虐待を受けている動物たちのニュースというのは入ってくる。まだ中学生の頃、近所の野良猫たちが一斉に、保健所の係員たちに捕まえられて保健所へ運ばれたことがあった。その時に、保健所に運ばれた猫たちは一体、どうなってしまうんだろう?と漠然と考えていたことがあっただけに、このストーリーには目を瞠ったものだ。恵利子の父親は犬嫌いだったけれど、ちょっと人気のないビビを少しずつ段階を踏んで受け入れていく姿には感動である。
 『守護神』は、学生である自分によく浸透した。多くの学生が代筆をニシナミユキに依頼し単位を取るが、そのニシナミユキは伝説的存在で居所がつかみ辛い。生徒たちは色んな情報は持っていても、事実謎である。やっとの思いでニシナミユキとコンタクトが取れた裕介だが、一度は完敗する。二度目のコンタクトで、ニシナミユキに諭された。彼女は、正当な理由があって本当に困っている学生の助力を惜しまないが、その基準は実に厳しい。だけど彼女の言っていることは的を射ているし、もっともである。最終的には裕介の内面を見抜き、問題を解決へと導くわけだが彼女が説いた金次郎―勤勉、真面目、努力…日本人の美徳であったはずのこれらを見失い、バカにしつつある今こそ、バック・トゥ・ザ・キンジロー!―は説得力がある。
 最後の『風に舞いあがるビニールシート』は世界情勢を的確に捉え、組み入れた見事なストーリーだった。戦争の真っ只中ではない国々、住む家があり、きちんとした食事が摂れる生活の中に居る人たち-私も含め―には到底想像もつかない状況であろう内戦の国にいる人たちの生活。もちろん、日本だって昔は戦争がひどく、住む家も無く、食べる物にも困った歴史があるけれども私は平和な時代に生まれ育っているので祖父母の記憶の上でしか、戦争のことは知らない。このストーリーを通して改めて、自分の環境が恵まれていることを思い知った気がした。普段は多くの不満を抱えてはいても、地雷が埋まっていない土地で、日々怯えずに暮らせている環境は恵まれていると思った。
 いくつか森絵都の書物には触れてきたが、どれも普段見えていない事柄が浮き彫りにされ、勇気付けられる作品である。今よりもずっと柵が少なく、純粋だった時代の心持であったり、本書のようにある程度大人になった状態で読んで初めて見えてくる、学べる事柄もある。本書に登場する人々はみな、揺るぎ無い信念の元に日々を過ごしているので読者としても目が覚める部分がある。そうだ、動かなくては、という気になる。

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紙の本

直木賞とは関係なく読んで。

2006/07/15 10:01

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読んでいる最中の本が直木賞を受賞するとは、やや複雑な気持ちだった。
賞にふさわしいかどうかを私が批評できるはずもない…けれど、何だか違和感を覚える。諸手を挙げて賛成というわけでもなく、かといって猛然と反対というほどでもない、突き詰めて考えれば「普通」な印象を受けてしまうことに。
六話収録されている、そのそれぞれが異なる表情を持っていて、そのこと自体はおもしろいと思う。だが、例えば「守護神」のニシナミユキが国文学のテーマのレポートなら何でも書ける、という設定は、国文学はそんなに甘いものじゃない、記憶していれば書けるというようなものじゃなくて文献に直にあたることが必要になるんですと言いたくなるし、「犬の散歩」では犬の保護ボランティアのためにホステスをする恵利子の考え方にちょっと反発を感じるし、話のくくり方にもある種のおさまりの悪さのようなものを感じる…という風に、ぽろっぽろっと不満とまではいかないが不協和音のようなものが存在するのが気になった。その一方で意外な爽快感を伴うユーモラスな話が「ジェネレーションX」だった。これは、商品のミスを謝りにいく途中、他会社の若い社員がべらべらと携帯でしゃべることからちょっと意外な方面に話が転がっていくという、落語の雰囲気を漂わせるような話で、大義とか正義とか社会性を背負った話ではおよそないのがいっそ気楽でよい。
…と、色々考えるとプラスマイナスゼロといったところになろうか。

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紙の本

予定調和の印象がぬぐえない短編集

2007/03/10 16:53

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

6つの短編を収めた一冊で、表題作は昨2006年の第135回直木賞受賞作品。

 同じ著者の「いつかパラソルの下で」(角川書店)では、“人生を誰かのせいにしたりはしない”前向きな主人公の姿勢に感銘を受けながら読んだものです。本書に収められた作品群でも、主たる登場人物たちは自らの巡り合わせの悪さの責めを他人に負わせるような愚は犯しません。その一歩手前で踏みとどまろうとしている様子が見て取れます。そこに彫りこまれた著者の人生哲学には好ましいものを感じました。

 しかし、不満も残ります。どれも物語の辿り着く先が、お話の中途でおおよそ予想がついてしまうのです。
 「犬の散歩」は、子供が出来ないために舅の覚えがめでたくない主婦の物語。この義父と義娘の関係の収束は望めるのか?
 表題作の主人公の元夫は、UNHCR職員で、仕事の途中で客死しています。彼は職場の同僚でもある妻にかつて、難民の国で実地に仕事してみることを盛んに勧めていたのに、彼女はそれを頑なに拒んでいました。最後に彼女が選んだ道は?
 と書くと、大抵の読者には容易に予想がつくのではないでしょうか。

 実際のところ、ぐずぐずする姿勢をほんのいっとき垣間見せる主人公たちが、後段では必ず、ぎこちなくはあるものの、確かで新たな一歩を踏み出すことになります。しかしそんな道程にさほどの障碍ややりきれないほどの逡巡は存外見られません。それはおそらく、どれもが短編であるがために、割くことが許された紙幅が圧倒的に足りなかったからでしょう。
 起伏がない淡白な展開のまま、予定調和に向けてまっしぐら。そんな印象の強いお話に仕上がってしまっているように思えてなりません。

 著者・森絵都の紡ぐ日本語の確かさは前作同様変わることなく、私の大いに好むところです。ぜひ、次回は読者を大きく振り回すような想定外の出来事を盛り込んだ、長編小説を期待してやみません。

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2006/08/01 14:54

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2015/06/10 19:45

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2006/10/22 09:27

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2006/08/15 18:11

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2006/09/01 15:36

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