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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.8
- 出版社: みすず書房
- サイズ:20cm/133p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-622-07235-1
紙の本
批評と真実
そもそも、今日において批評は何を探求すべきか? 文学の科学、文芸批評、そして読書。新批評に対する攻撃への反批判として書かれながら、作品の意味作用をめぐる「批評原論」となっ...
批評と真実
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商品説明
そもそも、今日において批評は何を探求すべきか? 文学の科学、文芸批評、そして読書。新批評に対する攻撃への反批判として書かれながら、作品の意味作用をめぐる「批評原論」となった、バルトの小さな主著。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ロラン・バルト
- 略歴
- 〈ロラン・バルト〉1915〜80年。フランスの批評家・思想家。著書に「テクストの快楽」「モードの体系」「明るい部屋」など。
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紙の本
内容紹介
2006/07/14 16:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みすず書房 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロラン・バルトが亡くなった1980年、今はなき文芸誌『海』に翻訳紹介されたのみで、四半世紀にわたって刊行を待望されてきた『批評と真実』が、ついに一冊の書物として刊行される。伝説的なこの本には、いったい何が書かれているのだろう。
バルトの『ラシーヌ論』を筆頭とする、いわゆる「新批評」に対して、1960年代の大学教授たちとジャーナリストは激しい攻撃をした。今では考えられないほど、文学研究は保守的だったのである。なかでもラシーヌを専門分野とするレーモン・ピカールは、自らの聖域に踏みこんできた批評家を憎むあまり、『新批評または新手の詐欺』という本まで著した。『批評と真実』はとりあえずは、この集団リンチに対する反撃として始められる。
古い批評によれば、文学という「国家」において、批評は警察とおなじく統制されていなければならない。作品という第一のエクリチュールから第二のエクリチュールを作り出す新批評は、とても許されることではなかった。古い批評は「もっともらしさ」に支えられており、「客観性」と称して自由な意味作用をさまたげ、「趣味」と称して散文の物質性をいやがる。新批評に対して「なぜもっと簡単なものの言い方をしないのか」と文句をいう古い批評こそ、もったいぶったものの言い方は得意技ではないか。
そして第二部でバルトは敢然と、当時の文化的状況におこった根本的な変化(精神分析と言語学)をとらえて、批評とは何かをラディカルに論じてゆく。マラルメ、ロートレアモン、ランボー、プルースト、カフカ……。こうした現代作家たちの作品を読むためには、からみあった三つの行為が必要になる。まずは、作品そのものに自分がなりたいと思うような「読書」、そして、いつの日かあらわれるであろう文学の「科学」、そのあいだにあって、「自分自身の言語を欲する」ところから生まれる「批評」の三つ。
「こうして書物のまわりを言葉が回転する。読むこと、書くこと。一つの欲望からもう一つの欲望へと文学全体が進む。読んだからこそ書くようになった作家がどれほどいたことだろう。ただ書くためにだけ読書した批評家がどれほどいたことだろう。かれらは書物の二つの岸辺、記号の二つの面を近づけて、そこからたった一つの言葉を生み出そうとした。批評とは、われわれが参入してゆく歴史の瞬間、われわれをエクリチュールの一貫性へと——エクリチュールの真実へと導く、あの歴史の一瞬間にほかならない。」