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紙の本
とるにたらないものもの (集英社文庫)
著者 江國 香織 (著)
とるにたらないけれど、欠かせないもの。気になるもの。愛おしいもの。忘れられないもの—。輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、子守歌、フレンチトースト、大笑い…etc.。そんな有...
とるにたらないものもの (集英社文庫)
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商品説明
とるにたらないけれど、欠かせないもの。気になるもの。愛おしいもの。忘れられないもの—。輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、子守歌、フレンチトースト、大笑い…etc.。そんな有形無形の身のまわりのもの60について、やわらかく、簡潔な言葉でつづられている。行間にひそむ想い、記憶。漂うユーモア。著者の日常と深層がほのみえる、たのしく、味わい深いエッセイ集。【「BOOK」データベースの商品解説】
とるにたらないけれど、かけがえのないものもの。
輪ゴム、レモンしぼり器、ヨーグルト、石けん、りぼん…etc. 日常のなかの、ささやかだけど愛すべきものたちにまつわる記憶や思い。やわらかな言葉で綴る絶妙なショートエッセイ60編。(解説/佐々木敦子)
【商品解説】
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紙の本
愛すべき過去と孤独
2007/03/16 22:23
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトウジョン - この投稿者のレビュー一覧を見る
他人から見ればとるにたらないもの、けれども江國香織にとってみればかけがえのないものたちにまつわるエッセイ集。
各篇3ページ前後という短さでまとめられており、けれどその短さがさっぱりと潔い。
「カクテル」「お風呂」「化粧おとし」「ケーキ」など、いかにも江國香織的な・・・彼女を好まない人たちの言葉を借りれば、『万年少女趣味』的なものものから、「輪ゴム」「焼き鳥」「競艇」など、ちょっとイメージのわかないものまで、作者にとって愛着のあるだろうものものが、作者独特のゆったりとした文章で語られている。
本書以外のエッセイも含め、私が江國香織のエッセイに惹かれる理由は、彼女が語る日常が愛すべき過去の出来事として語られているというノスタルジーと、現在の幸せも所詮不確かなものである、という絶対的な孤独が感じられるから。
そしてそれが自分にとってもとても共感できることだから。
例えば『食器棚』より、夜中の台所で彼女はひとり考える。結婚も、夫も、この日常も何もかもが嘘なのだ。自分ひとりの空想なのだ。それはぞっとすることだけど、不思議と腑に落ちることでもある・・・。
立場は違えど、私自身これと似たようなことを考えることがある。
親元を離れてからもう随分たつというのに、自分がまだ小さな子供であるかのような気がするときがあるのだ。
本当はまだ実家の自分の部屋にいて、大人になった自分を空想しているだけなのではないのか?
一人で暮らして、働いて、自立しているなんて信じられないから。だって自分は子供だった時と同じ中身なのに。何ひとつ変わっていないのに。
こんなふうに考えてしまうのが自分だけではないのだと、江國香織の作品を読むとほっとするのかもしれない。
彼女の文章を読んで、全然泣くようなところではないのに泣きたくなってしまうのは、きっとあまりにも身に覚えのあることだから。
他人には言わない自分だけの頭の中のこと。
本当は皆似たようなことを思っているのかもしれないけれど、自分では上手く言えないことを、実に確かに文章にしてくれる江國香織は、やはり大人の女性の代弁者だと言えるのだと思う。
紙の本
とるにたらないもの。
2021/09/12 21:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
言葉にするのは難しい、私の中にもあるものもの。江國さんが文章にしてくれて、なんかほっとする。心に響く文章を書く人と同じ気持ちになる瞬間があってほっとする。でも、全部じゃなくて、私にとってもはどうでもいいこともあってほっとする。推理小説に逃避する江國さんにほっとする。
紙の本
とるにたらないものについて
2020/04/23 13:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者にとってのとるにたらないものについてそれぞれ語っているエッセイ集。
とるにたりないけれど、言葉にするのってなんだか難しい。
何がいいのかわからないし、取り立てて説明するほどのものではないけれど、なんか好き。
そういうの何故だろうって考えて、こうやって表現するのも楽しいのかもしれない。
自分もとるにたりないものについて書いてみたくなった。