読割 50
紙の本
仔羊の巣 (創元推理文庫)
著者 坂木 司 (著)
自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は…。...
仔羊の巣 (創元推理文庫)
仔羊の巣
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商品説明
自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は…。また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解明するのか。ひきこもり探偵シリーズ第二弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
●有栖川有栖氏──「物語は続く。今、読まれるべき小説である。」(解説より)
季節はめぐり、僕、坂木司と鳥井真一のあいだにも、ゆっくりと変化の兆しは訪れていた。ひそやかだが確実な羽ばたきの予感、それが僕を不安にさせる。鳥井がひどい風邪をこじらせたある日、僕は同僚の吉成哲夫から、同期の女性の様子がおかしいと相談される。病気の鳥井に代わって、馴れない探偵役をつとめることとなった僕は……。また、木工教室を開くようになった木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅構内で見掛けた少年が抱える悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの謎を鳥井はどう解いていくのか。坂木と鳥井、2人に加わる新たな仲間と風。ひきこもり探偵シリーズ第2弾。著者あとがき=坂木司/解説=有栖川有栖【本の内容】
収録作品一覧
野生のチェシャ・キャット | 9-101 | |
---|---|---|
銀河鉄道を待ちながら | 103-192 | |
カキの中のサンタクロース | 195-306 |
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紙の本
青空の卵に続く引きこもり探偵シリーズ。
2017/12/24 20:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ二冊目。登場人物が一冊目から継続しているので、
できれば順番に読むほうがいい。探偵役の鳥井と語り役の
坂木の人間関係が、徐々に展開しているように感じる。
本書を単独で読んで、謎解きだけを味わうのでは、
ちょっともったいない。
ただ、引きこもりの話なので、万人向けとは言えない。
謎解き部分は誰でも楽しめると思うのだけれど。
三編の連作である。日常の謎に分類される。
「野生のチェシャ・キャット」「銀河鉄道を待ちながら」
「カキの中のサンタクロース」
それぞれの謎解きも魅力であるが、鳥井と坂木の独特な関係に
引き込まれてしまう。引きこもりという言葉は、どうしても負の
イメージがあるが、こうして小説仕立てで読むと、登場人物たちの
心理を読み込みたくなってしまう。
著者の趣味なのか、男性心理が少し現実感に乏しいが、
もしこれが女性の友情だったらぴたりと符合する気がする。
あとがきを見ると、モデルがいるように読めるので、ひょっとしたら
女性では書きにくかったのかもしれない。
作中、はしばしにある語り手の坂木の言葉が、とても印象的だ。
ひとつ抜き書きする。
>「寂しさに終わりはない。
> 僕らはいつでも、たった一人なのだから。
> でも、だからこそ誰かと共に歩きたいと願う。
> 強く、願うのだ。」
著者は、こんな言葉を物語のあちこちにちりばめて、なんだか、
誰かに手紙でも書いているみたいだ。
覆面作家なので、どんな人だか想像が膨らんでしまう。
少なくとも、女性であることは、ほぼ間違いないと思う。
紙の本
鳥井と坂木の仲のよさが誤解を招き……
2006/09/08 13:39
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
坂木司と鳥井真一シリーズ第2作。
幼少の記憶と傷つけられた思春期によって、引きこもり気味の鳥井。彼が本書でも探偵役として活躍します。
変わらず鳥井の世話を焼き続ける坂木の心情は、わからないのですが、本書では新たに10代の人物が次々と登場し、その繊細な心をさらけ出します。
もしかしたらこういう心を理解できない私は、優しくもなければ、その頃とは遠く離れた大人になってしまったのだろうな、と淋しくも思ったりして。
文句を言いながらも読み続けるシリーズではあるんだけれど、本書にもおいしい料理・お菓子が登場します。特に浅草の「梅むら」の豆かんと「入山」のおせんべい。私も大好き。
「野性のチャシャ・キャット」
坂木の同期吉成哲夫が、同じく同期の佐久間恭子が挙動不審だと相談してくる。キャリア志向の強い彼女がいわゆる「保険のおばちゃん」になろうとしているのではないか、という。
「銀河鉄道を待ちながら」
浅草のそばの職人英三郎は、坂木・鳥井・目の不自由な塚田を自宅に招く。細工物の講習の誘いだった。そこへ行く地下鉄の駅員下島に、1時間くらいホームの先頭で列車が入ってくるのを見ている中学生がいると相談を持ちかけられる。
すごくいい仕上がりなのに、唯一、英三郎の生徒とその中学生が繋がっているのがご都合主義。いちばんいい話なのに残念。
「カキの中のサンタクロース」
坂木は変な視線を感じたり、人にぶつかられたり、女子高校生にいじめられたりすることが続く。とうとう、巣田さんと一緒に歩いていたとき、砂を詰めたワインボトルで坂木のふくらはぎを叩いていった女が現れる。
紙の本
二人は、成長、したのか?
2019/06/22 10:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひきこもり探偵の鳥井と、親友の坂木のシリーズ2作目です。
前作も、日常の謎(というには物騒なこともあるけど)を解きつつ、人間の成長や関係性に重きを置いた作品でした。今作も、その流れです。
今作から読むことも不可能ではないと思いますが、前作からのキャラクターが総動員しているので、前作から読むことがお勧めです。
2人の周りに、人が増えていって、どんどん楽しくなっていきます。しかし、「この調子だと鳥井も独り立ちか?」と思っていると、それも難しそう。。。坂木の方にも変化が必要だし、今後(あと一作しかないですが)に、不安とともに期待です。
このシリーズは、ミステリーでもありますが、人間の関係や成長にかなりの焦点を当てているので、そこがやはり見所です。逆に、「自分は推理だけを楽しみたいんだ!!」という方には、人間ドラマに焦点が当たりすぎていて不満かもしれません。ストーリー自体が多分な偶然に依存していることも否定できませんし。。。
おまけとして、この本を読むと、料理やお茶に微妙に詳しくなっていきます。
電子書籍
ひきこもり探偵シリーズ第二弾
2019/11/12 14:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作比引き続き、キャラクターは当然ですが、展開も同じような感じかなあ。
探偵役にこう言わせたいとかっていうプロットが鼻につくと辛いですね。
紙の本
読了
2019/12/30 21:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第2弾。さまざまな人との出会いを通じて少しずつ変化を見せる鳥井、一方で坂木自身も悩み苦しむ。鳥井が見せる子どものような一面を見るとなんとも言えない気持ちになる。でも少しずつ進み始めている鳥井と坂木の姿に胸が熱くなる。
鳥井さんがつくる料理を食べてみたい。鳥井にとっては自分がつくった料理をだれかに食べてもらうという行為も意味がある大切なこと何だろうなと思う。