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重力ピエロ(新潮文庫)

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.7
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/485p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-125023-5

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文庫

紙の本

重力ピエロ (新潮文庫)

著者 伊坂 幸太郎 (著)

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎の...

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重力ピエロ (新潮文庫)

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兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは—。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。【「BOOK」データベースの商品解説】

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みんなのレビュー2,108件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

全部まとめてみんな好き

2010/01/15 20:11

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

全部まとめてみんな好き。


この言葉に尽きる。

もう一度言う。キャラから設定から構成、展開まで全部まとめてみんな好き(好み)な作品だ。

辛いバックグランドを持って育った兄弟、和泉と春。和泉と春はスプリングで、泉はSpringで春もSpring。和泉と春は兄弟で、父と母の子だ。それに和泉も春も父に似て嘘が下手だ。

時を経て遺伝子研究会社に勤める和泉と落書き清掃作業に従事する春。大人になった今も二人の仲はいい。そんな二人が暮らす街で連続放火事件が発生し、二人は犯人の追跡に乗り出す。しかし辿り着いた真実は、和泉の予想を遥かに超えるものだった。そしてそのまた上を行く展開が読者を待っていた。

最後半部分に差し掛かれば先は読めなくもないのだが、61もの構成部分(目次)に分かれ、現代のストーリー展開に無秩序のように絡んでくる回想がこうも巧くまとまるものか、と思わず唸ってしまう。

もう何をどう言っても言葉が足らない。書きたいことがたくさんありすぎてまとまりもしない。例えばキャラクター。例えば構成。例えば展開。そのどれもが好みすぎて、何から書けばいいのやら…。

そういえば、読み終えて冷静になって考えてみると不思議なことがひとつある。物語は兄・和泉による「私」目線で進行するのだが、全体を通して物語を導いているのは弟の春なのだ。和泉だけでなく読者さえも、春によってリードされている。お、恐るべし伊坂幸太郎。

さて、構成や展開とは関係ないお話を少し。以前から何度も書いているが、伊坂作品は読者に考える契機を与えようとしている気がする。(未読の人には何のことだからわからないかもしれないが)批判される可能性があることを覚悟で書くが、わたしの刑罰に対する考えは春のそれに似通ったところがある。人を殺した人間は法に則って裁かれるべきだと思うが、猫や犬や子どもやその他弱者を理由なく殺した人間は万死に値する。

また個人的には「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対する答えに窮するやりとりなども自分に経験があるだけに重く圧し掛かった。「日本は法治国家だから」という教授には、「法治」の意味を辞書で引け!と思ったし(法治とは、法に則ることを指します。例えその法が悪法でも構いません)、相変わらず本の世界に感情移入してしまう癖は抜けない。


本作で一番心に残った言葉がひとつ。
「本当に深刻なことは、
 陽気に伝えるべきなんだよ」
という春の言葉。


この言葉はほぼ全ての伊坂作品の根幹に根付く著者の思いのような気がした。

最後に、ここまで絶賛しておいて恐縮だが、伊坂作品は好き嫌いが分かれるように思う。また、伊坂作品の中においても好きな作品と嫌いな作品が分かれると思う。というわけで、選書はひとつ自己責任で(と責任は他人に転嫁)。

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紙の本

主役は父親

2008/12/08 22:10

8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

重力ピエロ 伊坂幸太郎 新潮文庫

 弟の名前は「春」1973年4月8日生まれ、2歳年上である兄の名前は「泉水(いずみ)」、ふたりは異父兄弟。弟はレイプで生まれたこどもだが、4人家族で暮らしていた。そして、母が死去、父は胃ガンで入院している。
 同時期に柳美里(ゆうみり)の「ゴールドラッシュ」を読んでいました。両者ともにテーマは「なぜ人を殺してはいけないのか」であり、この本の春もゴールドのかずきも同じ罪を犯します。
 最初の17ページまでで春の圧倒的な魅力の虜(とりこ)になります。473ページに渡って、こま切れの話が続きます。文章もぶつ切れ形式なので読みにくい。
 弟春のことを放火事件にからめて語る兄いずみです。放火話はゴールドラッシュでもとりあげられています。
 DNAとか遺伝子情報にこだわる。生物学上の父と育ての父をもつ春の遺伝について焦点を絞ってあります。260ページの整形は後の同著者「ゴールデンスランバー」への導線となっています。
 わたしは読んでいて、放火犯人の目途がつきません。春が犯人では物語が成立しません。390ページ、「目には目を」の解釈がいい。
 犯罪者は罰を受けるべきです。そうしないと被害者家族は犯罪者を殺します。親族の絆(きずな)は強いのですが、春の出生のあり方から考えるとこれはありえない話です。毒をもって毒を制すという理屈には共感しました。ゴールドラッシュと同様、愛情を中心に据えた物語でした。
 「重力ピエロ」というタイトルが内容と結びつきません。他のタイトルでもよかったと感じました。456ページの父親のセリフはよかった。重松清著「その日の前に」での癌で亡くなった奥さんのセリフ同様、ことし読んで心に残ったセリフとなりました。父親から息子へ、男から男への愛情でした。この本の主役は父親でした。

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紙の本

家族というもの。

2011/07/09 12:53

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

妙なタイトルの本だな、と思ったのが始めでした。伊坂さんの著書は大抵、中身は然ることながらタイトルやカバーまでもが魅力的。期待に胸を膨らませて、冒頭から面食らってしまった。

『春が二階から落ちてきた』

ストーリーの土台となる設定は暗いし、正常な人間ならば憤りを感じるような背景も見え隠れしているというのに流れが至って軽快。ネガティブ要因を発することもなく、淡々と物語りは展開されていく。

美青年の『春』は変わった性格をしている。実際にこういう人が友人にいたら、飽きないはずである。発想が突拍子も無いし、発想するだけでなく、それを実行に移してしまう。物事の枠組みというものをハナから無視するような言動が大胆で面白い。春と泉水の父親もだいぶ変わった性格の持ち主だし、母親も常軌を逸した行動を取ったりする女性。泉水が唯一まともな人格に思えるけれども、単に冷静なだけでやはり心の中は彩色豊かな人材ではないだろうか。こういう、登場人物に明確な個性を植え付け、印象を濃くする描き方には敬服します。だって、読了してからだいぶ経った今でも、春と泉水の両親がどんな人物であったか、人物像が浮かんでくるのだ。

一見、なんでもなさそうな放火事件が発生するけれど、そこにひっそりと横たわるルールを探る春と泉水。驚いたのは、DNAがそこで登場すること。一般の人は普通、DNAが何であるか、くらいの知識は持ちえているけれどもどんなコードがどういったルールにのっとってそこに存在しているのか、そのコードがコドンと呼ばれることなど知らないでしょう。でも、何故か引き込まれるし、面白い。そして、そのコードを形成するアルファベットと放火の繋がり。よくそこまで考えついたな、と感心するばかりである。

終盤、残念なことに少し先が読めてしまうんだけれど、泉水の行動に意外性があったりして飽きることはなかった。読み終えてみて考えたことは、家族についてでした。血の繋がりが確かにある家族、血は繋がっていないけれども絆が強い家族。痛ましいけれども、見事なまでの家族の絆に救いがある。人の心の光と闇を包み隠さず見せているような一冊でした。

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紙の本

最初の一文で心掴まれた!

2016/05/06 11:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る

ちょっと暗めな伊坂作品。とは言っても、兄弟愛、親子愛を満喫出来る。血が繋がってない息子に、俺に似てるという父親。読後感はいい。でも、犯罪物なんだけど…。

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電子書籍

かず

2016/04/07 13:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る

すばらしい。読み終えた後、じんわりと温かさが残った。

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紙の本

切なさと温かさ

2016/04/01 23:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る

最後まで家族や兄弟のことを信じていく家族愛。さまざまな出来事が意外な分野から解かれていく暗号と家族愛が描かれている。

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紙の本

おもしろい

2016/01/17 14:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:れん - この投稿者のレビュー一覧を見る

有名な作品だったので、購入してみました。
すごく読みやすかったです!

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紙の本

魅力がつきない

2015/12/11 17:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本当に、それぞれのキャラクターが魅力的で彼らが今に至るまで知りたくなる。

冒頭の和泉の春に対するモノローグも良いし(良い意味で、作家の若々しさが出ている)、
何といっても名言の宝庫は彼ら兄弟の父。
本作で、個人的に「そうだ、」と思える名言があった。

「最強の家族」

なれなくてもいい。誰のせいでもない。
ただ、そう思って関係を築くことには意義がある。
これは私の個人的な意見だけれど、あの父親なら「それでもいいよな」といいそうだ。

「名言DNA」、私は兄より弟に見出している。
遺伝子が全てではない。
血族に悩み、抵抗する人というのは、思いのほか身近にいるものだ。

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紙の本

重力ピエロ

2015/11/29 20:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:piero - この投稿者のレビュー一覧を見る

重力ピエロいいタイトルですね。内容も結末も最高でした。続編を期待したくならないくらいそのものが完璧でした。

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紙の本

とても物知りになった気分

2015/09/30 15:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:綾斗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

遺伝子や、ネアンデルタール人とクロマニョン人、ガンジー、などいろんな言葉が出てくるのに、最後すべてがまとまっていく爽快感を感じました。春も泉水も人間としてどこか欠けていて、そこがまた面白かったです。主人公が一番最初に出てきた事件の犯人だったところは、本当にびっくりして、そこからまたどんどん物語に引き込まれて行きました。

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紙の本

やはり

2015/09/08 22:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とちうし - この投稿者のレビュー一覧を見る

この人は頭がいいんでしょう。
最後にすべて結んだときの、読み手に伝わる満足感などすごいものがあります。
他の作品も読んでみたいなあって思いました

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紙の本

本屋大賞を見て読みました。

2014/10/13 01:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

本屋大賞を見て読みました。
放火事件の話。ユーモア、伏線、どれもがかみ合っています。あいかわらず名言だらけです。とても楽しかったです。

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紙の本

TTAGGG〜想いはDNAを超えられるか。

2006/07/27 16:35

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

実は伊坂氏の作品は本作が初めてだったのだが、何だか不思議な読み応え。ただ確かに「他には無い」読後感を味わえたように思った。
連続放火事件を追う兄弟。そして癌に侵された父親。彼らは放火現場に残される落書きに規則性を見つけ出し、犯人を追いかける。物語は放火事件からミステリ的側面を持ち、フーダニットからついにはホワイダニットへと進んでいくのだが。・・・どうもその辺りに本作のテーマは置かれていない。さも物語の中心に置かれているかのような放火事件、でもそこには物語の本質は存在しない。逆に、その周辺・枝葉の部分にこそ、この作品のテーマがあるように思うのだ。また本当に色んな方面よくよく調べられているらしく、ふと書かれた一言一言が、非常に重い。
ふと交わされる言葉、触れ合う手と手。そして深く交わる心と心。そんな描写にこそ重きが置かれ、この作品のテーマ・本質となっているように思えてならなかった。
仲の良い家族があった。仲の良い夫婦と仲の良い兄弟。普通の家族と何ら変わった事は無い。だけどただ一つ、異質な物が存在するとしたら。
それは弟の体に存在する他人の血と、DNA。兄がまだ幼い頃、母親は強姦され妊娠した。父親は二つ返事で、その子を誕生させる事を決めた。兄弟は事実を知ってからも仲良く、最強の兄弟として育っていくのだが・・・。
「血は水よりも濃し」とは良く言われる言葉。だがしかし。「血よりももっと濃い物がある」という事を、作品中聡明な父親がたった一言で、見事に言い表していた。苦悩する兄弟を救済した、あまりに素敵なその一言とは・・・実際その目で、確かめて欲しい。

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紙の本

やっぱ伊坂さんはイイです。

2007/10/31 01:51

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カンタ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回の作品は直感的に「落語を聴いているようだ」と思った。とにかく話の落ちどころがとても素晴らしい作品だと感心する。

「春が二階から落ちてきた」で始まる文章からして、何かを予感させるものである。一応、謎解きを盛り込んだ作品ではあるがサスペンスの意味合いはほぼないと感じた。

主人公とその弟の2人が軸に進む。ただし、この弟は母親がレイプされた時に出来た子供であった。出来た子供の出産することを決断し、受け入れた父親。この父親もキーポイントの1つになっている。
この「レイプされて出来た弟」との回想を含めて、非常に人間の心理を突いていて面白い。喧嘩になって「赤の他人に言われたくない」「お前は他人だ」とお互いに言ってしまいそうな状況であっても決して言おうとしない・・・そこには深い愛情とそれに応えようとする兄弟との堅い絆があるのです。


家族の愛と兄弟の愛を実感する一冊に仕上がっています。
表現的に難しい点もありますが、決して難解なものではありません。

機会があれば、ぜひおススメしたい文庫です。

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紙の本

パズル要素もあるが万人向けの作品だと思う。

2016/05/14 15:59

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂幸太郎さんにチャレンジした。
ラッシュライフと重力ピエロの二冊を読んだ。
重力ピエロのほうが気に入ったので書評に残す。
二冊読破で分かったのだが、伊坂さんの大きな魅力は、軽快なストーリー
運びとゲームを連想させるようなパズル感覚にあると思う。

解説でも触れていたが、心理描写は主人公に集中しており、
他の人物は行動描写ばかりである。
もちろん他人の気持ちは分からないから直接描写がないのは当然なのだが、
気になったのは人物像を彷彿させるようなふるまいが少なく、
ひたすら事件のために動かされている感じがする点である。

ひどい言い方になるが、シナリオに沿って動く駒みたいに感じる。
それでも重力ピエロは人物像に迫る部分が比較的あるので、万人向けと
思った次第だ。

まず章立てがおそろしく細かい。五十八章ある。
私は違和感があるが、これも特徴の一つなのだろう。
解説いわく、文庫化にあたって完全に挿入された章があるとのこと。
私はその章こそが人物像が浮かんでいて好きである。
しかし単行本のときにはなかった章だ。
つまり多くの部品で組み立ててあるということだ。

事件の根幹に関わる章は消せないが、ひょっとしたら章ごと前後に
移したりしているのかもしれない。まさしくパズル化。
ラッシュライフではそれを色濃く感じた。
だから小説の流れとかうねりとかは感じにくい。まあ趣味の違いと思うが。

泉水と春の兄弟の物語。
仙台市内で連続放火事件が発生しており、泉水の会社が放火にあう。
ところが放火の前に、春が留守電にメッセージを残すのである。
兄貴の会社が放火にあうかもしれないと。
兄弟は病気で入院中の父にも話をし、それぞれの謎解きが始まる。

兄の泉水は遺伝子情報を扱う会社。
謎解きにDNAの二重螺旋がからまり、秘密が深まっていく。

私が重力ピエロをいいと思ったのは、単なる謎解きに終始していないことだ。
そして物語にちりばめられた印象的なフレーズ。

「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
いくつかあるうちで一番気に入った文だ。
音楽みたいにスカンと入ってくるから、フレーズと呼んでみた。
その軽快さこそが、伊坂作品の特徴のように思った。

タイトルの重力ピエロも響きのよさがある。
伊坂さん好きの人とは違うところに目が行ったことは自覚している。
それも含め、万人向けの作品と評したい。

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